連載未来型国家エストニア。 爆発的に生まれるスタートアップ60選。
未来型国家エストニア。
爆発的に生まれるスタートアップ60選。(後編)
スタートアップが群雄割拠する電子大国エストニア。
あなたはエストニア発スタートアップを何社挙げられるだろうか。
1億ドル以上を調達したフィンテックの巨人から、日本でもサービスを展開する語学学習アプリ、未だ小規模ながら勢いに乗るハードウェアベンチャーまで、
シーンを彩る60社を紹介しよう。
- TEXT BY FastGrow Editorial
コンサルティング
Sorry As A Service
顧客維持サービスを企業に提供しているコンサルティング企業。クレームや問題が発生した際、ハンドメイドギフトやメッセージカード等を送り顧客の解約率減少に貢献する。
SportID
企業の従業員向けサービスとしてスポーツジムとの契約や支払いを一括して代行している。スポーツジムには新規顧客獲得や顧客管理を代行する形でサービスを提供。
Testlio
モバイルアプリのテストサービスを提供する。クライアントは世界中のテスターによるレビューを即座に得て、製品の開発に活用することが出来る。2015年に500%を超える成長を見せた急進のスタートアップだ。
シェアリングエコノミー
Autolevi
自動車界のAirbnb。所有者から直接自動車を借りることが出来る。2013に創業し、エストニア、フィンランド、ラトビアでサービスを展開。
Barking
IoTを活用し、使用されていない個人や企業所有の駐車スペースをドライバーに貸し出すサービスを提供。
Clickatick
観光地やアクティビティ、イベントのチケットをCtoCで取引するプラットフォームを運営している。
ソフトウェア・システム
AirPatrol
冷暖房器具を帰宅前にスマートフォンで屋外から操作できる次世代のコントローラーアプリを開発、販売。三菱やPanasonic等、日本製品にも対応している。
Erply
簿記や在庫管理など標準的な企業用アプリを幅広く開発・販売。大企業市場ではなく、中小企業向けに独自の低価格で展開する。
MRPEasy
これまで主に大企業向けであり複雑で使いこなすことが困難だったMRPシステムを、中小規模のビジネス向けにシンプルに使いやすく改良し安価で提供している。
Pipedrive
140以上の国々で50000以上の顧客に使用されているCRMソフトウェア。顧客にはアマゾンやスカイスキャナー、Vimeoなどが含まれる。2016年にはthe Best Employer in Estoniaを獲得。これまでに3170万ドルを調達。
Plumbr
Javaアプリケーションの開発においてアルゴリズムと蓄積された知見により、70分以内にメモリーリークを発見するサービス。2015年時点で世界に100以上の顧客を持ち、その中にはNATOやNASA、Dellなどが含まれる。
Voog
豊富なデザインのWEBサイトやECサイト、ブログの作成が特別なコンピューターの知識無しで感覚的にできるサービスを提供している。
Weps
マイクロビジネスに向けて、AIチャットボットからの質問に答えるだけで目的に合ったWEBサイト自動作成されるサービスを提供している。
ZeroTurnaround
80カ国65000アクティブユーザーに使用されている革新的なJava開発ツールを提供している。代表的なクライアントはオラクルやHP、Bosch等。
ブロックチェーン
Guardtime
世界最大のブロックチェーンセキュリティ企業。「世界の情報を検証し、普遍的に信頼できるものにする」をミッションに組織内及び組織間のソフトウェア・物質・情報のサプライチェーンの強化及び非効率の排除を行う。
ライフスタイル
Faralong.com
レビューに基づいて厳選された世界各地のローカルガイドによるツアーやアクティビティを手頃な価格で提供するオンラインマーケットを運営。
Shipitwise
旅行者が旅先に持っていく荷物を自宅から滞在先までドアtoドアで配送するサービスを提供するプラットフォームだ。利用者はほんの数クリックで身軽に快適な旅行ができる。
Teleport
住宅費、スタートアップの活性度、治安、教育の質などの様々な観点から、自分の生活と仕事に最適な都市を教えてくれるサービスを運営。
交通
Ridango
公共交通機関においてICTを用いてサービスの改善などのソリューションを提供している。現在エストニアとスェーデンに展開。
Taxify
20カ国25都市で70万以上のドライバーに接続可能なタクシー配車アプリ運営会社。75名の従業員で150万USDの資金を調達した同社は、バルト3国の中で最も成長著しいトランスポートテック企業の一つ。
TaxiStartup
タクシーとリムジンの配車アプリを展開している。世界50カ国で展開し、クレジットカードでの支払いを受け付け。TechCrunchやForbesに掲載されたことがある。
情報共有・コミュニケーション
AddGoals
人生を謳歌したいアクティブな人々を繋げるプラットフォーム。目標を達成しようとする人々が経験を共有する環境が、お互いをモチベートする。
Clanbeat
チームマネジメントにおけるマネジャーとメンバーの1対1でのコミュニケーションを円滑にするサービスを提供。代表的な顧客としてはボルボやエリクソンが挙げられる。
Contriber
プロジェクトチームやパートナーとの連携をより効果的に、より人間的に、オンラインで行うためのソフトウェアを提供している。
Deekit
リモートチームの共同作業を円滑にするオンラインホワイトボードを提供。ボードのサイズ制限なし、あらゆるデバイスから接続可能で画像や文章はもちろん、ビデオやスプレッドシートを貼り付けることも出来る。
Fleep
元Skype従業員による次世代のメッセンジャーアプリ。メッセージを送りたい相手がFleepユーザーでなくても、メールアドレスを打ち込むことでFleep上でのグループチャットに加えることができる。
GrabCAD
デザイナー、エンジニア、製造メーカーのためのオンラインコミュニティーを運営している。384万のメンバーがアイデアの共有やチームプロジェクトを行う。これまでに1362万ドルを調達。
Skype
Skypeは最も有名なエストニア発ベンチャーの一つだろう。今も多くのスタートアップがSkypeの元従業員によって創業されている。
Sportlyzer
子供やアマチュアのスポーツクラブのマネジメントソフトを提供している。コーチ、監督、チームメンバー、親を繋げ、また、選手の成長もサポートする。
Teamweek
チームマネジメントアプリツールを提供している。高度に視覚化されたカレンダー式のインターフェースにより効果的なマネジメントが可能になる。
Toggl
オンラインのタイムトラッキングツールを提供している。同セグメントの中で過去4年間で最も早く成長した同ソフトウェアは、世界で70000のビジネスで利用されている。
Weekdone
チームの状態を容易に把握できるツール。マネージャーとメンバーがそれぞれの成果や進捗状況を一覧できたり、外部のパートナーとの連携をスムースに行えるようにすることで、チームが効率的に動くことを可能にする。
製造業
Ampler Bikes
高いデザイン性と機能を誇る電動アシストバイクを開発、販売。人々の移動を容易で快適にする。
Digital Sputnik
柔軟性、モジュール性、携帯性に優れた照明製品を開発。映像作成の現場における不便を解消し、小規模なチームがクリエイティブに注力することを可能にする。
Skeleton Technologies
特許を有する技術はエネルギー貯蔵システムに革命をもたらしている。従来製品の2倍のエネルギー濃度、4倍の動力濃度を誇り、ヨーロッパのNASAである欧州宇宙機関(EESA)で利用されている。これまでの総調達額は3350万ドル。
SprayPrinter
スプレーに取り付けてスマートフォン内にある画像を壁に描くガジェットを開発・販売。描く画像と場所を決めれば、後はスプレーをかざすだけで絵が出来上がる。
Starship
環境に配慮した自動宅配ロボットを開発している。ワシントンD.C.とカリフォルニアでのテスト走行やメルセデスとの協業、2017年夏のドミノピザとの提携試験運用など、話題に事欠かない。総調達額は1720万ドル。
Stigo
折りたたみ式電動スクーターの開発・販売を行っている。世界最速の1.5秒で折りたたみが可能で、屋内はもちろん、公共交通機関への持ち込みも可能だ。
投資
Bondora
欧州個人借入の債権投資のオンラインプラットフォーム。世界37カ国9000の投資家から3500万ユーロが供給され、400万ユーロの利息を受け取っている。
Funderbeam
ブロックチェーンにより保護された個人投資家向け非公開株式のマーケットプレイスです。初期段階のスタートアップへの投資が100ユーロから可能。
Fundwise
中東欧エリアの中小規模のビジネスへのクラウドファウンディングプラットフォーム。これまでに9300人から総額77万5000ユーロが調達された。
総評
私たち日本人にとってはあまり馴染みがないものの、Skypeを生むなど、IT・スタートアップ大国として強い存在感を放つエストニア。
今回はそんな群雄割拠のスタートアップシーンから、多種多様な60社をまとめて紹介した。
一口にスタートアップと言っても非常に幅広い企業があることがわかるだろう。
意外性や面白さなど、なにか印象に残る企業はあっただろうか。
このリサーチが皆さんの世界のベンチャーシーンへの認識を広げるきっかけになれば幸いである。
各企業に関する情報は、各企業のホームページやcrunchbase及び過去に登場したメディアから収集した。
こちらの記事は2017年06月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
FastGrow編集部
連載未来型国家エストニア。 爆発的に生まれるスタートアップ60選。
2記事 | 最終更新 2017.06.28おすすめの関連記事
「国策」と「スタートアップ」は密な関係──ユナイテッド・PoliPoliが示す、ソーシャルビジネス成功に必須の“知られざるグロース術”
- ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員
【トレンド研究】デリバリー市場の裏に潜む革命──クイックコマースと最新技術が変える「生活の新常識」
- 株式会社出前館 代表取締役社長
経営者は「思想のカルト化」に注意せよ──企業規模を問わず参考にしたい、坂井風太とCloudbaseによる“組織崩壊の予防策”
- 株式会社Momentor 代表
「エンプラ事業のセールス、相当アツいです」──人材育成とポートフォリオ戦略に強いRAKSULが放つ、セールスキャリアの拡張
- ラクスル株式会社 執行役員 / ラクスル事業本部 Marketing&Business Supply統括部 統括部長
令和のスタートアップは、“Day1意識”と“半歩先”を同時追求せよ──組織・事業の成長を両立させるX Mile COO渡邉とファインディ CEO山田による経営論対談
- X Mile株式会社 Co-Founder COO
「オープンイノベーションに絶望したあなたへ」──協業に泣いた起業家が、起業家を救う?UNIDGEに学ぶ、大企業との共創の秘訣
- 株式会社ユニッジ Co-CEO 協業事業開発 / 社内新規事業専門家 連続社内起業家
採用戦略の真髄は“狭報”にあり──インキュベイトファンド×DNX Ventures×FastGrow スタートアップ支援者が見る採用強者の共通項
- インキュベイトファンド株式会社 コミュニティマネージャー
「もはやシニア“も”含めた戦略が必須の時代に」──シニアDXで大手との協業多数。オースタンス主催の国内最大級カンファレンス“AEC2024”とは
- 株式会社オースタンス 代表取締役社長