連載資金調達の週報
2ヶ月で2600個のファンクラブが開設された「CHIP」など4社──押さえておきたい資金調達ニュース【11月12日〜11月25日分】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2018年11月19日〜2018年11月25日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
エボラニ:チャットやWeb上で動くミニアプリ構築サービス
資金調達概要
調達額 |
---|
7000万円 |
調達先 |
---|
LINE Ventures |
D4V |
有安伸宏氏 |
南澤佑樹氏 |
坂本達夫氏など |
サービス概要
LINEチャットやWeb上で動くミニアプリ開発サービス「Anybot」を運営。
AnybotはLINEなどのメッセンジャーツールやWeb上に接客や予約、決済などの機能を持った“ミニアプリ”を構築できるサービスだ。同社によると、ミニアプリは中国のマーケットで特に盛り上がっている領域の一つなのだそう。実際に同国の主要なメッセンジャーサービス「Wechat」内には100万以上のミニアプリが誕生しているという。
導入企業にとっては開発コストを抑えられるだけでなく、ユーザーにアプリのダウンロードや登録の負担を強いることなくサービス提供、顧客管理できるのが特徴だ。
Anybotは今後、自動車や不動産、宿泊施設など業界ごとにOEM提供や基盤技術の提供を通じて業界・業務特化型のソリューションを展開していく計画。その第一弾である大学・専門学校向けサービス「Anybot for college」は、すでに200校前後で導入の予定があるという。
RINACITA:スマホから簡単にファンクラブを作れるサービス
資金調達概要
調達額 |
---|
4600万円 |
調達先 |
---|
East Ventures |
佐藤裕介氏 |
中川綾太郎氏 |
古川健介氏 |
金靖征氏 |
深澤雄太氏 |
ほか個人投資家1名 |
サービス概要
スマホアプリから簡単に月額制のファンクラブを作成できる「CHIP」を運営。
2018年8月のリリースから2ヶ月で2万DLを突破し、2600を超えるファンクラブが開設されているCHIP。ファンクラブの名前や説明文、月額料金などを決めるだけですぐにファンクラブを作成できるのが特徴だ。
近年は事務所などに所属せずに、YouTubeやSNSなどを通じて自身の作品や活動を発信するアーティストやインフルエンサーが増えてきた。CHIPでは、そのような個人に新たな収入源を提供することを目指しているという。
今回調達した資金を活用して、新たな機能開発やマーケティングを強化していく方針だ。
Wakrak:2万人が登録するデイワークアプリ
資金調達概要
調達額 |
---|
1億円 |
調達先 |
---|
オプトベンチャーズ |
ANRI |
ドリームインキュベータ |
サービス概要
1日単位で仕事を探せるデイワークアプリ「ワクラク」を開発。
ワクラクは手軽に1日単位で仕事をしたいというユーザーと、人手が足りない企業をつなぐサービスだ。ユーザーはアプリ内で雇用契約書を締結した後、当日職場に行くだけ。履歴書や面接の準備も必要ない。
ビジネスモデルは採用が発生した場合に、企業側がユーザー給与の10%分の手数料を支払う仕組み。企業は初期費用や月額費用がかからないためコスト削減につながるだけでなく、「〇日の〇時に人が欲しい」というピンポイントでの採用課題を解決できるのが特徴だ。
現在は約2万人が登録。今回の資金調達により、企業への導入やアプリの利用者増加に向けた強化を進めるだけでなく、地方への展開も実施していくという。
ストリートアカデミー:対面型のスキルシェアサービス
資金調達概要
調達額 |
---|
3.8億円 |
調達先 |
---|
スパイラル・ベンチャーズ・ジャパン |
TBSイノベーション・パートナーズ |
モバイル・インターネットキャピタル |
APAMANグループのグループ会社 |
サービス概要
教えたい人と学びたい人をつなぐスキルシェアプラットフォーム「ストアカ」を運営。
人に教えたいスキルのある個人が誰でも先生になって講座を開くことができるストアカ。オンラインではなく対面スタイルを採用していて、複数人の生徒が参加するワークシェア形式が多いのが特徴だ(マンツーマンも可能)。
現在は全国で25万人以上のユーザーが登録。掲載されている講座も170ジャンル、2万3000講座以上と幅広い。対面型のためエリアの制約はあるものの、首都圏だけでなく福岡や関西への展開も進めているほか、東京メトロ、蔦屋書店、近鉄百貨店など法人との共同開催や自治体との取り組みも実施している。
調達した資金を活用して、首都圏以外への地域展開に注力していくという。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年11月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
「PMFまでの苦しい時に、資金と希望を与えてくれた」──ジェネシア・ベンチャーズ × KAMEREO、Tensor Energy、Malmeの3対談にみる、“シード期支援のリアル”
- 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ