「TikTok for Business」と「DeLMO」に訊く、縦型ショート動画の最新潮流とは?──TikTok広告で勝つための「動画クリエイティブ制作の4つのステップ」を独自入手

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インタビュイー
鬼山 真記

2007年に株式会社ぐるなびに新卒入社。都内飲食店への自社メディアを活用した集客支援を経験したのち、2013年にアライドアーキテクツ株式会社へ参画。SNS特化型の広告代理事業の立ち上げとグロースに携わったのち、2017年に独立しidentify株式会社を創業。2020年には自社プロダクト『DeLMO』をローンチ。現在はシードラウンドの資金調達を経て、事業グロースのフェーズに突入。

河野 正寛
  • TikTok for Business Global Business Solutions, Japan, Partner Acceleration Sales, Partner Acceleration, Chief Manager 

2007年に人材コンサルティング会社に新卒入社。複数の広告プラットフォームを経て、2018年にTikTok for Businessに参画。通信キャリア等のクライアント・パートナーに携わった後、現職。総合系、デジタル専業、MCN、アドアフィリエイトなどの代理店様とパートナーシップを担うチームをリードしている。

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近年、SNSや動画プラットフォームなどのデジタル広告の躍進には目を見張るものがある。どんなビジネスの経営者やマーケティング担当者でも、もはや必須のツールと言ってもいいかもしれない。そんな中、この数年で一気に存在感を増しているのが、ご存じTikTokだ。

読者の中には、「何を今さら…」と感じている者もいるかもしれないが、FastGrowが記事で取り上げる意味を考えてほしい。当然、読者の明日の事業成長にとって役立つからである。

このTikTokの登場によって、デジタル広告のクリエイティブは一気に「動画」へシフトし始めた。スマホの画面いっぱいに表示される縦型のショート動画は、あらゆる世代を夢中にさせている。今や他のプラットフォームもショート動画機能に力を注いでいることからも、空前の「縦型ショート動画ブーム」が起こっているといっても過言ではないだろう。

とはいえ、動画クリエイティブの制作や広告で成果を出すためにはいくつものハードルがあることも事実だ。縦型ショート動画を活用したデジタルマーケティングの必要性を感じながらも、なかなか取り組めていない。そんな読者も多いのではないだろうか。

今回アドバイスをくれるのは、TikTok広告事業を推進するTikTok for Businessの河野氏と、マキヤマブラザーズ代表取締役の鬼山氏。マキヤマブラザーズはTikTok for Businessのクリエイティブ領域におけるビジネスパートナーであり、鬼山氏が立ち上げた縦型ショート動画の素材プラットフォーム『DeLMO』の躍進については、FastGrowでも2023年初頭に取材したばかりだ。

動画広告全盛時代のデジタルマーケティングの勝ち筋を、縦型ショート動画のプロである両者の対談から明らかにしていこう。

  • TEXT BY HANAKO IKEDA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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グローバルMAU10億人突破のTikTok。
目と耳で届けるユーザー体験

2017年にローンチされた、ショートムービープラットフォーム『TikTok』。2021年9月には全世界でMAUが10億人を突破──。今もなお、ユーザー数、広告主数ともに成長を続けている。まずは、なぜここまで成長しているのかを紐解いていこう。

河野TikTokのローンチ以降、投稿されるコンテンツの幅が広がってきたことが、成長のひとつの要因だったと考えています。最近では、料理やコメディ、日常系、ニュース、経済情報など、様々な年齢や性別の人々に好まれる幅広いコンテンツが増えてきています。

また、「おすすめ」フィードに表示されるコンテンツがユーザーの興味や関心に合わせて変化することが、ユーザーにとって魅力的な要素であり、日々楽しんでいただけている理由だと考えています。TikTokは、人々がオープンマインドで楽しめる、エンターテインメント性溢れるプラットフォームなのです。

  

河野TikTokならではのユニークなスタイルとして確立したのが、スマホ画面全体に広がる「動画」と「音声」を届けるというコンテンツの形式ですね。

動画という情報量の多いコンテンツを、スマホのフルスクリーンで、かつ音声がある状態で届ける。ユーザーにとって完全に“没入感”のある状態になるので、コンテンツに集中してもらいやすい条件が揃っているんです。

まとめると、幅広い世代に受け入れられる多様なコンテンツを、ユーザーの興味関心に合わせて表示し、それらのコンテンツを没入感を持って見てもらえることが、TikTokが成長している要因の一つだと思いますね。

従来のWEB広告では実現できなかった、没入感を生む「縦型ショート動画×音声」というマーケティング施策を実施する絶好の場となっているのがTikTok。近年ではTikTok for Buisinessを利用してTikTokに広告を出稿する企業が急増。具体的には、日本国内において昨年対比で+83%の広告売上の成長を達成。+47%の配信広告数、新規配信アカウント数が約4,000件に到達(TikTok for Business調べ)と急成長している。

河野TikTok広告が急成長している理由として、TikTokを通して広告を届けられる人の総数が増えたことに加え、従来の静止画の広告よりも、動画の広告の方が、また音無しよりも音有りの方が、圧倒的に多くの情報量をユーザーに届けられるということも挙げられます。

昨今、人口の減少や様々なサービスの増加の影響もあり、コンバージョンの最大化だけでなく、コンバージョンしたユーザーにいかに長くその商品やサービスを使い続けてもらうかが、ビジネスにおいて一層重要になってきています。

“TikTok売れ”という現象が象徴するように、「エンターテインメントがビジネスインパクトを生む」という新たな時代を迎える中、プラットフォームはインパクトの有無によって選ばれ始めています。

TikTokの広告プロダクトは、全てのファネルでビジネスインパクトを生み出すことに貢献できるため、ユーザーが商品やサービスの購入・登録をするまでの前段階、つまり広告を目にしている段階からその商品やサービスに関しての理解を深めておくことができます。そのため、広告クリエイティブの作り方次第では、LTVの改善にも寄与することができると感じています。

鬼山そうですね。実際、動画広告で成功している企業様のクリエイティブの傾向を見ていると、クリエイティブ自体で商品やサービスの説明をしっかりと行い、そのうえでLPに遷移するようにしているケースが増えてきています。

動画広告の広がりとともに、広告施策における初回接触からコンバージョンまでのコミュニケーション設計が変わりはじめている感覚がありますね。

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どんな商品やサービスとも相性がいい、TikTok広告

スマホ画面いっぱいに表示される音声付きの縦型ショート動画で、商品の魅力を余すところなく伝えることができるTikTok広告。とはいえ、実際に広告出稿して成果が出る商材と、そうではない商材もあるのではないだろうか。

「TikTok広告と相性がいい商材はどんなものか?」と尋ねてみると、マキヤマブラザーズ鬼山代表から、取材陣の意表を突く答えが返ってきた。

鬼山TikTok広告は、あらゆる業界で相性が良いと思っています。具体的には、コスメ、ヘアケア、脱毛などの美容系、ダイエットやデンタルケアなどの健康系、株やFXなどの金融系、転職サービスの人材系、他には電子書籍やゲームなども相性が良いと思います。

どんな商品やサービスとも相性が良いと考える背景としては、まずTikTok for Businessでは、TikTokだけでなく『Pangle』というアドネットワークにも広告を出すことができるので、20代・30代・40代と総合して幅広い世代に広告がリーチできることが挙げられます。

また、情報化社会の影響もあり、商品やサービスのコモディティ化が起きやすくなっていますが、そのような中でも、「その商品やサービスだけが持つ特徴的な魅力」は絶対にあるはずです。TikTok広告では、没入感がある動画や音声を通じて、その商品やそのサービスならではの強みを、丁寧に伝えることができると考えているためです。

鬼山具体的な事例を挙げると、意外なもので言えば、最近では人材・採用系の広告出稿がTikTok広告でも増えています。これまで、人材・採用系のプロモーションと言えば、求人サイトに掲載し、就職・転職「顕在層」にアプローチするのが一般的でした。

ただ、既存の求人サイトでは基本的に情報がテキストベースで、どうしても横並びになってしまいがち。ある程度の知名度がないと、そもそも会社の魅力や強みを届けることすら難しかった面もあったと思います。

対してTikTok広告なら、普段の職場の雰囲気や採用説明会の様子を、目を引く編集も用いながら、動画の力で臨場感をもって伝えることができます。写真やテキストだけの従来の求人広告と違って、働くイメージを鮮明に届けることができるわけです。その結果、就職・転職の意向がまだ高まっていない「潜在層」への興味喚起にもポジティブな影響を及ぼしているんです。

河野そうですよね。我々TikTok for Business側も想像していなかった広告出稿をされている企業が多いですね。一見するとTikTokとの相性が良さそうとは思わないような商材でも、実際に出稿してみると意外とうまくいく…というケースは多いです。

例えば最近だと、塗装業者による壁の塗り替えサービスの広告が大きな反響を得ており、私自身もびっくりしました。これまではニッチと思われる業種・サービス内容だったとしても、TikTokには、幅広いユーザー層がいたり、新しい発見を求めているユーザーが多いからこそだと思います。

鬼山それは私も予想外ですね(笑)。そう考えると、やり方次第でどんな業界の企業やどんな商材を扱う企業でも、TikTok広告で事業を伸ばす可能性が大いにあると言えますね。

美容系や健康系はもちろんのこと、人材採用や、果てはニッチなサービスまでもがTikTok上で広告出稿し、反響を得ている。どんなユーザーに対しても最適化したタイムラインの提供を重視する、TikTokならではの世界観と言えそうだ。

このTikTok広告を活用して事業を成長させていくためには、旧来のマーケティング思考とは異なる文脈を理解していく必要性がある。裏を返せば、今ここでその文脈を理解しておけば、他社に先んじて成果を手にすることができるだろう。

まだTikTok広告を実施したことがない企業や、そうした企業の広告代理事業を営む企業の面々は、一度トライして、ユーザーからどんな反響が得られるのか試してみてはいかがだろう。

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TikTok広告で成果を出すためのカギは
「クリエイティブ」の差別化

「どんな商材・サービスでも反響が得られる可能性があるTikTok広告」──。

そこまで明言されると、TikTok広告に興味がわいてきた者もいるかもしれない。とはいえ、世の中「絶対」はない。思慮深いFastGrowは、河野氏と鬼山氏に向けて、TikTok広告で望む成果を得られている企業の特徴は何かとさらに深ぼってみた。

鬼山TikTok広告を成功させる上でもっとも大事なことは、「クリエイティブ」です。

まず広告業界の大きなトレンドとして、これまで人間が行っていた、誰に広告を配信するかというターゲティングが、AI技術の発展に伴い、自動で最適化されるようになりました。その結果、他社の広告と差別化できるのが、ターゲティングの精度ではなく、どんな広告を配信するかというクリエイティブの質に絞られつつあります。

そもそもクリエイティブ制作は、「0→1の素材集め」と「2→10の編集」のフェーズに分けることができます。「2→10の編集」は、2017年〜2019年に掛けて、クリエイティブの自動生成ツールを提供するスタートアップが台頭し、“編集の民主化”が進んだため、「編集力」でのクリエイティブの差別化は難しくなってきている。

残されたのは、「0→1の素材集め」で差別化を図るという観点です。そのため、とくに「0→1の素材集め」に重きを置いたクリエイティブ制作こそが、TikTok広告で成果を出すために重要だと考えています。

鬼山動画広告の素材提供を通じた、クリエイティブづくりをサポートする事業を展開している立場としては、こうした意見を持っていますが、広告プラットフォーム側の河野さんとしてはいかがでしょうか?

河野まさにその点が重要だと思います。ただし、クリエイティブが重要な一方で、動画クリエイティブの制作体制を整えられている企業は、まだまだ少ないように感じています。

歴史を振り返ると、TikTokが登場するまでは、テキストと画像をもとにした静止画のクリエイティブが主流だったのですが、TikTokはサービス開始以来、動画のクリエイティブが中心です。

今は「動画」でクリエイティブを制作し続け、PDCAを回す必要性が求められています。そのため、どの広告代理店も、いかに動画クリエイティブのPDCAを回す体制を新たに整えるかに注力するという流れが来ています。

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必見!TikTok広告で勝つための
「動画クリエイティブ制作の4つのステップ」を一挙公開

TikTok広告で成果を上げるには、静止画クリエイティブだけでなく、動画クリエイティブに対応できる体制を構築する必要がある──。

しかし、ただ漠然と体制を整えPDCAを回すというだけでは、TikTok広告に取り組む重要性を理解しても、まだ腰が重いのではないだろうか。読者が実際にTikTok広告を開始し、成果を上げるために必要なプロセスを具体的に聞いてみた。

河野今年2月に、「TikTok for business Japan Agency Award 2023」を実施し、TikTok for Businessの広告を通じて売上拡大に成功した広告代理店様の表彰をしたんです。そこで成果を上げた広告代理店様にインタビューをした結果、ある一つの共通点が見えてきました。それが、TikTok広告で成果を上げた「動画クリエイティブ制作の4つのステップ」です。

TikTok広告で勝つための「動画クリエイティブ制作の4つのステップ」

1.観察をする(observe)

現状手に入る素材やコンテンツなどを大量に観察します。例えば下記です。

  • TikTokのオーガニック流行りのクリエイティブ
  • TikTokクリエイターがよく使っている楽曲
  • TikTok上での動画クリエイティブ
  • 広告主のこれまでの広告クリエイティブ
  • 動画素材(広告主からの提供、『DeLMO』など)

2.方向性づけ(Orient)

動画を実際に作り始める前に「どういった方向性で作り始めるか」を決めます。例えば下記の様な例があります。

  • 他社の効果の良さそうな広告クリエイティブを起点にする
  • Tオーガニックでエンゲージが高い動画を起点にする
  • ありものの素材を起点にする
  • 編集ツールで簡単にできることを起点にする
  • スピード優先で大量に作れることを起点にする
  • 審査通過することを起点にする

3.動画制作(Deside)

簡単なコンセプトやストーリーボードは作りますが、動画編集を最も効率よくできるようにプロセスを変えています。例えば、下記です。

  • 動画編集者の編集スキルに合わせた依頼(不要なプロセスは排除)
  • 動画クリエイティブのモジュール化
  • 動画編集者自身が1,2を行う。

4.広告配信(Act)

1〜3を考慮した上での配信設定や、次のループを意識した上での広告配信を行う。

河野成果を出し続けている広告代理店様は、この「動画クリエイティブ制作の4つのステップ」を最低でも週に1〜2回程度行っていました。従来の体制では1ヶ月程度は掛かっていた工程を、僅か1週間のうちに何度も繰り返すといった「高速PDCA」を回していたことが成功のポイントだったんです。

ここで、高速PDCAという言葉を使いましたが、実態は「OODAループ*」に近いと感じています。そもそも動画は、同じ素材を使っても組み合わせや楽曲を変えることによって動画クリエイティブからユーザーが「受け取る印象」が変わります。

*OODAループとは、Observe(観察)、Orient(判断・認識)、Decide(決定)、Act(行動)の4つのプロセスからなるループであり、情報の収集・分析、状況の理解、意思決定、実行という一連のサイクルを指す。情報の素早い収集と分析によって状況を正確に把握し、それに基づいて迅速な意思決定と実行を行うことで、競争相手よりも優位に立つことができるというもの。状況の変化が速い環境では、早いサイクルでOODAループを回すことが重要とされている。

同じ素材でも受け取る印象が変わるとはどういうことだろうか?

これは例えば、派手な映像が流れていても、バックグラウンドでコミカルな楽曲が流れていれば、動画クリエイティブから受ける印象が柔らかになり、ユーザーは和やかな気持ちで動画を視聴することができるというものだ。つまり、同じ素材でも編集次第でユーザーが受け取る印象をある程度コントロールすることができるということ。その結果として、CTRやCVRなどの広告効果にもポジティブな影響を及ぼすことができるのだ。

その上で、TikTok広告の成功ポイントはOODAループに近いと述べる河野氏の真意を伺ってみよう。

河野この意味は、過去に反響のあった動画クリエイティブを参考にしても、劇的な改善までは至らない。言い換えると、ボラティリティが高い状態が生まれていると言えるでしょう。

事実、弊社では、広告効果が良かったクリエイティブの研究は常に行なっており、社内Tipsとしてまとめております。しかし、実際にそのTipsを広告代理店様に提供し、そのTipsを元に動画制作し広告配信しても、思っていたほど広告効果が改善しないというケースもあります。トレンド進化の早い当領域においては、過去の成功法則はそう長く通用しないんです。

そのため、動画広告を「ボラティリティの高いもの」と捉えたときに、この状態に対応するためには、クリエイティブ制作において素早く多様なチャレンジが継続的に行える組織体制(=「OODAループ」を行える組織)を整えることが不可欠だと捉えています。

しかし、TikTok広告で成功している広告代理店様たちとディスカッションしていく中で、もともとこのような理論理屈から入って組織体制を構築をしているところはありませんでした。動画広告の広告成果に向き合っているうちに、自然と冒頭に挙げたような4ステップになっているのだと気づいたんです。

これはまさにFastGrow読者にとってチャンスでしかない話。まだ形式知化されていない秘伝のノウハウが、本舗初公開となった。河野氏の言う「OODAループ」を持続的に推進できる組織体制を構築し、4つのステップを愚直に回していく。これこそが2023年上半期時点における、TikTok広告の成功法則なのだ。

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河野氏が注目するは、「観察」ステップにある「動画素材」

河野その中で今回、注目したいのは「観察」のステップにある、「動画素材」についてです。これまで動画広告では、この「観察」の段階が軽視されており、いきなりコンセプト設計から入ることが多かったように思います。

ここでコンセプト設計に関しても触れておこう。例えば「動画クリエイティブの中に人を登場させたい」となった場合に、通常はモデルやクリエイターをアサインすることになる。その場合、事務所や広告主への確認連携が生じ、工数が増えてしまうといった懸念があった。

例えば、求める広告成果に基づいて考えたコンセプトやストーリーボードを事務所や広告主にプレゼンして理解してもらい、了承を得た上で撮影する。ほとんどの企業は、この工程に多くの時間とコストを割いていたのだ。そんな矢先、このコンセプト設計にまつわる負荷を減らす上で、『DeLMO』のような「素材データ」を活用することが解決に繋がると河野氏は見出したのだ。

河野広告効果の高い広告クリエイティブをコンスタントに出している広告代理店様は、そもそもコンセプトの決定の前に、TikTok内外のクリエイティブの観察を行い、「どういった素材が出回っており、また、活用できるのか」を事前に把握した上で方向性を決め、動画を作り始めるようになっていました。

「今、目の前にあるもので仮設を立て、広告配信する」というようなニュアンスですね。そのときに重要なのが、『DeLMO』のような第三者の素材提供サービスなんです。

このサービスが導入されていることによって、観察の部分を大幅に拡張させることができるので、その後の工程である「方向性付け」や「編集」の過程を劇的に変化させることができます。

これにより、従来の「コンセプトありき」のプロセスを経るよりも、動画制作の時間とコストを大幅に下げて、広告配信までのフロー簡略化とクリエイティブ制作コストの低下に力を注いでいくことができます。また、それだけでなく多様なコンセプトやストーリーの動画クリエイティブを大量につくる事ができるので、動画広告配信における効果のボラティリティを制することができるのだと思います。

鬼山全くもって同感です。実は「TikTok for business Japan Agency Award 2023」のリリースを見て驚いたのですが、表彰された広告代理店様の大半が『DeLMO』を導入していたんです。我々の『DeLMO』が、動画クリエイティブを本気で攻略しようとしている広告代理店様の力になれていたことをリアルな事象として体感できたことは本当にうれしく思いますね。

先程の「動画クリエイティブ制作の4つのステップ」の話に戻りますが、動画クリエイティブのOODAループは、回せば回すほど、本当に面白い考察がたくさん見えてきます。

例えば女性向けのシャンプーの事例を挙げると、TVCMでよく見るような、サラサラの髪の毛がフワッとなびくシーンの動画クリエイティブこそ広告成果が出ると思いますよね。しかし、実はショートカットの女性が鏡の前で自分の髪に満足しているシーンの動画クリエイティブの方が、圧倒的にCTRやCPAが良かったんです。

他にも、コスメ商材なら、マスクを外した後にお肌のプルプル感を訴求するような動画クリエイティブが好評でした。また、ダイエット商材なら、大食い系クリエイターのごとくカロリーが高そうな料理を口いっぱいに詰め込んでいる動画クリエイティブが反響を得ていましたね。共通する点としては、ユーザーのトレンドを掴んだ動画クリエイティブが刺さっていると言えるでしょう。

つまり、髪の長さや髪色、髪質、肌質、雰囲気など、様々な被写体の条件、また背景や画角、服装など多くの変数要素から動画クリエイティブの効果の良し悪しが決まってくる。そのため、社内で従業員を撮影するなど、条件の組み合わせに制限がある動画クリエイティブの制作プロセスだと、広告の成果を持続的に担保して、かつ再現性を持たせるのは不可能だと考えています。

TikTok広告で成果を上げるために明かされた動画クリエイティブ制作の4つのステップ。中でも、観察の拡張こそがライバルたちとの差別化要素であり、『DeLMO』を代表とした素材プラットフォームを活用することで、その効果検証をスピーディに回すことができる。

事実、TikTok for Businessのアワードで表彰されるほどの成果を上げている企業たちは、軒並みこの手法を取っていたというのだから、再現性は高そうだ。

そんな動画クリエイティブの制作プロセスに必須の『DeLMO』。このプラットフォームが「ある場合」と「ない場合」とで、TikTok広告の成果がどれほど変わってくるのか、河野氏の立場から聞いてみたい。

河野定量的に伝えることは難しいですが、TikTok for Business側の立場から見ても、大きな違いが生じることは確信しています。TikTok広告の動画クリエイティブは、15〜20秒の動画で作られることが多いのですが、基本的には1つの動画素材だけで完結させることはなく、複数の動画素材を組み合わせて、1つの動画クリエイティブが作られています。

そのため、広告代理店様が自分達で撮影して集めた動画素材だけで動画クリエイティブを作ろうとすると、すぐに素材の枯渇という壁に直面し、動画クリエイティブを量産することができず、広告効果のボラティリティを制することができなくなってしまいます。

論理的に考えると、動画クリエイティブの制作フローに『DeLMO』を導入している企業とそうでない企業とでは、生み出せる成果に大きな違いが出てくることは明らかですよね。

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広告業界の生態系のなか生き残るには、
縦型ショート動画の攻略は至上命題

「急成長しているTikTok広告を活用して、自社の事業も大きく加速させたい」。そう感じている読者にとって、縦型ショート動画の素材プラットフォーム『DeLMO』はこのTikTok広告の成功において欠かせない存在であることはお分かりいただけたことだろう。

そしてまた、この動画広告市場の成長に応じて今後さらなる進化や成長を遂げていくことだろう。そんな『DeLMO』がこれから仕掛けていく領域やその戦略について、鬼山氏の見解をうかがってみた。

鬼山『DeLMO』はこれまで、美容や健康ジャンルに特化した動画素材の収集および販売を強化してきました。今ではこれらの領域での知名度獲得や優良企業の導入が進んできたことを受けて、今後は金融や人材領域へ注力していく方針で動いています。

実はすでに、金融領域に強いことで有名な大手広告代理店様含め、大手金融メディアの広告主様からの導入が進んでいます。我々としてはこの業界の動画クリエイティブに対しても大きな変革を起こしていきたいと考えていて、現在は素材提供の体制を絶賛強化している最中です。

徐々に動画クリエイティブのパターンにおいても成功事例が出始めていて、金融や人材領域では日常生活系の動画素材が頻繁に『DeLMO』上でダウンロードされ、成果を上げてきています。例えば、「浜辺を歩いているシーン」「海カフェでパンケーキを食べているシーン」「都会のテラス席で女子会をしているシーン」など、少し華やかな日常を想起させる動画素材がよく活用されています。すると、「え?どうしてそんな日常のシーンが?」と思いますよね?(笑)。

答えは、「私の日常が変わった!」というイメージを訴求するためなんです。このようなシーンを動画クリエイティブに活用し、反響を得ているようです。面白いですよね。

河野たしかに、最近では金融や人材領域のTikTok広告で、日常生活シーンの動画クリエイティブはよく見かける気がします。まさに『DeLMO』さんの動画素材だったんですね(笑)。

鬼山さんが仰るとおり、TikTok広告全体における金融や人材領域の配信割合は上位に位置していて、動画クリエイティブの制作に困っている広告主様や広告代理店様は多くいるはずです。これらの業界に対しても『DeLMO』がサポートを強化してもらえると考えると、TikTok for Business側としては頼もしいかぎりですね。

鬼山氏からの今後の戦略やそこに対する河野氏の反応からは、大きな期待感が滲み出ている。そして最後にインタビューの締めくくりとして、あらためて世の広告主や広告代理店を主とした読者が、TikTok広告に乗り出すべき理由をうかがった。

鬼山人類がスマホを捨てる日が来ない限り、縦型ショート動画の市場は無くならないですし、この先も長く成長をし続けると確信しています。その中で縦型ショート動画のパイオニアがTikTokであり、今もなお全世界で絶大なる人気を得ています。

そのような状況下において、TikTok広告を出稿していない、またはTikTok広告専門のチームを持っていない広告代理店様は、広告業界の生態系の中で生き残っていけない可能性すらあると思っています。

この縦型ショート動画という大きなムーブメントをビジネスチャンスと捉え、企業の生存戦略に据えることで、事業を大きくグロースさせることができると確信を持っています。ですので、この記事を読んでいる多くのビジネスパーソンにとっても、明日からの事業運営においてTikTok広告を導入しない手はないでしょう。

河野本当にここ最近の『DeLMO』の成長度合いは目を見張るものがありますし、導入している企業がどんどん成長していく様子を目の当たりにしています。

この縦型ショート動画の市場において、『DeLMO』の導入率が更に高まることで、間接的にTikTok for Businessの売上拡大にも繋がっていくので、引き続き注目していきたいと思います。そして今後も動画クリエイティブの制作パートナーとして、『DeLMO』との連携は強化していきたいですね。

この先も、動画広告市場の成長に合わせて、TikTok for Business(『TikTok広告』)とマキヤマブラザーズ(『DeLMO』)は進化、成長を続けていくことだろう。縦型ショート動画に対する人気の高騰とともに、両社が今後どのような進化を遂げていくのか、ぜひ注目し続けたい。

ファーストペンギンとして縦型ショート動画の市場を開拓し、今日にいたるまで急成長を遂げてきたTikTok広告。業界業種を選ばず、どんな企業でも自社のビジネスを加速させることができ得る、魅力的なマーケティング手法であることが伝わったと思う。そして、その中でも高い広告成果を「継続的に」出し続けていくためには、素材プラットフォーム『DeLMO』の活用は必至。

ここまで詳しく読み進めてきた読者であれば、もはやこれ以上の説明は不要だろう。この先、読者たちから「『TikTok広告』×『DeLMO』によってこんな成果が出た」という吉報が届くことを、FastGrowは願っている。

こちらの記事は2023年06月05日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

池田 華子

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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