「修羅場に挑む。これが最短の成長ルート」──30代以降のキャリアを決定づける、“二度と手に入らない資産”の使い方

Sponsored
インタビュイー

東北大学卒業後、株式会社ソルブレインに新卒で入社。入社後、BizDev総合職としてクライアントや自社サービスのマーケティングに従事。現在は、マーケティングやDX推進、データ活用など多岐にわたる領域のディレクションを担い、全体最適の実現に取り組む。

伊藤 研二
  • 株式会社Leo Sophia Group 

2020年3月に東北大学理学部を卒業後、東北大学院へ進学。大学院での研究と並行し、共同経営者としてオンライン学習塾を立ち上げ、事業運営の経験を経て、2021年7月にLeo Sophia Groupへ入社。入社1年未満の社員において、成果と成長面、価値観を最も体現した者へ贈られる「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

牧野 結花
  • 株式会社いつも 事業推進本部 第一グループ 

大学卒業後、株式会社いつもに新卒入社。入社後は、全国のさまざまな商材と月商レンジのお客様を現場最前線にてAmazonコンサル・運営代行・広告運用を行っている。Amazon社の担当者との情報交換により最新情報を把握し、最新アップデート情報などをもとにAmazonで売上を上げるために必要な施策実行のサポートを行っている。

関連タグ

「20代は着実にスキルを積み上げるべき」──本当にそうだろうか?

就活市場では「キャリアプラン」を重視し、段階的にスキルを積み上げることが推奨される。しかし、20代で爆発的な成長を遂げた若手たちは、別の道を歩んできた。彼らは準備が整う前に修羅場に放り込まれ、逃げ場のない環境で試行錯誤しながら結果を出してきたのだ。

彼らが証明するのは、「20代の若さは、二度と手に入らない、再生産不可能な資産」 だということ。体力、吸収力、柔軟な発想──今しか持ち得ない武器を最大限に使い、がむしゃらに挑む経験こそが、成長の鍵を握る。

新卒3ヶ月で大手クライアントを任された者

入社直後に赤字事業の責任者となった者

マーケティング最前線で戦う者

彼らは「準備が整ったから」挑戦したのではない。

むしろ、「逃げ場のない状況」で、結果を出すしかない環境の中で突き抜けた。

今回取材した3名の若手エースたち

亀田 朋花(ソルブレイン)──マーケティング×事業開発の最前線で活躍

伊藤 研二(Leo Sophia Group)──撤退寸前の事業を立て直し、半年で黒字化

牧野 結花(いつも.)──入社3ヶ月で大手企業の広告運用を担当

彼らのストーリーが示すのは、計画的キャリアに固執するのではなく、挑戦を通じて限界を超える経験が成長を加速させる。という現実だ。

20代の「無理がきく時期」にどれだけ限界を超えられるか。

この経験が、30代以降のキャリアを劇的に変える。

「計画的なキャリア vs. がむしゃらな挑戦」──あなたはどちらを選ぶか?

  • TEXT BY YUDAI FUJITA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
SECTION
/

「私がオーナー……?」
若手エースたちにのしかかる突然の重積

3人はいずれも、新卒入社から間もない段階で、通常なら数年経験を積んでから担うようなポジションに抜擢された。20代前半という若さでありながら、クライアントや事業の成否を左右する重要な現場に立たされたのだ。

彼らにとって、この状況は苦しくもあったが、同時に「二度と手に入らない若さ」を武器にして限界を突破する絶好のチャンスになった。若さゆえの体力や柔軟性を最大限に発揮できる環境に身を置いたことが、急成長の原動力となったのである。

亀田新卒2年目で、大型プロジェクトの事業開発支援を任されました。

それまで私は、主に広告運用などプロモーション領域の業務をメインで行なっていましたが、このプロジェクトは新規事業立ち上げ直後ということもあり、事業を軌道に乗せるために必要なこと全てが業務範囲になりました。

プロモーションはもちろん、データ分析の基盤を整えたり、ボトルネックをテクノロジーで解消するべくあれこれ考えたり、と対応領域が一気に広がった感じです。

亀田氏は、テクノロジーとマーケティングを融合させて企業の成長を支援する株式会社ソルブレインに所属(同社の過去取材記事はコチラ)。

「グロースマーケティング」と呼ぶアプローチ(同社による解説はコチラ)で、データ分析に基づいた仮説検証を重視しながら、クライアントの事業課題を分析し、マーケティング戦略の立案から実行までを担当している。

提供:株式会社ソルブレイン

亀田最初は不安でいっぱいでしたが、開き直るしかないと思って粘り強くデータを分析し、仮説を立て、改善を繰り返していきました。周りの人に助けられながら試行錯誤をしていたら、クライアントの事業拡大にも貢献できるようになったんです。

ソルブレイン 亀田氏

伊藤僕は入社当初は自社ブランドのマーケティング業務を担当していたんですが、ある時自社で運営しているピラティススタジオの経営に入ることになったんです。その責任者を任された直後に「このままだと事業撤退だ」と宣告されました。

続く伊藤氏は、多様な事業を展開する株式会社Leo Sophia Groupで店舗事業責任者を務める。インターネットメディア事業からD2C事業、医療事業まで幅広い領域を持つ同社において、ピラティススタジオや整体、飲食などの実店舗ビジネスを担当。撤退寸前だった事業を立て直し、新規出店戦略の立案や投資判断まで携わる。学生時代には学習塾を経営した経験も持つ人物だ。

提供:株式会社Leo Sophia Group

伊藤赤字事業のオーナーだなんて、まさか入社してすぐそんな状態になるとは思っていなかったので、正直焦りましたね。でも、すぐに“どうやって損益を立て直すか”を死に物狂いで考えなければいけない。撤退基準を毎月クリアしていくのはもちろん大変で、日々のしかかるプレッシャーも大きかったんですけど、必死にやり抜いて半年ほどで事業を安定化できたのは、あの追い込まれた環境があったからこそだと思います。

Leo Sophia Group 伊藤氏

牧野私は新卒3カ月で業界最大手のクライアントの主としてAmazonを中心としたEC事業運用支援(企画~実施まで全般)担当を任されました。業界の専門用語すらわからない時期だったので、最初はかなり苦しかったですね。

最後に牧野氏。彼女はEC・D2C事業の総合支援企業・株式会社いつも(以下、いつも.)でマーケターとして活躍している。Amazon、楽天市場などの各種ECプラットフォームでクライアントの売上拡大を支援。EC戦略の立案からマーケティング施策の実行まで、一気通貫したサポートを行っている。大手メーカーのECアカウント運用を担当し、複数の販売チャネルにわたる統合的な戦略提案も手がける。

提供:株式会社いつも

牧野でも、逃げずにやり続けていたら、だんだんとクライアントの課題を自分ごととして捉えられるようになりました。そこから売上拡大のためにどんな打ち手があるかを自ら考え、実行するプロセスが面白くて。今ではクライアントからの評価も高まり、来年度からチームリーダーとしてマネジメントも任されるようになりました。

いつも. 牧野氏

多くの企業では、新卒がサポート役から徐々に経験を積むのが通常の流れである。しかし、この3人は20代前半の早期から、当事者としての責任と厳しい成果が求められる環境に飛び込んだ。「若いから」と遠慮する余地はなく、むしろ若さ故の勢いや柔軟な思考を最大限に発揮することで、危機を脱することができたのだ。

SECTION
/

「危機」こそ成長の起爆剤。
20代の若さを武器に限界突破

伊藤とはいえ、事業の撤退宣告を受けた時は正直、頭が真っ白になりました。「売上と利益の目標に未達なら撤退する」と毎月判断される状況で、常に崖っぷちでした。広告の管理画面を一日に何度もチェックして「今日は何人予約が入ったか」「スタッフは辞めないか」と、24時間気が休まらない日々でしたね。

亀田でも、そんな状況をどうやって乗り越えたんですか?

伊藤最終的には「結果を出すしかない」という開き直りですよね。「できることは全部やる。それでダメなら仕方ない」と腹をくくりました。20代だからこそ体力があり、仕事にのめり込み続けることができた。固定観念がなかったから柔軟に方針転換もできた。若くなかったら、あの状況は乗り越えられなかったかもしれません。

この「開き直り」と「諦めない粘り強さ」は、牧野氏と亀田氏の経験にも共通している。

牧野私の場合、クライアントとの知識差があまりに大きすぎて。あの時は本当に「自分にはムリかも」と思いました。でも若手だからこそ、「わからないこと」を素直に認められたんです。いつも.のサポーター制度(新入社員一人ひとりにメンターが着く)を活用して、基礎的なことから質問をし続けていきました。経験があったら、意地を張ってしまうかもしれない。でも新卒だからこそ「何もわからなくて当然」と開き直れました。

亀田私も同じです。私以外全員先輩という環境の中で、プロジェクトをリードしていかなければなりませんでしたが、チームメンバーが私の置かれている状況を理解してくれていたこともあって、疑問や課題を率直に相談することができました。

一刻も早く戦力になるためにも、周囲のサポートを最大限頼らせてもらおう!と、いろいろな人を捕まえては質問攻めにしていましたね。

また、三人の危機的な状況下での成長には、ある共通パターンが見えてきた。それは「無理難題から逃げない覚悟」だ。

伊藤逃げる選択肢はなかったですね。任されたからには、結果を出すしかない。

牧野私も「自分にできるのかな...」と不安でしたが、任されたからには期待に応えたいという気持ちのほうが強かったです。20代という時間は二度と戻ってこないし、この年齢だからこそ試せることがある。その感覚が私を突き動かしていました。

彼らの話から見えてくるのは、20代という若さゆえに得られる大きなアドバンテージだ。体力と精神力の回復の速さ、柔軟な発想力、そして「若いからこその挑戦や失敗が許される」という貴重な特権。これらを最大限に活用し、限界を突破する経験をしてきたからこそ、彼らは急成長できたのだ。

亀田今になって思えば、あの大変な時期が自分を一番成長させてくれました。若いうちにこの感覚を体に叩き込めたのは、本当に貴重な財産です。

この「限界突破経験」は、その後のキャリアにおいて複利的に効いてくる。

まず、一度限界を突破した経験は次の困難に対する「耐性」を高める。最初の危機で身についた問題解決能力は、次の課題では基礎体力として機能する。そして新たな課題を解決するごとに、さらに高度なスキルと視点が加わっていくのだ。

また、「無理」と思えることをやり遂げた自信は、次の挑戦へのハードルを下げる。「あの時できたのだから、今回もできるはず」という前向きな思考回路が形成され、困難な状況に直面しても逃げずに立ち向かう姿勢が身につくというわけだ。

さらに、若いうちに培った「危機対応力」は、年齢を重ねるにつれて希少価値が高まる。30代、40代になってから新たに身に着けるのが難しいこの力は、「修羅場での決断力」として武器になり、周囲との差別化要因になっていく。

このように、単に「困難を乗り越えた」という一回限りの価値ではなく、「どんな状況でも結果を出せる」という自信と、「危機=成長機会」と捉える思考回路を身につけられることで、キャリア全体を通じて複利的に価値を生み出す。若さという一度きりの資産を、彼らは最大限に活用したといえるだろう。

SECTION
/

「1年目に戻った気分です」。
成長の踊り場は、未知への挑戦で乗り越えよ

危機を乗り越えた3人だが、キャリアの成長曲線には「危機」とは異なるもう一つの試練が存在する。それが「成長の踊り場」だ。

ここでいう「踊り場」は、「危機」とは性質が異なる。「危機」が外部から突然訪れる明確な試練だとすれば、「踊り場」はキャリアの中で徐々に感じ始める内面的な停滞感である。この時期をどう乗り越えるかが、長期的な成長曲線を左右する。

亀田実は今まさに、踊り場に差し掛かっていると感じています。

新卒1年目、2年目は毎日が戦場のようで必死でした。3年目に入って裁量も増えましたが、次のステップに行くには何か大きな壁を越えないといけない気がしています。

担当しているプロジェクトが軌道に乗りつつある中で、すでに手掛けている領域だけではなく、中長期的な視点でプロジェクトの方向性を考え、未来につながる取り組みにも目を向ける必要があるんだろうなと。

また、チームメンバーが増えたことで、人をまとめる力も養っていかなければとひしひしと感じています。

牧野私も最初の1年目は何もわからなくて必死でした。そこから少しずつ自分なりのやり方ができてきたと思ったら、また新しい壁に直面することになりました。来年度からチームリーダーになるんですが、正直不安しかないです(笑)。今までプレイヤーとして専念してきたのに、これからはチームの売上目標管理やメンバーの育成など、マネジメントスキルが必要になります。また1年目の頃の気持ちに戻ったみたいです。

伊藤氏は停滞を乗り越えるための具体的な工夫を語ってくれた。

伊藤事業を軌道に乗せた後、次のステップをどう進めるべきか悩んだ時期がありました。その時、時間の使い方を徹底的に変えました。成長が止まったと感じた時は、ルーティンのミーティングをメンバーに任せるようにしたんです。そうすると、自分で考える時間ができる。

あとは、思い切って外部の人に頼りましたね。事業の方向性や組織づくりで悩んだ時、その道の専門家をXでフォローして、思い切ってDMを送ってみたんです。意外と「若い人が頑張っているなら」と会ってくれるんですよ。一人で抱え込まず、効率的に時間を使いながら詳しい人に聞くのは効果的でした。

初期の急成長期を経た後は、次のステージへ進むために全く新しいスキルセットや視点の獲得が必要となる。牧野氏と亀田氏はプレイヤーからマネージャーへの転換、伊藤氏は外部知見の活用と、それぞれの状況に応じた打開策を見出している。

彼らが成長の踊り場を乗り越えられるのも、20代という若さがあるからこそだ。

新しい知識を吸収する柔軟性、外部との接点を積極的に作る行動力、そして「まだ若いから変われる」という確信が、彼らの成長を支えている。若さという資産は、この「どんな状況でも適応し、成長していける」という可能性の広さにこそ真価がある。

3人に共通するのは、「次の自分に必要な課題は何か」を解像度高く捉え、「何を身につけるべきか」を明確にしている点だ。そして、その挑戦を「若いからこそできる冒険」と前向きに捉えている姿勢こそが、彼らの成長を加速させているのだ。

SECTION
/

「仲間のことが好きだから」。
若手エースを突き動かす、純粋すぎる原動力

しかし、ここで一つの疑問が浮かび上がる。なぜ彼らは、同じ年代の多くが避けたくなるような苦しい局面で踏みとどまり、逃げずに立ち向かうことができたのだろうか。何が彼らを突き動かし、困難な状況でも前進する力を与えたのか。その原動力の正体を探ることで、20代の若さという資産を最大限に活かすヒントが見えてくるのではないだろうか。

亀田単純に会社と社員の人たちが好きなんです。

過去のインタビューでも話しましたが、ソルブレインは「厳しさ」と「合理性」がバランスよく組み合わさっていて、よく「合理的な体育会系」と表現しています。

そんなカルチャーに共感している社員が集まっているので、尊敬できる人たちばかりで、その人たちの期待に応えたいという思いが強いです。

会社としても、即戦力となる中途採用とは違って、未経験の学生を採用する新卒採用自体がイコール期待の現れですよね。

「亀田を採用してよかった!」と、きちんとリターンを返していきたい。それが私の原動力になっています。

牧野氏からは役割への責任感と、その後に得られる顧客からのフィードバックの重要性が語られた。

牧野入社して間もない頃は、信頼して仕事を任せてくれた会社とクライアントへの責任感が大きかったと思います。新卒でも大手クライアントのチームに配属してもらえる環境で、その期待に応えなければという思いが強かったですね。

その後、クライアントからの言葉が大きな励みになりました。アンケートに「丁寧に分析してくれて売上が上がった」「資料作成が速くて助かる」というコメントがあると、「よし、頑張ってきてよかった!」って思えるんです。自分のやってきたことが間違いではなかったと実感できる瞬間が、次の挑戦への原動力になっています。

伊藤僕は、スタッフが生き生きと働いていて自己実現をしていること、お客さんがリピートしてくれること...このコミュニティから人が離れていかないことに一番やりがいを感じますね。売上や利益はもちろん大事なんですけど、それよりも人と人とのつながりが持続するサービスを作りたいという思いが強いんです。

彼らの原動力を探っていくと、自分への期待に応えたいという気持ちと、関わる人々への責任感という共通項が浮かび上がってくる。これが単なるキャリアアップや報酬といった動機ではなく、プロジェクトの成功や周囲の人々の成長を願うピュアな思いという点だ。

この純粋な貢献意欲が、彼らの行動を突き動かしている。20代という時期ならではの、恩返しをしたいという気持ちが、彼らを挑戦に駆り立てている。年齢を重ねると、キャリアアップや生活の安定といった現実的な要素が動機に加わりがちだが、若さゆえの「純粋にやり遂げたい」という思いこそが、困難な状況でも踏みとどまる力を生み出しているのだ。

SECTION
/

「逆算なんて、必要?」。
キャリアプランより直感を優先した就職決断の真実

ではそもそも、3人の若手エースたちはどのようにしてこの純粋な思いを発揮できる環境にたどり着いたのだろうか。彼らは就職活動において、どんな基準で会社を選び、何を大切にしていたのだろうか。

就活生や若手ビジネスパーソンにとって最大の関心事は「成長できる環境をどうやって見つけるか」というポイントだ。

亀田出身が宮城で大学も宮城だったので、「宮城で働きたい」というのが絶対条件でした。高校の友達も大学の同級生も東京に出ていくのに、私だけは反骨精神があって、「宮城から出ない」と決めていました(笑)。

そんな亀田氏が、地元の企業を探す中で出会ったのがソルブレインだった。

亀田会社説明会で社風を聞いたとき、「これだ!」って直感的に思ったんです。「データをもとに、失敗してもそこから再び仮説を立てて成功するまでやる」というカルチャーに惹かれました。粘り強さと前向きな問題解決にこだわりを持っているところが、自分の価値観と合致していると感じたんです。

牧野最初からEC中心に見ていたわけではないんです。金融とか不動産とか、いろんな業界を見ていたんですけど、いつも.の面接に行ったとき、採用担当の方がとても話しやすくて。他の会社だと「就活生」として見られている感じだったんですけど、いつも.では私という人間そのものを見てくれているって感じがして。会社訪問したときも、すれ違う社員さん全員が挨拶してくれるんです。そういう人と人との関わり方に惹かれて入社を決めました。

Leo Sophia Groupの伊藤氏は、学生時代に学習塾を経営するなど、他の2人とは異なる形でキャリアをスタートさせていた。

伊藤就職活動を始めた当初は、自分の価値観や強みを最大限に活かせる職場を探していました。でも面接を受けるうちに、「この環境では自分らしさを発揮できないかもしれない」と感じることが増えてきたんです。そこで大学院在学中に、オンライン学習塾を起業しました。実際に事業を運営していくと、まだまだ経験やスキルが不足している部分があると痛感したんです。

今後のキャリアを広げるためには、事業会社で体系的にスキルを身につける必要があると考え、改めてベンチャー企業を中心に就職活動を行いました。Leo Sophia Groupと出会ったときに、「凡事徹底」などの基本を重視するカルチャーに強く共感し、第二新卒として入社をしました。

3人のキャリア観について掘り下げると、意外な共通点が見えてきた。具体的なキャリアプランから逆算して過ごしてきたのか、という問いに3人は揃って首を振ったのだ。

牧野全然逆算できていなかったです(笑)。就活のときに「人を幸せにしたい」という軸はあったんですけど、将来のキャリアプランは...もう目の前のことに必死で考える余裕がなかったというか。

亀田私も全く同じです。「こういう人になりたい」という憧れはあっても、そこまでの道筋は全然描けていなかったですね。目の前のことに全力で取り組んできた結果が今なのかなと思います。

伊藤僕なんて完全に勢いですよ(笑)。知的好奇心の赴くままに、面白そうなことや知りたいことに没入してきただけです。結果的にそれが今のキャリアにつながっている感じですね。

キャリアとは、なりたい自分を描き、そこに向けて段階的に、着実に積み上げていくもの。そう考える学生も少ない中で、3人は直感を優先してきた。

彼らの共通点は、「自分の感性を信じる勇気」と「共感できる環境を選ぶ眼力」だ。20代という若さを持つ彼らだからこそ、計画より情熱を、安定より挑戦を選べたのかもしれない。そして、その選択が結果的に彼らの成長を加速させる環境との出会いにつながったのである。

SECTION
/

成長環境にもBETせよ。20代の挑戦を支える4つの条件

直感を信じて選んだ環境が、彼らの急成長を可能にした。では、その環境には具体的にどのような特徴があったのだろうか。3人が選んだ職場には、業界やビジネスモデルの違いを超えて、若手の成長を促進する共通要素が存在していた。

いくら個人の資質や意欲が高くても、それを発揮できる場がなければ、成長には限界がある。3人のエピソードを詳しく聞いていくと、彼らの挑戦を後押しした「環境要因」が見えてきた。これらの条件こそが、20代の若さという資産を最大限に活かし、限界突破を可能にする土壌となっているのだ。

その共通要素を4つの観点から整理してみよう。


1.スピーディーな実行力

3社に共通するのは、アイデアから実行までの距離が近いことだ。若い発想をすぐに形にできる環境が、チャレンジ精神を育てている。

亀田ソルブレインでは、クライアントの事業拡大のために様々な施策を提案します。開発やデザインも内製化しているため、マーケティング施策を考えた時に、スピーディーに実行まで進むんです。

思いついたアイデアをすぐにエンジニアに相談して、機能によっては次の週にはリリースできることもあります。課題に気づいて、すぐに解決策を実行できるスピード感は本当に魅力です。このスピード感があるからこそ、仮説検証のサイクルを素早く回せる。

若いうちから「考えた」→「実行した」→「結果が出た」という経験を積み重ねられるのは大きいですね。

伊藤我々は創業者が意思決定権を持つオーナー企業なので、決断のスピードが早いです。ロジックが通った提案なら、すぐに決断してもらえる。20代の発想力と行動力が最大限に活かせる環境だと思います。

2.失敗を恐れない組織カルチャー

失敗を単なる失敗で終わらせず、成功へのプロセスと捉える文化も共通している。若手が臆せず挑戦できる雰囲気が、20代の成長を加速させている。

牧野いつも.では、失敗を次への糧にする文化があります。私も最初はクライアントへの提案がうまくいかないことがありましたが、「次はこうしよう」という建設的な会話になるんです。失敗を責めるのではなく、改善策を一緒に考えてくれる環境だから、若手でも萎縮せず新しいアイデアに挑戦できるんだと思います。

3.裁量とサポートの両立

若手に大きな裁量を与えながらも、適切なサポート体制を整えているのも3社の特徴だ。「投げっぱなし」ではなく、「見守りながら挑戦させる」環境が、若手の成長を支えている。

亀田ソルブレインでは「これに挑戦したい」という提案を出すと、「やってみよう」と背中を押してくれます。しかし単に任せっきりにするのではなく、必要な時には先輩社員がサポートしてくれる体制があります。この「挑戦の自由と適切な支援」のバランスが、20代という若さを最大限に活かせる環境だと感じています。

4.当事者意識を育む環境

3社とも「若手を大きく育てるための投資」として裁量を与えている。その結果、若手社員も「期待に応えなければ」という当事者意識を自然と持つようになる。また、若いうちから事業全体を俯瞰する経験が得られることで、広い視野が早期に育まれる。

伊藤事業撤退の危機を経験したことで、経営者視点が身についてきたと感じます。売上だけじゃなくて、人材確保や長期的な事業戦略まで、俯瞰的に考えるようになりました。若いうちからこの視点を持てたのは、大きな財産です。

真の成長環境とは、若手に実践的な経験と挑戦の機会を提供し、それを支える文化と制度が整っている。これこそが、20代という若さを最大限に活かせる場所なのだ。これらの条件が揃った環境で、彼らは二度と手に入らない若さという資産を最大限に活用し、限界突破の経験を積んできたのである。

SECTION
/

目の前のことに没頭する。
限界突破が生み出した本物の実力

こうした4つの条件が揃う環境の中で、若さを武器に限界突破を重ねてきた3人。では、そうした経験を通じて彼らが最終的に手に入れたものは何だったのだろうか。

彼らの「予測不可能な試行錯誤から生まれた成長」の姿は、多くの人が抱きがちな「成長」のイメージとは異なるものだ。それは、あらかじめ描いた計画通りに進むものでも、毎日コツコツと積み上げただけで達成されるものでもない。むしろ、目の前の課題に全力で没頭し、時に手探りで解決策を見出す中で培われた“本物の実力”なのである。

牧野私は最初から「EC業界のエキスパートになろう」とは考えてなかったんです。でもクライアントの課題に必死に向き合ううちに、自然とスキルが身についてきた。それって逆算じゃなくて没入したからこその結果だと思います。

伊藤同感です。経営者視点も、最初から身につけようと思ったわけじゃなくて、事業の危機に直面したからこそ身についたものですから。だから20代の人には、計画に縛られすぎずに、目の前のことにとことん向き合ってほしいですね。

亀田私、新卒の頃は「3年目でこうなっていたい」みたいなざっくりとしたイメージは持っていたんですけど、実際はもっと違う道を歩んでいて。でも今、振り返ると、目の前のことに集中してきたからこそ、思っていた以上の成長ができた気がします。データに基づいて仮説を立てて、粘り強く検証して...この繰り返しが自分の軸になりました。

20代という時期は、心身の柔軟性や吸収力が最も高い「投資効率の良い時期」である。

この時期に困難な課題に立ち向かい、その時の自分の限界を超える経験をすることで、30代、40代と長期にわたって活きる対応力と思考法が身につく。若者ならではの体力と集中力、柔軟な思考、新鮮な視点といった資源を投入し、試行錯誤しながら成果を出すという経験を通じて、実績と経験値、判断力といった資産へと変換する。3人はそれを無意識のうちに実践してきたのだ。

彼らは「キャリアプラン通りの成長」を追求するよりも、目の前の課題と向き合い危機を乗り越えることを優先した。これはキャリアを考えないということではなく、プランに縛られすぎず、危機的な状況でも柔軟に対応することで、結果として"どこでも通用する力"を身につけることができたのだ。

そして、彼らを支えたのは「任せてもらえる環境」と「自分の成長に責任を持つ姿勢」の組み合わせだった。若さという一度きりの資産を持つ彼らが、それを最大限に活かせる環境と出会い、その中で限界を突破し続けた結果、普通なら何年もかかるスキルと経験値を短期間で獲得することができたのである。

危機的な状況でも踏みとどまり、複雑な課題に向き合い、結果を出す経験こそが「どこでも通用する力」を培うのだ。それは20代の若さという資産を最大限に活かした先にある、真の成長の姿といえるだろう。

こちらの記事は2025年03月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

記事を共有する
記事をいいねする

執筆

藤田 雄大

写真

藤田 慎一郎

おすすめの関連記事

会員登録/ログインすると
以下の機能を利用することが可能です。