最近のエクイティでの資金調達は、IPO時のバリュエーションで100億円を目指せるようなコンサバな計画が誠実さがあって好まれる潮目になっているとお聞きしました。シード段階の事業計画や資本政策を相談している方が結構地に足着いているという印象ですが、シード投資の現場では実際どうなのでしょうか?
シード期の資金調達において、IPO時のバリュエーションをどのラインで想定するかという点でご質問です。
IPO時のバリュエーション1,000億円というのはスタートアップ起業家の夢ですが、最近のエクイティでの資金調達は、IPO時のバリュエーションで100億円を目指せるようなコンサバな計画が誠実さがあって好まれる潮目になっているとお聞きしました。シード段階の事業計画や資本政策を相談している方が結構地に足着いているという印象ですが、シード投資の現場では実際どうなのでしょうか?
4件の回答
シード期には事業計画でXX億円行っているかどうか、IPOはいつ頃でそのときにはいくらになりそうか、などは全く見ません。中学野球の選手がプロ野球に入ったときの成績を考えるようなものです。誰にもわからないです。コンサバな計画引いたとしても事業の成功確率が上がるわけでもないし、大胆な計画を引けば大きな会社ができるわけでもありません(シードなら特に)。
ただし、事業計画の前提にしているエコノミクスについて、どういう考え方を持っているのか、何を前提にしてそう考えているのか、何を知っていて/何を知らないのか、は気にします。
そして何より大切なことですが、どれくらい大きな意志を持ってその事業をやろうとしているのか。これは事業計画上の売上というより、話していく中で感じ取っています。
投資家の数も増え、戦略も多様化しているので上記のようなスタンスの投資家も一部いらっしゃるとは思います。しかしシリーズA投資家を中心に業界全体としては、ファンドサイズの増加などを背景に寧ろ安定感のある堅いビジネスモデルよりも、出来上がりの大きさを求める傾向にあって、ここ数年それがさらに加速しているように感じます。 当然にそれ以前のラウンドの投資家もシリーズA投資家の意向について理解しているので、ある程度この流れは連鎖するのではないかと思います。
そもそもシード期で「100億円で上場するしない」といった議論はしないですね。TAMの議論と同じで、まずは顧客の課題を見つけること、そしてビジネスとして成り立つか、という歯車の最初の一押しに集中するべきなので。
上場企業もしくは上場に近い企業を参考に、ビジネス構造が似ているところをベンチマークしています。ただ、実際のシードの現場ではIPO時のバリュエーションのことはそこまで深く考えていないと思います。当然視野には入れていますが、ベンチマークの時価総額が低い場合にはなぜ低いのか、それを超えられる成長を見せられるのかだったりとか、それ以上に次のラウンドにおける数字を意識しています。上ばかり見ていても意味がないので、しっかり足元の数字を見ることが重要です。