連載資金調達の週報
顧客の思いを企業にしっかりと伝える。
コミューンが4.5億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2020年9月21日〜2020年9月27日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY YUI TSUJINO
コミューン:企業と顧客の思いを双方向に伝えるコミュニケーションツール
資金調達概要
調達額 |
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4.5億円 |
調達先 |
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DNX Ventures |
UB Ventures |
サービス概要
企業とユーザーをつなげ、顧客体験を最適化するコミュニティツール『commmune(コミューン)』を提供するコミューン。
これまで企業の顧客接点は、訪問や電話などアナログな手段が多く、目的によりチャネルが分断され、企業から顧客への一方通行なコミュニケーションが課題であった。『commmune』により、企業の顧客接点のデジタル化、目的によらないコミュニケーション手段、双方向コミュニケーションの提供を実現できる。
今回の資金調達により、『commmune』のサービス強化のための機能開発、人材採用等をおこなう予定だという。
代表 高田優哉氏にとって、『commmune』は2つ目のサービスだ。もともと、パーソナライズドサプリメントD2Cサブスク事業の立ち上げにチャレンジしていたが、 立ち上げ途中で『企業とユーザーの距離が生む損失』に気づき、ユーザーの声を企業にすぐに届けられる仕組みが必要ではないかと考えたのが起業のきっかけだった。commmuneが今後どのように進化していくかが記された代表の高田氏のnoteも要チェックだ。
BEYOND BORDERS:日本から海外不動産へのアクセスを容易に
資金調達概要
調達額 |
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約1億7,000万円 |
調達先 |
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REAPRA VENTURES |
個人投資家・創業者など |
銀行からの融資 |
サービス概要
海外不動産プラットフォーム『SEKAI PROPERTY』、不動産業界特化型キャリア支援サービス『リアルエステートWORKS』など、日本と東南アジアの不動産テック領域で事業を展開する、BEYOND BORDERS。
『SEKAI PROPERTY』は、東南アジアを中心に常時約65,000件の物件情報が集約したプラットフォームサイト。海外の不動産売買・賃貸に関する法律・税法・商慣習をはじめ日本人の物件オーナーによる体験談や現地ディベロッパーインタビューなど豊富なコンテンツを発信。累計の個人情報登録会員数は約20,000名。
『リアルエステートWORKS』は、日本の不動産業界に特化した人材紹介・求人情報サイト。人材募集をしている企業は総合不動産ディベロッパー・住宅メーカー・マンション管理会社など幅広く、常時約350求人を取り扱っている。累計の会員登録者数は約3,000名。
今回の資金調達により、既存サービスの改善の他、不動産業界特化型キャリア支援サービスをはじめとした国内の不動産業者向けDX促進サービスの開発をおこなう予定だという。
『好きすぎて不動産の価格をずっと見てしまい、仕事でもないのにエクセルにまとめていました』と語るのは、代表である遠藤忠義氏。過去に不動産投資で強烈な成功体験をしたことから起業に至った。過去にFastGrowがインタビューした記事もご覧いただきたい。
MENOU:製造業における検査をAIがサポート
資金調達概要
調達額 |
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約8000万円 |
調達先 |
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DEEPCORE |
シーシーエス |
三菱UFJキャピタル |
サービス概要
製造業における検査をAIがおこなうソフトウェア『MENOU-TE』などのAI技術を製造現場にを展開する、MENOU。
製造業において、AIによる検査は理論的に可能とされているが、多くの障害があるのが実態だという。また、人間がおこなう検査は、属人的な業務になるため品質にバラツキが発生するほか、数値化や標準化が難しく新人に技術を伝達するのにも時間がかかるため、大きな課題として捉えられていた。
MENOUでは2019年の設立以来、熟練した目視検査員の手法を模した高速・高精度のAIソリューションを多くの製造業へ提供。
今回の資金調達により、『MENOU-TE』の機能拡張をおこなう予定だという。
代表 西本励照氏がニコン在籍時に画像検査システムの開発に携わった際、手動で製品の目視検査している様子を目の当たりにし、自動化が急務だと感じたことが起業のきっかけだという。
FOOLS:元DMMの新規事業担当者が仕掛けるフットウェアブランド
資金調達概要
調達額 |
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総額5600万円 |
調達先 |
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中川綾太郎氏 |
株式会社ハリズリー |
Yosemite合同会社 |
他1社 |
サービス概要
『グラウンズ』は“LEAP GRAVITY”を掲げ、「人間と重力(地球)の関係に変化をもたらすこと」「人間と重力(地球)の接点であるアウトソールと地面を中心とした人間像作り」をコンセプトとし、ソールの形状が特徴的なブランドだ。過去には、2019s/sパリコレクションに参加し、6カ国、30店舗で販売している。
今年7月には、元でんぱ組.incの最上もがとのコラボ商品の販売をしており、ファッション業界で一目置かれている商品だ。
今回の資金調達により、新規ソール開発、コラボレーションの強化、直販の強化、生産期間の短縮を目的としたPR・オンラインストアへの投資、海外売上比率の拡大を目的とした施策をおこなう予定だという。
代表 金丸拓矢氏は、ザッパラスにて多くのWEBやアプリコンテンツの運営と立上げを経験した後、新規事業担当の執行役員を歴任。その後、DMM.comに入社し、社長室の新規事業企画担当としてファッションテック事業、プログラミング教育事業の事業企画に携わった後、同社を創業。
こちらの記事は2020年09月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集
辻野 結衣
1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。
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