前職レノバにて会長を務めている千本さんは「レジェンド」のような存在だと思っているのですが、何か変わったエピソードや印象に残っている出来事はありましたか?
前職レノバにて会長を務めている千本さんは「レジェンド」のような存在だと思っているのですが、何か変わったエピソードや印象に残っている出来事はありましたか?
1件の回答
皆さんもご存知の通り、千本さんは日本を代表する大経営者です。KDDI(旧第二電電)やイー・アクセス、イー・モバイルなど日本の通信セクター史に残る代表的企業を次々を創業して、それぞれ数千億円・数兆円の企業価値に育て上げた方です。その方のもとで5年間お仕えできたことは、間違いなく私のプロフェッショナル人生において大きな影響がありました。育てていただき心から感謝しています。
正直にお伝えすると、私が思うように仕事での成果を出せなかった時期は、ここでは書けないくらい叱責されたこともありました。それも含め、数えきれないほどエピソードはあるのですが、千本流経営哲学を学ばせていただいた中で印象的なものをいくつかご紹介いたします。
「世の中の0.5歩先をいけ」
事業は参入タイミングがとても大事です。常に大きな流れを読むことを意識し、他人より半歩先に取り組むこと。そのために、「世界を見ること」「良い感性を持ちあらゆる領域の方との出会い(セレンディピティ)」を非常に大事にされていました。
「経営規模の桁を、2桁上げろ」
私がCFOとして入社したときにはアセットサイズが数十億円の会社でした。その時点で短期間で数千億円の事業を作るべしと、CEOをはじめとする経営チームにビジョンを示していました。もちろん、数年後には目標は兆円級に引き上がるわけですけれど(笑)。
ただ闇雲に高いゴールを掲げれば良いのではなく、具体的な事業計画に落とし込み、達成するために必要な経営資源を因数分解し、今何をしなければいけないかを考えることが重要です。これは何度も発言されていました。
「第一級の経営チームを作る」
他社を圧倒して伸びていくためには、「人材のフォーメーションをいかに創り上げるか」が最も大切です。特にトップマネジメントと言われるCXOが重要です。
「コーポレートガバナンスの重要性」
コーポレートガバナンスの重要性はいつもおっしゃっています。いずれ権力は腐敗していくものであり、牽制機能があるからこそCEOやオフィサーもさらに成長していけると。実際に、米国企業やレノバでは社外取締役(より正確には非業務執行の独立取締役)が取締役会の過半数を占めており、究極的にはCEOを退任させられる仕組みを整えています。