音楽だけじゃない。エイベックスが誇る、世界中で支持されるアニメを生み出す「プロデュース集団」
Sponsoredアニメーション・実写など「映像コンテンツ」を核とした事業を展開するエイベックス・ピクチャーズ株式会社。2004年からその前身となる映像レーベルがあり、その頃からアニメのテレビシリーズや劇場作品を中心に、DVDやグッズ企画販売、イベントライヴ、海外展開、ゲームなど、作品の魅力を最大限に引き出す全方位型ビジネスを強みとしている。
具体的にどのような作品作りを行っているのだろうか。業界大手の企画プロデュース集団である同社の大山氏と飯泉氏に話を聞いた。
- TEXT BY TOMOMI TAMURA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
クリエイティヴと事業の両軸からアニメ作品をプロデュース
これまで、エイベックス・ピクチャーズはどのようなアニメ作品に携わってきたのでしょうか。
大山エイベックス・ピクチャーズは2014年に発足した会社ですが、エイベックスとしては、以前からアニメ製作に携わっており「頭文字D」や「おそ松さん」「KING OF PRISM」「ゾンビランドサガ」など、さまざまな作品を手がけています。
大山当社の強みはアニメの企画プロデュースだけでなく、宣伝・販促やイベント、海外展開など、アニメから広がるさまざまな事業を行う体制があること。エイベックスが持つさまざまなアセットを生かした「360度」ができます。
大山そのなかでも、僕らが統括しているのはアニメ製作のセクション。企画が通ればプロジェクトを立ち上げ、監督や脚本家、アニメ制作スタジオと共に、作品が出来上がるまでをプロデュースします。加えて、放送局や代理店、事業パートナーと制作委員会を作り、作品のマネタイズも考えています。
アニメ制作は、人も時間もお金も必要なので、数百人が関わる大掛かりなプロジェクトになります。その中で、クリエイティブと事業の両面をプロデュースするのが僕らの仕事。
数年後のヒット作になる「原石」を見つける
アニメ作品は、どのように企画しているのでしょうか。
大山漫画や小説などの出版物や、世の中の流行や話題にアンテナを立てて、アニメにしたら面白くなりそうな種を見つけていきます。
飯泉そうですね。お客様に楽しんでいただけそうな原作を見つけ、映像やゲームにしたら楽しんでもらえそうか、グッズになったら買ってもらえそうか、などの視点で企画を練ります。また、クリエイターと話をする中でオリジナル作品を企画することもありますよ。
大山たとえば「ゾンビランドサガ」は、ゲーム会社のサイゲームスとアニメ制作スタジオMAPPA、それから当社の3社が作ったアニメオリジナル作品です。原作を見つけるのではなく、ゼロから作っているので長ければ構想から放映まで4〜5年かかることもあります。
飯泉「おそ松さん」も、テレビシリーズを2期と劇場版を制作しているので、5年以上のプロジェクトになっています。
大山1作品短くても2〜3年、長ければ5年かかりますね。
飯泉20代後半に企画した作品が日の目を浴びるのは30代半ばだったりする場合もありますので、1作品1作品への思い入れは強くなります。ただ、企画した作品がすぐ世に出るわけではないので、今のトレンドばかりを見て企画の種を見つけるだけではいけないのかなとも思っています。
数年後のトレンドになる原石を見つけるような嗅覚も必要ですし、常に広範囲にアンテナを張っておく必要もあると思っています。
作った作品の反響は、世界中から得られる
数ヶ月でプロダクトを世に出すIT系のサービスとは違い、数年かけて作り込み世に出す作品だからこそ、それだけ大きな達成感とやりがいを得られそうです。
大山1本の作品を作るのは大変なことですが、その分その経験によって価値あるキャリアを築けると思います。
大山アジアやアメリカ、ヨーロッパなどからファンの反応をいただくことも多いので、アニメ作品が世界に広がっているという実感はあります。
現在、シンガポール、台湾、北京、香港、アメリカにもオフィスがあるので、海外チームと連携しながら、今以上に積極的な海外展開をしたいと思っています。
海外展開はもちろん、イベントなどの興行もエイベックスの強みを生かせそうです。
飯泉最近はイベントもとても増えています。エイベックス・ピクチャーズだけでも年間開催数は50を超えるのではないでしょうか。イベントと一言で言っても、作品そのものを楽しむイベント、「2.5次元舞台」として役者さんがキャラクターを演じるようなイベント、声優さんのライブなど楽しみ方も多様です。これらは、イベントプロデューサーと企画して作っています。
希少価値が高い、アニメの企画プロデューサー
エイベックス・ピクチャーズでは、どのような人が活躍できるのでしょうか。
大山アニメに限らず、エンタメが好きな人には良い会社です。人を喜ばせることや楽しんでもらうことが好きな人なら、活躍できるチャンスはたくさんあると思いますよ。
大山また、アニメ制作からグッズ制作、宣伝、イベントなど幅広い事業を展開しているので、「この作品のポスターが好き」「このCMが印象に残っている」「行ったイベントが面白かった」といった動機からでも、活躍できる場所はたくさんあります。
飯泉アニメや映像が好きなら、誰にでもチャンスはあると思います。僕はもともと漫画が好きで、その漫画をアニメにした会社があって興味本位で応募したところからアニメ制作プロデューサーの道が拓けたんです。
当時はパソコンも触れないし、もちろんプロデュース経験もありません。ただの漫画が好きな少年だったので当然アニメ業界のことも知らない。だけど、一つの興味から今につながっているので、エンタメが好きなら新しいキャリアの選択肢として考えていいと思います。
飯泉アニメ制作のプロデューサー人口は多くはないと思いますので、ゼロイチで作品を作ること自体に大きな価値があるんです。希少な人材だからこそ、例え携わった企画が厳しい結果だったとしても、批判する人なんてそうそういないと思います。経験者が多くはないからこそ、社内外を通じて同じ職種の人同士、知識や経験を共有しながら、プロデュース力を磨いていけると思います。
大山そうですね。年間で世にでるアニメの本数は数百本ありますが、それに対してプロデュース人材の数が追いついていない現状があります。
エンタメが好きで、アニメが好きで、自分でアニメ作品をプロデュースしてみたいという強い意志を持った方と一緒に仕事をしたいと思ってますので、ぜひお待ちしています。
こちらの記事は2019年01月29日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
田村 朋美
写真
藤田 慎一郎
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