連載資金調達の週報
アクティブシニアの“就労支援”を。ぴんぴんころりが総額8200万円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2021年12月7日〜2021年12月13日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY OHATA TOMOKO
- EDIT BY YUI TSUJINO
ぴんぴんころり
シニアが活躍できる場を創出する
資金調達概要
調達額 |
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総額8,200万円 |
調達先 |
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ANRI |
株式会社セゾン・ベンチャーズ |
南 章行氏(株式会社ココナラ / 代表取締役会長) |
西川 順氏(franky株式会社 / 取締役COO) |
サービス概要
育児・家事支援サービス『東京かあさん』を運営している、ぴんぴんころり。
『東京かあさん』は、「ご近所にもうひとりのお母さんを」をコンセプトに、主婦がご家庭に訪問して育児や家事のお手伝いをするサービスだ。料理や掃除、育児サポート、ペットシッターなど幅広い依頼に対応しており、利用者に合わせてカスタマイズできる。
今回の資金調達により、各種ポジションの採用、シニアワーカーと利用者の獲得を強化する予定だ。
代表 小日向えり氏は、仕事を辞めて元気を失った祖母を見て「生きがいのある仕事を持って働くことが、シニアにとって1番元気でいられる方法なのではないか」と感じた。そこで、「ずっと元気でいてもらうために、シニアの就労支援をしたい!」という思いを掲げ、2017年7月に同社を設立した。
今回VC、エンジェル、事業会社、合わせて30社以上出資のお願いに回りました。
— 小日向えり (@erikohinata) December 9, 2021
リードVCがANRI @ANRI_VC さんで、すごく嬉しい。
代表の佐俣さんの「起業家は太陽で、キャピタリストは月」の言葉を体現したかのような、河野さんの起業家を大切にする姿勢にジーンとしました。https://t.co/1YvvoYo4jq
KINCHAKU
“ウォッレトパス”を活用し、顧客ロイヤルティを向上させる
資金調達概要
調達額 |
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非公開 |
調達先 |
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近鉄ベンチャーパートナーズ株式会社 |
サービス概要
実店舗・施設向けに、デジタルカードを活用したO2O(Online to Offline)エンゲージメントサービス『KINCHAKU』を提供している、KINCHAKU。
『KINCHAKU』は、Apple WalletとGoogle Payに保存できる「ウォレットパス」を活用し、従来、紙や独自アプリを導入して配布・管理していた割引券やスタンプカード、 チケットなどのロイヤルティプログラムをデジタル化する。
キャッシュレス決済にも対応しており、利用履歴から顧客の特徴を把握しプロモーションのパーソナライズなどにも活用できる。
今回の資金調達により、事業やプロダクトの開発、人材・R&Dへの投資を積極的に行なっていく予定だ。
代表 新宮ドミ氏は、EC事業や広告代理店のWeb制作を経て、IoTやFintechのSaaS・PaaS企画・開発・運営を担当。活動拠点を福岡市内に移し、2018年7月に同社を設立した。
Capichi
フードデリバリーを通した素敵な体験を東南アジアに届ける
資金調達概要
調達額 |
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4,000万円 |
調達先 |
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株式会社Luatsu |
株式会社 I-GLOCAL |
Sunrise Advertising Solutions Co Ltd |
サービス概要
ベトナムのハノイ・ホーチミンを拠点に、フードデリバリーサービス『Capichi』を運営している、Capichi。
『Capichi』は、アプリで飲食店動画検索や、レストランのテーブル予約、フードデリバリーのオーダーなどを行える。
2021年10月時点で、会員ユーザー数は6万人、提携店舗数は600店舗を超えている。
今回の資金調達により、ベトナム人中間富裕層・富裕層へのマーケティングとチーム体制を強化。また、ベトナムのビンズン、インドネシアのジャカルタへのサービス展開を行う予定だ。
代表 森大樹氏は、20歳でベトナムに渡り、現地のIT開発企業BEETSOFT Co.,Ltd.に入社。営業、開発ディレクション、マーケティング、ITコンサルティングなどを担当。ベトナムで生活する中で、ベトナムの未来に大きな可能性を感じ、2019年7月に同社を設立した。
株式会社Capichiの資金調達を完了しました。投資と銀行からの融資合わせて4000万円。
— 森 大樹 / Capichi Inc. CEO (@mrtai114) December 12, 2021
チーム体制の強化、マーケティング展開、進めていきます!
まずはベトナムで国籍を超えて愛され、より多くの人の生活を豊かでワクワクするサービスにできるように一層全力で頑張りますhttps://t.co/sXyMgdfsTG
Kyuzan
グローバルで利用できるNFT発行プラットフォームへ
資金調達概要
調達額 |
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総額2.6億円 |
調達先 |
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Z Venture Capital |
ANRI |
サービス概要
ブロックチェーンゲームシステムを支える技術基盤『KYUZAN Core』を開発している、Kyuzan。
同社は、KYUZAN Coreを活用し、ゲーム情報メディアを運営しているGameWithと共同で、ブロックチェーンゲームアプリケーション『EGGRYPTO』を開発。また、ブランド・クリエイター・IP企業が直接NFT(非代替性トークン)の発行・販売を行える、NFT開発プラットフォーム『Mint』も運営している。
今回の資金調達により、『EGGRYPTO』『Mint』の成長拡大に向け、プロダクト開発、人材採用に投資を行う予定だ。
代表 髙橋卓巳氏は、東京大学大学院修士卒。大学にて、プライバシー保護データマイニングと完全準同型暗号を用いた秘匿計算のビッグデータ分析への応用に関する研究に従事。フリーランスで、ブロックチェーン開発に携わり、2018年4月に同社を設立した。
こちらの記事は2021年12月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
大畑 朋子
1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。
編集
辻野 結衣
1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。
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