連載資金調達の週報
保険の請求管理を簡単に。
IBが総額1億円超を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2020年8月24日〜2020年8月30日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY YUI TSUJINO
IB:保険業界の新しいインフラを創造
資金調達概要
調達額 |
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総額1億円超 |
調達先 |
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ライフタイムベンチャーズ |
マネックスベンチャーズ |
グリーベンチャーズ |
三菱UFJキャピタル |
MIRAISE |
デットファイナンス |
サービス概要
コンシューマー向けの加入保険情報管理アプリ『保険簿』を展開する、IB。
『保険簿』は、保険会社、保険販売代理店、加入者それぞれのハブとなる、「保険の請求もれをなくす」ためのユニークなプロダクト。保険書類を撮影するだけで加入保険情報が自動でデータ化されるだけでなく、請求できる保険をレコメンドする機能や家族と加入保険情報を共有する機能などを備えている。
保険事業者向けにアフターフォロー支援SaaS『保険簿forBusiness』も提供しており、保険事業者が請求もれを防ぐ取組みを提供している。
CEOの伊藤謙太氏は、保険乗合代理店、保険会社、SI企業を経て2018年10月に株式会社IBを起業。東日本震災時、「津波で家が流され亡くなった人の家族は、すべての保険を請求できたのだろうか?」という疑問から、「加入保険情報を紙ではなくデータで一元管理する仕組みを作ろう」と考え、起業に至ったそう。
今回の資金調達により、人材採用、プロダクト開発体制の強化、サービスの拡充をおこなう予定だという。
プレスリリースの内容をすごい工夫して記事にしてくれてる^_^
— 井藤健太 保険を売らない保険スタートアップのCEO (@ITOH__KENTA) August 30, 2020
加入保険一元管理アプリ「保険簿」のIB、1億円超の資金調達を実施! | Techable(テッカブル) https://t.co/9wrDNdyScw @TechableJpより
SkyDrive:空の革命を予感させる「空飛ぶクルマ」
資金調達概要
調達額 |
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39億円 |
調達先 |
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株式会社日本政策投資銀行 |
伊藤忠商事株式会社 |
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社 ※シリーズAに続く追加出資 |
ENEOSイノベーションパートナーズ合同会社 |
株式会社大林組 |
株式会社環境エネルギー投資 ※シリーズAに続く追加出資 |
STRIVE株式会社 ※シリーズAに続く追加出資 |
日本電気株式会社(NEC) |
株式会社ベリサーブ |
三井住友ファイナンス&リース株式会社 |
サービス概要
『空飛ぶクルマ』と重量物運搬に特化した産業ドローン『カーゴドローン』を開発する、SkyDrive。
『空飛ぶクルマ』は、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴な車体であり、実用化に向けた開発をおこなっている。今後は、2023年度のサービス開始に向けて、開発管理レベルを引き上げ、機体の完成度を高めていくと同時に、パートナー企業と協力して、サービス設計、インフラ整備などを進めていく。
『カーゴドローン』は、まずは山間部における労働力として、機体および運用を構築、2022年以降には、都市部での物流にも広く活用されるよう、安心・安全な機体とそのサービス作りをおこなう。
代表取締役の福澤知浩氏は、東京大学工学部を卒業し、トヨタ自動車に入社。その後、福澤商店株式会社を設立し、中小企業を中心とした製造業の経営コンサルティングを手掛ける。18年にSkyDriveを設立。
【本日2本目・プレスリリースを出しました!】
— SkyDrive Inc. (@Skydrive_jp) August 28, 2020
日本政策投資銀行等から39億円の資金調達を実施しました。
株式会社日本政策投資銀行をはじめ以下の10社を引受先とした第三者割当増資により、シリーズBラウンドにおいて39億円の資金調達を実施したことをお知らせします。https://t.co/H8m8MpuFnm pic.twitter.com/8iXqDpEmSB
カルディオインテリジェンス:心疾患をAIがサポート
資金調達概要
調達額 |
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3500万円 |
調達先 |
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ANRI |
サービス概要
心臓病の早期発見・治療を実現するAI技術を展開する、カルディオインテリジェンス。
心電図のAI自動診断支援システムの開発に尽力。医療過疎地域などに住んでいる診療機会が得られにくい患者を世界中から無くし、心臓病と脳卒中を撲滅することを目指している。
AIは専門医並みの診断精度に加え、判定部分を可視化できるため、医師に診断の説明までできることが特徴。2020年度中に最初の製品の市場投入を予定。
代表取締役CEOの田村 雄一氏は、国際医療福祉大学三田病院で心臓専門医として現場に立ちながら、昨年創業した同社の代表としても働いている。
医療現場における実用化の目途がついたため、今回の資金調達後は早期事業化を目指すという。
ヨクト:ヨガの楽しみでコロナの運動不足を解消
資金調達概要
調達額 |
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非公開 |
調達先 |
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合同会社MIRAISE |
株式会社FGN ABBALab |
サービス概要
オンラインヨガサービス『YOGA ONE(ヨガワン)』を展開する、ヨクト。
『YOGA ONE』は、オンラインのヨガレッスンサービス。スマートフォンと、畳一畳分のスペースさえあればどこでもすぐにレッスンを開始できる。オンラインレッスンで実際に動きを確認しながら指導を行うので、ヨガ初心者でも気軽に始めることができる。
専用アプリでは、レッスンの予約状況や問合せが可能。今後は、レッスン中に取得したユーザーのバイタルデータを記録し、定量化する機能などを追加する予定だという。
ヨクトは、「経済産業省/独立行政法人日本貿易振興機構」が主催する、次世代イノベーター育成プログラム「始動Next Innovator」に採択された経歴を持つ。
今回の資金調達により、YOGA ONEとYOCTO MATの実用化に向け、より一層の事業強化をおこなう予定だという。
【プレスリリースしました!】
— カワノタカフミ@ヨクト (@sora0513) August 26, 2020
ヨクトは、今後も健康な人が増えていくような社会をヨガを通じて造っていきます。
——
ヨクト株式会社は、オンラインヨガサービス「YOGA ONE(ヨガワン)」の公式アプリをリリースしました。https://t.co/72zx7X6PZO
こちらの記事は2020年09月02日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集
辻野 結衣
1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。
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