連載資金調達の週報
ティーン世代向けのスポーツ動画投稿アプリから、住宅ローンテックまで──押さえておきたい資金調達ニュース【〜9月30日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2018年9月24日〜2018年9月30日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
favy:月間閲覧者6700万人突破のグルメメディア
資金調達概要
調達額 |
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約10億 |
調達先 |
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マイナビ |
サービス概要
月間閲覧者数が6700万人を超えるメディア「favy」など、グルメ領域のサービスを展開。
調達先のマイナビとは資本業務提携を通じて、今後favyのプロダクトの販売協力を本格的に進めていく方針だ。すでに 「マイナビバイト」 を運営するアルバイト情報事業本部と都内でトライアルを開始しており、営業体制1,000名以上、60を超える拠点をもつ同事業部と連携を深めながら全国の飲食店にアプローチする予定という。
資金調達と合わせて、favyは「顧客管理ツール」と「favy store」のリリースも発表した。顧客管理ツールは飲食店向けのMAツールのような位置付けで、これまで把握できなかった見込み客の見える化や、マーケティング施策の自動化をサポートする。
favy storeは美味しい食材や調理器具、家具、ユニフォームなど店舗経営で必要となるさまざまな商品が掲載されたオンラインマーケットとなっている。
Pathee:リアル店舗情報を整理した”おでかけ”メディア
資金調達概要
調達額 |
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6.5億円 |
調達先 |
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Eight Roads Ventures Japan |
三井物産 |
地域創生ソリューション |
第一勧業信用組合 |
シークウェル |
SMBCベンチャーキャピタル |
サービス概要
リアル店舗の情報を整理したお出かけメディア「Patheeメディア」と、店舗のマーケティング課題を解決するSaaS「Patheeパートナー」を開発。
同社はもともと独自開発した空間検索エンジンを活用した地図情報アプリ「Pathee」を軸にスタートした。Patheeでは、今いる場所やこれから向かう場所から“歩いて5分以内の周辺情報”を目的に沿って検索できるのが特徴だ。
現在は同アプリと連動した月間800万PVのPatheeメディアに加えて、4月からリアル店舗向けに業御支援を行うPatheeパートナーも運営。SNSのコンテンツ運用やオンラインキャンペーンなどマーケティング関連の機能を一括で提供する。
調達した資金をもとに組織体制を強化し、両事業を拡大していく計画だ。
Spornia:ティーン向けのスポーツ動画投稿アプリ
資金調達概要
調達額 |
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3400万円 |
調達先 |
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ジャパネットホールディングス |
モルテン |
為末大氏 |
スヴェンソンスポーツマーケティングなど11名(社)から |
サービス概要
ティーン世代に新たなスポーツ体験と熱狂的なコミュニティを届けることを目指した、スポーツ動画投稿アプリ「Miez」を開発。
Miezは各スポーツのスキル動画を投稿したり、他ユーザーの動画を閲覧することで交流を図る動画コミュニティだ。現在は取り扱い競技をフリースタイルフットボールに絞って展開。2018年9月時点で、すでに1500本を超える動画が掲載されているという。
各スキルを個別に閲覧できる機能には、15秒前後の短尺動画が並び、ユーザーはこの動画を練習に用いたり、純粋にエンターテイメントとして楽しむこともできる。
今後はサッカーやバスケットボールなどスポーツの横展開、東南アジアや中国を始めとした海外展開、Androidアプリの開発を加速させていく計画。投稿機能も充実させる予定で、アプリ内で簡単にクールなスポーツ動画が編集・投稿できるようになるという。
iYell:テクノロジー活用の住宅ローンプラットフォーム
資金調達概要
調達額 |
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6.6億 |
調達先 |
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Global Catalyst Partners Japan |
SBIイベントメント |
みずほキャピタル |
三菱UFJキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資、金融機関からの借入 |
サービス概要
金融機関や住宅事業者、エンドユーザーが抱える住宅ローンの悩みを解決する住宅ローンプラットフォームを開発。
具体的には、AIを活用した住宅ローン専用チャットボットなど住宅ローンの業務効率化を推進するスマートフォンアプリ「ダンドリ」や、複数の住宅ローンを比較・検討できるオンラインメディア「いえーる 住宅ローンの窓口ONLINE」を運営する。
これらのテクノロジーとプロフェッショナルチームのサポートによって、住宅事業者や金融機関の住宅ローン業務の負担削減をサポート。一方で、エンドユーザーに対しては最適な住宅ローンの提供を目指す。今回調達した資金を活用して金融機関との関係性を深め、国内住宅ローン事業を拡大するとともに、海外進出を視野にグローバル対応も進めていく計画だ。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年10月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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