世界を変える起業家になりたければ、「グロース請負人」になれ!
クライアントの“事業成長”を生み出す仕事が至上命題となるスタートアップを大特集
起業家や経営者に求められる力として、「ゼロイチ力」や「BizDev力」、あるいは「胆力」といった話がよく聞かれる。どうだろう?いずれも抽象的で、イマイチ捉えにくいと感じている読者もいるのではないだろうか。
スタートアップの事業環境でこそ、起業家や経営者になるための能力は高まるともいわれる。どのように高めるべきか。その考え方はかなり幅広いのだが、間違いなく言えるのが「グロース力」あるいは「スケール力」だろう。
今回は、事業立ち上げだけでなく、その後のグロースやスケールフェーズの経験を多く、深く、積むことができる仕事の現場を探し、特集した。自社の成長環境をどのように構築していくか、あるいは自分が本当に身を置くべき環境はどういったところなのか、考える一助としてもらえれば幸いだ。
顧客のP/Lに責任を持ち、本質的な事業成長を実現!ブランドのEC事業を”まるっと”担うパートナー事業
急拡大がいまだに止まらない日本のEC市場。中でもAmazonや楽天市場といったモール型ECサイトの活用と最適化が、D2Cブランドやメーカーにおける経営課題となっている。そんな重責をまるっと一括で請け負い、事業全体の成長をかたちづくる、まさに“グロース請負人”として動くビジネスパーソンが、数多く生まれていこうとしているスタートアップがある。
それが、P&G出身の長井秀興氏らが創業したしるしだ。
同社は「ブランド体験を最適化する」というミッションを掲げ、ブランド(メーカーや通販事業者)の成長を実現するための包括的な支援をしている。
「ブランド体験」とは、事業成長のためにさまざまな要素を包含する表現だ。日常の隅々にいきわたっているテレビ広告、街頭広告、電車内広告、スマホに出る広告、Webメディア、公式サイト、Amazonや楽天市場などのECサイトなど、「ブランドと消費者との接点の集合体」を、「体験」として捉える必要がある。そう、同社代表の長井秀興氏は力を込める。
ではここから、ビジネスモデルの話に移ろう。同社はブランドの事業成長に紐づいた成果報酬型にこだわり、クライアント企業のECの成長に関わることをすべて請け負うというスタイルを徹底してつらぬく。そうすることで、専門家が集まるチーム全員がブランドの成長にコミットし、「継続的な売上と利益の成長」の提供を実現するのである。
ECと、リアルの小売店を、最適なかたちで融合させることが、今の時代の至上命題となっている。EC事業は販売チャネルの役割以外に、メディアとしての役割を果たすことから、リアルの小売店の売上にも、大きく影響を与える。そのため、EC事業の強化をブランド成長における重要課題としている企業が、より一層増えている。だから、そのまますべてを請け負う同社の仕事が、まさに「グロース請負人」であり、経営者や事業責任者としての力を養う絶好の事業環境になっているとも言えるのだ。
日本のメーカーの多くが、ECにかけられる人的リソースや、専門的なノウハウについて、大きく不足しているという課題を抱える。そのため同社は、事業それ自体を継続的に成長させるための戦略立案やページクリエイティブのディレクション、実際の制作、プロモーション運用、物流在庫管理、ブランドリスク対策など、ECに関する業務すべてを支援内容としている。また、EC領域のみならず、リアルの小売店とのすみ分けや、さらには新たな商品の開発といったブランド全体の戦略に関わる側面までも担うのである。
もはや「クライアントのEC事業責任者」としての役割を遂行しているのだと、代表の長井氏は強調する。なぜなら、P/L面での成長を当然の目的としているためだ。なお、クライアントとの契約形態も、P/Lを基にした成果報酬としている。
「経営」や「事業」について一般的な解像度が高まってきた読者であれば、しるしのような事業について「ECにおける売上をグロースさせる、たしかにニーズが大きそうだ」とまでは容易に想像がつくだろう。だが、長井氏の見る景色は、もっともっと壮大だ。大きな経営課題としての「EC事業の成長責任」を背負うことで、顧客と目線を合わせて、ブランド全体の成長に寄与できるスキームを構築しているのだ。
現在、この事業の責任者を務めるEC事業パートナー本部長の泉光矩氏の声を最後に確認しよう。三菱商事から転じ、半年で事業責任者としての役割を担う状況を、「事業責任者を複数兼務している」と表現しながら自らを奮い立たせ、全クライアントの売上成長を実現している。
この泉氏が、しるしの経営においてどのような価値を創出する存在となっていくのか、非常に楽しみだ。より詳しい動きについても、以下の記事にてぜひ確認してほしい。
AIで、事業成長・事業開発を多面的に実現。前例のない挑戦を当然のものとして進めるAI insideの、経営人材創出環境
DXに力を入れているある地方銀行が、データ分析におけるAI活用を開始した。後日談として、1年もたたないうちに「申し込みが2~3倍に増えた」という事業グロースの実績が生まれているという。この支援をしているのが、AI inside だ。
同社のDXコンサルタントは、AI技術を当然のものとして活用し、単なる効率化にとどまらない、事業成長を生み出す本質的なDXを、顧客企業の事業において実現している。上記のような代表的な成果を残して来たのが、髙橋蔵人氏だ。
外資系コンサルティングファームで経営支援に長く携わったのち、事業会社の取締役を経て、AI inside が買収したaiforce solutionsの立ち上げメンバーとなった。東北大学特任准教授として、AI教育にも携わる。
そんな経営人材としてのキャリアをすでに歩みながら、AI inside のDXコンサルタントとして、名だたる大企業のさらなるグロースを実現しようと奔走する同氏(正式な肩書はProfessional Service DivisionのDirector)。
地方銀行の事例では、行内データの分析と活用においてAIをフル活用し、需要予測を精緻に行えるようにしたことで、購入確率の高い顧客に対して、効果的なアプローチをし続ける体制を整えた。その結果、発注数が2~3倍に増え、かつ営業コストも減らして全体を最適化。売上向上とコスト削減により、利益率の向上にまでつながるという意味で、まさに本質的なDXを早くも実現したわけだ。
そんな高橋氏が「事業開発」のような文脈でここから力を入れるのが、東北大学との連携だ。「自走可能な未来づくり」に関する連携協定や、同大学で宇宙開発プロジェクトを進める吉田和哉研究室との共同研究契約がすでに実現している。特に後者は、将来予測が事実上不可能である宇宙環境がその現場となるため、過去に例のない事業の立ち上げやグロースのための知見を新たに創造していく必要がある。まさに、AI inside だからこそできる事業開発と言えるだろう。
最先端技術を活用し、前例に囚われないチャレンジを続けるAI inside 。新しい技術や、前例のない課題解決でなければ意味がない、そんな絶対的な特徴を持つ環境だ。起業家あるいは経営者として、前代未聞の挑戦ができるような知見や経験を得たいのなら、学ぶ点が非常に多くなること、間違いなしだ。
「代表の渡久地氏やこの高橋氏と共に前例のない挑戦がしたい」というメンバーが、さらに集まっていくことだろう。
クライアントの売上 / 利益改善に向かい、「最適解」を探究し続ける──ソルブレイン
商いの本質とは?
「クライアントに価値をもたらすことで、リターンを得られる。そうでなければ、得られない」。
これがシンプルかつ、誰しもが納得する答えではないだろうか。
この本質を、テクノロジードリブンで強烈に推し進めるベンチャー企業が存在する。その名は、ソルブレイン。2022年秋、「グロースマーケティング」事業を名刺代わりにFastGrowに登場した急成長企業だ。
読者もまだ聞きなれないであろうグロースマーケティング、その目的は、持続的な事業成長ただ一つ。
具体的な提供手段としては、クライアント事業の「バリューチェーン全体のデータ」をデジタル / アナログ問わず収拾・分析、そこでボトルネックを抽出し、最適化していくもの。(その詳細はコチラの記事を参照)
一言でまとめると、「クライアントに売上 / 利益という価値をもたらすためには何でもやる」ということだ。
昨今、FastGrow読者からも注目度の高い「事業開発(BizDev)」をテーマにした取材・イベントにおいても、しばしば事業家たちからは、「事業開発とは総合格闘技だ」と語られることが多い。ソルブレインで事業を推進するということは、言わば事業開発の現場に立ち続けるということに他ならない。
主な事業グロース事例
(1)集客改善で、平均買い取り額は2.1倍、CV率は24%増。集客改善後、営業やオペレーション領域の改革を実現し全体最適化(廃車買い取り)
(2)6年間の年平均売上成長率は約87.97%。卸売業から業界変革組織へ(食品)
(3)一人当たりの売上平均51%UP、作業スタッフの数は3倍に。見込み顧客の獲得〜作業スタッフの稼働率向上(住宅設備)
一方で、「テクノロジー」というキーワードも我々の界隈では頻出する。技術が急速に民主化され、猫も杓子も「テックカンパニー」を謳うようになった。中には、「それって単にツールをつくって効率化しただけでは…」「先端技術を“使っていること”がウリになっているのでは…」と、“ビジネスとの融合”が図れていないケースが散見されるのも正直なところ。
そんな中、「どれだけ最先端のテクノロジーを活用しようとも、どれだけ懇切丁寧に時間をかけてクライアントの要求を満たそうとも、クライアントの事業成長に結びつかなければ価値を出したとは言えません」と、ソルブレイン代表取締役の櫻庭氏は述べる。
どうだろう。上記に挙げたような、テクノロジーの活用が目的化しているベンチャー / スタートアップで事業経験を積むことは、果たして事業家キャリアを歩む上で意味があるのだろうか。
自社及びクライアントの事業を背負い、その成長にひたすらコミットする。これこそが、事業家キャリアを歩む上で最短最速の道ではないだろうか。その答えは、ソルブレインのメンバー鼎談記事からも読み取ることができるので、ぜひ一読をオススメする。
もし、売上 / 利益に責任を持ちグロースさせた経験や、クライアントの事業課題を洗い出し、打開策を打ち出したコンサルティング経験などを持ちつつも、「より事業家色の強いビジネスを推進したい」と力を持て余している者がいれば、ソルブレインのような環境は挑戦しがいがあるかもしれない。
そんな諸君らに対し、FastGrowはあらためて問い掛けたい。
「貴社貴殿は、クライアントに価値をもたらすことができているか」──。
0→1、1→10、10→100すべてを社会実装する起業家精神──Relic
新規事業の立ち上げ、すなわち0→1(ゼロイチ)ばかりがもてはやされる時代は、もう終わりが来ていると言える。グロースあるいはスケールといった言葉で表現される「立ち上げ後のサステナブルな成長」まで描くことができてこそ、事業家あるいは経営者として優秀なわけである。
「イノベーション・マネジメント」といった概念を輸入し、こうした価値創出ができるサービスやプロダクト展開を進めて社会実装を試みているのが、Relicだ。「新規事業×コンサルティング」という独自の立ち位置で、大企業からスタートアップまでさまざまに支援を行っている。
この記事でも触れたように同社は、バリューに相当するRelic-ismとしてEntrepreneurship(起業家精神)を掲げている。では、どのようにして体現しているのかを見てみよう。今回紹介するのは、三つの取り組みだ。
一つは、大企業向けインキュベーションパートナー・プラットフォームサービス『DUALii』。実質的に、クライアント企業内の新規事業部署としてRelicのメンバーが振る舞い、新たな事業を実現させていく。具体的な進め方はこちらの図を参照いただきたい。実際の立ち上げを含め、検証フェーズをRelicが徹底的に担い、スケールさせていく道筋を立てて軌道に乗せる事業フェーズまで支援していくのだ。
そして二つ目は、スタートアップ向けの創業期支援事業『Growth Partner for Startup』だ。上述の大企業向けサービスと、枠組み自体は似ているが、大きく異なる点がある。それが、「事業成長のために、Relic自身も身銭を切る契約スキーム」と表現する点だ。
つまり、レベニューシェアモデルや成功報酬型といったかたちを基本的にとっていくわけだ。事業がうまく立ち上がり、売上や利益の創出にまで至って初めて、Relicもリターンが得られるようになる。戦略を描くようなコンサルティングではなく、新規事業が成果を生むまでほぼ現場のメンバーとして取り組む必要があるわけだ。まさに「起業家精神」が試される。
最後に三つ目。この2023年、新たに発表した『ZERO1000 VENTURES』という事業を見てみよう。いわゆるスタートアップスタジオとして始めたこの事業。まだプロダクトが存在しない構想段階の起業家を徹底サポートし、立ち上げからグロース、そしてイグジットまで当然のように支援する。しかも、うまくいかなければ再挑戦することも最初から考慮に入れる「フェニックスモデル」という枠組みまで採用しているのだ。
このように、あらゆる環境において新規事業が生まれ、グロースしていくことを支援し続けるのが、Relicの事業モデルなのである。メンバーには、元起業家や元ベンチャー経営者が多く在籍。メガベンチャーで成果を残し、さらなる大きな事業を担いたいという人物も少なくない。
「起業」や「経営」に、最も近い仕事の経験を積む場として、これ以上ない環境といえるかもしれない。そんなユニークな企業である。
創業者・北嶋貴朗の想いが存分に語られたこの記事も、合わせてぜひ読んでほしい。
こちらの記事は2023年03月31日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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