VCの社会的価値は、おカネの供給を止めないこと──W venturesの代表パートナー2名に訊く、“良いVC”の判別ノウハウ

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東 明宏

2012年よりグロービス・キャピタル・パートナーズにてベンチャー投資に従事。6社で社外取締役を務めた。主な投資実績としてはエブリー、クリーマ、リノべる、イタンジ、ホープ、ルートレックネットワークス、アソビュー、ランサーズ等がある。 2017年Forbesが発表した「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家BEST10」で7位にランキングされる。日本ベンチャーキャピタル協会「Most Valuable Young VC賞」、 Japan VentureAward2017「ベンチャーキャピタリスト奨励賞」等受賞。 それ以前は、グリー株式会社にてプラットフォーム事業の立ち上げ/ゲーム会社への投資、セプテーニ・ホールディングスにて子会社役員を務めた。 スイーツ好きでW venturesのマンスリースイーツを担当。 最近は生け花(池坊)とサウナを勉強中。

新 和博

大学卒業後に入社したNTTドコモで、法人営業や事業企画、ベンチャー投資を担当。2011年よりミクシィにてアライアンスや事業買収等を歴任した後、2013年アイ・マーキュリーキャピタル立ち上げと同時にヴァイス・プレジデントに、2015年には代表取締役に就任。2019年にW ventures立ち上げ、主な投資先はモノカブ、レンティオ、スナックミー、YOUTRUSTなど。

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「一体何を基準に、どうやってVCを選んだら良いのだろうか」

スタートアップが事業規模を拡大する手段のひとつ「資金調達」。この資金調達を行う上で重要な役割を占めるのが、ベンチャーキャピタル(以下VC)だ。

VCとは、スタートアップやベンチャーに出資して株式を取得し、将来的に出資した企業がイグジットした時にその株式を売却して、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのことを指す。この場合のイグジットとは、スタートアップが株式上場(IPO)もしくは大企業へと売却(M&A)を行うことだ。

このイグジットにより利益を上げるビジネスモデルはどのVCにおいても共通だが、投資規模や投資領域、また代表パートナーのキャリアや投資哲学によって各社毛色は大きく異なる。そんななか、投資を募る起業家や、はたまたVCとしてのキャリアを考える若手からすると、何を持って「このVCが良い」と判断すれば良いのかは見えないところ。

今回はそんな読者の疑問を我々FastGrowが直接、VCにぶつけてきた。その相手とは、W venturesの代表パートナー・東氏と新氏。彼らはキャリアSNS「YOUTRUST」やおやつのサブスク「スナックミー」、美容医療に特化した口コミ予約アプリの「トリビュー」、ゲームや動画を友達と通話しながら楽しむSNS「パラレル」など、コンシューマー向けサービスを展開するスタートアップへの投資を専門としており、主にシード・アーリーフェーズを土俵とするVCだ。

彼らへの取材を通じ、今一度改めてVCとは何か?また、起業家や、キャピタリストを目指すベンチャー/スタートアップパーソンにとって良いVCとは何かについて、探っていこう。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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継続した投資活動こそ、
スタートアップ界にとっての「良いVC」

良いVCとは何か。これって、どの立場から考えるかによって答えは変わりますよね。

東氏の言うように、「良いVC」と言っても、一言では語れない。LP側から見た「良いVC」と、起業家から見た「良いVC」、そして中で働くメンバーから見た「良いVC」は異なるからだ。VCに資金を提供するLPからすれば、「経済的なリターンを追求する」といった目的が最優先事項となる場合が多い。

一方で、起業家からすれば「適切なタイミングで的を射たアドバイスや支援をしてくれるVCが良いVC」などと評価できるという。その上で東氏は、それらステークホルダー全体から見た良いVCとは「エコシステムの中で継続した投資活動ができているか否かだ」と強調する。

W ventures株式会社 代表パートナー 東 明宏氏

VCはスタートアップ・エコシステムの中で、主にお金に関わるステークホルダーとしてLPと起業家の間に立つ、架け橋的な存在であると考えています。その中で資金や情報の循環を止めることなく、継続して投資をし続けられていることが『良いVC』と定義することができるのではないでしょうか。

どの立場で見るかによってVCの価値は変わるものの、世に新たな価値を創出するといったスタートアップ・エコシステム全体の観点から見れば、VCの役割はただ一つ、継続した投資活動なのだ。単にエグジットによって1円でも多く利益を生み出せたか、他社よりも先にユニコーン企業を掘り出せたかといったような経済合理性の観点だけではない、業界全体の視点に立った見解を東氏は教えてくれる。

この至上命題を踏まえた上で、起業家にとって「良いVC」とはどんなVCなのだろうか。続く新氏によれば、「厳しいアドバイスも真正面から言えるかどうかだ」という。

W ventures株式会社 代表パートナー 新 和博氏

優しすぎるVCは起業家にとって良くないと思っています。ポジティブなコメントをするだけではなく、時には厳しいことを起業家に言うことができるVCこそが、良いVCであると。それも、月次の定例会の時にのみフィードバックするのではなく、日常的にコミュニケーションを取り、適切なタイミングで適切なアドバイスができるVCこそが望ましいでしょう。

そしてこの点は起業家とキャピタリストの相性によって影響を受けます。資金調達後、VCとは何度もやりとりすることになるので、まず自分と馬が合うキャピタリストを見つけることが重要だと考えています。そのためにはできる限り色んなVCと実際に会って、話してみることですね。

また、その他VCを選定する際は各社の投資先ポートフォリオのチェックを推奨しており、ここからVCの投資哲学やどのようなタイミングで出資しているのかなど、各社の特徴も把握してから判断するよう起業家には提案しています。

私の場合は、既に該当のVCから出資を得ている起業家からレファレンスを取ることを推奨しています。VCはスタートアップにとって株主であり、かつ社外取締役として関わる可能性もありますし、いわばチームメンバーの一員でもあります。なので、これまで投資を受けたことのあるスタートアップの起業家に話を聞いて、どういったVCなのか特性を知っておくことが重要だと考えています。

昨今、転職市場においてレファレンスの重要性が叫ばれているが、VCが属する資金調達市場においてもそれは同じだと両氏はいう。起業家として健全にスタートアップ・エコシステムの循環を促す上でも抑えておきたいポイントだ。

また、これは起業家に限らず重要な点ですが、そのVCに継続的に資金が集まっているのかどうかにも注目したいところです。継続的に投資を続けていくにはLPからの評価も重要となってきます。LPと起業家、双方から評価が集まらなければ、そもそもVCが投資活動を続けていくことは難しくなります。今秋、私たちも2号ファンドの組成に至りましたが、継続的にファンドを立ち上げ、起業家に投資している実績は分かりやすい指標になると思っています。

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「2-20」ルール、知られざるVCのビジネスモデル

ここで、起業家以外の立場ごとに「良いVC」を定義していく前に、そもそものVCのビジネスモデルについてもおさらいしておこう。読者もVCについては、ベンチャー/スタートアップに投資してリターンを得ること、またそのエグジットに向けてあらゆる支援を行うこと、といった粒度では既知のものと思うが、そのリターンの額はどのように決まるのか、リターンが出るまでの活動費用はどうやって捻出しているのかなど、気になるところではないだろうか。

まずVCは一般的に、LPから資金を調達し、そこからファンドを形成、運営する仕組みを取っている。この資金提供を行うLPとは、大手事業会社のみならず、大学基金や財団、年金基金、政府系投資ファンド、エンジェル投資家などが該当する。こうしたLPは、自分たちでは直接連携できない領域や起業家への投資機会を、VCに資金を預けることで確立しているのだ。

まず一般的なVCのビジネスモデルから説明すると、ファンドは10年間1タームとして運営しており、LPからお預かりした資金を毎年2%×10年間、人件費やオフィスなどの事業運営費にあて、残る80%程度の資金を投資にあてています。前半の5年で投資先の選定や投資の実行を完了させ、後半の5年で回収を目指すといったケースが一般的です。

そして、その投資の結果得たリターンから、まずはLPに当初お預かりした資金の満額をお戻しし、余剰として出た利益の20%を我々が、残り80%をLPへと分配するスキームです。これを『2-20』ルールと業界では称されています。

投資期間や利益分配の比率に関しては多少の前後はあるものの、多くのVCがこのようなビジネスモデルで動いているといったことは読者も初耳だったのではないだろか。

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経済リターンと事業シナジー。LPから求められる2つの成果

こうしたVCとLPの関係性を理解した上で、ここからはいわゆる、LPにとっての「良いVC」とは何かについて触れていこう。新氏によれば、LPが求めるものは経済的なリターンはもちろん、事業シナジーを重視するケースなど多岐にわたると言う。

まずは当然どれだけのリターンを出せたかですよね。LPが資金提供した各ファンドの収益率を上から順に並べた時に上位に来るVCが『良いVC』といえます。もちろん、我々も常に上位を目指していますし、その点は他のVCも同じでしょう。

経済的なリターン面ではもう一つ、ファンド運用中の話があります。これは、運用期間中に投資をした資金に対して、リターンとなる含み益込みの取得株式が今どれくらいの評価額になっているかという点で評価されるものです。具体的には、投資した年数や期間を踏まえて、将来得られる金額を現在の価値に換算した金額である、IRR(内部収益率)という指標で算出し判断しています。

この点、設立して数年以内のVCとなると、まだ定量的なリターンを出すには至らないフェーズのVCも多々あります。そうした際に見られる指標としては、Coral CapitalがSmart HRに出資したように、ユニコーン企業と称されるような象徴的な投資先の有無を見られるといった場合もありますね。

このように経済的リターンを最大化することがVCに求められる第一義であることは言うまでもないが、もう一方の事業シナジーとは一体どんなものを指すのだろうか。

このケースは、LPが事業会社であり、投資先の事業がいかに自社の事業に対してメリットをもたらしてくれるかという点です。また、他にもVCを介して出資したスタートアップが拡大成長し、更なる大型の資金調達を行う際に、いち早くその情報をキャッチアップしLPに共有、直接投資の機会を提供することを期待されることもあります。

出資したスタートアップとの密なコミュニケーションはもちろんのこと、LPにも日頃からマメに投資先の状況を共有し、より大きな投資機会が来れば絶妙なタイミングでパス出しすることが求められる。VCとはまさにベンチャー/スタートアップ領域におけるサッカーのミッドフィルダーのような存在であると言えるだろう。

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命を懸ける起業家の伴走者。それがキャピタリストだ

起業家やLPにとってどのようなVCが評価されるのかを伺ってきたところで、ここからは視点を変え、キャピタリストとしてVCで働く上での観点で見ていきたい。

そこでまずは、働く先としての良いVCを探る前に、そもそもキャリアとしてVCの道に進むということは誰しも可能なのか、どんなスキルセットが求められているのかから伺ってみよう。一般的にはVCで働くというと、金融やコンサルといったキャリアを経てから挑むか、新卒入社でしかその道へは入れないイメージがあるが、実際のところどうなのだろうか。

VCによってカルチャーは異なりますが、必ずしも投資経験がないとVCでのキャリアは描けないかというと、そんなことはありません。投資に関する専門的な知識は後からいくらでも身につけることができますし、必要となる要素は他にも多々あります。

例えば、オタク気質で、気になったことはなんでも徹底的に調べたり、自分なりの仮説を立てたり、アクションしたりすることができる人は向いていると思いますね。先にお伝えしたように、VCの仕事は10年で1タームといった長期間の活動であり、そもそも根気よく続けられる素養がないと成り立ちません。そうした際に、興味のあることに対し長い年月をかけて徹底的に追求できる姿勢は、VCという仕事にマッチするんです。

実際、今弊社にいるメンバーで高津 秀也というキャピタリストがいるんですが、彼はもともとコンテンツ系、アニメやサウナ、漢方などが好きで様々自分が好きな領域を持っているんですよ。彼なりにその分野に対して、調べ、仮説を立て、行動しているんですね。こういう人は、キャピタリストに向いていると思います。

また、そうした興味に対して追求できる期間の長さだけでなく、深さや本気度も非常に重要です。なぜなら、我々の伴走する相手は起業家という、命をかけて本気で事業に向き合っている人たちが相手だからです。VCとは、そんな起業家たちと長い年月をかけ共同で事業をつくり上げていく立場なので、腰掛けのキャリアや生半可な覚悟ではキャピタリストという仕事は務まらないのです。

「命をかけて事業に挑む起業家を支える覚悟はあるか」。東氏のメッセージはズッシリとのしかかってくる。華々しい資金調達ニュースの裏では日々、一切の甘えが許されない真剣勝負が行われていることを、我々は肝に銘じておく必要がありそうだ。

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若手キャピタリストを目指すなら、投資機会の豊富さで選べ

前章でキャピタリストとして求められる基本のマインドセットや素養についての理解が進んだ。東氏の発言に見られるように、W venturesでは実際に若手キャピタリストが活躍しており、この度の2号ファンド組成に伴い更なる若手メンバーの採用にも乗り出すとのこと。

また、時を戻すと今春にはFastGrowでXTech Venturesの2号ファンド組成にあわせて、若手スタートアップパーソン向けに、キャピタリストへのキャリアチェンジを提案するイベントを開催した。このように、資金調達・VC市場の活況とあわせて未経験キャピタリストへの門戸も開かれてきているのだ。一方で、こうした機会が増えていることはポジティブな状況であるが、どのように自身に見合う環境を選ぶべきかも詳しく解明していく必要がありそうだ。

まず、一般的に国内VCは大きく分けてシード・アーリーフェーズのスタートアップに投資するVCと、ミドル・レイターフェーズへの投資を中心に行うVCに分けられる。シード・アーリーフェーズの場合、数百万円〜数千万円と小型の投資が特徴で、その分投資件数もミドル以降に比べ多くなる傾向にある。

一方でミドル・レイターフェーズは、ワンショットの投資額が億単位となり大きく、マーケットのポテンシャルや経営者の人物評価だけではなく、トラクションや経営チームの組成状況、競合優位性など多くの判断材料から投資の意思決定をする必要が出てくるため、投資判断もより慎重となり、投資件数で見るとシードフェーズに比べ少ない格好だ。

では、シンプルに若手が投資経験を積みたければシード・アーリーを専門とするVCに行けば良いかというと、「あくまで一般論であり、個社により異なる」と東氏は語る。

投資額以外の差分で言うと、シード・アーリーフェーズのスタートアップに対する投資と、ミドル・レイターフェーズの投資では、VCが使う筋肉は少し異なるように思います。

例えばシード投資は、会社としてまだ未熟で、設立年数も浅く、判断材料に乏しいことから、市場の機会/成長性や、CEOなど人を見て判断する必要があります。対してミドルやレイターは会社として相対的に成熟してきているので、判断材料がそれよりは多く、それらの材料を見ながらじっくり判断する能力が問われるわけです。

要は、どちらが得意か、やりたいかで自分にとっての『良いVC』が変わってくると思います。

私自身、前職ではワンショット大きな投資経験をさせてもらいましたが、今はそれよりは小さい、数千万円~数億程度の投資がメインです。シードとミドル両方の投資フェーズを経験した立場からすると、投資時に見るべきポイントや求められるスキルは別物という感じがしています。

あとはVCのカルチャーを見ることも大事です。代表のカルチャーがVCに反映されていることが多いので、自分と合致したカルチャーを持つVCを見つけて選択することがベストです。

私はどのフェーズであれ、入社後に一定の投資機会を与えてくれるVCが良いVCだと思います。例えば、ファンド全体の投資件数が少なく、入社しても長期間投資を任せてもらえないファンドではなかなか実体験として業務を学ぶチャンスが得づらいでしょう。そういう意味ではなるべく早いタイミングで投資を経験させてくれるようなVCがオススメです。

一見VCというとどこもやっていることは同じように思われるが、こうして比較してみると、各社のカルチャーや投資フェーズによってカラーは様々だということがお分かりいただけたかと思う。起業家同様、キャピタリストとしてVCで働くことを目指す若手にとっても、各VCの投資実績や件数を調べ、実際に出資を受けている起業家たちに話を聞くことが間違いない選び方になってくるのではないだろうか。

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設立2年で2号ファンド始動!W venturesの快進撃

ここまではVC全体としての話を伺ってきたが、そもそも彼らが運営するファンドはどうなのか。LPの求める期待役割に応えられているのだろうか。一般論だけでなく具体事例で示してほしい。そんな感情を抱く読者もいるのでは?

OK、折角なのでここからは彼らW ventures自身にもフォーカスしてみよう。一般的なVCとしての成果指標やあるべき姿などは理解できたが、彼ら自身は果たして"うまくいっているVC"なのだろうか。

まず、W venturesは2019年に、ミクシィをLPに50億円規模の1号ファンドを組成。コンシューマー向けスタートアップ投資に特化してきた。この1号ファンドについて新氏は好調な手応えを感じているという。

その理由は、すでにハンドメイドのマーケットプレイスを展開する「クリーマ」が2020年10月にIPOに成功させたことや、スニーカーのC2C取引所を運営する「モノカブ」がスニーカーダンクを運営するSODA社に買収され、エグジットしたことが大きいです。

他にも、このまま順調にいけばIPOが狙える企業や、シードフェーズに出資した企業が次のステージでの資金調達を達成する事例も出てきており、着々と成果が現れています。

これら1号ファンドを改めて振り返り、東氏は「W venturesは、シード・アーリーフェーズで、かつコンシューマー向けビジネスに投資しているファンドとしての認知が広まり、数々の引き合いをいただけるようになりました」と笑顔を見せる。そんな同社は今秋より2号ファンドも始動させており、シードフェーズのVCとして更なる飛躍を目指しているそうだ。

2号ファンドでも引き続き、シード・アーリーフェーズでコンシューマー向けサービスを展開する企業に投資をしていく方針です。資金面以外の支援にも力を入れており、例えば今年の4月にはクリエイティブファームのTHE GUILDと提携しました。これによって、コンシューマーサービス企業が直面する課題の一つでもある、UI/UX改善をVCの立場からもサポートできる体制を整えました。

今後もこうしたスタートアップの事業成長に役立つ施策は貪欲に取り入れていきたいですね。

東氏の発言通り、W venturesは他にもリソースが不足するシード・アーリーフェーズスタートアップのために、インキュベーション・アクセラレータプログラムも積極的に行っている。気になる方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

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バックグラウンド不問。元起業家、エンジニアなど大歓迎

このように第1号ファンドが好調のなか、2号ファンドも始動させたW venturesだが、当然ながらその展開に伴い新たな仲間も増やしていく必要がある。そこで東氏と新氏に同社の求める人材要件を問うと、彼らの口からは予想だにしないコメントが発せられた。

PdMを経験された方や、エンジニアやデザイナーなどもぜひお会いしたいですね。

起業経験者ももちろん大歓迎。新規事業を立ち上げてきた方なども。世の中をより良くするために、新しいものを創り出して提案することが好きな方こそ向いていると思います。

なんと先にも述べたように、VCというと一般的には元金融・コンサル出身が多く、また適した経歴であると思っていたが、彼らはそのイメージを覆す意外なメッセージを提示してみせた。新卒から入社するならまだしも、キャリアとして挑む際に未経験OKとは一体どういうことなのだろうか。そのヒントは、彼ら自身の経歴に隠されていた。

確かに弊社の若手メンバーも元金融やコンサルですし、一般的にはVCというとそうした経歴を持つ方々というイメージが強いでしょう。しかし代表である私も新も、バックグラウンドは事業会社です。なので必ずしも金融、コンサルキャリアでないとVCは務まらないかというとそうではありませんし、事業会社の新規事業担当や、プロダクト担当、マーケティング担当、PR担当の方でも該当すると思っています。

何より、我々自身がその道を経てきているので、同様のキャリアの方がジョインした際に業務においてどこでつまづきがちかも分かっており、他社にはない育成環境が整っていると思います。

何か新しいもの・ことを創りたいという強い意志がある人なら、未経験でも是非チャレンジしてみてください。

W venturesが現在求める人材は、第二新卒を中心とした若手で、未経験者でも大歓迎とのこと。しかし一方で、起業家や経営者とのネットワークを豊富に持つ人材でないと立ち回れないという懸念もあるが、その点についてはどうなのだろうか。

当然ながら、はじめから起業家たちとのコネクションは求めていません。この点は入社後に私たちがサポートしていきます。現段階の人脈云々よりも、起業家へ寄り添うことができる人物であることの方が、キャピタリストとして活躍する上で重要です。

私たちが専門とする投資先はシード・アーリーフェーズの、まだビジネスが形になっていない、再現性があるか証明されていないスタートアップたちです。将来的には事業転換もあり得る起業家にとって、キャピタリストは『お金のことだけでなく、なんでも相談できる人物』であって欲しいと思っています。そんな起業家たちと一緒に悩みながら事業を創っていく、そんな人材がウチには向いていると思いますね。

こうした採用方針にもあるように、W venturesは「どんどん失敗しよう。」という哲学のもと、スタートアップの起業家にとって信頼されるパートナーを目指している。「最後に成功するために」どんどん失敗することをメンバーに許容し、起業家に真剣に向き合うことでスタートアップ・エコシステムを支える一翼を担っているのだ。今後の同社にますます期待がかかると共に、そこに参画する次代の若手からの挑戦が待たれる。

そして近々、W ventures主催のオンラインイベントにて、具体的にVCとしてキャリアを積むためのノウハウや同社の育成方法を知ることができる機会が用意されたのだ。

是非、本記事を読んでVCというキャリアも自身の選択肢の一つに入ったという方は、参加してみてほしい。

こちらの記事は2021年10月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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