MaaS領域の覇者はどこだ!?
いち早くEVに舵を切った “イノベーター企業”日産に訊く、モビリティ社会の未来

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インタビュイー
東郷 茉莉
  • 日産自動車株式会社 人事本部 日本タレントマネジメント部 日本採用/リソースプランニンググループ 主担(採用・育成) 

2007年の新卒入社以来、日産の人事部門とマーケティング部門を往き来する中で採用ブランディングの重要性を強く認識。現在は人事本部にて日本国内の新卒採用および育成を担う立場として、グローバルな学生人材と向き合い、日産からのメッセージを人事の立場から世に発信し続けている。

見座田 圭浩
  • 日産自動車株式会社 日本戦略企画本部 モビリティサービス事業部 

2011年にソニー入社。ITインフラ部門で社内ネットワーク構築やソニーストアの運用などを担当した他、経営管理部門にて中期経営計画の策定や中近東エリアの事業計画策定等を任された。また人材育成部門にも所属し、メンタリング制度の導入等を推進。そして2018年、モビリティサービス確立をめぐる業界の大変革に惹かれ、日産へ転職。モビリティサービスの企画、開発、実行を担う現職で力を振るっている。

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気づいているだろうか? 様々な報道がメディアで飛び交う中、日産が次代に向けたイノベーションをむしろ一気に加速し、未来のモビリティに関わるチャレンジを精力的に繰り広げていることを。

日本の経済を牽引してきた自動車産業に大変革期が訪れ、すべての関連企業がその存在価値自体を問われていることは言うまでもないが、日産が近年放っている熱量は明らかに他をしのいでいる。

採用チームもまたしかり。「変革の旗手」を志すイノベーター人材への期待を明言し、実務経験ゼロの学生たちに対しても破格の期待値を発信している。

はたしてその真意とは? 2人のキーパーソンが本音で「これからの日産」を語ってくれた。

  • TEXT BY NAOKI MORIKAWA
  • PHOTO BY TOMOKO HANAI
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国際的異種格闘技が展開されるモビリティ産業。競争のキーポイントは新しいサービスか

「自動車業界」の呼び名が「モビリティ産業」へ変わろうとしている。世間が勝手にそう呼び始めたというよりも、むしろ自動車業界の側が率先して「モビリティ」という言葉を多用しているように感じるが、その理由は明白。この領域で近年起き続けている進化や変革に、誰もが気づいているだろう。

例えばGoogleをはじめとするデジタル産業の巨人たちが運転の自動化技術をもって、自動車産業のフィールドに音を立てて参入してきた。未来のクルマとして期待されるEV、電気自動車の領域においても、Teslaの登場と躍進が既存勢力に揺さぶりをかけている。

またUberを筆頭にLyftやGrabといったスタートアップベンチャーが提供するいわゆるライドシェア事業も、ディスラプターとして驚異的な成長を遂げている。

さらに2020年以降、日本だけでも6,000億円超の市場となることが予測されているカーシェアリング事業の台頭も大きな変化の1つ。加えて航空および鉄道といった移動手段の他領域でも、製品やサービスが飛躍的に進化しようとしている。

以上のような前例なきイノベーションが、短期集中で同時進行したことから、強烈な危機意識が自動車産業界に芽生え、膨らんでいった。

「今まで通り新車を開発し、大量生産して売っていくビジネスモデルだけでは生き残れない」との危機感が「もはやクルマ製造の会社ではなく、あらゆる移動に関わるサービス提供企業に生まれ変わります」という宣言につながり、「我々はクルマメーカーではなくモビリティ企業なのだ」という自己認識が定着しようとしているのだ。

トヨタはソフトバンクと連携し、日産はGoogleやディー・エヌ・エー(以下DeNA)と連携するなど、業界の壁を超えた「自動車×デジタル」の強者連合が、自動運転を含むMaaS(マース。Mobility as a Service)という次世代モビリティサービスの創出、事業化に挑んでもいる。

だが、こうして一連の流れを整理していくと、ワクワクしてくる人間も少なくないだろう。最前線で戦うプレイヤーにしてみれば「未だに勝者が決まっていないこの成長領域で、生き残りを賭けて必死で格闘している」という見解もあるだろうが、ゼロからイチが創造される場に身を置きたいと考えるタイプの者からすれば、喜んでその戦いの場に飛び込んでいきたいはず。その典型例といえるのが見座田氏だ。

見座田私はもともとITのインフラ領域を起点に、前職のソニーで自由に暴れさせてもらいましたし、経営企画の仕事もさせてもらって充実した気持ちでいたのですが、モビリティ界隈で始まった動きにどんどん魅了されていったんです。ぜひともその輪の中で仕事をしてみたいと考え、日産への転職を決意しました。

日産自動車株式会社 日本戦略企画本部 モビリティサービス事業部 見座田 圭浩

異業種トップ企業同士の連携や、革新的技術を持つスタートアップと実績ある大手企業とによるオープンイノベーションといったチャレンジで、グローバル市場の最前線にダイレクトに影響を及ぼしていけるチャンスは、エレクトロニクスやITの領域にもある。

だが、間違いなく最もダイナミックに変化しようとしており、どの企業がどのポジショニングを取れるのかが確定していないのはモビリティのフィールド。ビジネスモデルそのものをひっくり返すようなディスラプターの続出によって、異種格闘技の様相を呈するこのフィールドで、見座田氏が日産を選択した理由とは何だったのか?

見座田現在私が携わっているのは、直接的なクルマの開発というよりもMaaSにおいて確実に収益化を目指していけるサービス群の創出と確立ですが、エネルギーのハブになる移動体として、EVはビジネスの裾野を広げたり差別化を図る上で鍵になる要素だと考えています。

複数の自動車メーカーを検討していった結果、このEV領域で圧倒的なアドバンテージを日産に感じたことが、入社への決意につながりました。

日産のEV「リーフ」は、2010年の発売以来累計40万台超という販売実績を達成。「世界で最も売れているEVカー」の称号を得ると同時に、電動パワートレイン「e-POWER」搭載の「ノート」が2018年度の普通自動車国内登録数№1(約13万台)を獲得。

世界市場で「電気自動車は日産」というブランドを築いている。そんな日産だからこそ「ここでチャレンジがしたい」と見座田氏は決めたのだ。

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他がやらぬことをやる。それが日産に根付く“イノベーションの源泉”

以上のように、風雲急を告げるモビリティ領域だが、だからこそ魅力を感じて異業種から飛び込んでくる見座田氏のような実力者もいる。では新卒採用の現場では何か変化は起きているのだろうか?

東郷業界に起きている大きな変化を学生たちがどう受け止めるのかについては、私たち採用チームも注視し続けているのですが、現状、入社希望者の数については目立った増減はありません。

ただし動機の面、つまり学生の皆さんが自動車メーカーに何を求めて参入しようとしているかについては、大きく2つに分かれ始めています。

1つは、自動車を製品として支えるメカニズムやテクノロジー、あるいはクルマにまつわる文化や娯楽といった存在価値に魅力を感じてくれる層です。

一方、ここへ来て急速に増えているのが、自動車という製品以上にニューモビリティと言われているイノベーションや、それらがもたらすはずの未来社会に対する関心から入社を考えるような層です。

日産自動車株式会社 人事本部 日本タレントマネジメント部 東郷 茉莉

新卒者の採用育成を担当する東郷氏の口からこう聞けば、「なるほど、学生たちも変革の動きや新しい社会への貢献に対して、積極的に関心を持っているんだな」と思いそうになるが、話には続きがあった。

東郷ただし後者の層、つまりモビリティ関連の変革をよく捉えて、最新動向を勉強している学生の多くは海外の学生です。実際に海外市場の方がモビリティの変革スピードが早いからです。

もちろん日本の学生の中にもそういうかたはいるのですが、海外の学生に比べたらまだまだ少ないというのが偽らざる実情なんです。

日本の学生はグローバルに活躍したい、社会の変革をリードしたいという志向を強く持った学生は多いが、世の中で起きている実態をどこまで把握できているのか。中国など世界のデジタル先進国のマーケットで何が起きているか知っているのか。

日本での採用担当者としての私見ですが」と前置きをしたうえで東郷氏はつぶやく。「日本の学生たちよ、目を覚ましてくれ」と。すると見座田氏は微笑みながら、こうフォローした。

見座田やっぱり「自動車を作るのが日産の仕事」という固定観念は、内部の人以上に外の人には強いんだと、私は思いますね。

それに世界に名を轟かせる大企業ですし、日本の会社ですから、「そう簡単に若いうちから新しいチャレンジの仕事をやらせてもらえるはずがない」という印象もあるかもしれません。

東郷そう、そこですよね。私もそれは強く感じているので、本当の日産の姿を正しくアピールして伝えていくことで、新卒採用の局面も変えていけるのではないかと思って動き始めたんです。

ここで東郷氏は日産が長年掲げ続けているブランドコンセプト「Innovation & Excitement for Everyone」を説明する。

東郷「新たな発想ですべての人にワクワクを」というのが私たちのコアバリューなんです。言葉だけではなく、開発や製造の現場はもちろん、あらゆる部門の人間がこの価値観で働いていますから、「他社に追いつけ追い越せ」というような意識よりも「どうすればワクワクするようなクルマやサービスを提供できるか?」、「他社がやらないことで社会に提供すべきものは何か?」という意識で事業開発しています。

事実、電気自動車 「リーフ」はとても面白いクルマなんですが、高級路線ではなく大衆車と同等の価格で販売することで、たくさんの人に日産のワクワクを体感していただいています。だからこそ、「世界一売れたEV」を社会に提供できているんです。

見座田私は直接的には新卒採用に携わっていませんが、東郷さんのような考え方や動き方をどんどんしていくべきだと思っています。

なぜなら私自身、入社してみるまで気づかなかったんですよ、日産の人たちが新しいものに挑戦したがる人たちで、業界No.1になることよりも、ワクワク感をこんなにも大切にしていることに。

東郷それは嬉しいです。でも、逆に反省してもっとアピールしなきゃいけませんね。

そう語った東郷氏だが、すでに日産は学生をターゲットにした積極的アピールを推進している。この7月にも学生を対象にしたモビリティサービスのビジネス企画コンテスト「Future Mobility Business Contest」の開催を発表し、注目を集めたばかりだ。

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優勝チームは300万円で「プランを現実にする」。これぞ日産の定義する“イノベーター”

東郷コンテストの評価基準は「Passion×Originality」です。予選ではそれを踏まえてもらいながら、大学生や大学院生の皆さんにモビリティやイノベーションへの熱い想い、コンテストに対する意気込みなどを、オリジナリティ溢れる1分動画にまとめてもらい、送っていただくエントリー形式にしています。

見座田どういう内容の動画でも良いんですよね?個性豊かな作品が集まりそうで、楽しみですね。

東郷そうなんです。熱いプレゼンをそのまま収録したものでもいいし、凝った映像でもいいし、ダンスしていても、テクノロジーを注ぎ込んだものでも問題ありません。

そうして本選に進出したチーム(学年不問。1名でもエントリー可能)には8月に提示するテーマで優勝を争ってもらい、みごとに優勝したチームには、300万円を提供するんです。

しかもこれは賞金ではなくて、2ヶ月かけて練ったプランの実行資金。自分たちが企画したビジネスアイデアを、実際に現場で実行してもらうための資金なんですよ。

見座田そうこなくっちゃ(笑)。アイデアだけで優劣を決めない、というのも日産らしさの発信になりますよね。実行する上での泥臭い努力にこそ価値がある。それって今私が実感していることですから。

この発言を受け、あらためて見座田氏の現在の役割や取り組みを聞きたくなった。ニューモビリティ事業部として今年1月に発足したチームで、いったいどのようなチャレンジをしているのだろうか?

見座田大まかに言うとMaaSを日産として事業化し、広く世の中に定着化させていくのが我々のミッションです。

具体的には日産自動車と日産カーレンタルソリューションの共創事業として展開しているカーシェアリングサービスの「NISSAN e-シェアモビ」や、DeNAとの連携による自動運転サービスの「Easy Ride(イージーライド)」を軸にしながら、モビリティサービスの可能性を運用面も手がけながら追求しているんです。

まさにMaaSムーブメントのど真ん中ともいえる取り組みゆえに、新しさや華々しさしか感じないのだが、「それだけではないし、それだけではいけないと自分に言い聞かせながらやっている」と見座田氏。

見座田たしかにカーシェアはレンタカーとは一線を画す新しい形ですし、自動運転などはまだ誰も確立していない領域を手探りしていくような新しさに満ちています。

でも、2019年の今それらがどうなのかといえば、もはや完全なゼロイチ領域ではありません。むしろ、新しさで注目されていた段階から、きちんと事業にまとめ、多くのお客様を獲得して安定した事業を作っていくにはどうすれば良いのかがメインテーマになっている段階。

創造者になる仕事よりも、ディスラプターになる仕事と捉えたほうがいい。そういう意味で醍醐味と泥臭さが同居しているわけです。

そしてもう1つ、事業としての成功を目指すからには、必ずついて回る泥臭さもあるということです。

そう語った見座田氏は、一例としてつい先日も自ら行ったビラ配りのことを説明する。「NISSAN e-シェアモビ」を試してもらうためのチラシをチームで作成し、社内外に立って皆で配っていったのだという。

見座田街中で一般のかたにチラシを配ってみて、大いに勉強になりました。というか、まだまだ世の中の皆さんの関心を引き寄せる努力をしないといけないな、という反省で心が折れそうになりましたよ(笑)。

要するに、チラシを受け取ってもらえなかったり、受け取ってくれてもさして興味を示してくれなかったり、という実情を肌で感じたわけです。

一方、朝早くから本社ビルの前に立ち、社内でも配ったのですが、こっちでは大いに力づけてもらいました。皆が応援してくれているという空気感をたくさん味わいましたので。

「なにもそこまで自分でしなくても」と言いかけると、見座田氏は即座に首を横に振り「やらなきゃいけないし、やるべきなんです」という。すると東郷氏が満面の笑みで同意する。

東郷そうですよね! コンテストも同じです。新しいチャレンジを本気でやろうというのなら企画の価値は1割、残る9割は実行。実行して成功させるためには、いくらだって泥臭いことをするチームでなければいけないし、この1:9の比率を体感で知った上で「楽しい」と思える集団じゃないといけませんよね。

見座田道なき場所に道を通そうというのだから、汗まみれ泥まみれは当然。さらにもう1つ別の泥臭さとして、モビリティサービスの仕事の多くが、社内外の多様な人たちとの協働で成り立っているという部分もあります。

得意ジャンルのまったく違う人たちと一緒に、1つの形を決め、それを新しい取り組みを形にしていかなければいけません。

ゲームチェジャーになろうというからには、こういう様々に泥臭いエネルギーの使い方をしていき、周囲を巻き込んでいく。そしてそれを楽しさとして味わえるような才能が必要なんです。

東郷そういう人が増えてくれるために、私たちもコンテスト以外に色々な仕掛けをしています。

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新卒にも新規事業でのチャンスあり。1年目も在籍するニューモビリティ事業部

だが、やはり「歴史ある日本企業で新しいチャレンジをやらせてもらおうとしたら、何年も待たなければいけない」という「大企業あるある」への疑念は残る。実際のところ見座田氏の部門に若手はいるのだろうか?

見座田いますよ。最年少は今年の新卒入社組。今、私と一緒に汗をかいています。

もちろん、モノ作りの領域でチャレンジングなことをさせてもらおうと思えば、自動車の設計開発の基礎や製造工程のいろはを学ぶ時間が必要でしょうけれども、少なくともMaaSの最前線で問われるのは基礎的な技術職よりも、先ほどお話したような価値観や、新しい物事に対する情報感度のほうが重要です。それならば実務経験の年数なんて関係ありません。

東郷今、見座田のところにいる19年入社の新卒社員は、学生時代からカーシェアリングを研究していた人間でもあるので、特に強く配属を希望してきましたし、彼の他にも、入社2〜3年あたりの若手社員ほど、MaaSなどの新規サービスに興味を持っている社員が多くいます。

取材の冒頭で日本人学生のモビリティへの関心の薄さを課題としていた東郷氏だが、すでに様々な打ち手を通じ、少しずつ自動車業界の変革に興味を持った若手新卒入社組を増やしてきた自負も持っているようだ。実際のところ、採用の現場でどういう発信を行い、それらはどんなリアクションを呼んでいるのだろう?

東郷試行錯誤していく中でわかってきたことがあります。例えば学生たちに「今自動車業界がやっている事」を話しているだけだと興味は持ってもらえないんですが、未来に向けて取り組んでいること、つまり見座田の部門などの話をしたり、最新技術の取組みなどの紹介したり、社内で制作した 「ニューモビリティで描く20年後の社会」をテーマにした動画を流したりすると、一転して面白そう!と興味を持っていただけます。

口頭で何の説明もせずに「マース」なんて言葉を使っても、きょとんとされてしまうのですが、MaaSがどういうもので、日産がすでにどういうMaaSを手がけているかがわかってくると、説明会場の温度が上がる感じがします。

10年後、20年後の成長領域だからこそ、学生の皆さんには、もっとMaaS領域が社会に与えるインパクトを知っていただいた上で「選考を受ける・受けない」を判断してほしいと心の底から思っているんです。

見座田私たちとしてもモビリティサービスにどれだけ大きな可能性があるのか、ということをどんどん発信していきたいと思っています。

事業として動き出しているもの以外にも、例えばエネルギー面でクルマが社会に果たしていけそうな新しい役割について、私は注目していますし。

東郷クルマが生活上のプラットフォームになっていく、という話ですよね? 移動手段として使われるだけでなく、スマートグリッド化した社会でクルマ(電気自動車)が住宅への電気エネルギー提供の役割を担う可能性があるとか、そういう話題が社内でも出ることは多いです。

見座田クルマに期待される役割が旧来のものとは全く変わっていく可能性が高い。そうなればなるほど、クルマ作りとは無関係な分野の人たち、あるいはそういうところに強みを持ちたい人にもどんどん入ってきてほしいです。

例えば、カーシェアの事業で新しい顧客体験を検討する際にエンターテインメント的な分野に強い人が活躍するような事もあると思います。クルマをシェアすることの喜びを、お客様に向けて分解し、伝達できる人材が重要ですから。

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もはや自動車会社ではない。求む、“ワクワク”を社会に届けたいイノベーター!

最語に、あらためて東郷氏に聞いた。日産の新卒採用チームがイノベーター人材を重視する理由とは何なのか、そして求めている人材像とはどういうものなのか。

東郷先ほどもお話をしたように、まずは日産が「クルマを製造する会社」ではなく、むしろ「革新的な技術を通じて、人々にワクワクを届けることにこだわってきた会社」なのだと、正しく知ってもらうことが現在の採用活動の根底にあります。

そして、今全社をあげて力を入れているワクワクがニューモビリティにあることや、そこでEVでの強みが有効に作用している点、そして若手でも早くからチャレンジできる可能性についてもきちんと伝えようとしているんです。

結果として、未来の話に敏感に反応してくれる学生が日産を見直してくれ始めていますので、この方針をさらに強く進めていくつもりです。

人材像について言えば、かつては課題解決型人材というのを1つの理想モデルとして捉えてきた経緯はありますが、100年に1度と言われる大変革期をこの業界全体が迎えている今、「課題が何かわからない」という不透明な中で誰もが試行錯誤しています。

だからこそ、先ほど見座田も言っていたような「見えないものを見つける喜び」や「今あるものをディスラプトしていく楽しさ」に関心を持ち、その実行面の泥臭ささえ「面白い」と解釈できる人材をイノベーター人材と捉えて、積極的に増やしていきたいと考えています。

見座田その通りです。私のチームにいる1年目のメンバーがよく、「そもそも…」という発言をしてくれるんですが、新しい気づきになる事が多く、チームから重宝されているんです。

ビジネスの前提がないまっさらなデジタルネイティブな新卒だからこそ、日産における「チェンジメーカー」の役割を担える可能性がある。

「世界中が注目しているMaaS領域を私がリードしてみせる!」という気概と、「泥臭いことでもやりぬく胆力」を持つ若者にはぜひ、日産で大暴れしてほしいと私も思っています。

思い出してほしい。「日本が誇る世界的モビリティ企業」は複数あるが、2000年代初頭に「奇跡のV字回復」という大変革を経験したのは日産だけだ。変革に伴う泥臭さや痛みをこの集団は肌身で知っている。

そして今、他社にはない痛みも抱えながら、それでもなお「ワクワクを追求する」と胸を張って言い放つ。「日産の本当のところを知ってほしいし、知った上で興味がないなら仕方がない」とも口にする。そうした独自性を持った集団が、未来を創る人材を本気で求めている。

日産自動車という企業が、モビリティ領域で異彩を放つ可能性があることを、学生や若手社会人は理解しておくべきだろう。

こちらの記事は2019年07月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

森川 直樹

写真

花井 智子

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