連載睡眠と仕事力
現代人よ。
今こそ“睡眠”を見つめ直すタイミングだ
時差ボケや深夜のWEB会議。
グローバル社会において規則的な睡眠は取りようがないといっても過言ではない。
そんな時代に睡眠不足で悩まぬため、我々個人には何ができるのか?
企業として、個人の生活の質、生産性向上のために、何を提供すべきなのか?
連載の最後にふさわしい、ニューロスペース代表小林が睡眠に関する想いを語った。
- TEXT BY FastGrow Editorial
睡眠不足は個人の問題ではない
これまで4回にわたり、よりよい睡眠を取るために必要な知識・ノウハウをお話してきました。
今回は、睡眠と社会の現状についての私の考えと想いをお伝えさせて頂きたいと思います。
これまでお話をしてきた睡眠の知識やメカニズム・技術は、本来であれば学校の義務教育で習うべきことだと考えています。
例えば、寝る前にどのような事をすると睡眠の質が上がり、逆にどのような生活習慣は睡眠の質を下げてしまうか、といった知識はこれから何十年も生きていく我々若手社会人、学生にとって大切な知恵です。
この睡眠の基礎教育がなされていないがゆえ、寝ないで受験勉強に挑む学生が増えてしまったり、社会人になってからも会社全体として寝ないで仕事をすることを強要したり、お昼寝や眠たそうにしている従業員を非難したり、といった風潮や文化がまだまだ実在しているのが現状です。
また、経営者やリーダー・マネジャーである皆さんに知っておいてほしいことは、睡眠は個人だけの問題ではないということです。
なぜなら、個人が睡眠不足に陥ると脳が影響を受け、怒りっぽくなる、心に余裕が持てなくなる、仕事でミスが多くなる、責任転嫁をするようになる、といった現象が起きてしまうからです。
そのような時に、まだまだ多くの日本の会社で、仕事に対する姿勢がなっていない、熱意が足りない、同じミスを繰り返すな、と詰める・非難する、といった対処をしているのではないでしょうか?
しかし、睡眠が足りていない人間は、心に余裕がなくなり怒りやすくなる、ミスを起こしがちになる、というメンタリティになってしまうのは、ある意味当然のことなのにも関わらず。
睡眠、身体、脳の仕組みを、会社のマネジャーやリーダー、そして経営陣は肝に命じておく必要があるはずです。
そのような理解をしっかりしておくことで、働きやすい会社や従業員満足の高い会社を作ることができ、結果的には利益の向上につながると思っています。
グローバル社会で睡眠は必須スキル
さらに、睡眠をないがしろにしている社員に気づかずにいると、気づいたときに彼/彼女達がうつ病や精神疾患になってしまった、最も酷い場合は自殺してしまい会社が訴訟を起こされてしまった、といった企業全体の問題にも発展する可能性があります。
そこまで深刻な事態にならなくとも、多くの人が体調不良や集中力が続かないといった症状の原因が睡眠不足にある、ということに気づかず、悩み続けています。睡眠不足は外見への露出や痛み症状など、自分でも他人でも気づきやすい症状になりづらいためですね。
しかし一方、時代の流れとして日々の睡眠課題は避けることができないこともまた事実です。
24時間営業する店舗が増えたり、グローバル社会が進歩する中で海外とのやりとりが必須であったりと、一時的な睡眠不足や時差ボケは、活躍するビジネスパーソンにとって当然の問題になりました。
このような社会的背景の中では、睡眠は8時間取るべき、であったり、規則的な生活を毎日行いましょう、であったりといった理想論はまず通用しないでしょう。
そういった状況下において、我々個人ができること。それは、限られた時間や不規則な勤務体系の中、出来る限り身体に負担をかけず、睡眠の技術を駆使し、良質な睡眠を摂ること。そのための知識を持っていることが、これからの時代のビジネスパーソンにとって必須のスキルになるでしょう。
本連載で紹介をしてきた睡眠の知識・技術・ノウハウを駆使して頂き、皆様のより良い睡眠と生活に役立てて頂ければ嬉しく思います。
我々ニューロスペースは、このような睡眠にまつわる社会課題を広く認識してもらうため、また、解決の一躍を担うため、およそ4年間にわたり企業向けの睡眠改善プログラムおよび、睡眠を計測する独自センシングデバイスとAI活用睡眠解析アルゴリズムを開発して参りました。
吉野家さん、パナソニックさんを始めとした大企業から、ディー・エヌ・エー、Sansanといったベンチャー企業まで、幅広く睡眠研修や睡眠改善プログラムのアドバイスを実施させていただいています。
是非、この機会に読者の皆様自身、ないしは働かれている会社を、睡眠という切り口から見つめ直してみてください。
企業での睡眠改善プログラムについてご興味がある方、より詳しい話をきいてみたい、という方はこちらのサービス紹介ページからご質問・お問合せください。無料相談も承っています。
こちらの記事は2017年11月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
FastGrow編集部
連載睡眠と仕事力
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