いくつ知ってる？
2017年日本のベンチャーM&A──23事例リストつき

昨年に行われた23社の買収。公開されている買収額を規模の大きなものから見てみると、KDDIによるソラコム買収、ネクソンによるピクセルベリー買収、 ポラリスによるBAKE買収、DMM.comによるバンクの買収、グリーによる3ミニッツの買収、じげんによる三光アドの買収が並ぶ。

買収されたサービス・企業の内訳を、事業領域ごとにみると、モバイル通信のクラウド化やクラウドストレージ、クラウド記帳など、クラウド（cloud）関連事業が複数見受けられるのが印象的だ。

クラウド関連サービスの品質向上やセキュリティー技術の発達などに後押しされ、サービスの実用化が進展したことにより、その価値への理解が深まり、注目度が高まったことも影響しているのだろう。

共通項としてほかに挙げられるのは、「Qiita」「peing質問箱」など情報共有サイトや、SNSプラットフォーム「GreenSnap」などに通づる、ユーザー参加型のプラットフォームビジネスであることだ。

また、一昨年2016年をサイバーエージェントの藤田晋氏に「動画元年」と称されたことが記憶に新しい（「2016年はインターネット市場全体を見渡しても、動画元年と呼べるようなターニングポイントの年」の発言より）が、企業によるネット動画配信事業の強化、新規参入も相次いでいるようだ。

動画メディアやライブ配信領域のサービスの買収も２件あり、昨年までの4年間で5倍にも市場規模が拡大したと言われる動画広告市場の成長ぶりが、早くも昨年の買収事例に影響しているように思われる。

このほかには、昨今話題性の高い「AI」関連事業の買収も2件に登った。反面、ソーシャルゲームサービスの買収は１件にとどまった。

下記のリストは、2017年1月1日から12月31日までの期間における買収事例をまとめたものである。