Low Hanging Fruit Strategy
〜資金調達の際に考えるべき順番〜
(この記事は500 Startups Japanブログからの転載です)
- TEXT BY 500 Startups Japan
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
James私と澤山が500 Startups Japanのファンドの資金調達を開始した頃に、まずアプローチしたのは、有名なエンジェル投資家たちでした。
しかし、こうしたエンジェル投資家の多くは、30万ドルから100万ドル程度の投資しかしません。これはファンドの目標額3,000万ドルを達成するには到底及ばない金額であり、クローズするには、おそらく30名から60名のエンジェルが必要になる計算です。
とても効率の悪い資金調達プロセスであり、後からそれだけ多くの投資家をマネジメントするのにも大変苦労するでしょう。
Jamesでは、なぜ私たちは、最初にエンジェル投資家にアプローチしたと思いますか?
私たちが最初に有名なエンジェル投資家にアプローチした理由は、彼らがLow Hanging Fruit(低いところにぶら下がっている果実)だったからです。
彼らは、一人で意思決定ができ、そのため素早く決断できたからです。300万ドルから1,000万ドルの投資ができる大型投資家を訪ねる前に、実績を作っておく必要があると考えていました。
企業や機関投資家のような大型投資家は、より保守的な傾向が強く、決断するまでにかなりの時間を要する場合が多くあります。
後から大型投資家を訪ねる際に、すでに、(ガンホー・オンライン・エンターテインメントの創業者である)孫泰蔵氏や、(コロプラの共同創業者である)千葉功太郎氏が私たちのファンドにコミットしている、と言えたことは、私たちも手ぶらで現れた訳ではないことを意味していたのです。
両氏のコミットメントのおかげで、すでにトラクションがあること、そして、すでに業界有数のベテランから厳しく吟味されていることを示すことができました。こうしたポジティブなシグナルがあったからこそ、その後、大型投資家からもコミットしてもらえたのです。
私は現在、これをLow Hanging Fruit Strategy(LHFS)と呼んでいます。LHFSは、スタートップの資金調達プロセスにも応用できます。資金集めを始める前に、まず、あなたにとってのLow Hanging Fruitを考えてみましょう。必ずしもエンジェルである必要はなく、すばやく決断できる意思決定者であれば良いのです。
スタートアップの世界では、エンジェル投資家または独立系ベンチャーキャピタルがこれに該当する場合が多いでしょう。官僚的なプロセスに縛られがちな企業では、社内でコンセンサスを得るのにより長い時間を要する傾向にあります。いくつかの例外はありますが、迅速にコミットできないケースがほとんどでしょう。
Jamesできれば、これらのLow Hanging Fruitが業界内での評判が良く、決断が遅めな投資家の判断に影響を与えてくれるような投資家だと理想的です。まずは、知名度が高い人たちにコミットしてもらってから、他社とミーティングすると良いでしょう。
私たち500 Startups Japanは、ミーティングから24時間以内にオファーを出したこともあります。例外的なケースかもしれませんが、私たちがスピードを重視していることに変わりはありません。
なぜならば、自分たちも資金集めを経験しLow Hanging Fruitの大切さを理解しているし、それが競争する上で私たちの強みであると考えているからです。
創業者が500 Startups Japanの元を訪れると、スピーディーな決断を期待できる、それを実現することが私たちの目標です。
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こちらの記事は2018年06月18日に公開しており、
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編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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