連載資金調達の週報
日本初のステーブルコイン。
JPYCが総額5億円を資金調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2021年11月9日〜2021年11月15日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY OHATA TOMOKO
- EDIT BY YUI TSUJINO
JPYC
JPYCの第三者前払式手段の取得を目指す
資金調達概要
調達額 |
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総額5億円 |
調達先 |
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Headline Asia |
Circle Ventures |
i-nest capital |
JPYC従業員持株会 |
サービス概要
日本円連動ステーブルコイン『JPYC』を取り扱うJPYC株式会社。
『JPYC』とは、ブロックチェーン技術を活用した、日本円に連動するステーブルコイン※だ。1JPYC=1円のレートで購入し、Suicaや図書カードのように前払式支払手段としてモノや体験の購入に利用できる。
今回の資金調達により、JPYC発行体としての安定化、運営・開発の強化を行い、第三者型前払式支払手段の取得を目指すという。
代表 岡部典孝氏は、一橋大学在学中にリアルアンリアルを創業。2017年にリアルワールドゲームスを共同創業し、取締役ARUK(暗号資産)を担当。2019年11月に日本暗号資産市場(現:JPYC)を創業した。
USDCのCircle等からシリーズA調達をリリース!
— JPYC(株)代表取締役 岡部典孝 (@noritaka_okabe) November 9, 2021
社会のジレンマを突破する為に、
さらに加速して参ります。
日本円ステーブルコインのJPYC|Headline Asia、Circle Venturesなど国内外の投資家からシリーズA総額5億円の資金調達を実施 https://t.co/cjjWTWpoUE @PRTIMES_JPより
LINK
公的介護保険用外に特化し、介護のラストワンマイルを叶える
資金調達概要
調達額 |
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総額1億円 |
調達先 |
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既存投資家 |
ブラッククローキャピタル合同会社 |
三井住友海上キャピタル株式会社 |
マネックスベンチャーズ株式会社 |
新規投資家 |
株式会社LITALICO |
株式会社コムレイズインキュベート |
サービス概要
オーダーメイド介護サービス『イチロウ』を提供する、LINK。
『イチロウ』は、公的介護保険に適用されない在宅介護のニーズに対し、最短5分で介護師をマッチングするサービスだ。利用時間制限なく、 あらゆる介護や生活支援などをサポートする。
今回の資金調達により、サービス基盤のオペレーション構築・システム開発、マーケティングの強化を行う予定だ。
代表 水野友喜は、専門学校で介護福祉士の資格を取得。介護士として働く中で知識の必要性を実感し、日本福祉大学に入学。社会福祉士の資格を取得後、介護の現場から管理職へシフトし、マネジメント業務などを経験。現場で働きながら実感した介護業界の様々な課題を解決すべく、2018年4月に同社を設立した。
★資金調達リリース★
— 水野友喜@年収1,000万介護士を輩出する (@yukiichrou) November 12, 2021
2回目となる資金調達を実施しました!
既存株主の皆様からも追加で出資をいただき、新しい株主としてLITALICO様、コムレイズインキュベート様をお迎えし、イチロウの成長を更に加速させていきます。 https://t.co/WYBd2edjfv
Cellid
ARを次のコンピュータープラットフォームに
資金調達概要
調達額 |
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総額5億円 |
調達先 |
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アクサ生命株式会社 |
株式会社エプコ |
一般事業会社(社名非公開) |
サービス概要
ARグラス向けディスプレイ・モジュールと、空間認識技術をARグラスに実装するためのソフトウエア『Cellid SLAM』を開発・販売している、Cellid。
同社が持つコア技術は、AIとナノテクノロジー。2022年1月には、ディスプレイ・モジュールを内蔵したメガネ型モックアップを、世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」に出展。米国を中心としたマーケティングを予定している。
今回の資金調達により、ディスプレイ・モジュール研究開発、マーケティング活動、量産開始に向けた組織・開発体制の強化を行う予定だ。
代表 白神賢氏は、欧州原子核研究機構、米国フェルミラボ、イタリア原子核研究所にて素粒子物理学の研究を行い、 2016年10月に同社を創業。「人とデジタルの境界をなくし、制限や制約のない世界の実現する」をビジョンに掲げ、運転中のドライバーや治療を行う医師、子育て中の方などスマホ操作が難しい人々に対し、ARグラスによって両手と視線をスマホから解放する世界を目指している。
DAOLaunch Ltd.
公正な投資環境を実現する
資金調達概要
調達額 |
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約1.7億円 |
調達先 |
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X21 Digital |
ZBC Capital |
Meridian Capital |
BAP Ventures |
Onebit Ventures |
BSC Station |
BAS Alliance |
York St Capital Pty Ltd |
国内外の個人投資家 |
サービス概要
分散型クラウドファンディングプラットフォーム『DAOLaunch』を開発している、DAOLaunch。
『DAOLaunch』は、起業家と投資家をブロックチェーンでマッチングし、国境を超えてトークン発行、NFTによる資金調達・マーケティング施策を行う。11月下旬〜12月上旬にリリース予定だ。
今回の資金調達により、2つ目の拠点になる法人設立をドバイにて行い、さらなる成長を加速させる予定だ。
代表 Sakuro Imayam氏は、複数の暗号通貨ビジネスで経験を積んだ経験を持つ。実力ある起業家や投資家が最も利益を得られるよう、公正なスタートアップ投資環境の実現を目的に、2021年2月に同社を創業した。
こちらの記事は2021年11月17日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
大畑 朋子
1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。
編集
辻野 結衣
1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。
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