リモートワーク虎の巻──目の届かないところで、一目置かれる方法
ようこそ狂気とカオスの世界へ!
じめじめとした雨の日が続くなか、いかがお過ごしだろうか。
緊急事態宣言があけ、今月から出社という方もいるかもしれないが、ベンチャーに入社した皆さんは、しばらく(もしくは今後もずっと)リモートワーク、という方も多いかもしれない。
ということで、今回のテーマは「目の届かないところで、一目置かれる方法」、題してリモートワーク虎の巻だ。
そもそもリモートワークで何が変わったのか。
さて、リモートワークといっても、いったい何が変わったのだろうか。
それは、あなたが他人からインプットする量だ。先輩社員から学ぶ、細かくフィードバックをもらう。そんな他人から学ぶ機会が減っている。
そんな私も、先輩社員の働き方から多くを学んだ。先輩が電話口で、お客様と話をしている内容、話し方。仕事の進め方、PCの操作方法。
そんなものをコソコソとメモしながら「自分でもやってみよう」と日々の業務に取り込んできた。
心優しい、お節介な先輩でもいれば、PCの前で5-10分フリーズしていれば、「どうしたの?」などと声を掛けてくれたり、メール処理やちょっとしたPC操作でも、「おいおい!いちいち一つずつコピペすんな、こんなツールがあって」などと、フィードバックをもらえたりしたはずだ。
だが、リモートワークになるとこのような他人から学ぶ機会が減っている。
「其の一」マイクロマネジメントを心がける
じゃあ、どうすればいいのかというと「マイクロマネジメントを心がけよう」だ。書いて字のごとく、細かく管理してもらおう(してもらいやすくしよう)ということだ。
言いたいことは分かる「先輩は忙しそうだし、しかも細かく管理されるのって苦手」。
ただ、あなたが一人で茫然自失としながら、生産性の上がらない日々を過ごし、独り立ちするのが遅れる方が問題だ。
気遣いするのと気後れするのは違う、考えるのと悩むのも違う。遠慮はコストだ(もちろん配慮はマストだ)。
具体的には、一日の最初に10分-30分ほど、固定で時間を貰うのがいいだろう。仰る通り、先輩・上司も忙しいので、いちいち聞くよりは、まとめて聞いた方がいい。
うまくやるコツは一覧性を確保することだ。
スプレッドシートや、Evernoteなど共有できるツールを用意しよう。
そこに
- 今月やること
- 今週やること
- 今日やること
をまとめて書く。
大事なことは「全部書き出すこと」だ。
そして、「今日やること」を一日のスケジュールに落としておく。
最初は30分単位とかが良いだろう。
9:30-10:00:メールチェック&対応
10:00-10:30:タスク管理ミーティング
10:30-11:00:提案書作成(目次作成)
11:00-11:30:提案書作成(ヒアリング項目のまとめ)
11:30-12:00:休憩
12:00-12:30:提案書のフィードバック
慣れるまでは、可能な限り細かく書こう。
なぜかというと、書けないことは、分からないからだ。逆に、書くことで、何が分からないのかが分かる。
上記の「目次作成」も、より具体的に「(1)●●、(2)▲▲、(3)■■」、などと書いた方が、チェックしてもらいやすい。
30分単位で、「なにをするのか」のイメージがクリアにできれば問題ない。そして、頭のなかの「何を」「どのように」するかの手順を先輩社員とすり合わせる。具体的に30分の過ごし方をイメージしたときに思考が止まってしまうことがあれば、それは先輩にまとめて聞いた方がいい。
それは、実際に取り組もうとしても、立ち止まってしまう可能性が高い。
こうすれば
- 何をしようとしているのか(優先順位やスケジュール)
- どうやってやろうとしているのか(仕事の進め方や、具体的な方法)
- なぜやるのか(タスクの背景理解や、心構えなどの前提条件)
といったフィードバックが細かくとれるようになる。
「其の二」他部署と関係構築するために情報発信する
リモートワークのもう一つの特徴は、自分の部署に閉じたコミュニケーションが増え、他部署のメンバーとの関わりが減ってしまうことだ。
ただ、当然、自分の部署だけで仕事が完結することも少ないので、他部署の社員との関係構築、コミュニケーションに壁を感じる新卒メンバーも多い。
例えば、あなたはマーケティングの部署に所属していたとしよう。月のリード獲得件数は変わらないのに、売上が下がっている。リードの質が変わってしまったのか、それとも顧客ニーズが変化しているのか。それは、セールスチームに聞くのが手っ取り早い。ただ、うまく関係構築できていないのに「セールスチームの売上が下がっているのは、なぜですか?」とは、なかなか聞きづらい。
じゃあ、どうすればいいのか。やることはシンプルだ、情報発信すればいい。
「そんなこと恥ずかしいし、面倒くさい」。まあ、そうなのだが、これは「やる人」と「やらない人」との差が分かりやすいので、同期と大きな差をつけられる。
申し訳ないが、そこそこ会社の規模も大きくなってくると、他部署のメンバーはあなたのことを「知らない」。それこそ入社式がスキップされてしまった会社も多いので、尚のこと名前と顔が一致しないメンバーが多い。だからまずは「覚えてもらう」ことだ。
日報や全社でのイベント行事などは名前を売る絶好の機会だ。別に日報の制度がないなら、勝手に全社のメーリングリストや、チャットに送ればいい。
うまいことを書く必要はない。ただ一所懸命に書くことだ。自分がいまどこの部署で、どんな仕事をしているのか。今日の気づきや学びは何だったのか。
毎日、返信やリアクションはもらえないかもしれない。ただ、周りは絶対に見ている。
「あー、いつも日報出してる●●さんね!前に書いてたことなんだけど、、、」とフィードバックやアドバイスでも他部署の方から貰えればラッキーだ。
とあるベンチャーでは、全社でのユーザー会の司会というのが、出世コースになっている。もちろん、そんなことは名言されていない。ただ、それをやった人が、毎年その後に出世していくらしい。
頭角を現すには、まずは打席に立たなくちゃいけない。ただその打席は平等にはやってこない。だからこそ自ら発信して、覚えてもらう必要がある。でなければ、選ぶ側の選択肢にも入らない。
「其の三」心のベクトルの操作技術を覚える
リモートワークになると、ちょっとした疑問を気軽に聞くというのが難しくなっている。普段なら「ちょっといいですか?」と聞けるようなことも、いざチャットで話しかけようとすると、「そんなことも、まだ知らないの?」と思われるんじゃないか、と手が止まってしまう。
しかも、3ヶ月もすると、段々と分かってくるものだ、「いまの自分の現在地」が。
自分はもっと仕事ができるかと思っていたのに、毎日失敗して怒られてばかり。もう、そんなダメな自分を見せつけられたくない。そんなプライドの高い、出来ない自分と、どう折り合いをつけていけばいいのだろうか。
ちゃぶ台をひっくり返すようで恐縮だが、なんでこんなことで悩むのかというと、それは心のベクトルが「自分」に向いてしまっているからだ。だから、心のベクトルを180°ひっくり返して、「仕事の成果」に向かわせればいい。
これは根性論じゃない、心のトレーニングだ。この心のマネジメントが上手く出来ず、感情に流されて仕事をする大人も多い。これは技術であり、獲得できるものだ。変な癖がつく前に、矯正した方がいい。
とある起業家が言っていた「Fail Fast」だと。そしてとあるデザイナーが言っていた「右か左かじゃない、上に登ることだ」と。
いまあなたは道の分岐点にいる、右か左か。そこで悩む、どちらが正しいのか。地図を広げ、情報をかき集める。それでも右か左かが分からない。そして確信が持てないので、道を引き返す。
もちろん失敗=死、みたいなシチュエーションはある。が、きっとあなたはまだそんなシチュエーションにはいない。
大事なことは、上に登ることだ。右か左かで悩んでも、道がつながっていて、どちらでも良かったかもしれない。もしくは右の正解の道を選べたとしても、更にその後にはいくつもの分岐点が待ち受けているかもしれない。
大事なことは、上に登るために、失敗のリカバリー方法を覚えることだ。早めに傷が浅いうちにもとに戻る。周りを巻き込んで助けてもらう。取り返しのつかない大きな失敗をする前に、小さな失敗をたくさん積み重ねて「失敗の仕方」を学んだ方がいい。
そのためには「失敗したらどうしよう」という「自分向き」のベクトルから離れて、「成果」に対して心の舵を切ることだ。No Pain, No Gain。傷つかなくちゃ、うまくなれない。梅雨が終われば夏が来る、さぁ一旗揚げにいこうじゃないか。
連載第8回目は、7月17日公開 乞うご期待!
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こちらの記事は2020年07月03日に公開しており、
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10記事 | 最終更新 2020.08.14おすすめの関連記事
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