連載資金調達の週報

建物の消防点検業務を簡素化する、スマテンが総額1.3億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。

全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。

今週も日本から4社をピックアップした。

2020年6月15日〜2020年6月21日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY YUI TSUJINO
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スマテン:消防設備点検を気軽に依頼できるプラットフォーム

株式会社スマテン

資金調達概要

調達額
総額1.3億円
調達先
株式会社環境エネルギー投資

サービス概要

建物の消防設備点検をしたい建物管理者と消防点検事業者をつなげるプラットフォーム「スマテン」を展開する、スマテン

建物管理者は、Web上でネット消防設備の点検依頼や管理業務を完結できる。消防点検事業者は、専用のスマートフォン向け点検アプリから、点検報告書の作成が可能。

法令点検にも関わらず、現状49.8%にとどまっている消防設備点検の実施率を100%にすることが目標だという。現在、スマテンのパートナー事業者数が160を超え、全国的に消防設備点検をカバーできつつある。今後は建築設備点検や防火設備点検など、その他の法令点検も取り扱う予定。

CEOの都築啓一氏は、もともと名古屋で飲食店を経営していたが、東日本大震災をきっかけにボランティアをするようになった。そして現地でひどい火災で焼け野原になっている街を目の当たりにし、防災事業に興味を持つようになり、起業に至ったという。

今回の資金調達により、プロダクト開発と営業組織を強化する予定だという。

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Craif:尿検査でがんを早期発見する

Craif 株式会社

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
【新規引受先】
大和企業投資株式会社
Aflac Ventures LLC.
森トラスト株式会社
FF APAC Scout
他、本邦大手企業1社、米国投資ファンド1社
【既存引受先】
ANRI

サービス概要

わずか一滴の尿からがんの早期発見を目指す、名古屋大学発ベンチャーCraif(旧 Icaria)。

同社が開発した独自デバイスを用いることでエクソソーム(がん指標化合物)を抽出でき、疾患の発症や悪性化をAIが解析することで高精度でがんの検出に成功している。本技術を応用することで、一人ひとりに最適な治療の選択が可能となる検査を開発し、人々ががんで命を落とすことのない世界を目指す。

CEOの小野瀬隆一氏は、三菱商事に新卒入社、サイドビジネスで民泊会社を創業、全国で事業を展開した経験を持つ。その中でAirbnbに出会い、スタートアップの世界や凄さに惹かれたという。その後、「人類の進歩に寄与する事業を興し続ける」事を人生のテーマに定め2018年4月に三菱商事を退職、2018年5月に同社を創業。

今回の資金調達により、独自デバイスのさらなる開発や臨床研究の推進をおこなう予定だという。

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FRAME00:ブロックチェーンでクリエイターの活動をサポート

フレームダブルオー株式会社

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
Monex Ventures
MIRAISE

サービス概要

ブロックチェーントークン「Dev」、 クリエイターを気軽に支援できるDev取引プラットフォーム「Stakes.social」を展開する、FRAME00(フレームダブルオー)

Stakes.socialでは、クリエイターの活動にDevを預けると、クリエイターの活動資金として充当され、収益は利子として支援したユーザーに還元される。これまで評価されていなかった活動が収益化され、誰かを支援することで利益を得られる世界を目指している。これまでのクリエイターの累計支援総額は、約6,000万円相当を超えている。

CEOの原麻由美氏は、前職を通して、全国に数千人もの伝統職人の方々が働いて手にした12ヶ月分の売上が、あるソーシャルゲーム会社の1ヶ月分の売上と同じであることに違和感を覚え、同社を創業した。

FRAME00は、「すべてのイノベーターが評価され、持続的に挑戦できる社会をつくる」をミッションに、より良い世界を創ろうと挑戦するクリエイターのエコシステム構築に挑戦している。

今後は、様々な活動が収益化できるようパートナーを増やしていくとともに、DEVトークンの海外での仮想通貨取引所への上場(IEO)を進める予定だという。

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SOUNDRAW:AIが自動で楽曲を作成

SOUNDRAW株式会社

資金調達概要

調達額
6,500万円
調達先
株式会社KVP
株式会社DEEPCORE
砂川 大氏
福田 淳氏
山下 修平氏
金當 一臣氏
他数人

サービス概要

誰でも楽曲を作ることができるAI作曲クラウドサービス「SOUNDRAW」を展開する、SOUNDRAW

ジャンルやムードなどを選ぶだけで、AIによって楽曲が自動生成される。その後、テンポ・楽器・曲の構成・尺などを自由に編集でき、思い通りの楽曲を簡単に作れる。また、近日中にはAdobe Premiere Pro, After Effectにも対応する予定。

SOUNDRAWはベータ版を公開しており、誰でも無料で使用可能。今後、AIによってフレーズ数を増幅させ、継続的に楽曲ジャンルを追加し、オフィシャルローンチは2020年10月頃を予定している。

CEOの楠太吾氏は、趣味で動画編集をしていた頃、動画に合ったBGMを探すのに苦労を要し、BGMの盛り上がるタイミングや尺を自分で簡単に編集できればいいのになと思ったことがきっかけで、SOUNDRAWを開発したそうだ。

今回の資金調達により、オフィシャル版の開発を進める予定だという。

こちらの記事は2020年06月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集

辻野 結衣

1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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