テレビCMがテクノロジーで再飛躍!──テレビ視聴分析のSaaSスタートアップ・スイッチメディアに訊く、ネット広告では実現できないテレビCMの魅力
Sponsored建設、製造。続々とレガシー産業に切り込むDXベンチャーが注目を集める中、次なるDX市場は、テレビ。前回の記事では、テレビCM×DXを牽引するスイッチメディアの代表・高山 俊治氏に話を伺い、テレビCM市場の課題感や、そこでの同社の勝ち筋を同氏の視点で語ってもらった。
そこで次に読者が思うであろうことは、「マクロの話は分かった。ただ、実際に足元の事業はどうなっているんだ?どんなメンバーがそこには集まっているんだ?彼らはどんな役割を担っているんだ?」といったことではないだろうか。そんな読者の意向を反映するように、FastGrowは今回、同社の事業をリードする幹部3名に集まっていただき、話を伺った。
代表である高山氏だけではなく、実際に事業を管掌する立場のメンバーに話を聞くことで、テレビCM×DXという事業ドメインの魅力についてより具体性を持って理解できるのではないだろうか。加えて、聞くところによると彼らは野村総合研究所、ベイン・アンド・カンパニー出身、広告業界経験16年といった錚々たる経歴の持ち主だそうだ。一体どんな魅力を感じてその環境を飛び出し、同社に来たのだろうか?
- TEXT BY MAAYA OCHIAI
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
「レガシー×DX」なら他にもある。
求めたものは、未成熟さ
高橋『テレビの視聴データ分析?視聴率データってどう分析できるんだろう?』と面接時は思いました。
広告業界で16年働いてきた高橋 優佑氏は、当初「テレビの視聴データ」について、「今さら攻めても事業としては厳しい領域」だと感じていた。
「視聴率は、業界50年を超える大手企業が提供しているものがすべてであり、今から参入する意義はあるのか?」「インターネット広告の市場規模がテレビCMを超えた今、今更あえて攻める領域なのか?」と。
それは、営業や経営企画を通してインターネット広告の世界にどっぷりつかってきた身としては、素直な反応かもしれない。だが、同社の面接を通して「テレビ視聴データ」への解像度が上がると、その見方は一転したという。
高橋最初は懐疑的でしたが、よくよく聞いていくと『面白い!』と思い直しました。なぜなら、テレビの視聴者属性をインターネットのターゲティング広告と同じような粒度で分析できることに驚いたからです。
そもそも変革を起こせる領域ではないと思っていたところに、すでに飛び込んでいる人たちがいて。何なら他社には真似できない特殊なデータを持ち、勝ち筋まで見えている。目の付けどころが興味深いと思いますし、これは新たなデファクトスタンダードになる可能性があるな、と。
同社への入社は、大手広告会社で16年間勤続した高橋氏にとって初の転職だ。最終的な決め手は「直感」。「ここだ」という感覚を頼りに、チャレンジの場として選んだのが「テレビ視聴データ」のDXに挑む同社だった。
同様に、大企業で広告領域に携わった後、同社への転職を決めた人物がいる。前川 佳輝氏だ。野村総合研究所のコンサルタントとして、広告の効果測定事業を立ち上げた経験を持つ。
前川データ活用というと、金融業界やヘルスケア業界を思い浮かべる人も多いと思います。これらの業界は大量のデータがあり施策の効果も定量的に捉えやすい業界です。
前川一方、広告業界はもともと効果測定が比較的ふわっとしている領域ですので、そこに『データ』というカチっとした数値を出していくことで得られる分析結果は価値が高いです。中でもこの会社は、テレビCMという、広告の中でもデータとして捉えにくい領域にチャレンジしている。ここをデータの力で変えることは、大きなインパクトになるんじゃないかというポテンシャルを感じました。
最後に登場するのは、SaaS事業の経験豊富な春日 和明氏。複数の会社を渡り歩いてきた彼は、スイッチメディアの事業としてのポテンシャルだけでなく、同社で働く「人」に感銘を受けたことが入社のきっかけになったという。
春日実際に現社長の高山などと話をしてみて、経営層の優秀さを感じたんです。当時、5~6社ぐらい社長面接を受けていて、だいたい同じようなことを聞かれたのですが、この会社は『そこまで聞いてくれるのか』と思うくらい自身の経験や興味について深堀されました。
春日また、こちらの質問にも真摯に答えてくれたことで信頼感が増しました。実は転職活動中、他業界で今注目を集めているDXベンチャーも視野に入れていたんです。しかし、すでに注目され規模が大きくなりつつある企業よりも、まだまだ未成熟なスイッチメディアの方が、自分が貢献できる割合が高いと思いました。
入社動機は三者三様だが、彼らは単に「業界のDXに挑むベンチャーならどこでもいい」という気持ちで入社したのではないということが話しぶりから伝わってきた。それぞれがテレビCMを取り巻く状況を冷静に見つめ、論理的に考え、勝ち筋を見出した上で、錚々たる経歴を手放して同社に集まったのだ。
他のメディアの台頭にもテレビの価値は揺るがず
各々テレビCM×DXという市場のポテンシャルに魅力を感じジョインしたとのことだが、一方で、テレビCM含むマス広告の対立軸として捉えられるインターネット広告に関して、彼らはどのように考えているのだろうか。
デジタルマーケティングに長く携わってきた高橋氏に、テレビCMとインターネット広告の違いを聞くと、堰を切ったように述べた。
高橋『インターネット広告の市場規模がテレビCM広告の市場規模を超えた』というニュースが出て久しいですが、デジタルマーケティング出身だからこそ、客観的に見ても『テレビはやっぱり強いな』と感じます。
世間ではインターネット広告市場が急激に伸びているという事象ばかりフォーカスされていますが、相対的にインターネット広告が伸びているだけで、テレビCM広告はずっと1.8~2兆円規模を維持しています。これがこの先5年や10年で半減するかというと、そんなことはないでしょう。
たとえば、インターネット広告にもYoutubeをはじめ多くの動画広告が登場し、リーチの広さにおいてはTVと匹敵すると思いますが、多くの方に同時に短期間で認知してもらえる「伝える力」はテレビCMが圧倒的だと思います。
それはデジタル上の事業指標を持つ企業様が事業拡大する際に、インターネット広告だけではなく必ずテレビCMをご実施されていることが何よりの証拠ではないでしょうか。
高橋視聴者も無意識に『テレビCMを出しているなら信頼できる会社だろう』と思いますよね。そういった点も踏まえると、テレビCMは縮小するどころか、むしろこれから正しいデータとその分析手法という新しい武器が導入されて、更に注目されていくだろうと私は思っています。
今、我々も含め、次々にテレビCM市場に参入するプレイヤーが出てきたことで、ようやくそのドアが開いた感覚です。これから面白いマーケットになりますよ。
「責任は十分」
入社2ヶ月で社運を賭けたプロジェクトをリード!
テレビというメディアの持つ価値について再認識したところで、次は実際に同社においてそれぞれがどんなミッションを担っているのかを具体的にみていこう。高橋氏、前川氏、春日氏の3名は現在、それぞれがチームを率いる立場にあるとのこと。
社長直下で事業開発を担う高橋氏は、入社早々、国内最大手のマーケティングリサーチ企業であるインテージ社とのアライアンス案件の調整に奔走する。
高橋アライアンス条件の交渉やプロジェクトの収支管理など、代表の高山と一緒に進めるタスクも多く、プロジェクトの重要な役割を任せてもらっています。
6月に入社して2ヶ月弱で、会社の未来に直結するような仕事を任されているという責任を考えると不安にもなりますが、裁量の大きさにやりがいを感じています。
次に、前川氏は2つのグループを管轄するデータソリューション企画部の部長を務める。同社の事業のベースであるデータを扱い、価値の原液をつくるエキスパートたちが有機的に動ける体制をつくっていく役割だ。
前川正しいデータをなるべく多く取り、分析をして、価値をつけていく。そのためにエキスパートの人たちが動きやすいような仕組みやルールを作り、企業文化とうまく融合したチームを作るのが自分の仕事です。
調査協力者のご家庭でどのような状況で調査機器が稼働しているのかを踏まえてデータ分析を行うことで、正しいデータ分析が可能となります。さらに、その分析内容を理解している人間が、商品としての設計を考えています。このようにエキスパート同士が協力し、データを取り扱う一貫したフローが大事なのです。
そして、テレビ視聴データの分析SaaS「SMART」を管轄するSMART事業部長の春日氏は、「プロダクト企画」と「セールス・マーケティング」の2本柱で事業部を率いている。
春日2つの領域で共通しているのは、『データにどれだけ付加価値を出せるのか』に注力することです。企画チームでは、現在インテージ社との共同事業でSaaSプロダクトの大幅刷新を進めています。これまではデータの細かさや正確さという価値を押し出してきたところが強くありました。
勿論それ自体でも競争優位性はあるのですが、今後はより『お客様にとっての扱いやすさ』にフォーカスした改善を加え、より費用対効果を感じていただけるサービスへと磨いていきます。
一方セールス・マーケティングチームでは、特にカスタマーサクセスに力を入れています。私たちの提供価値は、データを提供することだけでなく、そのデータを活用した事業課題の解決だと思っています。そのためには、お客様の課題をきちんと理解し、お客様の実際の事業への影響まで含めてコンサルティング伴走できる体制を構築しているところです。
3人とも同社に入社してまだ1~2年ほどのキャリアだが、既に会社を代表した提携業務や、事業のコアを握るポジションで活躍しているところが注目だろう。
他人のルールじゃつまらない。
自らルールをつくる側に立て!
各自の解説により、「希少価値の高いテレビ視聴データ」「誰もが簡単に使えるSaaSプロダクト」「課題解決するコンサルティング体制」と、同社の特徴を表すワードが出てきたが、これだけでは読者もまだ同社の優位性を感じられないだろう。
何故なら先に高橋氏が言及したように、ここ数年で、スイッチメディアと同じ領域、キーワードで事業を展開するプレイヤーも複数頭角を現しているからだ。それら競合とスイッチメディアの違いはどこにあるのかも、彼らの口から聞いてみたい。
春日自社でファースト(オリジナル)データを持っているところが一番の差別化ポイントです。独自でテレビ視聴データを取るということは非常に難しいことなんです。我々は長い年月をかけてこのデータを集めてきたからこそ、その取得の難しさが身に染みています。
更にその粒度も単純な視聴率だけでなく、「どんなセグメントの人が何回見たのか」を自己申告ではなく実際に見た回数で計測しているので、サイトアクセス数とテレビCMの関係を見る際にもより細かい粒度で正確性の高い分析がおこなえます。
自社でファーストデータを持つことがそこまで重要なのか。データのプロである前川氏の視点で更に踏み込んで聞いてみる。
前川他社のように外部機関から視聴データを購入して、そのデータを自社の分析サービスに活用するモデルだと、外から与えられた指標で分析していくしかありません。ですが自社で視聴データを取っていれば、いかようにもデータを加工することができます。特にテレビ視聴データは長年分析がなされていませんでしたので、指標自体も細かい分析ができるような設計にはなっていません。
そこで私たちは今、『新しい指標をつくる』取り組みを進めています。いわば新指標という新たな枠組みをつくり、すでに独自性のある自社取得の視聴データに対して、更に高い価値をつけていくのが我々の目指すところです。
他社から与えられたデータ、すなわち加工が効かないデータの範疇で分析を行う企業。一方、自社で独自データを取得し、目的に応じて自由に加工分析を行える企業。これはつまり、決められたルールの中で価値提供する側と、そのルール自体を自在に生み出せる側の違いといったところだろうか。
スイッチメディアは自前でルールをつくれるポジションを持ち、確固たる地位を確立している。一見、テレビCMの最適化というと複数のサービスが登場し、どこも一緒では?と感じてしまう点もあるかと思うが、この『テレビ視聴データを独自で持つ』ということがどれ程競合優位性を生み出す産物であるかがお分かりいただけるだろう。
真似をするなら9年間の地道な努力を覚悟せよ
ファーストデータ取得の重要性は分かるものの、それは本当にスイッチメディアだけの優位性になっているのか。つまり、それは絶対に他社では真似できないものなのか?、他社には真似できない真の参入障壁とは何なのか。前川氏は淡々と続ける。
前川参入障壁となる核はデータの量と質の担保です。データを扱うにあたって量が大事であることは言うまでもありませんが、正しくないデータをたくさん集めても、分析ができないので意味がありません。ここでいう正しくないデータとは、調査に協力していただいている方の本当の視聴行動を反映していないデータを指しますですから、我々は正しいデータをできるだけ多く集める必要があります。
しかし、実はここがジレンマなのです。正しいデータを集めようと思えば、調査ルールが複雑になって、協力してくださるモニターさんに面倒くささを与えてしまう。ですが、調査ルールに則ってご協力いただけないと、それは正しいデータではなくなってしまうのです。
この両立を図ろうと、我々はモニターさんの拡充を進めつつ、インテージ社との共同開発の中で、端末自体を新しく開発しました。今まで煩雑だった機器の設置や運用をしやすい形に改善したので、モニターさんも協力しやすくなると思います。
そして、こういったモニター拡充や端末開発は、一朝一夕にできることではありません。リソースとコストをかけ、新端末によって新指標を使った分析をしていくことで、お客様へ提供できる価値も必ず拡大していくと思います。
春日確かにお金と時間をかければ、他社でもできなくはないとは思います。ですが、端末をつくり、モニターさんを一定数確保し、データの量と質を担保した上で、それを活用したソリューションを提供する、という一気通貫の仕組みを全てつくろうとすると、どれだけの資金と手間がかかるかわかりません。
仮に実現したとして、得られるリターンがどれだけあるかを考えたときに、テレビCMマーケットを見ると、今からやろうと思う会社はほぼいないと思っています。
精度の高いデータをできるだけたくさん集めるということ、集めたデータを適切に加工して分析し、価値あるものに変えていくこと。テレビCMの効果を顧客の事業に還元するために不可欠なこの2点の両立には、知見とデータの蓄積がモノを言うのだろう。
ネット上のデータに目を付け、いち早くデータ取得サイクルを回し始めたGoogleやAmazonが、他社には真似できない価値を提供し、現在盤石な地位を築いているのと同様、業界に先駆けてデータ取得に取り組んできたスイッチメディアは、蓄積データの価値の高さを徐々に見せ始めている。
敵対心はない。
強みを活かしマーケットを共創していきたい
ここまで、データの取得と分析における同社の強みを詳しく伺ってきた。ここでさらに、顧客と直接向き合っている春日氏が、自社の強みを感じる出来事を語ってくれた。
春日一般的なSaaSはバックオフィス業務を効率化するなど汎用的なプロダクトが多いですが、我々が切り込む広告宣伝の領域では、お客様が抱える課題は様々です。カスタマーサクセスはそこを理解して広告主ごとにカスタマイズした提案をしていく必要があります。
サイト流入などの数値を見て、単に出稿枠の最適化を図るのではなく、たとえば『ある年代で特定の趣味を持つ女性をターゲットに、とある商品の申し込みを促したいと思って出稿したけれど、実はその女性ターゲット層があまりCMを見ていなかった』といった振り返りは、年代や性別以外の趣味趣向や職業などに纏わる詳細な視聴データを持っていないとできないことです。そこにきちんと向き合えることは弊社が広告主様からご評価いただき、継続的に活用しようと思っていただける一因になっています。
高橋お客様の設定されたターゲットと、実際に購買にいたったターゲットがずれていることがままあります。ターゲットの整合性も含めて検証できるのは、他にはない強みだと感じています。
事業や業務についての3人の発言には、テレビCM市場に可能性を感じていることはもちろんだが、別のある共通点も見られた。市場での自社の優位性は語りつつも、競合に対する敵対心は持っていない、むしろ競合の成長を歓迎しているのではないか?ということだ。
彼らの価値観は「競合ではなく、好敵手です」という前川氏の発言が象徴している。春日氏は「顕在化したニーズの取り合いではなく、潜在ニーズの掘り起こしを一緒にやっていきたい」と、マーケット全体の盛り上がりを期待する。さらに高橋氏は次のように語った。
高橋僕はアライアンスを検討する役割でもあるので、『競合』という概念を持たないようにしています。少なくとも今の未開拓なマーケットフェーズでは、他社は倒すべき相手ではなく、切磋琢磨して同じマーケットをつくっていく仲間ですから。
個ではなくチームで事業を伸ばせる人材求む!
このように、他社に対しても前向きなリスペクトを感じさせるのは、唯一無二の事業やプロダクトに対する自信もさることながら、同社の価値観として「チームワーク」が掲げられていることが1つの理由なのではないか、ということがその後の発言で見えてきた。
高橋入社してみてわかったことは、ウチはいい人が多いんですよ。いい人と言っても、いわゆる『お人好し』とは違って、独善的な人が少ない。本当に仕事に真摯に向き合っていて、この市場やこの会社に対して役割を果たしていく責任感をしっかり持っています。チーム・組織として事業を伸ばす意識が強く、みんな精神的に大人ですね。
同社では長年、どんなに実績があって能力の高い人でも、独善的な性質を持っていると判断したら採用を見送るというポリシーを貫いてきたという。「この人が入ったら今この事業は伸びるだろう」という高スキル人材を、カルチャーフィットの面で泣く泣く見送ったこともあったそうだ。だが、ポリシーを貫き通してきたからこそ、今同社はチームワークを発揮できる組織となっている。
『チームのために働けるいい人の集まり』というと、理想論で偽善的に聞こえる読者もいるかもしれない。だがそれは決して「波風を立てない」ということではない。高橋氏が「精神的に大人」だという通り、信頼関係を築いているからこそ、踏み込んだ議論も建設的に行うことができるのだ。
現在スイッチメディアで活躍する3人の話からも、同社で働く人材の特徴について徐々に見えてきたのではないだろうか。最後に、同社に適した人材についても、直球で尋ねてみた。
高橋おそらく他の有名なスタートアップでは、ある程度やることが決まっていて、その役割を担うポジションという採用の仕方だと思うのですが、弊社は良くも悪くもこれからの会社です。そういう意味で自分の手で、手触り感を持って事業を回したい人は適しているのではと思いますね。強い当事者意識を持って活躍することができますよ。
春日僕も同じ感覚です。良くも悪くもまだ1人ひとりのカバー範囲が広いですし、SaaSの新サービスひとつとっても、営業の仕方を手探りで考えているフェーズなので、自分の貢献をより見える形で感じたい人にはおすすめです。
春日別の部署の話になりますが、昨年入社したデータサイエンティストの渡辺(次の記事で登場)が、今まで5~6分かかっていた処理を数秒でできるようなアルゴリズムを導入して業務を大幅に効率化できたり、営業経験豊富な前田(次の記事で登場予定)の入社によって数ヶ月で営業の方法が進化していたり。変化に対しては柔軟な会社ですね。
前川データ分析の立場から言うと、オリジナルのデータを思う存分に分析できるという魅力は大きいです。私自身、外部から購入したデータを使っていた前職時代には、どうしても制約が出てきてしまうことに歯がゆさを感じていたので、どこまでも探っていける状況はやりがいを感じます。
しかもそれをアカデミックな視点で見るのではなく、クライアントに対してまだ世の中にないような価値を出していける。データ分析で社会に価値を出したいと思う人にとっては最適な環境なので、今がジャンプインするチャンスじゃないかと思っています。
前回の高山氏への取材で感じた「地道な積み上げ」の上に、今回の3人のような優秀な人材が次々と参画し、未開拓市場を変え始めている。そして今まさにその成果が目に見える形で花開こうとしているのではないか。そんな期待感を抱いてしまう3人の話しぶりだった。
こちらの記事は2021年10月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
落合 真彩
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
おすすめの関連記事
マルチバーティカルSaaSは「Whoを見つける旅」だ──カミナシ、クアンドの事例から、最先端SaaSトレンドをALL STAR SAAS FUNDと共に学ぶ70分セッション総レポート化
- ALL STAR SAAS FUND Partner
5分で“マルチバーティカル戦略”のトレンドを押さえる──FastGrowが注目するSaaS企業5社を厳選
PKSHA上野山・STORES佐藤が今25歳に戻ったら「キャリア開発よりも“好き”を追求する」の真意とは──AI全盛期を俯瞰する起業家の想い
- 株式会社PKSHA Technology 代表取締役
「スタートアップの通説」に惑わされるな──僅か2年でエンプラ市場を席巻するCloudbase・岩佐氏に訊く、toB SaaSで急成長を遂げる術
- Cloudbase株式会社 代表取締役
「スタートアップ」でも「大企業」でもない、新たな成長ステージで直面する課題とは?SmartHRが示す「スケールアップ企業」の実像に迫る
- 株式会社SmartHR 代表取締役CEO
この成長曲線は、5年後の理想につながるか?──新プロダクト・組織再編・M&Aまで、SaaS戦略をSmartHR倉橋・マネーフォワード山田が語り合う
- 株式会社マネーフォワード グループ執行役員 マネーフォワードビジネスカンパニーCSO
エンプラ攻略したくば、9割の「見えない現場の動き」を許容すべし──Asobica×ナレッジワーク対談に見る、スタートアップがエンタープライズセールス立ち上げ時に陥りやすい8つの罠
- 株式会社Asobica VP of Enterprise Sales
真のユーザーファーストが、日本にはまだなかったのでは?──「BtoBプロダクトの限界」に向き合い悩んだHERP庄田氏の、“人生の時間”を解き放つコンパウンドHR戦略
- 株式会社HERP 代表取締役