「金融力を軸に、新規事業を創造する」
商社・コンサルティングファームとは一線を画すイノベーション・カンパニー、オリックスのコアバリューとは
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オリックスのCM「やる気MAX!ORIX!」シリーズでコミカルな一面を披露するイチローさん。この野球界のカリスマを輩出したプロ野球チームもたしかにオリックスが運営しているが、はたしてどれだけの人がオリックスの事業ポートフォリオを正しく把握しているだろうか。
多くの人は「大手総合リース会社」と捉え、「リースを軸に巨大資本を築き上げた大企業」という認識でいるのではないだろうか。たしかに間違いではない。だがこのグループは「与信審査などのファイナンス能力」と「モノを取り扱う専門性」に支えられ、多くの事業を生み出している「事業家集団」としての側面もあることを見逃してはならない。
しかも再生可能エネルギー事業やコンセッション事業(空港運営など)など、社会にインパクトを与えるさまざまな先進性のある事業にも深く関わっている。イノベーションを起こしていく仕事に携わり、新しい可能性を切り拓いていける環境を望んでいるのであれば、一度しっかりとこのグループの実態を知っておくべきだろう。
そこでオリックス株式会社の採用・人財開発の責任者である谷川修一氏に、オリックスの実像と活躍する人財について聞いた。
- TEXT BY NAOKI MORIKAWA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
なぜ今「事業家志向」の学生に人気なのか?総合商社ともコンサルティングファームとも一線を画す、イノベーション・カンパニーとしてのオリックス
谷川内定者の志望業界の内訳では、金融業界志望の学生は全体の半分もいません。
取材冒頭、谷川氏が、変わりゆく就活現場について明かしてくれた。オリックスといえば、「リース会社」としてのイメージが強く、必然的に金融業界に興味のある学生がこれまでは入社志望の多数を占めていたという。
たしかに同社は、1960年代当時に「リース」という新しい金融手法を日本に導入したパイオニアだ。しかし、今となってはリース事業はグループ全体の収益の一角でしかない。
谷川もちろんリースを主軸とする金融事業は、私たちの歴史でもあり中核の一つです。ただ今では、リースが含まれている法人金融サービス事業部門の全体に占める利益比率は10%ほど(2019年3月末時点)になっています。当社を志望する学生も、商社や海外事業に注力しているメーカーなどと併願する学生が年々増えています。
事業を創造する仕事に携わりたいから総合商社を志望しているという学生、あるいは海外で主体的な役割を担って働きたいからグローバル志向のメーカーを目指しているという学生で、「この記事を読むまでオリックスの実態を知らなかった」という人がいるのなら、危機意識をもったほうがいいだろう。すでに気づいている者はいるのだ。
オリックスが金融事業を軸に多角的に事業を展開していることは理解できるが、他の総合商社やコンサルティングファームと何が違うのか。谷川氏いわく、その一つには金融のバックグラウンドを最大限に生かした「ファイナンス力」があるという。
谷川当社に興味を持ってくれる学生の中でも「事業を一からつくってみたいが、金融には興味がない」という言葉を聞くことがあります。しかし、「ファイナンス」のスキルを抜きにして、事業を拡大することなどできるでしょうか?リースや融資の案件だけではなく、M&Aを実行するにしても企業をどのように評価するのか、ファイナンスの専門性がなくては事業価値の判断も意思決定もできません。CEOやCFOとして経営に携わることを目指すにしても同じことが言えると思います。
「ファイナンス」は、ビジネスの世界で活躍したいと考える人にとって必須のスキルともいえるでしょう。私は、決算書を読めないようでは、事業を起こすことも企業を正しく評価することも難しいと思っています。その点、オリックスでは入社直後からファイナンス力をもとに、クライアントの経営者と、日々経営課題について話し合うことが求められます。
ファイナンス力というベースを踏まえ、さまざまな事業に取り組めるのはオリックスならではといえるかもしれない。さらにビジネスの世界でオリックスが評価される理由があると、谷川氏は語る。
谷川オリックスはリース事業をビジネスの軸にしていた時代から一貫して、自らリスクを取って事業に参入する姿勢を貫いてきました。しかも、すでに成功が約束されているビジネスばかりではなく、誰も手を出さなかったようなビジネスや、新たに拓かれたマーケットでチャンスを的確に掴むことで、いくつもの成果を上げてきました。そうした姿勢や実績が、お客さまへよりインパクトのある提案となって現れると私は自負しています。
オリックスは、リスクをとってビジネスに携わっていくことにより、価値ある知見やノウハウを獲得し、独自の成長を遂げているといえるのだ。また、そこで働く人材も多彩多様なイノベーションの経験値を重ねている。そのような同社の姿勢はマーケットでも高く評価されている。
例えば、エネルギー業界や航空業界、不動産業界など、オリックスが足跡を残してきた業界の人々には「いつも新しい何かに挑戦する会社」だと認知されているのだと谷川氏は言う。
谷川私も以前は現場の最前線にいましたが、「何か新しくて面白いことがしたいと思った時は、とりあえずオリックスに相談してみよう」とお客さまに直接お話しいただいたこともありました。私は、オリックスの社員には皆、お客さまのためになることを考え、挑戦してみようという社風が根付いていると考えています。
水族館や空港の運営、再生可能エネルギー事業……、なぜオリックスは新規事業を次々に成功させることができたのか
では、実際にオリックスはどのように事業を展開しているのか?実はこの疑問に応えてくれるのが冒頭に紹介したCMだ。「やる気MAX!ORIX!」のキャッチコピーを推すイチローさんの印象が残っているかもしれないが、一連のCMシリーズを見ていくだけでも、オリックスが展開する事業の裾野の広さを垣間見ることができる。実は、「やる気MAX!ORIX!」というコピーにはオリックスが「時代の変化やニーズを捉えて事業に挑戦する企業」というメッセージがこめられている。
谷川今でもよく話題に上るのは一昨年放映していた水族館編のCMです。「まさかオリックスが水族館の運営までやっているとは知らなかった」という声を非常に多くいただきます。ただし、水族館運営事業への参画もリース事業から「隣へ隣へ」と事業を広げていった結果、たどり着いたものです。そういったオリックスのビジネスモデルを学生の皆さんにも知っていただきたいと思っているので、こうした評判は嬉しいです。
水族館の運営事業を始めたきっかけはPFI(プライベート・ファイナンシャル・イニシアティブ)法が施行された1999年。民間資本による公共事業活性化への道が拓かれた直後のタイミングで、経営難に陥っていた旧江ノ島水族館の再生を引き受けたことからだったという。
当然のことながら社内に水族館運営のノウハウなどない。だが試行錯誤を経て成果につなげていく段階で、「街中にある水族館はコミュニティ形成の核になりうる」という可能性に着目。それが同社の持つ既存の不動産事業とのシナジーを生み、以後は自ら積極的に水族館運営に乗り出し、すみだ水族館、京都水族館という東西を代表する人気水族館の確立に成功したというわけだ。
すでに展開している事業の周りをよく見回してみれば、それまで気づかなかったビジネスチャンスがすぐ隣にある。勝機があるなら、積極的に投資を実行し、必要なノウハウは自前で蓄積していく……これぞ、オリックスが得意とする“隣地戦略”なのだと谷川氏は語る。
勝機を見出したなら、リスクテイクをしながら果敢に未体験の事業へ投資する。その姿勢が、オリックスの強さなのだ。そして、これが次なる“隣地”へつながっていく。コンセッション(公共施設等運営権)事業で空港運営に進出したのも同様の戦略によるものだ。2013年の民活空港運営法をきっかけに、民間資本による空港施設活性化への動きは始まったが、2019年春までに民営化を実現した例は9つのみ。内、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港の3つの空港運営にオリックスが関わっている。
谷川関西国際空港のコンセッション方式による運営権者が募集された際には、多数の企業が名乗りを上げていました。しかし、いざ参入するとなれば実に44年間もの長期間、この空港を維持運営を継続していくことになるため、リスクも少なくありません。したがって、最終的に入札に手を挙げていたのはオリックスとVINCI Airportsを中核とするコンソーシアムのみでした。この高いハードルを、最後まで乗り越えようとしたのが私たちだったということなのです。
コンセッション事業以外にも宿泊施設事業や、物流施設事業も展開しており、オリックスは、いわゆる「事業家集団」としての出発地点に立っているわけではなく、すでにスタートを切りエンジンを加速させているのだ。
新規事業へのダイナミックな挑戦事例はまだまだある。これもまたCMでも発信されてきたものだが、オリックスは再生可能エネルギー事業で一定の地位を獲得している。太陽光発電事業では2019年3月末時点で日本全国111カ所、合計826MWの発電所を運営・計画している。
日本有数の太陽光発電事業者となっている他、バイオマス(吾妻木質バイオマス発電所を運営)、地熱(杉乃井地熱発電所を運営)、風力(秋田新屋ウィンドファームへの出資)など、続々と成果を積み重ねている。海外においても、インドでの風力発電事業や、米国の地熱発電会社や蓄電池会社への投資なども推進。再生可能エネルギーの国内トップクラスの企業だと言えるのだ。
トップダウンによるイノベーションではない。イノベーターを育成する土壌作りが機能し、常に変革の狼煙が各所で上がる
ここまで見てきたとおり、数々の大規模な新規事業を成功させているオリックスであるが、「イノベーションの連鎖」をもたらしている源泉はどこにあるのか。果敢に挑む企業カルチャーは、創業時から脈々と受け継がれてきた文化である。大きな特徴として、チャレンジがトップダウンで行われているわけではない点があるという。
イノベーションを起こす人材が生まれ育っていくような環境がオリックスには醸成されており、それゆえに現場からイノベーターが次々に生まれているというのである。
谷川当社では以前から意識的にジョブローテーションを実施してきました。入社して10年で、3つの事業領域を経験できるようにキャリアプランを設計しています。したがって、1つのタスクにしがみついていられず、いや応なく新しいチャレンジを強いられることになります。現実に次々と新しい事業が始まる会社ですから、異動してきた社員にとってはその事業の知識がほとんどない状態でビジネスに挑むケースもあります。
当然、失敗もつきまといますが、そこから学びを得ていく。そうして若いうちにさまざまな事業領域やビジネス、それらから得られる価値観に触れることで、未知の領域に踏み込むことを恐れない人材が育っていくのではと考えています。
もちろんあらゆる領域において専門性は、常に突破口となる。しかし今や、あらゆる領域や産業、地域の境界線が取り除かれ、それらを乗り越えた複合的な組み合わせの中に価値が生まれる時代。真のイノベーションの実現は、複数の領域の中で、そこにある価値観の違いを知る人物やチームにしかできない。変化の種を境界線の向こうの隣地からも見つけ、今ある領域のものと融合できるかどうか。それが問われるというのだ。
そのような環境のなかで、必然的に若手社員のうちから新規事業に触れる機会は多いというが、オリックスはただ単に新しいことに確信もなく挑み続けているというわけではないようだ。
谷川当社を半世紀近くリードしてきた宮内義彦(現シニア・チェアマン)は、以前から「グッドリスク」という言葉を使っています。これは、ビジネスにリスクはつきもので、リスクを取らなければ会社の成長はなく、失敗を恐れていてはいけないが、そのリスクに対して会社としてどれだけ許容できるか、コントロールできるものなのかということを見極めるスキルを養うことが重要だということだと考えています。オリックスは常にこの「グッドリスク」を意識し、事業に挑戦し続けています。
ジョブローテーションを通じて、さまざまな役割や環境を経験することで、ボーダレスで柔軟な発想を育み、一方「グッドリスク」を見いだす視点をもつことにより、潜在するビジネスチャンスに対する嗅覚を磨いていく。それがイノベーティブな企業カルチャーにつながっているのだと谷川氏は言う。
谷川ジョブローテーションのおかげで、社員の数だけキャリアパスが存在しますから、社員一人一人がそれぞれ自由にチャレンジしたい方向性を見定めていきます。言い換えれば、誰がいつどこでどんな新規事業と向き合おうとしても何とかしてしまうくらいの底力も、いつの間にか備わっているのです。
これまで、社会が変容する節目や、法規制が切り替わるタイミングをチャンスに変換してイノベーションを実現してきたオリックス。それだけに、不確実な現代は、同社にとってイノベーティブな事業を生み出す最良の機会だとも言えるのではないだろうか。
こちらの記事は2019年10月31日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
森川 直樹
写真
藤田 慎一郎
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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