事業家人材が望むのは「アクセルをベタ踏みできる環境」「地に足の着いた経営」の両立──入社半年で、10倍成長の事業責任者を務めるX Mile安藤が明かす、“コンパウンド化”の過程のリアル

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インタビュイー
安藤 雄真

大学卒業後、トランスコスモス株式会社へ入社。法人営業として、顧客の業務効率改善や新規事業のオペレーション構築などを担当。その後カーフロンティアに参画。カーメンテナンス予約サービス、WEB予約台帳管理システム、などの事業責任者を務める。その後、X Mileでは物流業界向けクラウドサービス導入を推進。年間300件以上の物流会社におけるDX推進・採用支援・M&A相談などを行う。企業規模やフェーズに沿った提案で物流会社の課題解決に取り組む。

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FastGrowで何度も取り上げてきたX Mile。ノンデスク産業のDXという未開拓の市場に挑み、2024年1月にはシリーズBで総額約18億円、累計26.8億の資金調達を発表。創業して4年を経て、メンバー数は200名、7つ以上のサービスを展開。Forbes JAPANでは『2024年注目の日本発スタートアップ100選』Forbes JAPAN『2024年注目の日本発スタートアップ100選』にも選出される急成長企業である。

「X Mileといえば物流や建設向けのHRプラットフォーム事業」というイメージがある読者もいるかもしれない。しかし同社のビジョンは『テクノロジーの力で、ノンデスクワーカーが主役の世界を』。つまり、物流・建設・製造業などノンデスク産業で顕在化する「働き手の不足」と「労働生産性の低さ」の双方の課題解決に向け、ノンデスク産業特化の経営プラットフォームを包括的に展開するコンパウンドスタートアップだ。

そして着実に、次なるVertical SaaSを中心とした新規事業が伸びてきている。

物流業界は目下2024年問題を抱え、日本の衣食住を支えるインフラとしての分水嶺に立たされている。X Mileはその物流業界に向けたVertical SaaSを提供し、既にリリースから前年比10倍以上の成長を実現している。

急成長の裏には、強固な設計思想と実績豊富な事業化人材の存在がある。今Vertical SaaS事業の一つ『ロジポケ』をけん引するのは、入社わずか半年の安藤雄真氏だ。

安藤氏がこれまで何を見て何を考え、決断してきたのか、そのうえで今のX Mileの強さとは何なのか。『ロジポケ』がもたらす社会的インパクトとポテンシャルとは?そんな疑問を安藤氏にぶつけ、安藤氏から見たノンデスク産業への挑戦の魅力や、経営陣との日々の仕事でのコミュニケーションスタイルついてもひも解いていこう。

  • TEXT BY MAAYA OCHIAI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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経営陣2名のエグゼキューション力に引けを取らない実力者がSaaSを成長させている

Momentor坂井氏×COO渡辺氏の記事で、坂井氏から理想の組織の要素の一つには「事業をつくった経験のある人がいるか」があると語られた。

「事業家人材、つまり自分で市場を開拓して、利益を稼いだことがある人がいない」そんな組織は、それを若手に教えられないから、若手が育たない。事業部門で重役に就いている人々のほとんどが、事業創出経験がありませんといった状況もありえるわけです。

──FastGrow『成長したければ「挑戦機会」「事業家人材の存在」「ピープルマネジメント」の3要素を満たす会社を選ぶべし──急成長スタートアップX Mileに学ぶ「本当に強い組織」のつくり方(後編)』より引用

安藤氏はまさにこれを満たす人材だ。学生時代から営業経験を積み、大手企業やその子会社で事業立ち上げから携わり、数年で数億規模まで事業をグロースさせた実績を持つ。

既に、リリースから前年比10倍以上で売上成長を遂げている物流業界向けSaaSプロダクト『ロジポケ』。その立役者の一人が、物流プラットフォーム事業本部マネージャーの安藤氏だ。X Mileに入社する以前まで物流業界に携わっていたことがないにもかかわらず、入社直後からこれだけのインパクトを出せる安藤氏とはどのような人物なのだろうか。

安藤大学時代に不動産営業のアルバイトに明け暮れ、そこで自信をつけて、新卒でトランスコスモスに入社しました。法人営業として、大手企業を相手に業務効率改善、新規事業のオペレーション構築などを提案、受注を経験。その後カーフロンティアに参画し、カーメンテナンス予約サービス、WEB予約台帳管理システムなど整備業界向けVertical SaaSの立ち上げからかかわり、事業責任者として売上数億円規模、組織規模100名弱までグロースさせることができました。

営業、新規事業立ち上げ、グロースと多様な強みを持つ安藤氏には、X Mile以外にもさまざまな企業がオファーを出した。その中には、現在グローバルに成長拡大している有名企業の立ち上げフェーズへの誘いもあったのだとか。

冒頭で紹介したMomentor坂井氏の理論では、組織において「事業家人材がいること」が重要となる。X Mileでは、経営陣2名がその経験と高い実行力を持ち、事業・組織のオペレーションの磨き込みに定評があることはこれまでもご紹介した通り。

また、シリーズBで同社に出資を決めたMINERVA GROWTH PARTNERS長澤氏もX Mileの現在地を下記の通り分析していた。

今後の組織づくりの課題としては、二人のほか、企業の足腰を強くするミドルマネジメントをどう強化していくかが重要です。野呂さんと渡邉さんがエグゼキューションを手離していけるような経営層、マネージャー層を育成していくと、さらに事業が伸びると期待しています。

──FastGrow『決め手は、経営陣全員の圧倒的エグゼキューション能力──MGPとUTECからシリーズBの評価・累計26.8億円調達した、X Mileのポテンシャルとは』より引用

安藤氏は、まさに坂井氏と、長澤氏が述べた「事業家人材」として、野呂氏と渡邉氏のエグゼキューションを引き継ぎ、今後のX Mileの事業成長を牽引する人物の一人。引く手あまたな安藤氏が、なぜX Mileに惹かれたのか。そして現在『ロジポケ』で、どんなチャレンジをしているのか。次章より紐解いていきたい。

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飛び抜けた営業力で大規模案件を複数経験。
次なるフィールドを求めてX Mileへ

「売れないものはないなって思っちゃったんですよね。てっぺん見えたって。1社目の時は調子に乗っていましたね」

そう思うのも無理はないと感じるほどに、セールスパーソンとして順調なキャリアを築いてきた。 昔から「話すのが得意」だという自負があった。大学時代では不動産営業のアルバイトで9時から18時まで働き、成果報酬を即日もらってそのお金で飲みに行く。深夜まで飲んだあと、数時間睡眠をとり、また朝から働くという、まるで古き良き日本企業の社員のような働きぶりだ。

新卒で入社したトランスコスモスでは、法人営業を経験。ここで“ド新規”の営業案件をいくつも経験したことが今の土台になっている。

安藤ECワンストップサービスの立ち上げのタイミングで、注文から梱包、配送やアフターサービスのコールセンターまでフルフィルメントの案件を受注したんです。他にも、売上が一兆円を超えるような財閥系大手のサプライチェーンマネジメントの業務改善プロジェクトにおいて数億円規模の削減を支援していました。

セールスとして大きな成果を上げる中で、安藤氏は次なるチャレンジの機会をうかがっていた。

安藤自分の影響力を今思えば勘違いしていたのですが......(笑)、営業以外のことにも興味がわき始めたんです。

自分が受注した案件を社内に持ち帰り、クライアントに合わせてチームを組成してオペレーションを考え、実際に回していく。いわゆるプロジェクトマネージャーのような仕事に面白みを感じ始めたタイミングだったんです。

そんな折、知人からの誘いでIT大手のグループ会社に、事業再建の誘いを受け転職。そこでグループ会社向けに法人営業を行っていると、前職時代のクライアント企業のグループ会社として設立されたカーフロンティアの役員から声をかけられ、ジョインを決意。

はじめは、当時計画が進んでいた3つのWebサービスのオペレーション整理にかかわったという。オペレーションが落ち着くころには新規事業の立ち上げに参画。カーメンテナンス予約サービス、WEB予約台帳管理システム(SaaS)の構築を行った。この頃には、プロジェクトマネージャーから事業責任者へとキャリアを移していくことになる。

安藤最初は2名で立ち上げて、営業やプロダクト開発の人間を社内から集めてチーム化しましたね。経験がなかったマーケティングや広告についても、自分たちで考えながら回して、大きくしていきました。カーメンテナンスというレガシー業界のSaaS事業だったので、導入企業を集めるのは大変でしたが、数年で数億円規模まで成長することができました。

規模の大きな市場で事業を推進できる面白さは感じつつも、安藤氏はまたステージを変えようとしていた。順調に事業は成長していたものの、どうしても「大企業を笠に着ている」という感覚が抜けなかったのだという。もっと自分自身が手触り感をもって事業推進できるフィールドはないか。安藤氏は半ば無意識的に、そんな場を探し始めていた。

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「アクセルをベタ踏みできる環境」
「地に足の着いた経営」が両立していた

転職市場でも安藤氏の存在感は異端であろう。面接でその会社の課題を聞くと、ついついこれまでの事業経験で鍛え上げてきた問題解決脳が疼き、解決策の提案や提携の可能性を探ってしまう。

安藤どこの会社も、“カジュアル面談”というだけで、業界や会社、事業の課題を熱心に教えてくれるじゃないですか。それだけ採用が大変だということだと思いますが、そこで私はつい「これ、こういう風にできる可能性ありませんか?」「こんな風にしたらシナジー生めそうじゃないですか?」と提案してしまう。会話は楽しかったのですが、なかなか“転職の面接”という風にはならなかったです(笑)。

そんな中でX Mileのオファーを受けた。一読して、ノンデスク産業で“領域を限定せず”にDXを目指すという部分に惹かれたという。X Mile代表の野呂氏は「日本から次のユニコーンが生まれるとしたら、このような巨大産業の変革を起こすバーティカル SaaS・プラットフォームだ」と再三語っている。

X MileはHRの会社でも物流SaaSの会社でもない。コンパウンドスタートアップとして、ノンデスク産業という、次のユニコーンが生まれるポテンシャルで事業領域に挑む、未来のメガベンチャーだ。

そんな同社の“幅の広さ”が、安藤氏の心をつかんだ。さらに経営陣と話をすることでより気持ちは傾いていく。

安藤野呂さんのビジョンと、今の事業の構成ですね。HR事業が立ち上がっていて、ここから新しいSaaSがどんどん立ち上がっていき、その先に海外も見据えている。これは強いと思いました。

それと、アクセルをベタ踏みできるスピード感がこの会社はあると感じたんです。意思決定の早さは野呂さんも「X Mileの強みだ」と語っており、私はそういう事業推進がしたいと思っていたので、まさにそれが実現できる会社だと思いました。

さらに安藤氏は「この企業フェーズにしては大人に感じた」とX Mileとの出会いを懐古する。X MileはDay1から1,000名規模を意識した組織づくりを行っていることは過去の記事でも語られた通り。

同社では、とにかく勢いと属人性で走ってしまいそうな立ち上げ間もないフェーズでも、再現性のある取り組みにすべく「型化する」ことを徹底する。このような地に足の着いた経営を行っている点も安藤氏にとって魅力的に映った。また、野呂氏と渡邉氏の相性の良さも決め手の一つとなったという。

安藤選考の過程で渡邉さんとも面談しましたが、野呂さんと渡邉さんのキャラクターは全然違うんです。でも、すごく相性がいい。不思議なくらい、2人の歯車がぴったり合っている。いまだに信じられないですよ(笑)。それと面接の最後に、私と野呂さんがたまたま高校が一緒だというのも聞いて、ここで一緒に働きたい、この人を有名にしたいなと思いました。

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代表野呂氏が議事録をとる。
X Mileの強みは組織全体のフラットさと泥臭さを厭わない姿勢にあり

法人セールスとしてさまざまな意思決定者と相対してきた安藤氏だが、X Mileの経営陣である野呂氏と渡邉氏については、2人の相性の良さに加えて、任せるところは任せつつ、一緒に走ってくれる感覚が新鮮だったと語る。

『ロジポケ』をはじめとするVertical SaaS事業は、立ち上げ自体は野呂氏が中心となって行った。今でも野呂氏が事業管掌に関わってはいるが、何かのアクションプランについて、「野呂氏にお伺いを立ててから進める」といったことはない。基本的には事業責任者である安藤氏に任せ、その結果を随時報告、課題があれば週次のミーティングに持ち寄ることになっている。

安藤もちろん大きな費用がかかることや、新規事業の重要な意思決定については最終的には野呂さんが行います。逆に「普通、それ代表がやることじゃないでしょ」と思うことも一緒にやってくれるのが野呂さんなんです。

メンバーが行う重要な商談に、私が同席できないときは代わりに野呂さんが入ってくれるし、採用面接も必要があれば「巻き取ります」とサポートしてくれる。

先日、新規事業開発のミーティングをしたときに、野呂さんと私ともう1人のメンバーが議論している中で、野呂さんが率先して議事録を取ってくれていて。申し訳ないなと思いながらも私たちは話し続けました(笑)。

こういった野呂氏の姿勢について、「経営者が“降りてきてくれる”という表現は合わない」と安藤氏は言う。物事をメンバーに投げてそのままではなく、そのボールから目を切らずに必要に応じてカバーリングまで行う。経営者というよりも、あくまでメンバーの一員というイメージだ。

過去の取材でも、野呂氏が新入社員のオンボーディングを兼ねて一緒に営業先に同行してくれたというエピソードが紹介された。

「経営陣と距離が近い」と謳うスタートアップは多いが、その実態は「経営陣と距離が近い一部のメンバーがいる」程度だったりする。だがX Mileは現在200名を超えつつも、野呂氏が新卒メンバーと一緒に仕事を進めることも多々あるという。

安藤新卒やマネージャーなど特定のメンバーに手厚くしているわけではないんです。シンプルに、事業を進めていくために今必要だから手伝うという感じ。このレベルでフラットさを保てる経営者は稀有な存在だと思いますね。

安藤氏が転職の際に期待していた、「アクセルをベタ踏みできるスピード感」についても想像通りだった。

安藤毎週のミーティングで課題を持ち寄ってプロダクトや事業について話し合っています。しかも、「じゃあどうするか?」の意思決定までその場で行うのです。いったん持ち帰るということはありません。小刻みに修正しながら進むので大きく方向性がずれていくことはありませんし、このスピード感は大手にいたら絶対経験できなかったと思いますね。

安藤氏は経営陣だけでなく、メンバーのスピード感も洗練されていることを強調した。特筆すべきは「一次情報を取りに行く姿勢」だ。

安藤業界未経験のメンバーも多い中で、そのインプットの量と質は重要です。X Mileでは、二次情報・三次情報をいったん集めて把握したうえで、足りないこと、確認したいことを定めて一次情報を迷わず取りに行きます。

行政に問い合わせをすることもあれば、自社のHR事業に登録している事業者や働き手の人たちにヒアリングをすることもありますね。事業を前に進めることにピュアに、泥臭く動けるメンバーばかり。私も日々、そんなメンバーの姿勢に学ぶことばかりです。

徐々にマネジメント層の厚みも増すX Mile。安藤氏が入社した前後から、さまざまな業界のスペシャリストが次々とX Mileのビジョンに惹かれ、道をともにしているのだ。

安藤会社規模も事業規模もさまざまなバックグラウンドのメンバーが集まっていますが、共通点は「しっかりくぐってきている」ことですかね。X Mileのマネジメント層はみんな、主体性をもって事業を進めた経験があり、最前線で困難を乗り越えてきています。

大手だとどうしても縦割りになるので最前線に立つ経験がしづらいのですが、X Mileでは若手でもそういった経験が積めるというか、積まざるを得ない。どんどん人材価値が上がるので、最短でマネジメントクラスに上がる人もどんどん出てくると思います。

このような組織としての自信をもって、安藤氏が今注力するのがSaaS事業である。安藤氏を惹きつけて離さず、これまでの経験をフルベットして臨む『ロジポケ』というプロダクトとは一体。

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オールインワンのプロダクト『ロジポケ』を起点に、マルチプロダクトで、2024年問題に切り込む

2024年問題とは、働き方改革法案によりトラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることをきっかけとして生じる諸問題のことだ。一人当たりの走行距離が減ることによる人員不足、物流企業の売上減少、ドライバー自身の収入減少などがあげられる。

物流は今や日本のインフラとなっているが、長時間労働と人手不足は長年常態化しており、2024年問題に直面して瓦解の危機に陥っている。変わらない業界慣習が足かせになっている部分が大いにあるため、業界DXは今後必須となる。

こういった2024年問題は、X Mileにとってむしろ追い風だ。Vertical SaaS事業である『ロジポケ』シリーズは、総合的なDX・経営支援クラウドサービスである。ただし、「経営管理のみ」といった部分切り出し的なプロダクトではなく、経営管理クラウド『ロジポケ』、労務管理クラウド『ロジポケ労務管理』、教育管理クラウド『ロジポケ教育管理』、事業継承支援サービス『ロジポケM&A』といったような多岐にわたる機能を、あえてオールインワンのプロダクトとしてローンチしているのが特徴だ。

もちろん、物流企業はこれらの機能をはじめからすべて使う必要はなく、各社必要なところから導入することが可能となる。

安藤立上げ時からマルチプロダクトを開発していたため、お客様の需要や課題感に合わせて、様々な角度から提案を行うことができます。また、データベースの統合・構築の観点でも一つの製品で複数機能が使えることは顧客価値となります。

機能は一式そろえているので、どの切り口からでも導入できるのがロジポケの強みですし、徐々に導入機能拡大しDXを果たしていくイメージです。これらを通して私たちは、競争力の落ちた日本の産業に新しい文化を作ることを目標にしています。

急速に導入社数を増やしているX Mile。SaaSプロダクトでは単一の課題解決にフォーカスして伸ばしきるのが王道といわれるが、『ロジポケ』ははじめから並行して課題解決を図るオールインワン仕様だ。それでも競合サービスに負けない根拠は、X Mileの組織としての強さにある。

安藤単一の課題解決にフォーカスした方がよいといわれる理由は、商談の際に単一機能で売る他プロダクトに押され、売り切れないリスクがあることと、導入の際にどれを使えばよいのかわからず、ユーザーを混乱させてしまうことの2点ではないでしょうか。

しかしX Mileでは、顧客や業界課題を理解し、製品価値として届けることが組織として圧倒的に強いんです。顧客の課題解決の入り口部分でどこを訴求するべきか、その攻め方まで戦略的に構築しているから、お客様に価値提供をすることができます。そこに、業界出身者も複数いるカスタマーサクセスのオンボーディングを掛け合わせて、他の機能への展開につなげています。業界解像度が高いから、ユーザーも安心して任せてくれて、混乱することがないのだと思います。

レガシー業界にいかに入り込み、プレゼンスを発揮していくという部分では、業界解像度を高め、営業を強化するだけでは足りない。業界関係者、有識者とのコネクション、パイプも重要な要素だ。X Mileはそのあたりもぬかりない。ロビイング活動の重要性をしっかりと理解し、行っている。

安藤氏が「HR事業で生んだ顧客基盤やキャッシュを燃費よく使っている」というように、冷静さと視野の広さにスピードを掛け合わせ最短距離で前に進んでいるのだ。

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複数の事業・プロダクトを並行させる。ヒリヒリする毎日に飛び込むなら今

『ロジポケ』急成長の裏で、なんと次のSaaSリリースに向けた動きもあるのだという。同社が目指すのは、ノンデスク産業の課題を包括的に解決する、“ノンデスクプラットフォーマー”だ。今後も『ロジポケ』と同等、いやそれ以上の規模のSaaSプロダクトをマルチバーティカルに展開していく。

そんな中、『ロジポケ』だけを切り取っても、これまで安藤氏がかかわってきた事業と比較しても最大規模にグロースさせていく算段。そのうえで他のSaaSの立ち上げも並行するとは、並大抵のことではないはずだが──。

安藤このスピード感の中で複数の事業を進めていくので、当然毎日ヒリヒリしますよ(笑)。

今は『ロジポケ』をメインに見ていますが、数年後はX Mileの中でも全く違うことをしている、そんな気がするほど毎日事業も、私も進化し続けています。

また、事業の手数と強度が大きくなればなるほど、未来のX Mileの価値につながっていきますから、今の事業にしがみつくつもりはないんです。手掛けてきた事業は自分の子供のような大切な存在ですが、どこかで自分の手から離れてそのまま大きくなってくれればいいな、という気持ちでいます。

自分が手がけたプロダクトには、愛着も沸くことだろう。しかし、安藤氏の目的はあくまで会社の価値向上。適任者にしっかりとバトンタッチできるよう徹底的に仕組み化にこだわりながら、その真横では次々と新たな事業にチャレンジする。それがコンパウンドスタートアップとしての強みだ。

『ロジポケ』に関しては、今後、機能拡張とその磨き上げに注力し、どんな規模の企業体にも対応できるような形を目指すという。データを収集し、業務系から金融系など、物流以外への領域の拡張にもつなげる。

ノンデスク領域はまだまだ伸びしろだらけ。常に複数の事業、複数のプロダクトを動かすX Mileには、どこを見ても挑戦の機会ばかりだ。安藤氏はX Mileについて「自分の価値を上げていける修行の場」と表現する。

安藤X Mileという会社名は、今後数年で確実に世の中に認知されていきます。とはいえ、事業計画から逆算すると、今の組織もまだまだ余白だらけ。挑戦の機会をどんどん得て、業務を通じて間違いなく自分の人材価値を上げられるフェーズだと思います。

組織はどんどん大きくなっていくので、私もどんどんマネジメント力を上げていかざるを得ないと危機感を感じるほどです(笑)。

心から、今この瞬間にX Mileに身を投じることが、将来の自分を大きく変えるチャンスだと信じています。数年後には自身の市場価値が倍増して返ってくる──そう確信しているんです。

事業づくりの野呂氏、組織づくりの渡邉氏という2人の経営陣のバランスが際立つX Mileだが、安藤氏のような事業家人材が今、数多く仲間になっている。強い幹部層の下で働くとメンバーの成長も著しい。直近でも、職種未経験で入社して半年足らずでリーダー格に成長した例がある。爆速でコンパウンド事業を進めるこの場所は、自分の人材価値を高めたい人にとって、これ以上ない修行の場かもしれない。

こちらの記事は2024年02月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

落合 真彩

写真

藤田 慎一郎

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