失敗こそ成功の鍵。10人の学生時代起業経験者を徹底解剖。
Sponsoredスティーブ・ジョブズ氏、マーク・ザッカーバーグ氏が大学を中退していることに象徴されるように、大物となる起業家たちは早熟である場合が多い。
日本にも学生時代に一旗あげ、成功を収めた起業家が多く存在する。
若くして「学費を自分で払わなければいけない」「創業メンバーが続々と辞める」「何千万の借金を背負った」といった様々な困難を乗り越えた“学生起業経験のある経営者”を10名紹介する。
- TEXT BY FastGrow Editorial
dely株式会社 堀江裕介
慶應義塾大学出身。在学中にdely株式会社を設立し、代表取締役に就任。当初の事業であったフードデリバリーからメディア事業へと転換する時、メディアをするために参加したわけではないという理由で、創業メンバーの多くが退職するという危機を迎える。
数回のピボットを経て、料理動画メディア「KURASHIRU」を運営。現在では月間再生数1億を超えるメディアとなっている。
”自分にはどういう面白さがあるのか、どこに踏み出せばオンリーワンになれるのか、客観的に自分を見つめることが大事”
若くして「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という孫子の言葉を実践。自身の特徴を客観的に捉え、勝てるフィールドを選ぶことのできる数少ない経営者といえるだろう。
株式会社Evrika 長谷川祐太
東京大学中退。ニューヨーク生まれ。小3で習い始めたそろばんで、中学時代には全国7位の実績を残す。大学在学中、「東京大学珠算研究会」を設立したのち、そろばん事業・株式会社Abacus Creationを創業。従来、そろばん教室の先生が手書きで作成していた問題を自動で作成するソフトを開発。現在では世界29カ国へ展開している。
”好きなことをとことん突き詰めること”。長谷川氏が大事にしている価値観だ。
理解ある両親の下、幼少時代から好きなことを好きなだけ経験したことが、自身の成功に繋がっているのだという。
「次世代の子供たちが、自分の好きなことに没頭できる場所を提供したい」という想いを持ち、2社目となるEvrikaを設立。
幼児から小学生対象に習い事事業を展開。そろばん以外にも、英語、プログラミングといった時流に乗った科目も開講している。
株式会社メタップス 佐藤航陽
早稲田大学中退。29歳で東証マザーズに上場。母子家庭で三人兄弟の末っ子という裕福ではない環境で幼少時代を過ごす。早くから自立する必要性があったため、生活費を自分で稼ぐことを中学校時代から経験。高校時代には自分で服をデザインして売るという事業を行う。早稲田大学に進学するも学費を自分で稼ぐしかなく最短で司法試験の合格を目指すも挫折し、昔から慣れ親しんでいたビジネスの世界で生き抜くことを決意。メタップスの前身となる会社をIT業界で立ち上げる。知識が全くない状態から始めたため、当初は何もできなかった。それにもかかわらず、とにかく「できます」と言って受注し、勉強しながら納品していったというからその胆力には驚かされる。
現在の中核事業はアプリ収益化プラットフォーム「metaps」と 無料決済プラットフォーム「SPIKE」。
佐藤氏によれば、実現可能性を考える必要はない。思い浮かんだことは実行に移すべきだという。根底には、自分が出来そうなことの繰り返しだと能力が衰えてしまうという考え方がある。
”うまくいっていないときの方が人間の脳って進化するんです。うまくいっていると人間の脳は働かなくなってしまうので、自分も適度なストレスを感じ続けられているかどうか気にしています”
イタンジ株式会社 伊藤嘉盛
早稲田大学大学院ファイナンスMBA出身。学生時代にビジネスをいくつか立ち上げるも失敗。卒業するまでに1000万円以上の借金を背負う。一度就職するも画一化された業務に嫌気が差し退職。更に借金をするというリスクを取ったうえで不動産仲介会社を立ち上げる。実店舗でのオペレーションを通し、業界の非効率性を解消したいという考えの下、リソースをITに集中させることを決意。上場企業にバイアウトをし、社会人2度目の創業として「イタンジ」を立ち上げる。
”誰も思いつかないようなアイデアこそがイノベーションとなる”
伊藤氏の事業に対する考え方はシンプルだ。いついかなる時も社員の事業立案を反対しない。
反対意見を表明するのと、反対することは別。社長の反対意見を押し切ってまで、新規事業を立ち上げる気概こそ評価するべきだ。
反対ばかりしていたら、社員からアイデアの芽が出てこなくなってしまう。それこそベンチャー企業が最も恐れている事態といえるのではないだろうか。
株式会社ウィルゲート 小島梨揮
慶応義塾大学出身。18歳で幼馴染と共にネットビジネスを開始して、株式会社ウィルゲートを設立。
創業間もなく倒産危機に陥り、借金1億円を背負う。その上、母が病に倒れ父の会社が倒産するという困難が重なるも、それを乗り越えSEO事業で業界トップクラスの企業へと導く。
小島代表の著書『ウィルゲート 逆境から生まれたチーム』ダイヤモンド社では、”特別優れたものがあったために逆境を乗り越えたのではない、本人の挑戦を促す少しの勇気と周りの人の助けのおかげだ”と胸の内を明かしている。
確かに過去の自分を否定して行動することや、新しいことに挑戦することは心の痛みも伴う。しかしその恐怖に立ち向かい、未知の領域に一歩踏み出すことで、自分を心から応援してくれる仲間に出会えたのだろう。
株式会社エルテス 菅原貴弘
東京大学中退。メタップスの佐藤氏同様、学費を自力で稼ぐ苦学生であった。在学中に起業し、創業当時は複数領域のITサービスを手がける。多くの企業がSNSの運営をする中、SNS上での風評被害対策に着目。自社開発のデジタルリスク管理サービスに特化する。
菅原氏が事業を考える上で大切にしていること。それは”逆張り”の発想だ。社会に新しいイノベーションを提供するためには、大手企業が進めている事業領域では勝負しない。正攻法とは違った視点・発想から新しいものを生み出すのがベンチャー企業の存在意義だとしている。
株式会社ダブルエル 保手濱彰人
東京大学中退。在学中に起業サークルであるTNKを設立。「ドリームゲート」というビジネスコンテストで最優秀賞を受賞したことを契機にホリエモンこと堀江貴文氏のカバン持ちになる。日本の教育を良くするべく学習塾を経営し、3年目には複数店舗を展開。よりインパクトの大きい事業を行うべく、当時流行していたスマートフォンに特化したアプリ開発事業などに注力する。
最終的に現在手掛けるのはマンガを始めとしたジャパンコンテンツの海外展開だ。「日本人が日本人向けに作る」に留まっていたコンテンツに目を向け、400名を超える有名マンガ家や出版社といった権利者から許可を得て、海外での電子書籍配信などを行う。
ナイル株式会社 高橋飛翔
東京大学出身。「自分が死んだあとに何かを残したい」という思いから大学入学時は政治家を目指すも、次第に外から与えるインパクトの大きさを考えるようになり起業に至る。学生時代は、東大起業サークルTNKの代表を務めると同時に、受験教育の地域間格差を是正するため、楽スタというウェブで東大生の授業を受講できるサービスを起こすも失敗。大学卒業時点で、数千万円の借金を抱えた。
”自分の実現したい世界を見るために、どんなリスクを犯してでもやりきる覚悟を持っている”
事業展開中に蓄えたSEOのノウハウを強みに、デジタルマーケティング業界に参入。後発ながら、業界屈指のプレーヤーへと成長させることに成功。事業が軌道に乗ってくると、「Appliv」というユーザー参加型のアプリ情報サービスを立ち上げ、既に10か国以上の海外展開に成功。
また、自身のリスクテイクが度を過ぎて独裁的になりすぎないように、メンバーからのフィードバックを大切にしている。自分自身についてメンバーから否定されることはすごく重要で、成長の素。そのため、関わるメンバー全員から半年に1度、「社長についての評価点と改善要望について」というフィードバックをドキュメントでもらうようにしている。
株式会社メドレー 瀧口浩平
名門中の名門である開成中学校を「校風が合わない」という理由で自主退学。高校時代に米国で起業。市場調査を主とした事業を展開するも、更に大きな市場に挑戦すべく譲渡。2回目の起業時「興味を持てるか」「市場が大きいか」「成長産業か」ということを念頭に事業選定を行っていた瀧口氏。同時期に祖父の死に直面。治療の選択に必要な情報を見極めるプロセスがないという問題を実感し、「メドレー」を創業。同社の中核事業である医療介護求人サービス「ジョブメドレー」は全国約8万件以上の求人を掲載する規模まで成長している。
世間と違ったキャリア形成に抵抗を抱くことなく、17歳という若さで起業を決意した原体験。それは開成中学退学後、父親から「男は夢を持て」というメッセージをもらったことだ。以降、興味を持てないものに時間を割くのを一切止め、自分の納得のいくことをやることを決断したという。
株式会社リブセンス 村上太一
早稲田大学出身。小学生のときに起業を志し、高校生のときには起業に向けて簿記などの資格を取得。大学時には事業計画書を作っていた村上氏は、在学中に株式会社リブセンスを設立し、創業2年目にして黒字化を達成する。以降も順調に事業を拡大し、25歳1か月で東証マザーズに上場。史上最年少記録保持者。
”既存の常識に疑問を持つだけでは不十分だ”
なぜ成功報酬型の求人広告モデルを提供する競合他社は多くあったのにも関わらず、リブセンスが突出したのか。それは「雨垂れ石を穿つ」ということわざに見られるように、しずくのようにどんなに小さな力でも根気よく続けることで道が開けるからだ。
創業時に、サイバーエージェント社長の藤田氏が週110時間働いていたことを耳にした村上氏。なんとそれを超える週124時間を目標に設定して継続して達成し続ける。徹底的に取り組み続けることを重視する価値観の表れだ。
こちらの記事は2017年08月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
FastGrow編集部
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1記事 | 最終更新 2017.08.21おすすめの関連記事
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