連載資金調達の週報
3万社が使うVRツール、VTuberになれるアプリ、アリペイ運営企業など──押さえておきたい資金調達の週報【〜6月10日】
資金調達が活況となり、日々調達のニュースが溢れている。
一つひとつを追いかけるのが大変な読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介している。
今週も日本から4社、海外から2社をピックアップしたい。2018年6月4日〜2018年6月10日分過去の週報はこちら
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
InstaVR: VRコンテンツの制作配信プラットフォーム
資金調達概要
調達額 |
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約5.2億円 |
調達先 |
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YJキャピタル |
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ |
みずほキャピタル |
グリーベンチャーズ |
コロプラネクスト(Colopl VR Fund) |
The Venture Reality Fund |
サービス概要
トヨタやアメリカ合衆国農務省など、世界で3万社が活用するVRコンテンツ作成ツールの開発元『InstaVR』。
360°カメラで撮影した映像さえ用意すれば、特にプログラミングなどの知識がなくてもVRアプリをワンクリックで生成できる。VR再生エンジンを独自開発することで、さまざまな種類のVR動画、画像フォーマットの入力に対応。制作したコンテンツは主要VRヘッドセットのほか、スマホやタブレット、ウェブ上で配布できる。
人材育成の課題解決のために訓練や研修をVR化するニーズが高まっているため、「人材育成VRプラットフォーム」の提供も開始している。
サスメド : 不眠症の治療用アプリ
資金調達概要
調達額 |
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7.2億円 |
調達先 |
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Beyond Next Ventures |
SBI インベストメント |
第一生命保険 |
エムスリー |
Sony Innovation Fund |
東京センチュリー |
サービス概要
不眠症治療用スマートフォンアプリの研究開発を行う『サスメド』。
睡眠薬の処方量が先進国の中でも多い日本。疾病リスクの低減や生産性向上につながることもあり、薬剤に依存しない不眠症の治療法の普及が期待されている。睡眠医療に従事してきた医師が立ち上げたサスメドでは、非薬物療法のノウハウを組み込んだ治療用のアプリを開発。複数の医療機関との臨床試験を済ませ、2018年6月からは医療機器承認に向け治験を開始する予定。
ウェルモ : 介護×ITで複数事業を展開
資金調達概要
調達額 |
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4.5億円 |
調達先 |
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フェムトパートナーズ |
アイ・マーキュリーキャピタル |
SXキャピタル |
サービス概要
介護福祉領域の課題をITを用いて解決する『ウェルモ』。
東京都と福岡市近郊で1.5万近くの介護事業所データを保有する「ミルモ」では、これまで大量のチラシやフォルダにちらばっていた介護サービス情報を透明化・集約。ケアマネジャーやソーシャルワーカーといった相談支援に携わる専門家が、利用者のニーズに合わせた介護サービスを提案するサポートをする。
またケアマネジャーにとって業務負担の大きいケアプランの作成を支援するAIエンジン「CPA(ケアプランアシスタント)」の研究開発にも取り組む。
カバー : VTuber向けなりきりアプリ
資金調達概要
調達額 |
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2億円 |
調達先 |
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グリーベンチャーズ |
オー・エル・エム・ベンチャーズ |
みずほキャピタル |
個人投資家の千葉功太郎氏 |
サービス概要
スマートフォンでVTuberになりきれるアプリ「ホロライブ」を提供する『カバー』。
ホロライブはスマートフォンの前面カメラから配信者の表情を認識することにより、リアルタイムでキャラクターになりきることができる。キャラクターは3DとLive2Dに対応。特にiPhone X版では目と口の開閉も反映し、よりリアルななりきりを実現する。
カバーにはチャンネル登録者数が15万人をこえる「ときのそら」など複数のVTuberが所属。今後はホロライブの開発に加えて、専属VTuberのマネージメント体制も強化する方針。
meesho: インドのソーシャルコマーススタートアップ
資金調達概要
調達額 |
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1150万ドル(シリーズB) |
調達先 |
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Sequoia India |
SAIF Partners |
Y Combinator |
Venture Highway |
サービス概要
さまざまな個人や企業がソーシャルメディアを通じてオンラインビジネスを立ち上げられるプラットフォーム『meesho』。
同社のサービスはドロップシッピングやアフィリエイトの仕組みに近い。ユーザーは、サイトに登録されている洋服や日用品を再販売する「販売員」のような役割を担う。
WhatsAppやFacebookなどのSNSを活用して開拓してきた顧客に対して、サービス上から商品を売買できる仕組みを構築。販売するユーザーは在庫を抱える必要がないほか、商品の発送など手間のかかる作業も不要で、商品が売れればマージンを獲得できる。一方のメーカー側も新たな販売ルートを開拓できる点がメリット。販売ユーザーは80万人を超える。
Ant Financial: 支付宝(アリペイ)などを手がけるFinTechカンパニー
資金調達概要
調達額 |
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140億ドル(シリーズC) |
調達先 |
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GIC |
Temasek |
Khazanah Nasional Berhad |
Warburg Pincus |
カナダ年金制度 |
投資委員会(CPPIB) |
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Silver Lake |
General Atlantic |
サービス概要
中国発のオンライン決済プラットフォーム「アリペイ」を筆頭に、FinTech領域のサービスを複数展開する『Ant Financial(アント・ファイナンシャル)』。
アリババの金融部門が独立する形で2014年に設立された企業。日本のメディアでも報道されることが増えてきたアリペイだけでなく、クレジットスコアリングサービス「芝麻信用(ジーマ信用)」、資産管理サービス「余額宝(ユエバオ)」、AIを活用した中小企業向けの融資サービス「網商銀行(マイバンク)」などを運営。
今週は計6社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowでは週次で調達状況を発信していくので、引き続きチェックしていただきたい。
こちらの記事は2018年06月13日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
大崎 真澄
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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