“映像メディア”が、新たな事業家集団を創る──リクルート超えのポテンシャル持つブルードの創業者・田中彰太の野望に迫る
Sponsored2010年代を大きく変えたのはスマホシフト。一人一台スマートフォンを持つのが当たり前になり、PCだけでないデジタル化の波が一気に押し寄せている。そして2020年代は検索エンジンに頼るSEOから、動画メディアへのパラダイムシフトが進みつつある。その最先端にいる企業をご存知だろうか?ブルードだ。
動画によるマーケティングで強固な集客基盤を確立し、新規事業を次々と創出する構想を温める。あのリクルートをも凌駕せんばかりのポテンシャルを最大限に発揮し、近いうちに「新たな事業家集団」を構築しようとする野望が、いよいよ現実味を増し始めているのだ。
市場自体はコロナ禍で足踏みこそしたものの、グローバル化の波がまた高くなっていくのはおそらく間違いない。事業・プロダクトを積み重ね、「定住外国人のライフインフラ」を創出するためのユニークな戦略を、詳しく聞いた。
- TEXT BY SATORU UENO
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
マーケティングの最先端“映像メディア”で、ジャイアントキリングを起こす
最先端マーケティングの現場は今、どこにあるのだろうか?大企業であればやはりP&Gがまずは浮かぶだろうし、サービス群で巨大な集客基盤を持つリクルートもその一つかもしれない。新興企業ではレバレジーズといったベンチャー企業も注目度が高まり続けているし、ラクスルの『ノバセル』を挙げるスタートアップパーソンも少なからずいるだろう。
そんなレッドオーシャンで、“動画”を手段として業界変革を起こそうとしているスタートアップがブルードだ。代表の田中氏は「近い将来、リクルートを思い切り乗り越える事業体になれるポテンシャルがある」と力強く語る。
田中メイン事業である留学関連事業の集客は、広告やSEOよりも、映像メディアからの集客に集中させてみた結果、非常に高い利益率を誇っています。動画による集客に集中して事業を成長させ続けている企業はまだ日本に少ないはずで、留学関連市場においては間違いなく唯一無二でしょう。
もっと言えば、「集客(マーケティング)における資本効率」は今、日本一ではないかという自負があります。
この手法を駆使して、新規事業をどんどん創出していくフェーズにこれから入っていきます。
もちろん、事業規模で言えば、先述の大企業たちとの差はまだ大きく、資本効率を単純比較できるわけではない。だが、ポテンシャルが大きいというのは確からしい話だ。
動画コンテンツの市場規模は少なくとも2018年度から3年連続で約7~8%の成長を見せており、2022年度の予想では11%増とさらなる成長が見込まれているというデータがある(矢野経済研究所による)。今後活用が広がる新たな集客チャネルとして、拡大する可能性は大きいと言えるわけだ。
だが、田中氏が動画に目を付けたきっかけは決して突飛なものではない。知人が動画メディアを運営していた、というだけだ。突然ふと「ビジネスに転用できているクリエイターが少ない」という事実から、ピンときた。
田中SEOのように、VEO(Video Engine Optimization)なるものが成立すると感じました。消費者の情報入手経路で、徐々に動画の存在感が増してきており、長い目で5~10年を見据えても、ずっと伸びていくであろうことは明白です。
そして実際に取り組んでみて、とても驚きました。動画を活用したマーケティングでは、リードの転換率や受注確度といった数値が高い。それも、誰の目にも明らかなほど、です。
このことに気づいてからは、ひたすら実行、仮説検証、実行と進めていきました。とにかく流入が大きなキーワードから逆算して、動画を作ってきたわけです。たった2年ほどで取扱高を二桁億円まで一気に拡大できました。この勢いはさらに加速できそうで、2025年には200億円、2030年には1,000億円まで伸ばす計画です。
そのためにはさまざまな事業をこれから創出していく必要があるのですが、集客基盤が整ってきたので、今すごく楽しみな状況なんです。
将来構想を笑顔で語る田中氏。その裏側に、動画マーケティングという大きな強みがあるのだ。最先端の領域で勝ち筋を確立し、これからは人々の国際移動に関する事業を連続的に立ち上げようとしている。それが、ブルードというスタートアップなのだ。
ターゲットの行動変容まで設計。
“動画の活用”は産業のパラダイムシフトに
動画でのマーケティングで大きな成果を創出し始めていることは、ここまでだけでも少しつたわってきただろうか。と言っても、それがいかに強い戦略であるのか、具体的に思い浮かべるのは難しいと感じる読者も多いことだろう。田中氏も「なかなか伝わらない」と苦笑いを見せるのだが、裏返してみれば、それは「最先端を行っているという証左」でもあるはず。
そこでせっかくなので、イメージをもう少し膨らませるため、具体的な取り組みについて説明してもらった。
田中例えば、「オーストラリア ワーホリ」というキーワードで狙う場合には、オーストラリアの風景や留学先の学校の雰囲気、カリキュラムの内容などを入れる。画像と文字だけが並ぶサイトよりも、情報量が多くなるようにします。加えて、切り口を「費用」にしたり、「よくある失敗」にしたり、「ワーホリ前にフィリピン留学」にしたりと、ユーザーの検討フェーズを想像してコンテンツを分けます。
そんな風にコンテンツを蓄積し、ほとんどYouTube/Instagram/TikTokだけで伸ばしていきました。これはやはり、留学に関する社会課題をしっかり理解して狙わないと上手くいかないと思います。以前は私の留学経験を基にして、最近はデータやアルゴリズムをハックするのが得意なメンバーの力も発揮してもらいながら、整理しています。
ターゲットを明確にし、認知から行動変容に至るまでの設計を、動画コンテンツによって徹底的に実行している。「どの動画に対しても『誰の何の課題をどう解決しているのか?』という一番初めのコンセプトは細かく詰めている」と田中氏は力説する。
例えば「StudyInネイティブ英会話」チャンネルであれば、10代~20代で英語を学んでいる方の大きな課題は「英語の勉強が続かない」ということ。そこを面白さで乗り切るために、ゲーミフィケーションの要素を入れて、ずっと見続けて気がついたら勉強できている状態にしているのだ。
留学支援事業のターゲットとなる若年層にアプローチするために、映像メディアほど親和性のある手段は少ない。さらに、この映像メディアマーケティングという手法は留学希望者にタッチするだけでは終わらないのだ。
田中キーワードごと、言い換えるならそれぞれの動画の目的となる受注のサイズごとに、転換率は当然変わります。例えば、どの国に留学するか、長期留学なのか短期留学なのかなどによって、ですね。
最適な動画コンテンツを創り続けられるように、最近では企画段階からメンバーだけで運営できる仕組みを構築しており、さまざまジャンルのチャンネルを立ち上げるために映像メディアチームの拡張フェーズに入っています。
具体的に聞いていけば、SEOをはじめとした基本のマーケティングに忠実であることがわかる。と同時に、“動画”というだけで違いを生み出せるのならばもっと参入が増えてもいいはずだとも感じられる。
だからこそブルードはこのタイミングでギアを上げ、後続を突き放しにかかるというわけだ。
田中極端なことを言えば、2010年代にはスマホが一気に普及したことで、PCサイトだけでなくスマホでのUI/UXを踏まえたサービスが大きくなったわけです。
『ヤフオク!』は、スマホシフトがスムーズでなかったがゆえに、その市場の多くをメルカリに奪われました。この例と同じような、大きな事業を行っている企業をひっくり返すジャイアントキリングができると思っています。
“動画の活用”は、各産業のパラダイムシフトまで起こす可能性を秘めているんです。逃してはいけない波が来ていると感じますね。
「ちなみに、具体的にどの企業をひっくり返したいのか?」と取材時に投げかけてみると、「強いて挙げるならば……。リクルートのメディア&ソリューションの各事業じゃないでしょうか」と臆することなく答えた。
ブルードは手始めに海外留学の旅行事業を手掛けた。これはリクルートで言えば『じゃらん』の旅行事業にあたる。
巨大企業の手掛けるサービスを、じわじわとひっくり返していく、そんな野望を抱いているのだ。
「グローバル」という世界的潮流を加速させる
さて、ここまで見てきた「映像メディアマーケティング」を駆使し、YouTubeやTikTokなどの動画で英語を勉強できるStudyIn事業を特に順調に伸ばしてきたブルード。実は長期的目線に立った狙いとして、「『留学メディア事業』と呼んでいますがこれは、国際移動のサポート事業なんです」と田中氏は明かす。
現在の全体像は、留学先の国選定やタイミングに関する情報提供から、実際のビザ取得の手続き、そして現地留学先までのサポートまでを一気通貫で行うサービスだ。
そして、構想はこの「アウトバウンド領域」にとどまらない。インバウンドも同様に、田中氏が力を入れる領域だ。しかも、留学にとどまらず、訪日外国人が利活用できる総合的な情報プラットフォームこそ、目指す姿なのである。
市場ポテンシャルの大きさに改めて触れたい。新型コロナウイルス感染拡大前夜の2019年時点で、過去10年間で訪日客は約3倍、出国者も約1.3倍に増加している(日本政府観光局の推計による)。インバウンド、アウトバウンドの増大は世界的な潮流とも言える。
こうした国内外の人の流れに対応するため、すでに展開している留学を軸とした3つほどの事業に加え、訪日外国人向けのeコマースや、訪日外国人が日本で働くための介護事業者とのマッチングプラットフォームなども立ち上げ始めている。
田中「より多くの人に、グローバルという選択肢を。」というミッションを達成する上で、インバウンドを加速させつつ、一人ひとりがより良い生活を送ることができるようにするのも、当然ながら私たちの事業領域です。そのために、ゆくゆくは訪日外国人のライフインフラを整える情報プラットフォームを創りたいと考えているんです。
外国人が日本を訪れ定住するに至るまでには、旅行、留学、就労と段階を踏むので、旅行や留学に今力を入れているのは、あくまで入口という位置づけなんです。留学から派生して、就労という観点では外国人と介護事業主をマッチングするサービスを、そして観光やレジャーという側面では外国人の訪日旅行に対してアクティビティのチケットを売るeコマースの事業を立ち上げています。
旅行や留学を通じて複数のタッチポイントを持ち、そこで生じる負を解決するものです。
海外旅行やレジャーをあっせんするサービスは、世の中に少なくない。訪日旅行客に向けたサービスといえば、あのAirbnbがすでに展開している。ドイツにはレジャーや現地ツアーのオンライン予約を扱うウェブサイトやアプリを運営するGetYourGuideが、そして香港にもKlookという有名なスタートアップがある。
「いずれも、ソフトバンクのビジョンファンドから400億円以上を調達しています」と田中氏は語る。そしてこの現状を、むしろ“チャンス”と見ている。
田中旅行のマーケットは非常に大きいのですが、彼らは日本の領域で必ずしも勝てているわけではありません。日本語はニュアンスが難しいので単純に機械翻訳にかけたところで、質の良いコンテンツを生み出せるわけではないからです。言語の壁はまだ高いんです。
それに、こうしたサービスは手数料が高くなりがちなため、海外企業が日本国内の事業者に対して営業活動を行っても、導入まではなかなかスムーズにいかないでしょう。
UXを洗練させていくという点でも、細かな改善が必要になるので、私たちが先行者としての優位性を発揮できる部分です。いずれ札束で殴り合う世界になっても、勝ち筋が見えると思っています。
「札束で殴り合う」とは、各企業が大規模な資本を投資して戦い始める世界観を指した表現だ。そうなれば、地力の強さが明暗を分けるわけであり、そのための蓄積をブルードは今おこなっているのである。
コロナ禍が本格的に明けていけば、世界的なインバウンド・アウトバウンドの需要は一気に高まる未来が予想できる。すでにソフトバンクが数百億円単位で資金を投入していることからも、将来的には非常に大きな市場になる可能性があるとも言える。そこで優位性を発揮できるかどうか、田中氏は誰よりも早く取り組みを進めようとしている。
夢を追いかけるプロセスを一生続けたい。
それには、経営者しかない
ブルードが目指す企業像は、“ライフチェンジ・インフラ企業”だ。その背景にある「海外へのこだわり」を燃やし続ける源や、起業家・経営者として走り続けられるマインドセットが生まれた背景にも、ここでしっかりと迫りたい。
起業家を志すタイミングは十人十色だが、田中氏は比較的早期に覚悟を決めた。「19歳の頃、経営者として生き続けると決めました」と語る。
田中高校までずっと野球に打ち込んでいて、「プロ野球選手になる」という強い意志を持っていました。ですが結果的に、それを諦めることになってしまい、猛烈な喪失感に襲われたんです。
でも、人生において得られたものはありました。練習は辛かったけど「夢を追っているプロセスが好き」と野球を通じて思えたということです。それが死ぬまでずっと続く仕事をしたいと考え、“経営”に行き着きました。
経営者を目指す中で、将来会社を大きくするために英語力は必須だろうと思い、サンフランシスコに留学する決断をしました。その中で、「多様性のある環境は人の創造力と可能性を膨らませ、人生を豊かにする」という気づきがありました。この経験を、より多くの人たちに広げるビジネスを実現することに人生を賭けようと決心したんです。
日本に帰ってからは、創業間もない時期のリジョブに就職。「社員番号は13番、若いですよね」と笑って振り返る。ビジネス経験がまだない中、とにかくがむしゃらに働いた。
田中死にものぐるいで「何とかする!」というマインドセットを育んでくれました。僕の入社条件は「フルコミッション営業で月20万円稼ぐ」という目標をクリアすることだったんです。営業はそれまでやったことが無かったのですが、誰も助けてくれないからとにかく行動するしかない。「恥ずかしい」とか「周りの目が……」とか、そんな甘いことを言ってはいられません。
ある時、新規事業のキャンペーンで「図書カードを配って新宿駅南口前に行列を作る」という仕事があったのですが、僕がもたもたして手間取っているところを、当時のリジョブの社長の望月さんは一瞬で配って長蛇の列を作った。そのとき「あ、これが起業家の突破力なんだ。目的のためには笑われようがどう思われようが、無視してやるんだ……」と思わされたのが、今も鮮明に記憶に残っています。
これを目の当たりにして、その後なんとか成果を残すことができるようになりました。事業開発担当としてハードワークし続けた経験が、やはり今の僕を作っていますね。
そんな時期を経て、田中氏は起業を果たす。だがもちろんこの後も、失敗にぶつかる。それも、次から次へと、受難が待ち受けていた。
田中一番辛かったのは数年前、三軒茶屋のオフィスに引っ越した頃です。社員が一斉に10人くらい辞めてメンバーが3人くらいになりました。
当時はフィリピンの留学専門サイトを運営していたのですが、自分がマネジメントできずに、みんな他社に移っていってしまった。一瞬だけ会社を畳むことも考えましたが、「経営者として生きる」と決めた以上は、仮に会社を潰してももう一度立ち上げるだけだと思ったんです。だから、このまま踏ん張ろうと思えました。
この踏ん張りにより、細い道を歩みながらも徐々に会社を成長させていった田中氏。ところが、再びハードな出来事が降り注いだ。それは新型コロナウイルス感染拡大だ。留学や旅行業界は、コロナで最も打撃を受けたビジネスの1つといえる。ブルードも例外ではなかった。
だが、驚くべきことに「ブルードの落ち込みは半減だけで済み、すぐに持ち直しました」と明かす。一体どのように乗り越えたのだろうか。
田中まずは冷静になって、コロナ禍が2年続いてその間売上がなくても大丈夫なようにキャッシュを確保しました。コストカットと借入ですね。続いて、渡航禁止が出てしまい物理的に留学に行けなくなるのを逆手にとって、新たなニーズを捉えようと考えたんです。
旅行業にとっての“冬の期間”を凌いでいるうち、半年後の2020年後半にはカナダやオーストラリアがいち早く留学生の受け入れを開始した。これを皮切りに、留学の案内を再開。営業チームの努力の甲斐あって、予想より早く売上は回復した。田中氏の経営手腕が垣間見えるエピソードだ。
素早く状況を読み、最善の準備をしていたからこそ、新しいニーズを発見できた。同時に田中氏は、さらなる事業成長を見越して採用と仕組み化を強化し始めている。
田中リーマンショックのように一時的な不況に陥ったときには、企業はコストカットのために人員を削減するもの。そのときにこそ、むしろ積極的に採用をするんです。採用効率も採用のリードタイムも格段に短く、競合他社のマネージャーや支店長クラスの人材がブルードに可能性を感じて入社を決めてくれました。結果、2022年の現在は一人当たりの売上単価も格段に上向いています。
また、営業体制もかなり丁寧に構築しました。ファネル設計を特に精緻に行い、各KPIを細かく明確化して、営業一人あたりの労働生産性を競合他社の2倍以上にしようと頑張っています。
セールスの人材要件は非常にシビアにしています、具体的なところは明かせませんが(笑)。競合他社には居ないような人材を集めることができていると思います。
苦境にあっても、したたかに行動していくことこそが、スタートアップとして生き延び、非連続な成長を生み出す術だとよく言われる。それを自然体で実行し続けるのが、田中氏とブルードの強さと言えそうだ。
目指すは「7年以内に1,000億円の売上規模」。
非連続成長を生む新規事業を創出し続ける
逆境を好機ととらえ、事業や組織を拡大させてきた田中氏。その“胆力”の源は、やはり多分に漏れず、数々のハードシングスだったと伝わっただろうか。
そして昨今は、「世界を代表する、ライフチェンジ・インフラ」を目指すべく、多角的に事業を創出し、育てている。
田中ブルードがなぜ留学や旅行から手掛けているのか。それは、日本に住む外国人のデータプラットフォームを構築したいからです。留学や旅行から一定数、日本に住む人が出てきて、彼らが住む上でのあらゆる負をすべてのタッチポイントで解決できるようにしていくんです。
例えば、入国したばかりでは信用がないから銀行口座を作れないとか、家を借りられないとか、仕事が見つからない……とか。
介護領域での外国人人材のマッチングは、そうした課題を解決するHR事業として立ち上げ始めたというわけです。
国は外国人留学生の受け入れについて、当初の目標だった30万人からさらに増やす考えを示しています。外国人特定技能生も、今後さらに増えていくでしょう。外国人にとっては日本語の壁と賃金の壁があるので、すぐに激増とはいかないかもしれませんが……。
こうした構想に基づいて事業を大きくするためにも、多額の資金調達は今後必要になってくると思います。僕らはまだ、VCからの大規模な資金調達をしていません。新たな事業を創出していきながら、最適なタイミングをうかがっています。
エクイティファイナンスを公表していないスタートアップに対しては「借り入れと自己資金で事業を行なっていくのだろう」というポリシーを持っていると感じる人もいるだろう。さらに言えば、「非連続的な成長を描いていない」というイメージすら持ってしまう可能性もあるだろう。
だが、ブルードに関して言えば、それは明らかに誤りなのである。
田中既存事業の成長角度はすでに十分高いのですが、これからはより大きな成長を志向していきます。そのために、インバウンド領域の事業を複数開発していくんです。スケールしやすいビジネスモデルを検討し、エクイティファイナンスも当然のように活用していきます。より大きな成長率を残していけるように考えるなら、やはり新規事業を創出し続ける必要があります。その構想が今、広がるばかりで、楽しいです。
「8年以内くらいで、1,000億円の売上規模にまで成長させられれば」。田中氏の口から出た数字は、一見非常にチャレンジングにも思えるが、現実味を帯びてきているとも感じられる。「今すぐではなくても、30年くらいかけてマーケットで一定のプレゼンスを出せればいいと思っています」と語るその口調は、力強い。
動画を活用した最新のマーケティングを強い武器としてさらに磨きながら、非連続的な成長を生み出す事業を生み出し続け、種まきと水やりを着実におこなう。10年後、「非連続成長を生む新事業」という大輪の花が、いくつ咲いているのか。想像するだけで楽しみな企業である。
こちらの記事は2022年09月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
上野 智
写真
藤田 慎一郎
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