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投資先にすることが多いアドバイスや指摘で、普遍的に意味がある(投げかけるだけでも価値が出やすい)と思われる発言や投げかけがあれば教えてください。いわゆるキークエスチョン的なものです。

質問

投資先にすることが多いアドバイスや指摘で、普遍的に意味がある(投げかけるだけでも価値が出やすい)と思われる発言や投げかけがあれば教えてください。いわゆるキークエスチョン的なものです。

7件の回答

回答7
回答掲載日
2021.02.08
手嶋 浩己

1976年生まれ。1999年一橋大学商学部卒業後、博報堂に入社し、戦略プランナーとして6年間勤務。2006年インタースパイア(現ユナイテッド)入社、取締役に就任。その後、2度の経営統合を行い、2012年ユナイテッド取締役に就任、新規事業立ち上げや創業期メルカリへの投資実行等を担当。2018年同社退任した後、Gunosy社外取締役を経て、LayerX取締役に就任(現任)。平行してXTech Venturesを創業し、代表パートナーに就任(現任)。

よくするアドバイスは、「何に時間を使っているか」「自分が飽きないように経営した方が良い」「社内と社外のバランス」「未来の組織図」の4つですね。

経営学者として有名なP. F. ドラッカーが「経営者の条件」という本の中で、まずは「汝の時間を知れ」と言っているのですが、忙しくしている経営者ほど自分が何に時間を使っているかをきちんと把握することが重要です。予定が埋まってくるとそれをこなすこと自体が目的になってしまうことがよくあるので。一番重要なことは会社にとっての重要度と自分の時間の使い方を一致させること。そのためにも、自分の時間の使い方をきちんと管理することは大切です。

経営は長期戦なので、自分が飽きないように意図的に工夫や一見不合理でも長期で合理になるような、自分の人生とフィットするようなカルチャーや会社作りも大事だよという話をします。結構、長くやっていると「飽き」が来る人が多いんですよね。「本当に好きなこと」を事業にできれば解決するのかもしれないですが、そうではないことも多いですし。解決策は人それぞれ違うと思うんですが、そんな話をすることもありますね。

また、社内と社外のバランスをきちんと取ることも大事です。社長は孤独なので気が付くと社外の社長同士で飲んだくれてしまうことがあります。しかし、それよりは社内のメンバーともっと密にコミュニケーションを交わすことが重要なこともあるので、このバランスをうまく持つようにアドバイスすることは多いです。

最後に、「未来の組織図を描けるか」という質問もよく投げかけます。採用を強化していくにもポジションごとに優先度がありますよね。数年後の組織図を聞き、それをもとにどのポジションから採用するかをアドバイスしています。大きな絵を描いているからこそ「全ポジションほしいです!」と優先度を具体化できていなかったり、逆に事業と向き合っているが故に近視眼的になってしまうことは多々あるので、現実的に未来を見通す機会は重要です。

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回答6
回答掲載日
2021.02.08
浅田 慎二
  • One Capital株式会社 代表取締役CEO, General Partner 

伊藤忠商事株式会社および伊藤忠テクノソリューションズ株式会社を経て、2012年より伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社(ITV)にて、メルカリ、ユーザベース、Box、Muse&Co、WHILL、TokyoOtakuMode、Fab等国内外ITベンチャーへの投資および投資先企業へのハンズオン支援に従事。 2015年3月よりセールスフォース・ベンチャーズ 日本代表に就任しSansan、freee、Visional、Goodpatch、Yappli、フレクト、Andpad、カケハシ、スタディスト等B2Bクラウド企業へ投資。2020年4月にOne Capital株式会社を創業、代表取締役CEOに就任。慶應義塾大学経済学部卒業、マサチューセッツ工科大学にてMBA取得。

シード期・プレシリーズAラウンドの投資先には「Focus」という言葉を頻繁に掛けています。キャッシュ・時間は有限であり、シード期のスタートアップの賞味期限は意外に短いので。特にフォーカスするべき対象は3つで、「ターゲット」「ソリューション」「チーム」です。この3つそれぞれにおいてしっかりとフォーカスすることがシード期においては非常に重要になります。

シリーズA以降の投資先については「Time to sell」「Time to use」「Time to value」の3つを短縮するようにとアドバイスしています。早く受注し、早く使ってもらい、早く価値を感じてもらうためにはどうすれば良いかと議論を重ねるようにしています。

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回答5
回答掲載日
2021.02.08
湊 雅之

東京工業大学工学部・同大学院卒(工学修士)。米カーネギーメロン大学経営大学院卒(経営学修士)ボストンコンサルティンググループにて国内大手企業の中期経営計画の策定やトランスフォーメーションの実行支援の戦略コンサルティング、独化学大手BASFにてエンタープライズ営業および新規事業開発に従事したのち、VCの世界へ。STRIVE(旧GREE Ventures)、Salesforce Ventures、DNX Venturesにて、日本のB2B/SaaSスタートアップ約40社へのVC投資および成長支援を担当。ロンドン在住。過去の投資実績は、ココペリ、コミューン、イエソド、エンペイ、カウリス、アガサ、Resily、MyReferなど。

「今一番狙いたいお客様は誰ですか?」といった、顧客ターゲティングについての質問は一番多いと思います。B2Bなので、具体的には、顧客の企業規模、業種・業態、部門、ポジションといった粒度で聞きます。SaaSの成長においてよくある課題は、顧客の課題の定義がぼやけているため、プロダクトの提供価値もぼやけていて、セールス/マーケの仕組みの磨き込みもできないことの原因になるケースが多いように感じています。課題の定義がぼやける要因は、そもそも顧客像が複数あったり、ぼんやりしているケースが多いです。従って、可能な限り顧客像を詳しく問うようにしています。

その他には、「このお客様は、SaaSによってどういった経済価値が出てるのですか?」や「お客様の活用状況はどうなってますか?」といった、導入後のインパクトやCSに関わる質問をするケースが多いです。起業家の方は、どうしても早く実績を作りたいと「売る」ことばかりに気を取られがちです。これは真剣に事業をやっている起業家の方は当然だと思います。しかし、SaaSは売ってからが勝負のビジネスモデル。意識的に「売った後」に経営として目を向けてもらうように、質問をしています。

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回答4
回答掲載日
2021.02.08
前田 ヒロ

シードからグロースまでSaaSベンチャーに特化して投資と支援をする「ALL STAR SAAS FUND」マネージングパートナー。2010年、世界進出を目的としたスタートアップの育成プログラム「Open Network Lab」をデジタルガレージ、カカクコムと共同設立。その後、BEENOSのインキュベーション本部長として、国内外のスタートアップ支援・投資事業を統括。2015年には日本をはじめ、アメリカやインド、東南アジアを拠点とするスタートアップへの投資活動を行うグローバルファンド「BEENEXT」を設立。2016年には『Forbes Asia』が選ぶ「30 Under 30」のベンチャーキャピタル部門に選出される。

「未来から逆算したとき、今の判断が正しいかどうか」という問いは大事だと思います。例えば、5年後、10年後の売上を想像したときに、いま目の前で獲得しようとしているお客さんが将来いないのであれば、そのお客さんは間違っているかもしれません。同様に5年後、10年後のプロダクトを想像したときに、いま作ろうとしているものはそれに繋がるかどうかなど、一つ一つ判断するときに考えてみることは大切ですね。

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回答3
回答掲載日
2020.11.25
金子 剛士

学生時代よりSkyland Venturesでのインターンを経験し、新卒でジャフコ グループ株式会社に入社。その後、シード特化の独立系VCであるEast Venturesにてパートナーを務める。East Venturesでは、業種、業態問わず若手起業家の創業したITスタートアップを中心に年間数十社のシード新規投資を実行。

リミッターを外して考えてみよう、という問いかけをすることが多いです。 「いま仮に手元資金に上限がなければどんな手を打つか」、「現職の状況関係なく誰でも採用できるとしたら誰を口説くか」、「買収できるとしたらどんなアセットを持った会社に声をかけるか」などを議論していくと、事業の解像度が上がり、よりレバレッジの効く施策がアイディアとして出たりします。

以下のツイートに記載したa16zクリス・ディクソンの言葉が好きなのですが、リミッターを外して考え、日々強烈に断られるというトライをしている起業家は強いと思います。
https://twitter.com/evkaneko/status/1306261520288866305

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回答2
回答掲載日
2020.11.25
鈴木 隆宏
  • 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ General Partner 

2007年4月、サイバーエージェント入社。学生時代から、インフルエンサーマーケティングを行う子会社CyberBuzzの立ち上げに参画し、新規事業立ち上げ、アライアンス業務、新規営業チャネルの開拓等に関わる。2011年6月よりサイバーエージェント・ベンチャーズ(現:サイバーエージェント・キャピタル)へ入社し、日本におけるベンチャーキャピタリスト業務を経て、同年10月よりインドネシア事務所代表に就任すると共に、東南アジアにおける投資事業全般を管轄。東南アジアを代表するユニコーン企業Tokopedia(インドネシア)、CodaPayments(シンガポール)への投資など、多数の経営支援を実施。2018年9月末に同社を退職し、株式会社ジェネシア・ベンチャーズに参画。早稲田大学/スポーツ科学部卒。

まず前提として、VCはスタートアップの成功確率を上げることはできないと思っています。ただ、失敗確率は減らせます。スタートアップが陥る失敗には共通するものが多いので、とにかくそれを減らしてあげる。それが僕らの役割ですし、そのためにはとにかく「言い続けること」が大事です。例えば、採用において、前述のような「スキルフィットではなくカルチャーフィットで採用しろ」というのはみんな知っていると思うのですが、知っていてもやってしまいます。だから僕らは常にそれを言い続けるし、伝え続けることが重要です。

加えて、目線を上げるための問いかけは頻繁にしていますね。具体的には、「制約条件がない場合、何が1番のボトルネックか?」と「1年後の理想の組織図は?」の2つです。

どうしてもスタートアップは足元の業務に意識を持っていかれますし、実際にタスク量が多いので、視野が狭まりがちです。そんな時に、リソースが無限にあると仮定して思考すると、改めて理想の状態からの逆算で動くことができるようになります。組織図に関しても同様で、どうしても「採用しやすい人」を採用してしまうし、「今いる人」から組織を考えてしまうことが多いので、視点を上げてから考えられるように問いかけています。

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回答1
回答掲載日
2020.11.25
木暮 圭佑
  • TLMベンチャーキャピタル General Partner 

1991年生まれ。早稲田大学国際教養学部入学後、2013年6月から大学を休学し、East Venturesにて勤務。ファンド運営の業務を学ぶ。退社後、2015年4月TLM1号投資事業有限責任組合を設立。General Partnerに就任。 アプリやインターネットが好き。

特に頻繁に伝えていることが3つあるのですが、一番言っているのは「マーケット自体を伸ばすために何ができるか?」という問いです。事業の成長は良くも悪くもマーケットの成長率に依存するので、マーケット環境に左右されることなく、自分たちでマーケット自体を伸ばす方法はないのかというのを常に問いかけています。例えば、クラウドキッチンはフードデリバリーが拡大していかないとそもそも成り立たない市場ですが、クラウドキッチン事業者としてフードデリバリーを広げるにはどうすればいいか、というようなことです。

2つ目は、「投資家の言うことを聞くな。ユーザーの声を聞け」です。特にC向けサービスに関しては、とにかくユーザーに向き合うことが大切です。もちろん事例や数字面は投資家の方が詳しいケースが多いので、必要な情報はもらいつつも、本質的にはユーザーを信じるようにと、よく伝えています。

最後はプロダクトでも組織でもなく起業家自身の話なのですが、「お前は成長しているのか?」ということです。前提として、事業の成長と個人の成長は別物だと思っています。事業が成長することは当然大事ですが、1人の経営者として成長し続けない限り再現性がなくなってしまいます。またスタートアップは細々した作業が多く発生するので、どうしても仕事した気になりがちです。なので意識的に個人の成長機会を取りにいかないといけないので、そこは僕も意識的に伝えていますね。

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