連載資金調達の週報
リモートワーク管理支援のキャスターが3.6億円を調達。地方人材の採用強化へ──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。今週は日本から4社をピックアップした。
2019年5月6日〜2019年5月12日分
- TEXT BY HAYATE KAWAJIRI
- EDIT BY MONTARO HANZO
キャスター:事業タスクをトータルサポートする「CASTER BIZ」を提供
資金調達概要
調達額 |
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3.6億円 |
調達先 |
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Gunosy Capital |
SMBCベンチャーキャピタル |
サービス概要
2014年末より開始した、オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」を運営する。同サービスでは、秘書・人事・経理・WEBサイトの運用など、日々発生するルーティン業務から専門分野まで、広範囲に渡るクライアント企業のタスクをトータルでサポートしている。
他にも、リモートワーカーの派遣サービス「在宅派遣」や、副業・時短・在宅など新しい働き方に特化した求人サイト「Reworker」、オンライン採用代行サービス「Caster Recruiting」等、柔軟な働き方に沿った、さまざまなサービスを展開。現在、累計利用社数は1000件を超えている。
今回の資金調達では、採用強化に向けた投資を行うほか、法人向けマーケティングを拡大し、認知度の向上を図る。今後も、リモートワークを中心とした新しい働き方の提案を通じて、日本が抱える労働者不足の解決を目指していく。
taskey:公式作家のオリジナル作品が楽しめるチャット小説アプリ「peep」を運営
資金調達概要
調達額 |
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2.7億円 |
調達先 |
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グローバルブレイン |
Global Catalyst Partners Japan |
三井住友海上キャピタル |
VOYAGE VENTURES |
三生キャピタル |
サービス概要
スマートフォンに合わせた新しい物語の形を構築し、世界中で愛される作品の輩出を目指し、チャット小説アプリ「peep」を運営している。「ユーザー投稿型」のチャット小説サービスが多いなか、「peep」で扱う小説コンテンツはすべて公式作家が執筆したオリジナル作品となっている点が特徴だ。
現在はホラーや恋愛のジャンルを中心に、1000以上の作品を掲載している。アプリのダウンロード数は、リリース約1年半で70万件を突破し、プレミアム会員数は1万人を超えているという。サービス内では、イラストを活用したチャット型UI漫画「タップコミック」を展開しているほか、2018年末からはチャット小説と縦型の短尺動画を組み合わせた「シネマ小説」の提供を開始した。
今後は、アメリカ版アプリの提供を予定している。調達した資金を活用し、コンテンツの拡充やプロモーション強化を行い、事業をより一層強化していくという。
KOU:コミュニティと独自コインがつくれる「KOU」を展開する
資金調達概要
調達額 |
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非公開 |
調達先 |
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アカツキ |
サービス概要
スマホでコミュニティをつくり、オリジナルのコインを仲間と一緒にやりとりできるサービス「KOU」を提供する。2018年9月にサービスがリリースされてから、1,500以上のコミュニティが生まれており、これまで同社はヒアリングやサポート、機能面の充実に注力してきた。
今後は、さらに多くのコミュニティの一助となるべく、プロダクト開発や採用面の強化を行い、「感謝がめぐるカラフルな社会」の実現を加速させていく。また、今回の調達と同時に、出資先となる株式会社アカツキCEO・塩田元規氏が社外取締役に就任したことも発表された。
ロケッタ:“エンジニア版NewsPicks”を目指す「AnyPicks」を開発
資金調達概要
調達額 |
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1,200万円 |
調達先 |
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MIRAISE |
古川健介氏 |
和田修一氏 |
柄沢聡太郎氏 |
高野秀敏氏 |
樫田光氏 |
梶原大輔氏 |
サービス概要
エンジニア同士でテクノロジー系のニュースや技術ブログをキュレーションしたり、ユーザーがコメントで知識やノウハウを共有したりできるソーシャルメディア「AnyPicks」を運営。進化の早いテクノロジー業界で活躍するエンジニアが、個人のスキルに左右されることなく、有益な技術情報を手に入れられるサービスとなっている。
同社代表の清水風音氏は、自身のブログのなかで「ギークのためのNewsPicksをつくりたい」と発言。ソーシャル経済メディア「NewsPicks」がビジネスパーソン向けの記事を発信したり集めていたりするように、AnyPicksではエンジニアに特化した情報を得られるコミュニティが形成されている。
今回の資金調達により、開発体制の強化のほか、テクノロジー有識者のピッカー採用も予定しているという。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2019年05月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
川尻 疾風
ライター・編集者(モメンタム・ホース所属)。在学中に、メルマガ・生放送配信やプロデュース・マネジメント支援を経験。オウンドメディアやSNS運用などに携わったのち、現職へ。起業家やクリエイターといった同世代の才能と伴走する存在を目指す。
姓は半蔵、名は門太郎。1998年、長野県佐久市生まれ。千葉大学文学部在学中(専攻は哲学)。ビジネスからキャリア、テクノロジーまでバクバク食べる雑食系ライター。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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