連載資金調達の週報
人材版Uberから、韓国発ソーシャルラジオまで──押さえておきたい資金調達ニュース【〜8月12日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社、海外から1社をピックアップした。
2018年8月6日〜2018年8月12日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
スマートドライブ : 自動車領域でのビッグデータ活用サービス
資金調達概要
調達額 |
---|
17億円 |
調達先 |
---|
産業革新機構 |
ゴールドマン・サックス |
モノフル |
2020 |
サービス概要
自動車領域でデータを活用したプロダクトを複数運営する『スマートドライブ』。
現在は法人向けにリアルタイム車両管理サービスの「SmartDrive Fleet」、個人向けにオンライン上で申し込みが完結する月額定額制のコネクテッドカーサービス「SmartDrive Cars」を提供。8月に先行予約を開始した高齢者ドライバーの運転状況を家族が遠隔からでも見守れる「SmartDrive Families」も、10月から正式に開始する予定だ。
なお同社では収集したモビリティデータを活用していくための研究開発を行うSmartDrive Labも設立。人工知能やブロックチェーン技術の活用にも取り組むという。
freee : 100万事業所が使うクラウド会計サービス
資金調達概要
調達額 |
---|
約65億円 |
調達先 |
---|
LINE |
三菱UFJ銀行 |
ライフカード |
複数機関投資家および事業会社 |
サービス概要
クラウド会計ソフトを筆頭にスモールビジネスを支援するサービスを展開する『freee』。
サービス提供開始から約5年で、利用事業所数は100万を突破。7月にはクラウド会計ソフト「freee」上で「予算・実績管理」機能をリリースし、蓄積したデータの自動集約と見える化による意思決定のサポートまで行うという。
今回の調達で累積の資金調達額は約161億円に到達。今後は、LINEや三菱UFJ銀行との連携を強化し、新サービスの開発にも取り組む。
BizteX : 定型業務を自動化するクラウドRPA
資金調達概要
調達額 |
---|
4億円 |
調達先 |
---|
WiL |
ジェネシア・ベンチャーズ |
サービス概要
PCを使った定型業務をデジタルロボットによって自動化するクラウドRPA(Robotic Process Automation)サービス「BizteX cobit」を運営。
これまで一般的だったオンプレミス型ではなくクラウド型で提供することで、導入までの時間やコストを短縮。プログラミングも不要のため、利用のハードルが低いことが特徴だ。
データの分析やシートへの入力、キーワードのリサーチなど繰り返し発生する業務をロボットに覚えさせることで、業務効率化やコスト削減をサポートする。
タイミー : この時間だけ働きたいを実現する、人材版Uber
資金調達概要
調達額 |
---|
約5600万円 |
調達先 |
---|
ジェネシア・ベンチャーズ |
ガイアックス |
サイバーエージェント・ベンチャーズ |
コロプラネクスト |
F Ventures |
個人投資家数名 |
サービス概要
「この時間だけ働きたい」個人と「この時間働いてほしい」企業をマッチングするワークシェアアプリ「タイミー」を運営。
同サービスは個人が自分の働きたい時間と場所を入力しておくと、その時間に人手を探している企業とマッチングする。「人材版のUber」ともいえるサービスだ。面接などもなく、その日に報酬がもらえるのが働き手にとっての特徴。また、企業側としても人手が足りない時間だけピンポイントでマンパワーを確保できる点がメリットと言えるだろう。
相互レビューや、独自の助け合い機能で、ドタキャンが起こりづらい環境を作っている。
Mykoon(韓国): 250万DL超えの韓国発ラジオアプリ
資金調達概要
調達額 |
---|
1700万ドル |
調達先 |
---|
Goodwater Capital |
Softbank Ventures |
KB Investment |
サービス概要
スマホから配信できるソーシャルラジオサービス「SPOON」を運営。
ソーシャルラジオを謳っているように、Podcastなどと比べて配信者と視聴者でコミュニケーションを取りやすいのが特徴。配信はライブとオンデマンドを選ぶことができ、視聴者は声を聞くだけでなく、チャットを通じてテキストベースによる会話も楽しめる。
韓国発のアプリではあるものの、日本やインドネシア、ベトナムなどアジアで徐々に拡大。TechCrunchの記事によるとダウンロード数は250万を突破しているという。
今週は計5社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowでは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年08月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
PKSHA上野山・STORES佐藤が今25歳に戻ったら「キャリア開発よりも“好き”を追求する」の真意とは──AI全盛期を俯瞰する起業家の想い
- 株式会社PKSHA Technology 代表取締役
「PMFまでの苦しい時に、資金と希望を与えてくれた」──ジェネシア・ベンチャーズ × KAMEREO、Tensor Energy、Malmeの3対談にみる、“シード期支援のリアル”
- 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ
きのこで脱炭素を実現?特許を多数取得の「マッシュファメンタシステム」で雇用や物流の課題まで解決を目指す。シードラウンドで1.2億円を調達──株式会社楽々
言語の壁を取り払い、誰もが好きな場所で生きられる多文化共生社会の実現を目指す。プレシリーズAで総額2.7億円を調達──株式会社Oyraa
データの収集と整理を効率化し、日本のエンプラ企業のデータ・AI活用を変革する。シリーズAで総額7.5億円を調達──株式会社Quollio Technologies
グローバル製造業の調達機能を高度化へ。データを基軸としたイノベーションに向け、シリーズAで総額4億円を調達──A1A株式会社
【独占取材】メルカリの0→1事業家・石川佑樹氏が、汎用型AIロボットで起業した理由とは──新会社Jizai立ち上げの想いを聞く
- 株式会社Jizai 代表取締役CEO