起業家はどの程度「リサーチ」をするべきでしょうか?
起業家はどの程度「リサーチ」をするべきでしょうか?
スタートアップは、よく行動力や行動量、またスピードが重要だと言われていると思います。しかし、世の中で検証済みの仮説や市場の有無などはリサーチである程度調べられると思うので、事業を正しいレールに乗せるには重要だと思っています。ここまではスタート前に調べるべき、という要素はありますでしょうか。
4件の回答
「徹底的に」リサーチするべきです。当たり前ですがリサーチで知れる情報があるのであれば、可能な限り多く、徹底的に行う必要があります。一方で、プロダクトを持っていない状態でリサーチできることには限界があり、最大でも1ヶ月集中してリサーチすれば済みます。逆に1ヶ月でリサーチが終わらないのであれば、よほど情報発見能力が高いか、短期間にフォーカスしてやるべきことをやるという実行力がないのどちらかです。
集中してリサーチを行い、アタリがついたら自分たちでつくりながら調べたり、探索したほうが世の中から良質なフィードバックを得られます。何も持たずにリサーチを重ねても本質的なイシューを見つけることはできません。自分たちで身銭を切り、何かを持つことによってこそ質の高いフィードバックを受けることが出来ると思います。
ここまでという基準はなく、徹底的にリサーチするべきです。興味のあるマーケットと顧客が抱えるペインについて、深くリサーチする必要があると思います。
例えば先日ツイートもしましたが、今は開発エンジニアに占めるデザイナーの比率が年々高くなっており、プロダクトのUI/UXで勝負が分かれる時代であることがリサーチするとわかります。そうすれば、自社の採用においても各ポジションをどのくらいの比率で採用するべきかに応用できますよね。自分の中でここまでという基準を設けず、徹底的にリサーチすることが大切ですし、その深さが勝負の分かれ目だと思います。
スタート前にリサーチをする必要はほとんど無いと思います。それよりも、顧客と向き合って課題を徹底的に理解すること、プロダクト作り、チーム作りにフォーカスすることの方が圧倒的に重要だと思います。もし過去の事例や市場の有無が気になるようであれば、せいぜい2-3時間ざっとググる(個人的な経験で、3時間以上ググっても情報の量も質も上がらない)か、起業家仲間やエンジェル投資家/VC、業界の有識者に意見を聞いてみる位で良いかと思います。
結論としては、まずはリサーチより先にユーザーと対話することが大事です。これはLayerX福島さんも仰っていたことですが、「市場から物事を見ず、インサイトから考える」ことが重要だと考えています。
例えば、ZoomはWebExやSkypeなど既に多くの先行プレイヤーがいる中、かなり後発のプレイヤーとして参入しました。しかし彼らは当時の既存サービスでは満たされていないユーザーがたくさんいたというインサイトをわかっていたので、後発ながらもここまで成長してきました。
似たような例で、Dropboxも同様に後発ながらグロースしたスタートアップですね。Google Driveなど多くのオンラインストレージがあった中、当時デバイスからデバイスへシームレスに遷移するときに、いちいちアップロードしたくないというユーザーのインサイトをわかっていたからグロースできたのだと思います。
そして、インサイトを見つける一番手っ取り早い方法は、ユーザーに会い、対話を重ねることです。市場規模や競合優位性を見つけるためのリサーチは、その後です。あくまでまずはインサイトを見つけることを最優先すべきだと思います。