連載資金調達の週報
宅配ケーキ市場を開拓する
Cake.jpが7.7億円を資金調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2021年5月10日〜2021年5月16日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY YUI TSUJINO
Cake.jp
宅配ケーキの市場拡大
資金調達概要
調達額 |
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7.7億円 |
調達先 |
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ニッセイ・キャピタル株式会社 |
株式会社丸井グループ |
株式会社博報堂DYベンチャーズ |
三菱UFJキャピタル株式会社 |
サービス概要
国内最大のケーキ専門通販サイト『Cake.jp(ケーキジェーピー) 』などを展開する、Cake.jp。
『Cake.jp』は、全国各地の洋菓子店と提携し、自宅はもちろんレストランや宿泊先、結婚式場、職場などどこへでも好きなケーキを届けるサービス。
また、4,000種類以上の商品をそろえており、デザイン性の高いケーキやオーダーメイドケーキが手軽に注文が可能。現在、個人会員数は70万人を突破している。
今回の資金調達により、マーケティング、商品開発、プロダクト開発をおこなう予定だという。
「洋菓子店が抱える問題を、このプラットフォームで解決する。そんな使命を背負いながら、サービスページの構築やネットワークの拡充を進めています」そう熱く語るのは、代表 高橋優貴氏だ。『Cake.jp』や同社が生まれた経緯が綴られているので、ぜひご覧いただきたい。
ロジクラ
在庫データを活用し、小売企業の成長を支援する
資金調達概要
調達額 |
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総額3.6億円 |
調達先 |
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STRIVE |
三井住友海上キャピタル株式会社(MSIVC2020V投資事業有限責任組合) |
金融機関からの融資 |
サービス概要
『ロジクラ』は、入荷から在庫管理、受注オーダーの自動取り込みから出荷までの全ての物流オペレーションを一元管理し、倉庫業務を効率化できる。現在、約2万社の小売事業者・倉庫事業者に利用されている。
また、今回の資金調達と合わせて、SGホールディングスグループの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」を活用した国内最速・最大級のEC物流サービス『XTORM』を共同で開始。
これにより、最短当日でのスピード配送を実現。さらには、EC特有のセール等での急激な入出荷増にも対応可能なキャパシティを固定費ゼロの従量課金制で利用できる。
今回の資金調達により、事業拡大・採用の強化をさらに加速させる予定だという。
コロナによる大きな変化に対応し、新規事業やオペレーション含めた新たな取り組みに挑戦していく小売業の方々をサポートしていく会社を目指しています
そう語るのは、代表 長浜佑樹氏だ。物流のみならず、SaaS業界に対する知見をまとめたnoteをぜひご覧いただきたい。
コンシェルジュ
ノーコード対話型AIプラットフォーム
資金調達概要
調達額 |
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総額4.5億円 |
調達先 |
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東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC) |
UB Ventures |
サービス概要
ノーコード対話AIプラットフォーム『KUZEN(クウゼン)』などを展開する、コンシェルジュ。
『KUZEN』は、 カスタマーサポート、 マーケティング、社内コミュニケーションの自動化などに対応し、企業のDX化を実現するAIチャットボットをノーコードで構築・運用できるプラットフォーム。2020年9月のリリースから半年で10万人を突破している。
また、チャットインターフェースを活用したリード獲得を最速化する『KUZENマーケティング』、顧客対応を自動化する『KUZENサポート』など、企業のDX推進に向け幅広く課題解決を可能とするプラットフォームを展開中。
今回の資金調達により、マーケティング活動への投資、営業・開発部門の採用活動の強化およびカスタマーサクセスを中心とした人材採用をおこなう予定だという。
代表 太田匠吾氏は、JPモルガン証券投資銀行本部にてM&Aアドバイザリー業務に従事したのち、産業革新機構にて多数のビッグデータ解析・人工知能スタートアップ企業へのVC投資を経験。日本発の人工知能領域でのグローバルスタートアップの可能性を感じ、2016年にコンシェルジュを創業し、代表取締役CEOに就任。
Spir
リモートワークの日程調整を簡単に
資金調達概要
調達額 |
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総額2億円 |
調達先 |
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One Capital株式会社 |
国内外の複数の個人投資家 |
サービス概要
カレンダープラットフォーム『Spir』を展開する、Spir。
『Spir』は、GoogleカレンダーやOutlookの複数のカレンダーアカウントと連携して、社外との日程調整が簡単に行えるカレンダープラットフォーム。
これまで個人向けにβ版を提供してきたが、今回の資金調達発表とともに正式版をリリースし、同時にチームプランの先行トライアルユーザー50チームの募集を開始。
今回の資金調達により、プロダクト開発を中心とした人員採用に加え、あらゆるタイミングでの日程調整をより簡単に行える機能を拡充する予定だという。
代表取締役 大山晋輔氏は、2014年に株式会社ユーザベースに入社。ユーザベースではSPEEDA事業の事業開発・プロダクト開発の責任者、営業部門を歴任。その後、2017年にNewsPicks USAのCOOに就任し米国事業の立ち上げ責任者として事業戦略策定やプロダクトマネジメント・マーケティング等に従事。2019年にSpirを設立した。
こちらの記事は2021年05月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集
辻野 結衣
1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。
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