FinTech×EC支援で事業を連続創出できる理由とは?BASEのツーサイドプラットフォームに魅せられた山村・髙橋の躍動を追う

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インタビュイー
山村 兼司
  • BASE株式会社 上級執行役員COO 

立命館大学卒業後、食品メーカーでの営業を経て、2004年株式会社リクルートに入社。学び事業、共同購入サービス「ポンパレ」、CS推進、ECビジネス推進室、「Airレジ」等で、事業企画やマネジャーを歴任。2017年1月にBASE株式会社に入社。ネットショップ作成サービス「BASE」の事業推進と組織体制の強化を図り、2018年6月に同社COOに就任。

髙橋 直
  • BASE株式会社 上級執行役員/New Department Manager 兼 経営戦略室 

青山学院大学卒業後、三井住友カードへ入社し、戦略提携や事業開発業務に従事。国内外IT企業との資本業務提携や電子マネー事業・決済プラットフォーム事業等の立ち上げに参画。 2022年4月1日にBASE株式会社に入社。BASEグループの決済・金融を中心とした戦略事業を担当し、購入者向けショッピングサービス「Pay ID」、オンライン決済サービス「PAY.JP」、金融事業の管掌と併せ、経営戦略室のマネージャーを兼任しグループ全体の戦略立案・実行に従事。

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スタートアップシーンに注目していると、上場を果たした企業をあるイメージで見てしまいがちだ。そのイメージとは、「急成長期を終え、安定的なフェーズに入った」「ゼロイチの面白さはもうない」といったものだ。理屈では「上場は出発点」だと理解していても、良くも悪くも“分別のある大人”になり、遠い存在になったと思えてしまうのかもしれない。

2019年10月に東証グロース市場に上場したBASEも、同じような目で見ているかもしれない。しかし、上場から5年を経たBASEは、コロナ禍を機にグループ全体のGMV(流通取引総額)を大幅に伸ばし、その後も右肩上がりの成長を続け、2024年第3四半期の決算では900億円超に達した。連結売上総利益は前年同四半期比で42.2%の成長を遂げ、過去最高を更新した。

「失速」「安定」「停滞」といったワードとは無縁に尖り続けているBASEの急成長の裏には、2人の人物の存在がある。ショップオーナー向けのネットショップ作成サービス『BASE』を管掌するCOO山村兼司氏と、それ以外の成長事業、『Pay ID』『YELL BANK』『PAY.JP』といった決済・金融領域を管掌する髙橋直氏だ。

これまでBASEの成長の背景には、鶴岡裕太CEOが創業時から意識的に練り上げてきた「ツーサイドプラットフォーム戦略」があるという。この戦略がどのように機能しているのか、今後さらに高角度で成長するための新たな戦略について語ってもらった。

  • TEXT BY YASUHIRO HATABE
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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まだ“天井”が見えないEC市場のポテンシャル

2024年12月期 第3四半期(2024年7〜9月)決算の説明会資料で、BASE創業から現在までの成長の軌跡を振り返ってみよう。

BASEコーポレートサイトIRページ「2024年12月期 第3四半期決算説明会資料」から転載

このグラフに含まれているのは、ネットショップ作成サービス『BASE』と、BASE以外の事業者がAPIを通じて自分のWebサイトに決済機能を組み込めるサービス『PAY.JP』の合算だ。

2019年10月の上場から半年も経たない2020年にコロナ禍に突入し、『BASE』のGMVはいきなり2倍以上に拡大した。その後『BASE』が安定的に成長を続けるのに加え、『PAY.JP』のGMVが急速に成長していることがわかるだろう。この事業の成長だけにフォーカスした資料もせっかくなので紹介したい。

BASEコーポレートサイトIRページ「2024年12月期 第3四半期決算説明会資料」から転載

売上高は前年同期比50.5%成長の15億円(2024年7~9月)、売上総利益率も向上している。GMVの伸びが売上の伸びにもしっかりつながるという良いスパイラルが、この事業の領域でもはっきり見て取れるわけだ。

まだまだ天井は見えてこないこの状況を、山村氏はEC関連市場の観点からこのように説明してくれた。

山村日本のEC化率(すべての商取引においてECが占める割合)は、現状約10%、金額にして約13兆円という規模です。つまり残り90%は、インターネット上でなくリアルでモノを売り買いしているということです。

でも、海外ではEC化率20〜30%が当たり前の世界になってきています。これから日本が世界に追随して、仮にEC化率が20%になったとすると、単純計算で13兆円が2倍の26兆円市場になるわけです。そういう変化がこれから数年の間に一気に進むと思います。BASEがEC隣接領域での複数事業で伸び続けるポテンシャルは、まだまだ大きいといえます。その中でどうやって圧倒的なシェアを獲っていこうかと考え、一つひとつの施策を実行しているのが今の私たちの立ち位置です。

もちろんEC化率が20%で止まるわけではなく、さらに伸びる余地があります。その中で個人でビジネスするユーザーも爆発的に増えることは、“必ず起こる変化”です。私たちの取り組みによって、この市場にもっと大きくて速いゲームチェンジを起こせるはずだという感覚があります。

山村氏

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『個人の経済活動を支援する』というミッションへの共鳴

本題に入る前に、BASEの全体像をまだよく知らない読者のため、事業ポートフォリオを説明しておこう。

BASEグループでは、ネットショップ作成サービス『BASE』、購入者向けショッピングサービス『Pay ID』、ショップ運営者向け資金調達サービス『YELL BANK』、そしてオンライン決済サービス『PAY.JP』の開発・運営をしている。これらの4事業に加え、さらに2024年8月、M&Aによるwant.jpのグループ化でグローバルECという新たな展開も始まった。

この中で、EC領域の『BASE』事業を山村氏が管掌し、成長事業と位置づける決済・金融領域の『Pay ID』『YELL BANK』『PAY.JP』3つを髙橋氏が担当する形をとっている。

髙橋山村さんを中心に『BASE』事業を大きな幹に育ててきた一方で、新しい幹を増やしていくのが私の役割。また、経営戦略室を兼任しているので、M&Aも含めたグループの中長期戦略を担当しています。

山村『BASE』はもともと、個人やスモールチームの方々が簡単にネットショップを作り、オンライン決済を使って経済活動の拠点を持てることを目指すプロダクトです。

私たちの世代は、終身雇用が当たり前の時代でした。世の中の大半の人は、学校を出たら会社に就職し、定年まで勤め上げるのが普通。だから、企業に雇われずに個人でビジネスにチャレンジしたいと思ってもなかなか選択肢がありませんでした。

私も新卒ではサントリーに入社しました。「一生働ける」と思えるほど良い会社でしたが、個人でチャレンジしたいという思いも持ち続けていました。ただ、起業するにはまだ早いと判断し、リクルートへ転職して力をつけながら時機をうかがっていました。

その頃に、「人生の選択肢を増やすチャレンジ」を支援しているBASEという会社に出会ったんです。今でも自分が起業したい思いもありますが、それ以上に『BASE』というプラットフォームが大きくなることで、より多くの人のチャレンジを支援できる。その方が社会的に意義があるし、自分に向いているとも思いました。

今はインターネットのおかげもあり、就職する以外の働き方・生き方の選択肢が広がってきています。今後はもっと増えていくでしょう。この変化は不可逆のものです。『BASE』のショップ開設数は2024年12月で230万に達していますが、以前から今もずっと、日々増え続けています。おそらく今後、何千万という単位に増えていく。この自然増を待つのではなく、『BASE』のプロダクトによって個人ビジネスにチャレンジする人を急速に増やしていきたいという思いで仕事に取り組んでいます。

髙橋氏

髙橋私の前職は新卒で入社した三井住友カードで、振り返って見れば15年以上も決済・金融事業に身を置いていました。辞める直前の2021年時点でカード会員数は5,000万人、取扱高40兆円という国家予算レベルの規模の事業に携わり、やりがいを強く感じていました。

でも、もう少し事業成長や社会の変化に対する自分の貢献度を肌で感じたり、ユーザーと近いところで仕事をしたりしたいと思い始めたんです。そんな頃に、もともと接点のあった鶴岡さん(CEO)のことを思い出し、私からお誘いしてご飯を食べに行ったんです。話しているうちに、「100億円の売り上げのある1社と組むのではなく、10万円の売り上げがある10万の人たちの味方でありたい」というビジョンにあらためて共感し、入社する運びになりました。

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市場全体の3倍速で成長を続ける、その推進力

BASEのミッション「Payment to the People, Power to the People.」への共感を胸にジョインした2人が、ここ数年の成長を牽引してきたといえるだろう。成長の手応えを、それぞれどのように感じているのだろうか。

2012年から開設数は増加が続いている(提供:BASE株式会社)

山村1つはショップ数の増加です。創業以来、毎年ショップが増え続けていることはあらためてすごいなと思います。今でも月に1万ショップ以上が増えている事実に、手応えと「まだまだいける」という可能性を感じています。

もう1つは、直近で営業利益をしっかり出せていること。創業初期の頃はJカーブを意識して、収益性よりもショップ数やGMVをどれだけ伸ばすかというチャレンジを続けていました。

コロナ禍が収束したここ数年は黒字化を目標に置き、収益性やコスト効率といったビジネス観点をしっかり持ちながら、同時にユーザーへ提供する価値を高めていくという両輪のバランスを意識して取り組んで来ました。この2つを両立ができたことが、ここ1〜2年の実績につながったと思います。

BASEコーポレートサイトIRページ「2024年12月期 第3四半期決算説明会資料」から転載

一方、2022年に入社した髙橋氏からは、ここ1〜2年の成長がどう見えていたのだろうか。

髙橋私たちがいるセクターは、一般的にはEC市場、経済産業省がいうところの電子商取引市場、あるいはキャッシュレス市場などと呼ばれています。少しずつ切り口は異なりますが、どう切り取ってもだいたい年成長率10%前後の市場なんです。コロナ禍の時期の異例な動きを除けばの話ですが。

そして、この先も同じくらいの成長率で堅調に推移すると予想されています。

そういう市場動向の中でYoYの成長率を概ね30%でキープできているので、市場全体と比較してもかなり突出しているといえます。その要因は、グループ全体の“幹”となる『BASE』事業が伸びているところに、それ以外の成長事業の実績がどんどん積み上がってきているからです。

スタートアップが共通して苦戦する「第2の柱」の構築。昨今、BizDev≒新規事業立ち上げのポジション募集が目立つ背景にあるこの難しい課題を、BASEはクリアしたと言っても過言ではないように思える。EC領域の『BASE』事業が成長を続けつつ、決済・金融領域の新たな事業が着実に売上・利益を拡大しているのだ。しかも、全社の黒字化も合わせて実現しつつ、である。

では、ここから安定的で着実な企業成長のフェーズに入るのか?誤解を恐れずに言えば、もちろんNOだ。山村氏らが笑顔を見せて強調したのは、「知名度、アセット、資金力が揃った。これから、多事業展開を本格化させる投資に改めて踏み切る」という点だ。

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バーティカルでユーザーへの提供価値を追求し、ホリゾンタルに展開

そもそも「成長事業を積み上げられている要因」はどこにあるのだろうか。ここからはBASEグループの戦略を紐解いていく。

髙橋3つある成長事業の中でも『PAY.JP』事業のインパクトが目立っています。連結子会社のPAYが運営している事業ですが、GMVベースでYoY40〜50%くらいで成長しており、決済代行市場の成長率が10%前後といわれている中では著しい伸び率です。

『PAY.JP』は『BASE』と同様に、基本的には個人・スモールチームにフォーカスしています。いわゆるモノを売る物販だけでなく、無形のサービスを売る事業者にも決済機能を導入できることから、サービス系の事業を行うスタートアップにも多く使われており、その伸びが全体のGMV成長を牽引してくれています。

そのような中で、BASEグループ全体ではどのような戦略を描いているのか。

髙橋BASEの戦略の特徴の1つは、バーティカルでありながらホリゾンタルなプラットフォームであること。『BASE』というEC事業に特化したバーティカルなプラットフォームがあり、その中で培ってきた決済・金融機能を切り出して、ネットショップ開設ユーザー以外も含めた他領域へホリゾンタルに展開しているんです。

例えばホリゾンタルに特定の機能を提供するだけだと、顧客企業の事業の全体像や戦略に関与しにくいですし、ユーザーとも直接タッチできずフィードバックを得にくかったりします。そのため、ユーザー体験が作りづらくなりがちです。その点、バーティカルな事業におけるユーザー基盤の上でユーザーと直接やりとりしたり、データからユーザーがどう感じているか評価を受け取りながら、UI/UXを鍛え上げたものをプロダクトとして切り出している。そこが強みの1つだと思います。

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創業時から描いていた「ツーサイドプラットフォーム戦略」の開花

そして、BASEの戦略の最大の特徴は、ツーサイドプラットフォームを意図的に構築してきたこと。ツーサイドプラットフォームとは、取引関係にある2つのユーザーグループ(市場)をプラットフォームで繋げることでネットワーク効果が生まれるというマーケティングの概念だ。

山村『BASE』の事業モデルでは、「事業者(ショップ)のネットワーク」と「購入者のネットワーク」という2つのネットワークを持ち、その間に決済・金融機能を提供しています。

この2つのネットワークは相互作用によりそれぞれが成長し、それぞれからデータが蓄積されていきます。この蓄積されたアセットを活用することで、両方のネットワークにさらなる新しいサービスを展開できるようになります。

例えば、『BASE』を利用いただいている事業者向けに、データを活用したファクタリングサービス『YELL BANK』を、購入者向けには購買データを活用した後払いサービス(BNPL)を『Pay ID』の一機能として展開しています。

このツーサイドプラットフォームの考え方を活用したビジネスモデルは、創業時から意図的に、計画的に構築してきたものだという。

髙橋CEOの鶴岡(鶴岡裕太氏)がDay1からツーサイドプラットフォームのことを考えていたと聞いています。当時はSNSが今ほど一般的ではなく、個人がインターネットで発信するには力が弱かったので、ネットワーク効果も利きにくい状況でした。それが10年以上経った今、効果的に回っているのがBASEの面白いところだと思います。

ツーサイドプラットフォームは、その構造をつくりながら、両方のネットワークをバランス良く歩調を合わせて成長させていくことがポイントになります。

最初は、個人・スモールチームの事業者向けに『BASE』というプラットフォームを構築し、その中にショッピングアプリ『BASE』という購入者向けのサービスを作りました。6年前にこれを独立したサービスとして切り出して購入者向けショッピングサービス『Pay ID』としてリブランディングし、1つの事業として育ててきて、2023年には独自のBNPL機能を提供し、2025年には『Pay ID』のアプリ自体をアップデートする予定で、購入者向け事業として一本立ちさせる計画です。

山村実は私の入社理由も、ツーサイドプラットフォーム戦略に魅力を感じていたからでした。EC業界に思い入れがあったというよりも、「2つのネットワークを大きくする」というチャレンジが非常に面白いと思ったんです。

私はショッピングアプリとしての『BASE』がリリースされた後くらいに入社したのですが、当時からこのプロダクトのファンだと社内外で公言しているほどです。その頃は『BASE』のショップ開設数が十数万程度。その全ての決済がアプリ上で可能になり、10万~20万規模のユーザーの体験が一瞬で置き換わったのを目の当たりにして、「インターネットの力は本当にすごい」とあらためて思いました。

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「対象顧客の拡大」と「付加価値の向上」、2軸での価値創造への挑戦

BASEコーポレートサイトIRページ「2024年12月期 第3四半期決算説明会資料」から転載

ここで改めて、BASEのまだまだ野心的な成長目標を確認したい。この図で示している通り、FY2029にはFY2024の倍以上の売上高と売上総利益を目指すと明言している。そのための中長期戦略として「対象顧客(GMV)の拡大」と「付加価値(テイクレート)の向上」という2軸での価値創造を目指すとしている。

この戦略の進捗は現在どの程度で、完遂に向けてどのような道筋を歩もうとしているのかを聞いた。

BASEコーポレートサイトIRページ「2024年12月期 第3四半期決算説明会資料」から転載

髙橋「対象顧客(GMV)の拡大」の軸については、対象となるPeople、つまりビジネスをする全ての個人やスモールチームにリーチしていくという方向です。

この軸に関する自分の役割は2つあり、1つは、今『BASE』事業の中でやっていることを、『BASE』以外のプロダクトに水平展開し、グループの経済圏を広げていくこと。もう1つは、経営戦略室として決済サポートを新領域へ広げていくことです。これについては、M&Aでグループジョインした会社に水平展開していくイメージです。

「付加価値(テイクレート)の向上」の軸は、Peopleをサポートする手法として今以上にソリューションを増やし、充実させていくという方向です。これまでは決済・金融領域のソリューションにピンを留めて3つの事業をやってきましたが、それ以外の領域にも余地があると考え、これから幅を広げていこうとしているところです。

一方、『BASE』はこの2軸の進捗をどう捉え、今後どのように関わっていくのだろうか。

山村「対象顧客(GMV)の拡大」の軸については、すでに『BASE』上に230万のアカウントがありますし、『PAY.JP』も広がり始めていますので、誰でも簡単に経済活動に参加できるような機会は、これからもかなり広く提供していけそうだと感じています。

一方、「付加価値(テイクレート)の向上」の観点では、個人やスモールチームがショップを開く、ビジネスを「始める」機会は提供できていますが、そのビジネスが「継続する」「成長する」ことに対しては、まだまだ支援が十分でないと思っています。

例えば、集客を増やすことも支援できるでしょう。あるいは、ショップオーナーの方が本業であるクリエイティブな活動にもっと時間を使えるようにすることも付加価値の向上にとって大事なポイントです。

具体的には、すでに実装し始めているAIアシスタントによって作業を効率化したり、今よりも簡単に使えるインターフェースを提供したりして、販売やショップ運営にかける時間を少なくしていく取り組みを進めています。

プロダクト改善や新機能の開発、さらにプロダクトマーケティングへの注力も含めて、この1〜2年でもう1度アクセルを踏み込んでチャレンジしていく考えです。

また、抽象度を上げた視点では、ユーザーが本当の意味で「自分らしい生き方」ができるところまで支援できているのかというと、まだまだやれる余地がたくさんあると思っています。今は物販が主流ですが、それ以外に無形のサービスを提供するユーザーにも広げていけると思いますし、その方々のビジネスや人生を、よりエンパワーメントするための支援もまだまだ増やせるはず。なので「これから」という認識です。

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「変化の入り口」に立つBASE、事業開発の可能性は無限大

ツーサイドプラットフォームが構築され、一定のユーザー基盤ができたBASEではあるが、「出来上がったスタートアップ」などではないことが理解いただけたのではないだろうか。まさに今のフェーズでこそ、このBASEで事業開発をする「面白さ」という点に、2人は共通してワクワクを感じているとのこと。

髙橋私が2022年にBASEにジョインして、入社前に想像していたこととポジティブな意味で違ったことがいくつかあります。

そのうち、特に印象的だった1つが、スタートアップが本来時間かけて作らなければいけない3つの要素、「ブランドと認知」「顧客基盤」「リソース・資金力」が、すでに一定の水準に達していて、事業を伸ばすことに集中できる環境が整っていたことです。今は、これらがさらに強まっています。

アーリーフェーズのスタートアップでは、この3要素を育てることに8割くらいの力を割かなければなりませんよね。そうではなくなっているので、とにかく各事業の立ち上げやグロースに全集中しやすいんです。

山村BASEのアーリーフェーズにジョインした私から見ても、当時より今のほうが圧倒的に面白いです。ヒト・モノ・カネが不十分なタイミングでは、そこを補うための思考や施策に時間を使ってしまっていました。「明日資金がなくなるかもしれない」「何かマネタイズしなきゃいけないんじゃないか」という不安との戦いでもありました。

そういうタイミングでの面白さもありますが、それ以上に大変なことがあり、事業に集中できない状態もあったと振り返っています。

髙橋今のBASEはそういう時期がもう完全に終わって、ひたすら事業に集中できるタイミングです。新たな投資フェーズにも入りますし、多様なメンバーが揃っているのでいろんなチャレンジが形になりやすい状態です。純粋にBizDevをやりたい人にはまたとない成長機会になると思いますので、今日お話しした戦略に関心がある方に、ぜひ来ていただきたいですね。

山村ついに、個人やスモールチームが活躍する未来への変化の入り口に差しかかっていると捉えています。

例えば昨今では、YouTuberが「なりたい職業」の1つになったとはいえ、それだけで生計を立てている人はおそらく日本国内では限られた人数で、まだまだ一般化したとはいえない状況です。YouTuberに限らず、個人の才能を生かしたり、自分で作った商品を売ったりしながら生活することが一般化するまでには、もうしばらく時間がかかるでしょう。

一方で、こうした社会の変化は不可逆のものです。10年後には景色が一変している可能性もイメージしながら日々仕事に取り組んでいます。

ただ、今の私たちの成長角度ではそのイメージを現実にするまでには至らないとも思っているんです。ツーサイドプラットフォーム、すなわち230万のショップオーナーと、1,500万を越える『Pay ID』ユーザーという2つのネットワークをすでに有していて、その上で事業開発にチャレンジできる場は、世界的にみてもほとんどないでしょう。

このツーサイドプラットフォームの上ではビジネスを無限につくれる可能性があります。BizDevをやりたい人にとって、今のBASEはまさに“うってつけ”の場であり、力を発揮できる面白いタイミングだと思います。

脇目も振らずとことんBizDev(事業開発)をやりたいのか、それともアーリーフェーズのヒリヒリを経験したいのか。どちらを志向するかによって選ぶフィールドは違ってくるだろう。もしあなたが前者ならば、BASEを次のステージにする理由は明確だろう。

こちらの記事は2025年02月13日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

畑邊 康浩

写真

藤田 慎一郎

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