連載資金調達の週報
空の移動をより日常に。
「空飛ぶクルマ」開発企業が調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社をピックアップした。
2019年9月30日〜2019年10月6日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
ウゴク:一人ひとりにあったコーチを見つける
資金調達概要
調達額 |
---|
4,000万円 |
調達先 |
---|
TLM |
アカツキCOO香田哲朗氏 |
他エンジェル投資家数名 |
サービス概要
ビジネス・キャリア・人間関係などあらゆる悩みを抱える人に、専門のトレーニングを受けたプロコーチを紹介するパーソナル・コーチングサービス「mento(メント)」を運営。
コーチングとは、コーチによる質問に答えながら自分の理想や価値観について深く内省することで目標を明らかにし、達成に向けた行動や変化を促すプログラムだ。mentoでは、一定の水準を満たしたコーチだけを選定し、一人ひとりにあったコーチを見つけられるサービスを提供しているという。
2019年4月にリリースしたβ版では、数百名にのユーザーがサービスを利用。株式会社メルカリにおいても、マネージャーと執行役員を対象にリーダーシップ開発や1on1などのコミュニケーションアプローチの体得を目的とした研修として、試験導入を開始されたそうだ。
調達した資金により、サービス機能改善や採用強化を進め、事業のさらなく拡大を目指すとした。
オーティファイ:ソフトウェアのテスト自動化プラットフォーム
資金調達概要
調達額 |
---|
約2.6億円 |
調達先 |
---|
グローバル・ブレイン |
Salesforce Ventures |
Archetype Ventures |
個人投資家、複数名 |
サービス概要
AIを用いたソフトウェアのテスト自動化プラットフォーム「Autify(オーティファイ)」を開発。
Autifyでは、非エンジニアでもプログラムコードを書くことなく容易にウェブアプリの検証作業を自動化できる。AIがアプリケーションコードの変更を監視し、検証シナリオの修正も自動で行うため、メンテナンスコストを大幅にカットすることができるという。
同社は、米国トップアクセラレーターの一つであるAlchemist Acceleratorを、2019年2月に日本人チームとして初めて卒業したスタートアップだ。同年3月にAutifyのクローズドβ版を公開してから、150社以上にのぼる企業からデモリクエストを受けた実績を持つ。プロダクトの機能改善を進め、同年10月からは日本だけでなく国外企業へのサービス提供も本格的に開始した。
調達した資金は、プロダクト開発体制・販売体制の強化、グローバル市場の開拓に活用していく。
ビビッドガーデン:こだわり食材の総合マーケットプレイス
資金調達概要
調達額 |
---|
2億円 |
調達先 |
---|
マネックスベンチャーズ |
神明ホールディングス |
iSGS |
VOYAGE VENTURES |
DeNA |
松本龍祐氏 |
為末大氏 |
野崎良博氏 |
その他、複数名の個人投資家 |
サービス概要
肉や魚、酒などのこだわり食材の総合マーケットプレイス「食べチョク」を運営。登録生産者は500軒を突破し、個人や飲食店の利用者も右肩上がりで増加しているという。
同社のリリースによると、農業従事者の平均年齢は67歳。その数は減少の一途をたどっている。こうした状況に対して、食べチョクでは好みに合う生産者を選んでくれる「食べチョクコンシェルジュ」や友達と分け合える「共同購入」機能、販売前に商品を取り置きできる「予約」機能といった消費者にさまざまな買い方を提供することで、一次生産者の販路を広げている。
今回調達した資金は、新規顧客獲得のためのマーケティング強化や採用の強化に活用していく。
スカイドライブ:空飛ぶクルマ、年内に有人飛行試験を
資金調達概要
調達額 |
---|
15億円 |
調達先 |
---|
DroneFund |
Zコーポレーション |
STRIVE |
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ |
環境エネルギー投資 |
サービス概要
完全自律の自動操縦型である日本初の「空飛ぶクルマ(無操縦者航空機)」を開発。
同社は、航空機やドローン、自動車エンジニアが集まり、2016年から活動している有志の団体「CARTIVATOR」のメンバーで発足した会社だ。2018年12月から屋外での飛行試験を開始。愛知県豊田市とは開発に関する連携協定を締結し、2019年6月には同市に飛行試験場もオープンした。
調達した資金は、人材の採用や開発費用に活用予定という。2019年内に有人飛行試験、2020年夏にはデモフライト、2023年の発売開始に向けて、開発を進めていく。
こちらの記事は2019年10月09日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
「PMFまでの苦しい時に、資金と希望を与えてくれた」──ジェネシア・ベンチャーズ × KAMEREO、Tensor Energy、Malmeの3対談にみる、“シード期支援のリアル”
- 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ