連載資金調達の週報
営業が成功する秘訣をAIが教えてくれる。
レブコムが累計15億円を資金調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2020年9月28日〜2020年10月4日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY HUSTLE KURIMURA
レブコム:営業電話を解析し、商談獲得をサポートするツール
資金調達概要
調達額 |
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累計15億円 |
調達先 |
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WiL |
NTTドコモ・ベンチャーズ |
KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号) |
新生企業投資 |
Sony Innovation Fund by IGV |
ALL STAR SAAS FUND |
ディープコア |
DNX Ventures |
博報堂DYベンチャーズ |
三菱UFJキャピタル |
ミロク情報サービス |
サービス概要
営業におけるトークの可視化、商談に繋がる営業トークの分析をサポートする音声解析AI電話『ミーテル』を展開する、レブコム。
『ミーテル』は、営業電話の内容に対してフィードバックを行うことで商談獲得率・成約率向上を実現する、IP電話システムを活かしたサービスだ。具体的には、電話営業やコールセンター業務における会話のラリーの回数や話す量・聞く量、会話のジャンルをAIが検出し、それらの情報をもとに独自のフィードバックをおこなうという。同サービスは、リリースから開始約1年半で10,000ユーザーに利用されているそうだ。
同社は2020年にGoogle for Startups Acceleratorに採択されたほか、2019年にはB-Dash Camp2019とTechCrunch Tokyoのそれぞれで優勝。日本HR大賞や東京都主催世界発信コンペティションなどの様々な大会でも入賞するなど、『ミーテル』は外部からも高い評価を受けている。
今回の資金調達により、新サービス開発および更なるサービス品質向上ための研究開発、海外進出、組織基盤強化等の事業投資をおこなう予定だという。
代表の會田武史氏は、三菱商事で勤務した経歴を持つ。当時、やりたいことが見つからない自分の将来を危惧し、「今後3〜5年で大きな波になる技術」と「自分が世の中に対し、課題に感じていること」を掛け合わせた事業を始めようと思ったことが同社創業のきっかけになったそうだ。
Sozi:「好き」を表現するクリエイターと「好き」を応援するファンをむすぶ
資金調達概要
調達額 |
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非公開 |
調達先 |
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グリーベンチャーズ |
Heart Driven Fund(株式会社アカツキ) |
富島 寛氏 |
藤崎 研一郎氏 |
関 喜史氏 |
山内 一馬氏 |
サービス概要
ファンレターサービス『OFUSE(オフセ)』とイラストアプリ『pib(ピブ)』を提供する、Sozi。
『OFUSE』は、クリエイターへの「ありがとう」の気持ちを、1文字2円で送れるWeb上のファンレターサービスだ。ユーザーとなるクリエイターは『OFUSE箱』と呼ばれる自身のマイページURLを共有するだけで、ファンからの応援や感謝の気持ちを簡単に受け取れる仕組みになっているという。
『pib』は、制作したイラストを投稿するだけで、そのイラストを本当に好きな人のもとへ届けるスマートフォンアプリ。ユーザーには、クリエイターの情報が伏せられたイラストが日々届くことで、自分の価値観のみで好きな作品を集めることができる。また、『ルーム』と呼ばれる機能で、クリエイターとファンの新しい出会い方を提供している。
今回の資金調達により、各プロダクトの機能拡充およびマーケティング強化をおこなう予定だという。
「僕自身、アニメが好きでたくさんの作品に励まされてきたので、クリエイターにその感謝の気持ちを伝えられるようなサービスを作りたかったんですよね。」と語る代表の宮村哲宏氏が、『OFUSE』に賭ける思いを綴ったnoteもぜひご一読いただきたい。
モノグサ:AIが自動で学習教材を作成する
資金調達概要
調達額 |
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4.4億円 |
調達先 |
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WiL Fund II, L.P. |
UB VENTURES |
サービス概要
学校・塾・語学教室などの教育機関向けを中心に、学習支援SaaS『Monoxer』を展開する、モノグサ。
『Monoxer』は、先生が生徒に覚えて欲しい内容を登録するだけで、その内容を定着させるために必要な問題をAIが⾃動で作成するサービス。生徒の定着度に応じて、問題の出題頻度や難易度が調整されるため、一人ひとりのレベルにあった学習を促すことができ、学習の個別最適化にもつながるという。
同サービスの魅力は、問題の自動作成や個別最適化の機能だけではない。学習履歴の解析を通じて一人ひとりの定着度を可視化し、教育担当者が注力すべきポイントを一目でわかりやすく表示する機能は、同サービスの強みの一つだそうだ。
今回の資金調達により、主に人材の採用・サービスの強化に活用し、教育業界のデジタルトランスフォーメーションを推進する予定だという。
代表の竹内孝太朗氏は、リクルートにて『スタディサプリ』の高校向け営業組織の立ち上げや学習到達度測定テスト、オンラインコーチングサービスの開発に従事。また、共同代表の畔柳圭佑氏は、グーグルにてAndroid、ChromeOSチームで活躍した経歴を持つ。二人は高校の同級生であり、竹内氏から畔柳氏にサービスのアイデアを共有したことが起業のきっかけだったという。
わたしは:ユーモアなAIで世界を愉快に
資金調達概要
調達額 |
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非公開 |
調達先 |
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DEEPCORE |
DG Daiwa Ventures |
個人投資家1名 |
サービス概要
『大喜利AI』、AI同士がおもしろいトークをし合う『ペチャクチャ』、AIが自動でおもしろ動画を生成する『ドリアン』、広告事業など、AIを用いたユニークなプロダクトを開発する、わたしは。
同社はユーモアを扱う独自の対話AI技術を活用し、コアプロダクトである『大喜利AI』を開発。同サービスの現在の登録ユーザー数は、54万4000にものぼるという。また、『大喜利AI』に関連するツイートが月間9,000万インプレッション以上を集めるなど、じわじわと同サービスの認知度も広がっているそうだ。
同社は『大喜利AI』の開発によって得たナレッジを活かし、「ユーザーとAIが共創するコンテンツ」がSNS上で拡大する過程に、企業の広告やブランド情報を含めることができる独自のユーザー生成型広告事業も展開している。顧客は消費財メーカーやtoCサービスを扱う事業会社が中心であり、広告プロモーションサービスとして今後も拡大を図るという。
今回の資金調達により、『大喜利AI』に続く新たなAIサービスと、それを用いた広告事業の開発をおこなう予定だという。
代表の竹之内大輔氏は、世界に存在する対話型AIが「クエスチョンに対していかに的確なアンサーを当てるか」に焦点を当てていることに疑問を持ったことが、サービス開発のきっかけになったと語る。「人間の会話はもっと幅があるのでは?」と考え、ユーモアな会話ができるAIの開発に踏み切ったという。
こちらの記事は2020年10月07日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集
ハッスル栗村
1997年生まれ、愛知県出身。大学では学生アスリートを取材し、新聞や雑誌の制作・販売に携わる。早稲田大学文学部在学中。
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