チームワークがない会社では、20代の「市場価値の最大化」などできない──異能がひしめき合う“銀河系集団”・シンプレクスの若手師弟にみる実力主義の全貌

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大学院卒業後、シンプレクスに入社。大手銀行向けの案件にテストメンバーとして参画後、開発チームに異動。大規模分散計算システムの基盤部分や性能テスト等を主に担当し、サブチームリードやプロジェクトリードを経験しつつ、トリプルスキップを達成。現在、証券会社に新規CFD取引システムを導入する大型案件で、開発リードとしてプロジェクトを推進。ソフトウェア開発技術者の横串組織にも所属し研修の一部も担当。AWS Certified Solutions Architect - Professional。

大学卒業後、シンプレクスに入社。メガバンク向けの案件に開発メンバーとして参画し、同プロジェクトでテストチームのサブリーダーを経験。その後、他のメガバンク向けのプロジェクトに業務要件メンバーとして参画。現在は、証券会社に新規CFD取引システムを導入する大型案件で、運用設計チームのリーダーを務める。

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FinTechを基軸に多様なビジネス領域でITコンサルティングサービスを展開するシンプレクスグループ(以下、シンプレクス)。もはやFastGrow読者において「知らないはもぐり」と言える実力主義を貫く企業だ。

シンプレクスでは個々のパフォーマンスに応じて報酬が決まるのだが、特に優秀な人材は、“スキップ”制度により飛び級で昇給昇格していく。早い話が、年功序列に対するアンチテーゼ。ここが尖った学生に刺さっていることは言うまでもない。

しかし、世の中には行き過ぎた成果主義により個人の成果を優先した結果、若手の育成がおろそかになったり、情報が共有されずチームワークに支障をきたしたりしている企業が存在するのも事実。

シンプレクスも同様に、「お互いの個がぶつかり合いギスギスとした雰囲気があるのでは?」といったイメージを持つ読者もいるかもしれない(そもそもそう感じる者はターゲットではないという見方もあるが)。

だが、シンプレクスで働く人材は、一見すると相反して見える“成果主義”と“チームワーク”を共存させながら価値提供に取り組んでいる。決して孤軍奮闘しなければならない環境ではないのだ。

今回は、師弟関係にある若手二人に、成長環境としてのシンプレクスの魅力を伺うべく取材を実施。同社のチームワークやフォロー体制、給与テーブルについて詳しく話を伺った。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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斬れ味鋭い10年目のベテランだと思っていたら、なんと4年目の先輩!?

現在、入社3年目の岡田氏の先輩にあたるのが、入社6年目の小林氏だ。取材では物静かに淡々と話す人物であったが、彼はトリプルスキップで、通常6年を要するキャリアを僅か3年で達成したという稀有な存在。いわゆる、尖った優秀人材といえば彼のような人物を指すのだろう。

そんな小林氏がプロジェクトリードを務める、ある銀行の大規模なプロジェクトに、開発メンバーとして新卒1年目で参画したのが岡田氏だ。そこで小林氏の優秀さを目の当たりにした岡田氏は「ここまで頭のキレる人がいるとは…」と衝撃を受ける。

岡田小林さんのことは当初、その醸し出すオーラから入社10年目くらいのベテランな方だと思っていたんです。そしたらなんとまだ4年目だと知って、「嘘でしょ…!?」とかなり驚きました(笑)。

小林さんは、一つ一つの事象を概念化してそれらが持つ共通の性質を見抜き、すべてを紐づけてから「こうあるべきです」とロジカルに話をされる方です。そういった考え方があらゆるコミュニケーションにおいて当たり前のようにされている点に感銘を受けました。また、仕事をする上でのマインド面でも学ばせてもらっています。特に私が印象に残っているのが、「成果物は一つ一つに意志を持って出しなさい」という教えです。

例えば一つのコードを書くにしても、「なぜここでこのコードを書くのか」という具合に、こだわるべきポイントと、そうでないポイントを明確に自分の中で理解・整理できているかを意識して仕事に臨めということだと捉えています。当時配属されて3ヶ月目ぐらいでしたが、以降、私が成果物を出す上でその教えが軸となっていますね。

小林岡田さんはバイタリティが高く、成果物に対して責任を持ってやり遂げようという意志を強く感じます。僕が期待している水準までしっかりと成果を出してくれる。そういった能力のある人には入社1年目の真っさらな状態でもあえて無茶ぶりをすることもあります。期待値が大きいからこそ無茶ぶりができるし、数多くのメンバーがそれに答えています。

例えば僕の場合だと、他の人が3ヶ月ぐらいかかる仕事でも、岡田さんのポテンシャルだったらもっと早くできるだろうなと考えるんです。なのであえて「短納期で仕上げてほしい」と無茶な依頼をしたところ、岡田さんは2ヶ月ほどできっちりと終わらせてくれました。もちろんその間に進捗や確認したい点などもこまめに連携してくれて、安心して任せることができたと感じています。

そうしたコミュニケーションの円滑さと持ち前のバイタリティが頼もしく、それ以降も岡田さんにはハードルの高い課題をたくさん担ってもらっています。

岡田あのタスクはとにかく量が膨大でしたよね(笑)。正攻法で見積もりを出すととてもじゃないですが期限内に終わらないことが分かっていたので、進め方に関して削れるところは削り、最短で仕上げるにはどうすべきか?を自ら考えました。

そのためには私一人の知識・経験では難しいので、プロジェクト開始段階から小林さんと密に連携をとり合って「これはどこまでやりますか。私はこれくらい必要だと思うんです」という具合に認識を合わせるようにしていきました。特に小林さんの会議が少ない時間帯を見計らい、「今、相談してもいいですか?」と声をかけて毎日5分でも10分でも話すことを心がけていましたね。

中途のビジネスパーソンが即戦力人材として現場に入り込んでいくのとさして変わらない状態かもしれない。しかし、実力主義のシンプレクスに新卒入社するということは、そういうことなのだ。ここでたじろいでいるようではこの先を読み進めるのはいささか苦痛かもしれないとだけは、今のうちに断っておこう。

そんなシンプレクスにおける仕事の難易度についてだが、もちろんプロジェクトや働く側の捉え方によりレベルは変わるため、一概にどうとは言えない。だが、ある程度イメージを掴むことができればこの二人のやり取りがよりリアルに伝わってくるだろう。二人はこう答える。

小林シンプレクスの仕事の難しさを例えると…ですか。シンプレクスでは、シンプレクス以外には実現できないような困難な課題を解決し、さらに付加価値を付けたものを高いフィーを頂いて提供するというスタンスを取っています。なので他社比較がしづらいという点はありますが、若手からみた難易度という視点で無理やり例えると、他社だと自分よりも数年、年次の高い社員が手がけている業務レベルを担っているという感じでしょうかね。

これはあくまで僕のやり方でもありますが、若手に仕事を依頼する際は、最初に一通りのフレームワークを提示します。ただし、それはあくまでも一つの型、一手段として扱います。つまり、基本的に仕事の進め方は本人たちの意思に委ねているんです。これは裏を返せば、「プロジェクトを最適に進めるにはどうすべきか?」を若手のうちから考え尽くさなければならないということです。

先ほど岡田さんからも話が挙がりましたが、それは納期内にいかに工夫して納めるかの工数設計や、クオリティ担保のためにどこまでを自分が担い、どこからは先輩たちにフォローしてもらうかといった役割の整理などが含まれます。

とはいえ、野放しにする訳ではありませんよ。若手の業務進捗がよくない場合は、大抵の場合、インプットや経験が足りていないケースが多いですが、それでもその人に任せてみて、不足しているものがある場合には僕ら先輩が補うようにしています。何かあればすぐにサポートに入れるように、若手の状況は常に見守っていますね。

岡田一般的な会社では、業務に慣れてもらうために一つ一つの手順を明らかにしてから新人に仕事を渡していると思います。しかしシンプレクスではそんな悠長なことは言っていられません。

クライアントのニーズを満たすことは大前提で、その期待値を上回る付加価値を出してこそのシンプレクスです。なので、新人だろうとときには一回りも二回りも年上のクライアントの意見に対して、自分たちの意見をぶつけ、リードしなければならない。そして、成果物に求められるスピードも一般的に考えられるスピードの1.5~2倍位を求められることも多い。

こうした環境下で仕事をするには、ステークホルダーを深く理解し、あるべき姿を描いて周囲を巻き込み推進する馬力が必要です。平易な言葉で言えば「自分の頭で考えてプロジェクトを進める仕事」ですが、思考力だけでなくタフなメンタルも求められますね。

もちろん先輩のフォローもありますが、新人であっても自分でゼロから組み立てて正解を考えなければなりません。そういった意味では、シンプレクスの仕事は抽象度が高く、難度も高いと言えますよね。

入社早々に難解なミッションを与えられた岡田氏。だが、“同期が集まれば技術的な話がバンバン飛び出る”ほど、成長意欲が高い社員が集まる同社にとって、それは特別なことではない。

岡田氏の言葉を借りれば、若手には難しいと思える内容でも、先輩は“あたり前の顔”をして仕事を渡してくる。そこで先輩と密にコミュニケーションを取りながらチャレンジングな課題を乗り越えていくからこそ、シンプレクスの若手は他社のライバルたちに先んじて成長できるのだ。

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“尖り”と“チームワーク”は共存し得る。
異能を認め、リスペクトし合うカルチャー

そんなシンプレクスでは、代表の金子氏が過去のインタビューにおいて「異能を認めよ」といった発言をしている通り、何か一つでも尖ったものを持っている人材が称賛される。そして、そういった人材の尖った部分をチーム内で組み合わせながら、それぞれの強みを活かし、付加価値を提供していくのが同社のやり方だ。

「もともとチームで何かを成し遂げることに興味があった」という小林氏。直近においてもチームワークをより実感するできごとがあったとのこと。

小林実はとあるチームの進捗があまり芳しくなく、「やばいぞ、このままでは開発が遅れてしまう…」と、そんな事態が勃発しました。

すぐにチームメンバーと話し合ってタスクを割り振り、「次にこういう事態が起きたら、このタスクは優先的に◯◯さんに任せよう。得意分野だし強みが最も発揮される役割だ」と、その後に起こりうる事象の対処も、チームで連携して合理性の高い判断や調整をしました。その結果、進捗は改善し、チームは無事に軌道に乗りました。このように、チームとして助け合えるカルチャーが根付いているからこそ、壁に当たってもスムーズに連携することができました。

尖ったチームとはいえ、それぞれがやりたいこと、得意なことだけをやるチームではなく、各メンバーの強みを活かしてプロジェクトを推進するといったマインドがシンプレクスにはあるのだ。もちろん、その中で意見をぶつけ合うときもあるだろう。しかし、チーム全員が「クライアントのために」という想いを根底に持ち、共有しあっているからこそ、最後は無事にプロジェクトを成功に導くことができるのだろう。

チームで動くということは、相対的に個々の強みがどこにあるのかが自ずと浮き彫りになっていく。自らの尖りを活かすという意味でも、個人主義よりチームスタイルの方がよりその価値を自覚しやすく、最大限に発揮できるのかもしれない。

また、チームワークを図る上でコミュニケーションが大事なのは言うまでもない。シンプレクスではその点においても工夫を重ねている。

岡田若手のうちは特に、先輩が忙しそうにしていると「今、声をかけていいのだろうか」「こんな質問をしていいのだろうか」と、話しかけることを躊躇してしまいますよね。それを改善するためにコミュニケーションスタイルを意識的に変えるようにしました。

例えば、人に分からないことを尋ねる時は、「先に調べてから聞くこと」が常識ですよね。しかし私の所属しているプロジェクトでは、質問のハードルを下げるために、プロジェクト期間内は「調べる前にとにかく質問してみよう」といったことが強く意識されています。

他にも同プロジェクトではSlack内に誰でもフランクに質問を投げられるチャンネルを開設しています。それにより対面では伝えられなかったことでも、そこでつぶやかれたことを誰かが拾い上げ、改善の施策として実現されていくこともあるとのこと。

尖った個が集まるがゆえに、ともすれば「個人プレーになりがちなのでは?」というイメージを抱かれやすいシンプレクス。しかし、実態は真逆。むしろ、チームワークありきで成長していけるのがシンプレクスなのだ。この“尖り”と“チームワーク”が共存できる理由はなぜなのだろう。

小林理由の一つとして、シンプレクスではチームマネジメントに尖った人材も評価されるということがあります。

抽象的な話ですが、異能を持った人材が集まるシンプレクスには、その尖った才能たちをまるで“球”のように一つにまとめて結束させるチームビルディングをプロフェッショナルとして遂行している人がいるんです。そうした人たちがいるからこそ、思う存分に個の強さが発揮されるのだと思います。

岡田また、シンプレクスでは、フィロソフィーの一つに“Mutual Respect”を掲げています。相手と自分の特技は違うけれど、相手には自分にない強みがある。そこを尊重し合って“語り合う”カルチャーがあることも、“尖り”と“チームワーク”が共存できる理由の一つだと私は思います。

当然のことですが、あるテーマについて相手が詳しくないからといって雑に喋っていいかというと違いますよね。「相手はどの側面から物事を見ているか」、常にそこを意識しながらコミュニケーションを取られる方が多いからこそ、円滑な関係性が築けるのだと思います。

まるで“銀河系集団”とでも言おうか。個々人の卓越したスキルが共鳴し合い、ひとつの巨大な球を成していくシンプレクスという組織。その中では互いに足を引っ張り合うことなど微塵もなく、互いの個性でもって補完し合うカルチャーが根付いているのだ。どうだろう?少しずつシンプレクスのイメージが浮き彫りになってきたのではないだろうか。

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「胡散臭い会社」から「事業&思想がしっかりした会社」へと変わる認知

今ではシンプレクスの若手を代表して堂々と取材に応じる二人だが、就活当時は「シンプレクスに対して、ある種の胡散臭さを感じていた」と打ち明ける。そんな二人はシンプレクスのどこに魅力を感じ、どのようにして入社を決意したのだろう。それぞれの入社に至るまでの背景を尋ねてみた。

小林大学院では博士課程まで進んだので、研究職も視野に入れていました。しかし、新卒カードを切れるタイミングは今しかないと思い、当初は証券会社を中心に就活をしていました。その後、論文を書く際にプログラムを書いていたことから、就活サイトで“IT”というキーワードを追加して検索をしたところ、シンプレクスが出てきた。確かそんな出会いだったかと記憶しています。

その当時、シンプレクスの“尖っている”メッセージが僕には強すぎて(笑)。「なんか胡散臭い会社だな…大丈夫か?」というのが正直な感想でした。しかし、社風や給与テーブルを調べていくうちに徐々に興味が湧いていき、弊社CEOの金子が主催する就活セミナーに参加したんです。

そこで金子のカリスマ性に惹かれたのはもちろん、「シンプレクスの思想が上辺だけでなく、会社全体に伝わっているな」という印象を受けました。ちなみに、金子がどんな経営者なのかは、インタビュー記事や動画を見ていただければ分かるかと思います(笑)。

https://recruit.simplex.holdings/strengths/

シンプレクス代表・金子氏のプレゼン動画ショートver.(ロングver.を見たい方はコチラからエントリー後に視聴可能)

小林そして入社を決めた理由は二つ。一つ目は、自分の得意なITと数理の素養を活かしたプロダクトづくりができる環境だったからです。シンプレクスはIT系のコンサルティングファームとして志望される方が多いですが、僕としてはコンサルティングよりもプロダクト観点で興味を持ちましたね。

そして二つ目はシンプレクスの評価制度です。年に一度、「札入れ(フダイレ)」と呼ばれる評価会議の場で全社員の翌年度の理論年俸を決定します。当該年度の仕事で関わった上位者全員から評価を受けるため、特定の上司の主観に偏ることなくフェアに評価されます。

評価会議で特に優秀だと見なされれば、年次に関係なく飛び級することもできるんです。シンプレクスでは、この評価指標を“スキップ”と呼びます。大学院進学により社会に出るタイミングが3年ないし5年遅れている状況を実力で取り戻せるシンプレクスは、僕にとってうってつけの環境でした。

一方、岡田氏は第一志望である外資の大手コンサルティングファームとの二択で最後まで悩んでいた。なぜ、岡田氏は第一志望の内定を振り切ってシンプレクスに入社したのか。その当時の心境を振り返る。

岡田学生時代から「ビジネスとITを繋げる仕事がしたい」という想いがあったんです。第一志望のコンサルティングファームでは、ITコンサル事業の拡大に力を入れており雰囲気も自分に合っていました。

一方、シンプレクスは自社の実績に関する情報よりも、行動規範である“5DNA”がどうこうとか、これからのビジネスパーソンはかくあるべきというような、マインド面の話が多く取り上げられており、当初は「本当に実績はあるのだろうか…」という不安がありました。小林さんが仰るように、「胡散臭いな…」とも感じましたね。

ところが、選考が進んでいくうちに「突飛なことを掲げているけれども、足元にはしっかりした実績を持つ会社なんだ」「制度設計も合理的だし、若手の個性や意思を尊重してくれるんだ」と少しずつ不安は払拭されていったんです。

しかし、いざシンプレクスに決めようとした時に親から「本当にその会社で大丈夫?」と反対されたこともあり、最後まで悩みました。確かに、就活生である私たちですら当初は「知らない」「大丈夫?」と感じるような会社なので、親にしてみればその不安はより大きいのかもしれませんね。その中でなぜシンプレクスに決めたのか。それは私自身、コンサルだけでなく開発者としての力も身に付けたいと考えたからです。

このまま第一志望のコンサルティングファームに行けば、おそらく上流工程であるシステム企画や要件定義に関わる機会は増えるでしょう。しかし、私は大学時代からビジネスとプログラミングの両方に興味があり、それが自分の独自性だと認識していました。なので「ここの強みは潰さずに伸ばしていきたい」と感じ、上流から下流まで一気通貫で携わることができるシンプレクスに決めたという具合です。

また、「私と同じ選択肢を持っている人は、おそらく大手で知名度もあるコンサルティングファームを選ぶはず。それだったら私はあえてシンプレクスを選ぼう。周りの目を気にせずに生きた方がより面白い人間になれるんじゃないか」。そんな気持ちもありましたね。

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「誰が見てもあいつはすごい…」
そう感じさせる人物こそスピード出世する対象となる

さぁ、諸君らの先輩にあたる二人が他でもないシンプレクスを選んだ理由を知れたところで、中にはぼちぼち「それよりも知りたいのは報酬体系だ…!」と躍起になっている者も出始めた頃だろう。そう、それでいい。

シンプレクスは、若手の成長のためには“機会的な報酬”だけでなく、“経済的な報酬”も重要だと考えている。評価は徹底的な実力主義を採用。定期的な上司との“1on1ミーティング”において「今、何を頑張っているか」「これから何に取り組んでいきたいか」といった話し合いがなされる。

そして年1度の“評価ミーティング”では、評価を受ける側が1年を振り返り「評価されるところはどこか」「何が課題だったか」を申告し、その評価によって翌年の年収が決まるのだ。

新卒入社の場合は、最初の3年間は標準成長で年収が50万円ずつアップするが、先ほど小林氏から説明があった通り、スキップにより飛び級で昇格すれば入社1年目からでも年収100万円アップが可能だ。前述のとおり、小林氏は入社1年目から連続3回スキップのトリプルスキップで一気に昇格を果たした。

小林大学院進学で社会に出るタイミングが遅れてしまった分を取り戻したい。それが当初、スキップを狙うモチベーションになっていたのは間違いありません。しかし、「何がなんでもスキップしたい」という想いではなく、最初は目の前の開発の仕事に真摯に取り組み、3年目からはチームをリードする立場となって、結果、気づいたらトリプルスキップができていたというのが正直な気持ちです。

よく就活生からは、「どんな人がスキップをしますか?」という質問をされるのですが、イメージとしては、同期100人が1人10票の投票券を持って「すごい」と思う人に投票し、その中の上位10%ぐらいに当たる人がスキップをするという感じですね。

どういうことかと言うと、「すごい」に理由なんていらないんです。その選定基準に開発力やマネジメント力といった具体的なスキルセットが設けられているわけではありません。とにかく、「何かコイツ突き抜けているな…他と違うな…」と周りに認めてもらえる何かがあればOKなんです。

日本人は一般的にお金の話をタブー視する傾向があり、それゆえ、自分から会社側に給与の交渉をすることは一般的ではないだろう。一方、シンプレクスでは「今年はスキップを狙いたい」と希望すればそこに向けたチャレンジの機会が得られる環境なのだ。

こう言うとまた諸君は「上を目指したい?そんなのそこそこデキる奴なら当たり前に思っていることだし、会社側からそうした意志に応じて機会提供がなされるのも当たり前のことでは?」と感じることだろう。だがしかし、入社1年目から具体的に「次年度は年収◯◯◯万円稼ぎたいです」と宣言し、そこに向けた具体的なアプローチ方法を考え提供してくれる会社はそう多くないのではなかろうか。

社内には「こういったアウトプットができれば、このタイトル(職位)におけるX年目相当だね」といった基準が共通認識としてあるため、それと比較しながら「今のプロジェクトでここまでアウトプットできるようにしよう」「ここはまだアウトプットが足りない」など、上司と擦り合わせをしながらスキップを目指すことができるのだ。

岡田氏も入社1年目は、小林氏のキャリアパスに刺激を受け「〇年目にはここに達していたい」と強く意識していたという。

岡田私の場合、1年目から2年目にかけてスキップを経験しています。それ以降も、自分の得意なスキルを活かし、プロジェクトに貢献できる幅が広がればダブルスキップもできるだろうという思いはありました。

しかし、この1〜2年は直接評価に繋がらなくても、自分の苦手なスキルを伸ばす修行の期間だと捉え、そのスキル磨きに専念してきました。今後はここで身に付けたスキルを活かして、業務における成果はもちろん、スキップも狙っていきたいですね。

闇雲に努力を促すのでは、個人の成長にも事業の成長にも紐づかない。そこには当然、上司からのフォローがあるというわけだ。「来年はスキップしてより成長を加速させたい」「なるほど、では今の君なら◯◯や◯◯◯といった成果が出せるようになれば、十分見込みはある。一緒に頑張っていこう」という具合に。これぞ、実力主義とチームワークを兼ね備えたシンプレクスならではの魅力ではないだろか。

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チームワークとは「馴れ合い」じゃない。
「個々の才能の最大化」だ

この取材を通して、シンプレクスは異能を持ったプロフェッショナル人材ファームであるということ、そして、徹底した実力主義とチームワークが共存する稀有な環境であるということがあらためて分かったのではないだろうか。

岡田氏曰く、シンプレクスには「フラットなコミュニケーションを好む人たちが多い」とのこと。その言葉通り、会議室では上座下座を意識せず席に着くのは当たり前。社内ではフラットな雑談が飛び交う。今回の取材時も、開始前から会議室では談笑の声が響き渡り、「あれ、先に取材始まっちゃってるの?」とすら思ったほどだ。

そんな同社の雰囲気を見るに、いわゆる“社内の風通しのよさ”が伝わってくるだろう。そしてそのカルチャーは当然、業務にも染み渡っているのだ。

小林シンプレクスでは、“タイトル(職位)”とプロジェクトにおける“役割”が完全に分離しているんです。なので、年次が上の方でも、プログラムを書くことが得意な人なら、“メンバー”としてチームにアサインされるし、スペシャリストとして高いタイトル(職位)も目指せる。逆に、年次が若くてもマネジメントが得意なら、“プロジェクトリーダー”になれるんです。まさに上下関係の概念が一切なく、自分の尖りを思う存分伸ばしていける環境なんです。

年次に関係なく自分の得意なところを見てくれる。若手でもチームをリードする仕事を任せてもらえる。優秀な若手にとってはこれ以上ない環境だろう。それが個々のモチベーションアップにつながり、結果的に組織として高い付加価値の創出に繋がっていることは間違いなさそうだ。

とはいえ、やはり読者の中にはまだまだ疑念を抱く者もいるはず。そう、「結局行き着くところは仲良しチームか。フラット?風通しが良い?もう散々なんだよ、そういうお題目は。尖るとは、ある種集団とは交わらない、染まらないといったものだろう?」と。

ではお答えしてもらおう。なぜシンプレクスはそこまでチームワークにこだわるのか。シンプレクスにとってチームワークとは何なのかを。

岡田シンプレクスにとってチームワークとは何か、難しいですね…。私は、各プロジェクトにおいて“個人がアウトプットできる価値の総量を最大化できている状態”こそ、チームワークがある状態だと考えます。

岡田そのためには、マネジメントの手腕によるところもありますが、個々人においてもチームで動くことの意味を認識することが重要です。ただ目の前の担当業務だけを遂行するのではなく、同じチームの横の人を見ながら、全員が全力を出せるようにお互いに働きかけていく。そうした意識や姿勢がチームにとって重要だと思いますね。

冒頭にお話ししたように、そもそもシンプレクスの1〜3年目の若手が携わるプロジェクトは、他社でいう5年目以上・経験者クラスの難易度のものばかり。しかもそれを一般的に必要な工数の約半分の人員やスピード感で進めていくというのが平常運転ですので、いくら尖った優秀な人といえども流石に一人では対応しきれません。だからこそ、チームで挑む必要があるんです。

小林さすが岡田さん…いいこと言いますね(笑)。僕もベースは同じです。1人では達成できないことでも、チームだからこそやり遂げられることはあると思っています。1 + 1が相乗効果によって3にも4にもなる。チームワークで大切なことは、そのような可能性のある状態をつくり続けていくことだと思います。

間違っても、馴れ合いや仲良しこよしといったことを言いたいのではありません。チーム内でぶつかることもよくあります。でもその結果、良いものが生まれる。そういった環境が日常となっているのが良いチームワークの源泉になると思います。

シンプレクスでは、お互いを一人のプロフェッショナルとして捉えているため、若手に対してもトップダウンで「これをしなさい」と強制することはない。年次に関わらず、まずは「どうしたいのか」と相手の意見に耳を傾けた上で自分の考えを伝える。それが同社の中で脈々と受け継がれているシンプレクス・カルチャーなのだ。

岡田シンプレクスは個人の成長意欲を尊重してくれる会社です。手を挙げればいろんな機会が与えられます。もちろん仕事はハードでストレッチの効いた環境ですが、「ここで成長したい」という強い想いがあれば、できることは無限に広がっていく。それを楽しめる人に来てほしいと思います。

小林年次の上下を問わず、お互いの強みを認め合っているからこそ、自分の得意なことを徹底的に突き詰めることができる。そして、「こうしたい」と声を上げればいつでもシンプレクスからの支援をもらいつつ、自分が思い描く方向へ進んでいくことができる。これが今、率直に感じているシンプレクスで働く魅力だと思います。

今回は、師弟関係の二人への取材によって、シンプレクスの新たな一面が明かされた。

「岡田さんの良さを潰さずに、のびのびと強みを活かしてほしい」

「今後も自分なりの考えで小林さんと議論を続けられたら嬉しい」

対談最後の二人のやり取りからも、師弟関係とはいえ対等な関係性を築いているのだということが伝わってくる。強い個性や尖ったスキルを持ちながら、一方で、困った時はチーム内でフォローし合う。そうした環境で才能を最大化させることが真のチームワークであるということが学べたのではないだろうか。真の実力主義組織・シンプレクスの真骨頂、しかと見届けさせてもらった。

こちらの記事は2023年02月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山田 優子

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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