連載資金調達の週報

“テレビ視聴データ”の解像度を大幅にアップデートTVISION INSIGHTSが総額10億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。

全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。

今週は日本から3社をピックアップした。

2020年5月4日〜2020年5月10日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
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TVISION INSIGHTS:テレビ視聴者の注目度を分析

TVISION INSIGHTS株式会社

資金調達概要

調達額
総額約10億円
調達先
・第三者割当増資
Spiral Capital株式会社
DBJキャピタル株式会社
みずほキャピタル株式会社
日本ベンチャーキャピタル株式会社
きらぼしキャピタル株式会社
三生キャピタル株式会社
・融資
株式会社日本政策金融公庫
株式会社りそな銀行
株式会社みずほ銀行

サービス概要

テレビの前に人がいるか、番組のどこで画面に注目したかといったテレビ視聴者の視聴態勢を分析できるサービスを展開する、TVISION INSIGHTS

現在、関東800世帯・関西100世帯の一般視聴者宅に人体認識できるセンサーを設置しており、2020年5月現在、地上波関東6局7チャンネル、地上波関西6局7チャンネル、MXテレビ2チャンネル、BS8局9チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴態勢の計測をおこなっている。

例えば、女性スキンケア商品のCM分析の結果、「タレントが登場する」、「セット商品が登場する」、「モノクロ背景である」ことにより、視聴者に注目してもらえることが判明できたという。

このように、様々な軸で分析をおこない、注目を浴びるようなテレビ番組を作るためのデータを取得できる。

グローバルにも拠点を広げており、ボストン・ニューヨークでも事業を展開。また、広告主、広告会社や放送局100社以上が活用しているそうだ。

今回の資金調達により、データ取得世帯数の拡大、データ取得対象の拡大、データBIツール「Telescope」の開発、人員拡大をおこなう予定だという。

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カバー:Vtuberを海外に届ける

カバー株式会社

資金調達概要

調達額
総額約7億円
調達先
・第三者割当増資
HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合
i-nest 1号投資事業有限責任組合
千葉道場2号投資事業有限責任組合
DIMENSION投資事業有限責任組合
SMBCベンチャーキャピタル5号投資事業有限責任組合
その他個人投資家及び既存投資家
・融資
みずほ銀行

サービス概要

キャラクターによるライブエンターテインメントVTuber事務所「ホロライブプロダクション」を展開する、カバー

日本と海外含めて約50名のVTuberが所属。YouTube、Bilibili(中国の動画配信サービス)の累計チャンネル登録数は1,500万人を突破し、日本だけでなくアジア圏(中国、インドネシア)を中心に海外でも人気を集めているという。

VTuberに関する事業を展開する企業は、企業主体でVTuberを運営するコンテンツ企業型と、VTuberとして活動したい個人を支援するインターネット企業型の2つのタイプに分けられる。ホロライブプロダクションでは、当初コンテンツ型で事業を展開していたが、現在は才能ある個人をサポートするため、インターネット企業型に移り変わってきた。

今回の資金調達により、所属VTuberのサポート体制の強化、海外(特に英語圏)でのVTuber展開の強化、バーチャルライブ等XR領域のサービス開発をおこなう予定だという。

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DINETTE:国内最大級の美容動画メディア

DINETTE株式会社

資金調達概要

調達額
約3億円
調達先
株式会社セレス
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
D2C&Co.株式会社(丸井グループ)
株式会社MTG Ventures
株式会社サティス製薬

サービス概要

コスメのプライベートD2Cブランド「PHOEBE BEAUTY UP」と美容メディア「DINETTE」を展開する、DINETTE

美容メディアDINETTEでは、2017年4月からInstagramを軸にメイク方法や美容の悩み解決方法、新作コスメなどの紹介を動画で展開している。総フォロワー40万人のコスメ好きの良質なユーザーがおり、国内美容動画メディアの中で最大級規模の動画再生数を誇る。

PHOEBE BEAUTY UPは、DINETTEのユーザーから集まった声を元に事業化された。2019年2月に第1弾のアイテムとして「まつげ美容液」、2019年11月には第2弾アイテムの「フェイスマスク」を発売。2020年5月7日より第3弾となる「毛穴美容液」が発売されている。

CEOの尾崎美紀氏は、大学時代に芸能活動をおこなっており、それがきっかけで美容の楽しさを知ったそうだ。大学4年時に起業し、2020年4月に「Forbes 30 Under 30 Asia」にが選出されるなど、国内のコスメD2C企業の中で注目される存在のひとりだ。

今回の資金調達により、PHOEBE BEAUTY UPのブランド認知拡大、マーケティング強化、人材採用、2020年以降に発売する新商品の開発、ポップアップストアを活用した店舗販促をおこなう予定だという。

こちらの記事は2020年05月13日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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