「宇宙×金融」さまざまな分野で活用が進む衛星データ | お金とテクノロジーの未来 vol.2
宇宙には国境がなく、自由にアクセスできるため、国家の防衛戦略上、極めて重要な位置を占め、宇宙産業に対する投資は全世界的に非常に活発になっています。結果、フロンティアテックとも呼ばれる宇宙関連の技術開発は熾烈を極めています。 1957年に当時のソビエト連邦が人類初の人工衛星『スプートニク1号』を打ち上げて以来、多数の衛星が打ち上げられ、地球周回軌道上を回り続けています。Bryce Space and Technologyのレポートによると、600kg以下の小型衛星(Smallsats)打ち上げ数はここ数年で爆発的に増えています。今後その数はさらに増え、地上からの宇宙観測に支障をきたすという心配がなされるほどです。 2021年に打ち上げられた小型衛星1,743機のうち、80%はStarlinkやOneWebといった宇宙ネットワークビジネスを行う企業の通信用衛星が占めています。次に多いのは、リモートセンシング用衛星(9%)です。 衛星自体も小型化・高性能化が進んでおり、より高精度なデータを高頻度で取得できるようになってきました。また、地表の大部分をカバーする宇宙ネットワークによって、これまで地上線を敷設できなかった広大な地域や山間部などでもビジネスを展開できるようになります。 本コラムがテーマとする金融サービスは、一見すると宇宙と関係ないように思えるかもしれません。しかし、実際にはここ数年、金融の世界でも宇宙からのデータを活用したビジネスやサービスが生まれてきており、その動きは加速する一方です。今回は、衛星データを金融で活用しているいくつかの例について見ていきたいと思います。…
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