連載資金調達の週報

SaaSを使い続けてもらうためのツール。
KiZUKAIが総額8,000万円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース

関連タグ

「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツやイベントなどを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。

『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。

今週は、副業マッチングサービスや位置情報データのAI解析プラットフォームなどを提供する計4社をピックアップした。

2020年7月13日〜2020年7月19日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY YUI TSUJINO
SECTION
/

KiZUKAI:SaaSの解約率をAIが改善

株式会社KiZUKAI

資金調達概要

調達額
総額8,000万円
調達先
Reality Accelerator

サービス概要

SaaS企業向けに、AIを用いたLTV/解約率の改善ツール『KiZUKA(キヅカイ)』を展開する、 KiZUKAI

AIが解約の可能性が高い顧客を抽出することで、適切なアプローチ方法の手がかりとなり、解約率の改善に取り組むことを支援する。

具体的には、AIアルゴリズムが顧客の行動を自動分析し、解約傾向や解約の要因を明確にする。2019年12月のサービスリリースから大手企業を中心に導入が進み、実際に解約率が16.2%改善した顧客がいるそうだ。

CEO山田 耕造氏は、ベルシステム24などでの勤務を通して、CXに関する幅広い経験と知識を深めた。その後、2016年3月にモンリッチ(現:KiZUKAI)を創業し、大手企業を中心にCX戦略のコンサルティングを開始。

今回の資金調達により、より顧客ニーズに合うプロダクトの開発、組織体制の構築を加速させる予定だという。

SECTION
/

シューマツワーカー:働き方を自由自在に

株式会社シューマツワーカー

資金調達概要

調達額
約4億円
調達先
東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社
株式会社環境エネルギー投資

サービス概要

エンジニア・デザイナー・マーケターを中心としたDX人材の副業マッチングサービス「シューマツワーカー」など、働き方を多用化させるサービスを展開する、シューマツワーカー

シューマツワーカーは、副業を始めたい人に向けて、週末や平日夜などの空いてる時間に働ける企業を紹介するサービス。

同社はシューマツワーカー以外にも、テレワークが中心のフリーランスエンジニアを紹介するサービス「ミライエンジニア」、働き方に特化した転職エージェントサービス「LIFE is」、企業の副業社員活用を推進するメディア「副業社員.JOURNAL」を提供している。

CEO松村 幸弥氏が同社を創業したきっかけは、過去に投資関係の詐欺の被害にあったことだという。当時、落ち込んでいた時に、優秀な同世代の起業家と出会い、起業を志したそうだ。最初に開始したサービスはあまり伸びず、ピボットした結果、現在のシューマツワーカーの形に行き着いた。

今回の資金調達により、新規事業を含めたサービス開発・改善・マーケティング、組織の強化をおこなう予定だという。

また、今回の資金調達における投資家である東京理科大学との共同研究の検討を開始。副業の稼働状況や評価等を蓄積し、日本最大の信頼データベースの構築を目指すという。

SECTION
/

クロスロケーションズ:ロケーションテックを加速

クロスロケーションズ株式会社

資金調達概要

調達額
2億2000万円
調達先
東京理科大学ベンチャーファンド

サービス概要

位置情報ビッグデータをAIが解析・可視化するプラットフォーム「Location AI Platform」を展開する、クロスロケーションズ

Location AI Platformでは、AIが位置情報ビッグデータから消費者行動の分析・見える化を行った上で、マーケティングと効果測定を一気通貫で実行できるプラットフォーム。

位置情報に絡めた「人流モニタリング」「商圏分析」「施策のプランニングおよび実施」「効果測定」など、マーケティング戦略立案に必要な情報を自由に組み合わせてレポートが作成可能。

分析結果を生かした新サービス「XL ロケーションベースアンケート」「XL ロケーションベース広告」も提供開始。「XL ロケーションベースアンケート」では、商圏が移動した場所・ユーザーなどへ、消費者調査できる。「XL ロケーションベース広告」では、指定のエリアの消費者に対し、モバイル広告・オフライン広告に加え、サイネージ広告、SNS広告の配信が可能。

CEO小尾 一介氏は、デジタルガレージ取締役や、Google Japanでの戦略的事業提携の責任者を歴任するなど、輝かしいキャリアを有している。 そして、2018年1月にクロスロケーションズ(株)代表取締役就任。

今回の資金調達により、Location AI Platform のバージョンアップ開発、位置情報データ解析技術 ” Location Engine” の高度化や市場導入の推進をおこなう予定だという。

SECTION
/

DRONE PILOT AGENCY:ドローンが建物の脆弱性を検知

DRONE PILOT AGENCY株式会社

資金調達概要

調達額
1億円
調達先
株式会社カクイチ
株式会社サイバーエージェント・キャピタル

サービス概要

ドローンを活用した画像分析AIにより構造物の劣化診断を行うサービスを展開している、ドローンパイロットエージェンシー

建物には必ず、ひび、タイルの浮きといった劣化が生じる。これをドローンで撮影し、画像分析することにより、どこにどういう劣化があるかを自動で検出。ドローンを使うことで、高所作業や人の目で見る属人的な検出が必要なくなるという。

災害時にも活用され、昨年の台風被害の際には、電力インフラの状況把握のために寸断された道路状況でもインフラ状況の確認を実施できた。

DRONE PILOT AGENCYは、日本最大のドローンの学校である日本ドローンアカデミーより出資を受けており、400人以上のドローンパイロットを有していることが強みだ。

今回の資金調達により、技術者の採用、プロダクトの機能拡張・精度向上、営業体制の強化をおこなう予定だという。また、今回の資金調達における投資家であるカクイチと、新たな事業領域を展開することを検討。

こちらの記事は2020年07月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

次の記事

記事を共有する
記事をいいねする

執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集

辻野 結衣

1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

おすすめの関連記事

会員登録/ログインすると
以下の機能を利用することが可能です。

新規会員登録/ログイン