社長アイデアも、起点の一つでしかない──急成長SaaS企業FLUX、若手メンバーの躍動と才能開花を引き出す「バリュー浸透」のリアル

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インタビュイー
齊藤 郁馬

アドネットワークを運営する企業でサプライ・デマンドセールスおよび新規事業開発に従事。その後、株式会社Speeeにて自動車メーカーなどのデータドリブンマーケティングを支援した後、株式会社FLUXに入社し、取締役CROに就任。

酒井 芳樹
  • 株式会社FLUX AutoStream事業本部ビジネスデベロップメントチーム リーダー 

同志社大学を卒業後、メガバンクに入行し法人営業担当として企業の資金調達業務に従事。その後ウェディング関連事業での起業や、大手総合広告代理店勤務を経て、コンサルティングファームに事業開発チームの立ち上げメンバーとしてジョイン。新規事業開発コンサルティングを主として、スタートアップから大企業まで様々な企業の事業開発を支援。2022年のFLUXジョイン後は、ビジネスデベロップメントチームにて新規事業創出を行うチームを率いる。

菊地 哲朗
  • 株式会社FLUX Data & Communication本部 事業管理部 事業戦略グループ マネージャー 

東京大学を卒業後、新卒で株式会社フロムスクラッチに入社。SaaSプロダクト『b→dash』の営業に2年間従事し、インサイドセールスからフィールドセールスまで経験。当時の営業受注金額トップ記録を達成。その後CSに異動し、最大MRR500万円の案件を担当。保有クライアントのCSを行うと同時に、クライアント向けのプログラム作成も実施。2022年にFLUXにジョイン。

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2018年の創業以来、ARR10億円到達に向けて国内最速レベルのスピードで成長を遂げているFLUX。

独自の特許技術である「id」を活用したマーケティングSaaS事業を展開し、顧客が体験するデジタル上のタッチポイントを全て統合させ一気通貫でサービスを提供する“デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(Digital Experience Platform、略してDXP)”の完成に向けて、急速に事業開発、組織拡大を進めている。その急成長ぶりに、今最も注目を集めるスタートアップだ。

そんなFLUXの実態に迫る本連載では、これまでCEO永井氏をはじめとする経営陣の能力値の高さや、その特異な開発組織、そして投資家からみた魅力など、多方面から深掘りしてきた。ここで気になるのが、“現場”からみたFLUXの実態だ。

どれだけ優秀な経営陣が揃っていようとも、そのカルチャーや方針が現場にまで根付いていなければさらなる成長は期待できない。猛スピードで成長を遂げ、壮大なビジョンを描くFLUXの現場では、どのようなメンバーが、何を考え、どう働いているのだろうか?

今回は、業務委託から正式ジョインを決断し現在取締役CROを務める齊藤郁馬氏と、2022年に入社したばかりのFLUX Autostream事業本部ビジネスデベロップメントチームリーダー酒井芳樹氏、同じく事業管理部事業戦略チームリーダーの菊地哲朗氏の鼎談を実施。

全く異なるキャリアを歩んできた3名は、FLUXの何に魅力を感じ、ジョインを決めたのだろうか?そして、実際に現場で働く中で感じるFLUXの魅力とは何なのだろうか?忖度なしのリアルに迫った。

  • TEXT BY SAE OTA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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入社前から惚れ込む、CEO永井氏の特異性

現在CROとして、FLUXのメインプロダクトの一つであるウェブサイト作成サービス『FLUX CMS』の事業責任者を務める齊藤氏が正式にFLUXにジョインしたのは2020年のこと。

新卒では医療機器の専門商社で営業に従事していたが、後にIT業界に転向。アドネットワークの営業や新規サービス企画を行い、2018年にはSpeeeにジョイン。データドリブンマーケティング支援を行う部署でストラテジックプランナーを務めるなど、多様なキャリアを積む中でFLUXに出会った。

2018年のFLUX創業時には既に、かねてからの顧客であった取締役CBDO平田慎乃輔氏から入社の誘いを受けていたが、当時は実際のプロダクトがまだなかったため、自身がどのように関わり、貢献できるかのイメージが湧かなかった。その後1年半の間、業務委託という形で関わっていく中で、新プロダクトの提供構想とともに改めてオファーを受け、快諾。その理由は、Speeeでの経験等も踏まえ「今なら大きな役割を担うことができると思ったから」だった。

とはいえ、自身のキャリアにとっては重要なタイミング。なぜFLUXを活躍の場として選んだのだろうか。強調したのは経営陣、特に代表取締役CEOの永井元治氏についてだ。

齊藤FLUXを選んだ理由は、大きく分けて「人」と「フェーズ」の二つです。

まず、FLUXの一番の魅力は、経営陣の優秀さにあります。複数社を経験した僕が特に驚いたのは、CEOである永井の能力の高さ。僕自身、アドテクに関する知識には一定の自負がありましたから、この領域のバックグラウンドのない永井に対しても何かしら伝えられることがあるだろう、と想定していました。ですが、そんな考えはすぐに撤回せざるを得ませんでした。

永井のインプットの速さは尋常ではなく、その筋の良さはこれまで出会ったひとの中で圧倒的。なるほど、これだけの優秀な経営者がいるからこそ、新しい領域での良いチャレンジが多くできそうだ、これは面白い経験をし続けられそうだ、と感じました。

株式会社FLUX 取締役CRO 齊藤郁馬氏

加えて、オファーをもらったタイミングも決定打となった。

齊藤スタートアップでは「どこの企業にいたか」よりも「その企業のどのフェーズを経験したか」の方が重要です。

まだプロダクトがはっきりあるわけではなく、事業の方向性も変わりうるような創業フェーズという、スタートアップにとって非常に重要な時期に経営ポジションで働くことができるというチャンスは、30年に1度あるかないか、くらい。自分のキャリアにとって最大の機会だと思ったのです。

米国でも、ユニコーン企業に社員番号一桁目、二桁目に入社した人がその後に大きく活躍している事例は少なくない。起業したり、また別のスタートアップに転身したりして、スタートアップエコシステムそのものを力強く支えている。

そんな背景も意識して、同じく「人」と「フェーズ」に魅力を感じてこの2022年に入社を決めたのが酒井氏だ。

酒井氏は、三井住友銀行で法人営業に従事したのち、ウェディング関連事業で起業。その後、電通でのマーケティング支援業務やリブ・コンサルティングでの事業開発コンサルティングを経験し、幅広いキャリアを重ねてきた。そんな酒井氏が選んだのが、FLUXだった。

酒井僕自身、一度は起業を経験した身です。そしてコンサルティングファームでは、スタートアップから大企業に至るまで、様々なクライアントに入り込み、いくつもの事業開発に携わってきました。

そんな中で思ったのは、やはり自らP/L責任を負って、当事者として事業をグロースさせる、ということをやりたいと強く感じるようになったんです。

酒井氏にとっても、永井氏や2022年5月よりVP of Corporate Planningに就任したコワルスキー氏との出会いは衝撃的だった。

酒井新規事業開発のスタイルが明確に言語化されていること、再現性を持っていることに驚きました。しかも、現状に全く満足しておらず、アップデートしていきたいという想いを強く感じたのです。

前職での経験から、新規事業開発を行う企業の中には「既存事業のついで」程度に考えている企業もあることを知っていました。ですがFLUXは、創業から3年弱で10億円のシリーズAラウンドの調達をした段階において、従業員数十人規模かつ既に複数のプロダクトが立ち上がっていました。僕がジョインした2022年現在も複数のプロダクトがローンチに向けて推進されています。

「本気で新規事業をやりたい」という温度感がガンガン伝わってきたんです。ここでなら刺激的に働けるはずだ、と確信しました。

株式会社FLUX FLUX Autostream事業本部ビジネスデベロップメントチームリーダー 酒井芳樹氏

今後、次の調達や上場も当然のように射程に入れながら、新規事業はもちろんのこと、組織をつくり、固めていくフェーズでもあるFLUX。そのタイミングで働けることも、一つのチャンスだと感じている。

酒井DXP(戦略の詳細はこちらの記事を参照)の実現に向け、ますますプロダクトは増えていきますし、それに伴い当然組織も大きくなっていきます。会社の文化や事業開発の「型づくり」に携わることができる今こそ、FLUXにジョインしなければ後悔するだろうと思ったのです。

一方、社会人4年目という若さながらチームリーダーを務めるのが、期待の新人である菊地氏だ。新卒入社したフロムスクラッチ(現データX)でSaaSプロダクト『b→dash』の営業に従事し、当時の営業受注金額トップ記録を達成するなど目覚ましい活躍を見せていた。

菊地前職ではお客様とひたすら向き合う営業/CS現場で働いていましたが、そもそもビジネス全体がどのような仕組みで動いているのか、事業を上段から回す経験を積みたいと考えていました。決められた範囲の中で100から1000にする、というような価値のつくり方だけでなく、0から1に、1から100に成長させる動きを学びたいという気持ちが強かったです。

そのためには、FLUXが一番だと思いました。安定的に売上を立てられるプロダクトはあるものの、これから事業を仕組み化していくフェーズであり、また、今後加速度的にプロダクトが増えていくことが確実だと思える環境だったからです。

ビジネスそのもののつくり方を学びたい、という意欲でFLUXに関心を抱いた菊地氏だが、加えて今のタイミングであればFLUXの組織づくりにも携わることができると感じたことも大きな決め手となった。

菊地学生時代、部活の主将を務めていたこともあり、組織づくりに興味がありました。チーム外でも組織について学び、それをチームに還元するようなことにも取り組んでいました。

それで今も、組織づくりには強い関心があり、企業においても、自分が当事者として組織をつくる・大きくすることができる機会を求めていました。これから組織を固めていくフェーズにあるFLUXであれば、全力で関われそうだと思ったのが決め手ですね。

株式会社FLUX 事業管理部事業戦略チームリーダー 菊地哲朗氏

三者三様のキャリアを経てFLUXに辿り着いたわけだが、口を揃えて言うのが、経営陣の魅力と、成長機会の豊富さだ。個人のキャリア形成において、新規事業を自らの手で生み出したり、長期的な視点でゼロからの戦略を描いたり、といったかたちで高みを目指すビジネスパーソンが集まっていることが窺える。

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「とにかく速いQuick」&「とにかく小さいSmall」をはじめとした、バリュー実践の現場

これまでの連載記事でも触れてきた通り、FLUXの大きな特徴の一つが、そのバリュー至上主義だ。掲げる5つのバリューに沿った行動が最も評価され、バリューの浸透具合こそが経営陣の最大のこだわりでもあると語っていた。

株式会社FLUX会社紹介資料より

実際に、これまで多くの企業を経験し、かつコンサルティングファームで多数の企業と関わってきた酒井氏は舌を巻く。「どの企業もバリューを掲げてはいるが、その浸透具合で言えば、FLUXよりも徹底できている企業を見たことがない。経営陣やマネージャー陣だけでなく、一般の社員にまで浸透しているというのはなかなかない」とその驚きを隠せないほどだ。

では、実際にどのようなカルチャーが浸透しているのだろうか?深掘りしてみよう。

まず、3人が口を揃えて印象的だったと語るのは、その非常にロジカルなカルチャーだ。

齊藤ものすごく合目的的に物事が進んでいきます。目的に照準を合わせて、それをどう達成するのか、だけを考えている。逆に言えば、目的を達成するためであれば、既存の概念や考え方に囚われる必要がない、という大前提が共有されています。

だからこそ、多様なバックグラウンドを受け入れられるのでしょう。

その合目的的なカルチャーゆえに、いわゆる「社内政治」のような余計なしがらみがないことも、スピーディーな事業展開を可能にした要因の一つでもある。

菊地「コト」に集中できる環境だと思います。何かを提案する際に、立場や役職などは関係なく、目的が何か、それに対するアウトプットを提示できているのか、という観点でのみ見られます。「この数字は、○○という観点が足りなかったからかもしれない」というような、行動や結果という客観的な事象に対するフィードバックを、常にもらうことができる環境です。

また、数字ももちろん見られますが、数字のみの結果だけでなく、どんな仮説を立て、それに対してどのようなインサイトが得られたのかを見られるため、日常業務からの学びが非常に多いです。

齊藤氏は、取締役COOである布施元大郎氏と激しい議論を交わすこともよくあるそうだ。それゆえ、「関係性が悪くなってしまうのではないか」と危惧していたこともあったという。しかし「会議室というフィールドでどれだけ喧々諤々と議論しても、そのフィールドを一歩出れば、僕たちはチームメイトで、仲間だから」と、入社直後に布施氏から伝えられたというエピソードを嬉しそうに話す。

こうしたカルチャーこそが、組織を強くしているのだろう。

一方で「あまりに合目的的であるがゆえに、はじめは冷たいような印象を抱く人もいるかもしれない」と語るのは菊地氏。それでも強固な信頼関係を築くことができるのは、バリューの一つに「Be Open」という言葉があるからだと語る。

菊地「Be Open」というバリューが掲げられているからこそ、僕みたいにまだ入社から日が浅い人間でも「言いたいことは言ってみよう」と思えます。

実際に、入社直後のタイミングで参加したミーティングで、会議の進め方について思い切ってフィードバックをしたことがありました。流石に初っ端から行き過ぎたかなと少し不安に思ったのも束の間、その場で「Be Openでいいですね、その意見を取り入れて改善していきましょう!」と受け入れてもらったことはとても印象的でしたね。

まさに、バリューを体現したコミュニケーションが実現できていると感じますね。

読者の目には、経営陣だけでなくこの3人も、あまりにも優秀なビジネスパーソンであるように映るだろう。だがFLUXが強調するのは、あくまでバリューやカルチャーへのフィット具合を、採用においては重視しているということだ。

齊藤FLUXのメンバーはみな、ガチガチに縛り付けるようなマイクロマネジメントを好みません。だからこそ、バリューをベースに大まかな「ベクトル」がズレていないかどうか、が重要になります。

固定観念に囚われない柔軟さ・素直さがあるかどうか、教えられるのを待つのではなく自学自習の姿勢があるか、などを常に意識して見ていますね。逆に言えば、スキルに関しては入社してからいくらでもキャッチアップできますし、仕事の内容やポジションは本人の希望にも合わせてかなり柔軟に対応しています。

そう、採用においていつも、「前職で○○をしていたのなら、○○を任せることができるかもしれない」というポテンシャルについての仮説を立てて、採用候補者との面談や面接に臨んでいる。しかもこの仮説における想定が、かなりのストレッチアサインなのだ。「新規プロダクトのWebマーケティングを一人で担っていたのなら、既存事業のマーケティングチームのマネジメントを近いうちに任せてみてもいいかもしれない」というような。

合目的的でオープンなコミュニケーションを重視する、このカルチャー。スタートアップなら一様に目指すべきものと考えられやすいものともいえるが、実践し続けるのは簡単なことではない。おそらくはやはり、CEOの永井氏がベイン&カンパニーでの経験を強く生かすことができているのだろう。

この3人も、しっかり適応するまでには何度か戸惑った面もあるという。

酒井氏は、その一例として「Quick and Small」というバリューを挙げる。前職のコンサルティングファームでも意識していたと言うが、そのレベル感が大きく変わったそうだ。

酒井コンサルティングファームではクライアント企業を通じてマーケットと向き合っていましたが、今はマーケットと直に向き合っています。それによって大きく異なるのは、結果に対しての意識です。事業に責任を持つ当事者として、コンサルティングファーム時代よりも、事業が前進したかどうか結果を求められます。

実際に事業開発における進捗を出すため、これまで経験してきた以上に、より速く、より小さな単位での仮説構築と検証が必要になります。求められるレベルが上がり、仕事の進め方が全く異なるもののように感じることもあります。感覚的に、けっこう苦労した部分もありましたね。

一方で、菊地氏、齊藤氏はその会議でのカルチャーに言及する。

菊地FLUXの会議スタイルは、シリコンバレーの企業も取り組んでいるように、事前にしっかりとアジェンダを固め、資料は事前送付が基本。会議が始まった瞬間から議論に入る、という一切の無駄のないスタイルです。

それぞれのメンバーが持つ力を最大限に発揮し、有意義で効率的に業務を進めることが重視されるので「議論に必要なメンバーのみ参加すれば良い」というのが当然の前提として共有されています。

むやみに会議に出席するくらいなら、それぞれが有意義に価値を発揮できる場所で時間を使うべき。そうしたカルチャーが徹底されているからこそ、各メンバーがそれぞれのミーティングに参加すべきかどうかをシビアに考え合っているため、不必要と判断すれば自発的にミーティングへの不参加を表明し、その代わりに自らが注力するべきタスクを優先することなど、よくある話なのだ。

齊藤それぞれが貴重な時間を費やしてミーティングに参加している。そうした緊張感の中行われる議論は非常に密度が濃いですし、その中で交わされる多様な意見が組織としての思考の幅を拡張させていると感じます。

思考の幅が広がるからこそ、多様な解決策を見出すことができる。こうしたFLUXのカルチャーこそが、FLUX Digital Experience Platform(DXP)という壮大なプロダクトの開発・運営を可能にしているのではないでしょうか。

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社長アイデアも、起点の一つでしかない。
フラットでオープン過ぎるカルチャーが根付く

さまざまなキャリアを経てFLUXにジョインした3人。それぞれがカルチャーに魅力を感じ、かつマッチしていること、そしてマッチしているからこそ自己の才能を発揮し、企業成長に貢献できていることがわかってくる。

これまでの連載記事でも語られてきたように、FLUXでは過去の実績よりもカルチャーフィットを重視するからこそ、カルチャーフィットしている人材を厳選採用することに妥協しない。とはいえ、今回話を聞いた3人は、カルチャーフィットしているだけでなく、各々のフィールドで豊富な経験を積んだ優秀な人材でもあること、すなわち“過去の実績”も評価されてきた人物であることは間違いない。

そんな彼らは、現在FLUXでどのような活躍を見せているのだろうか?また、そんな彼らでも「通用しなかったこと」はあるのだろうか?

まず、前職では営業現場で奮闘してきた菊地氏は、現在事業戦略を策定するチームリーダーというフィールドの全く異なるポジションについているが、意外にも営業現場での経験が活きているという。

菊地前職の営業現場では、数値管理の方法や目標達成のための考え方を徹底的に学びました。

例えば、一つの達成すべき課題について、粒度をブレイクダウンして施策を考え、どのような順番でクリアしていけばよいのか、という道筋を立てるスキルは、現在FLUXで担っている事業戦略とその推進という期待役割においても活きていると感じます。

一方で、FLUXのバリューの一つでもある「Zero-based Thinking」への適応については、菊地氏が現在課題に感じているところだと明かす。

菊地前職では、何かを意思決定する際には逐一上長に確認するというプロセスを踏んでいました。今は自分自身がオーナーとして、事業戦略をゼロから仮説を立てつつ進めていくことが求められます。

原点やそもそもの目的に立ち返り、事業そのものについて、あるいは各施策について、最良の形を自分の意見として形作ろうとしています。極端に言えば、以前の自分は「上長ありきだった」「上長に認められるアウトプットを出そうとしていた」とすら言えると、自分の弱みを痛感しています。

本当の意味でマーケットに向き合い、自らの意志で、リスクを取りながら事業戦略を決定し、ビジネスを自分が成長させたという手応えをつかみたい、と考えて入社した僕にとっては嬉しい環境。想像以上に意思決定権をもたせていただけている現状に感謝しています。

SaaSの営業とカスタマーサクセスの現場について熟知している菊地氏であれば、営業戦略の立案や推進を担う立場も務まるはず。そう期待をし、あえてチャレンジングなポジションにアサインしているのだ。先に触れた、選考時にも想定されているストレッチアサインの好例だろう。

齊藤現在DXPの実現に向けて新規事業の開発を積極的に進めていますし、もう既にマルチプロダクト戦略をとっているため、ポジションはかなり流動的です。

何かひとつのことだけ突出して長けている、という観点だけでの採用はあまりしていません。それよりも、今持っているスキルを応用できるかどうか、すなわち、ポジションが変わったとしても力を発揮できるかどうか、という観点を重視しています。そういった意味では、どのような成長ポテンシャルを持っているのか、かなり細かく仮説を立てて、確かめるようにしているんです。

金融、広告、コンサルと多様な業界で勤務し、起業経験まである酒井氏にとっても、もちろん過去の経験は現在の業務に大いに活きていると感じているようだ。

酒井現在、弊社のコア技術である「id」を活用した新規事業開発のプロジェクトでリーダーを務めています。プロダクトをゼロイチで開発する過程のマネジメントについては起業の経験が活きていますね。

プロダクトを構想し、それを形にして、実際に運営するというところまで経験していたので、事業開発における論点は頭に入っています。もちろん自分だけではわからないことも多々ありますが、第三者を巻き込んだりフローをつくったり、というところも含めて動き方がわかっていることは、大きな強みだと感じています。

一方で、テック面ではまだまだ知識が足りず、勉強している段階ですが、ここではコンサルファームで培ったインプット力と構造化するスキルが役立っています。基礎的な部分は調べた上で、あとは社内外の詳しい人にインタビューをさせてもらっています。

そうすることで、外してはいけない重要な論点やポイントが分かるようになります。とはいえ、知らないことに出会う機会も多く、日々、自分自身の成長を感じているところです。

これまで多様なキャリアを歩んできたことによって、現在も通用するスキルやスタンスを身につけることができたと語るのは齊藤氏も同様だ。

齊藤過去のキャリアパスをみてみると、医療機器専門商社での営業からIT業界に転向、アドネットワークの営業からストラテジックプランナーへと、かなり一貫性のないキャリアチェンジを経験してきたと感じています。

ですが、僕がこれまでずっと、一つの領域に閉じずに学び続けられたからこそ、今につながっていると感じます。しばらくはFLUXの中にとどまっていくつもりなのですが、新しい事業やプロダクトをたくさん検討する環境なので、刺激が少ないなんてことは全くありません。

自己変容とチャレンジをし続けなければならない厳しい環境とも言えますが、自分の頭で考え、選択し、その時その時で、最適解を追求していくことが、これまでのキャリアで身についたスキルだなという感覚があります。

こうしたスキルは、不確実性の高いマーケットの中でも急速に進化を続けるFLUXのような環境においても、必要なものだと思っています。

これまでよりもさらに大きな権限と裁量を得つつ、具体的にはあまり経験したことのない業務において、実力を伸ばそうとしているこの3人。

だが、以前の記事から何度も言及しているように、永井氏をはじめとして、経営陣の能力値の高さがFLUXの大きな武器の一つだ。だからこそ「なんだかんだ言って、トップダウンの組織なのではないか?」という疑念も読者の中には生まれるだろう。だが、意外にもそうではないのが、面白いところだ。

酒井僕の役割は、新規事業の種を磨くこと。そのため、日々CEOの永井から「こんな事業はどうだ」「海外ではこれがうまくいっているらしい」といったアイデアをもらったら、クイックに事業機会の検討を行います。デスクリサーチはもちろんのこと、事業でターゲットとなりそうな企業や関係者に話を聞きに行くことも少なくありません。簡易的な営業資料を作ってテストセールスをしてみることもあります。

僕自身はGo To Market戦略(*1)を描くのが得意ですから、様々なアイデアに対してフィジビリティースタディー(*2)を回して可能性を見極めます。その中で、海外でうまくいっていても国内で想定しているターゲットのニーズや状況を調べていると、どうしても厳しいと感じるケースだってもちろんあります。

そのような場合は、集めた材料を持って永井とのディスカッションを行います。彼は、自分の意見に固執することはないので、きちんと状況を理解すると考えを変化させます。

新しいアイデアは常に生まれるものですが、それら全てに資源を投下していては、既存事業の成長速度も落ちるし、組織は弱くなる。「FLUXが今こそ、その事業を始めるべき理由」を考え、見極める。誰のアイデアであろうと起点の一つでしかありません。新規事業における責任者として永井の提案も、スタート地点としてフラットに扱います。そうした事業アイデアの種から、しっかり芽が出るようにしていくのが自分の役目です。

*1……GTM戦略ともいう。どのような市場で、どのようなサービスを展開してビジネスを行っていくかを描くこと

*2……新たな事業やサービスの実現可能性や収益性を事前に調査・検討し、計画の妥当性を計ること

「Be Open」なカルチャーと、永井氏をはじめとする経営陣の柔軟さゆえに、忖度なしに意見をぶつけ合える環境が整っているのだ。これには、社会人経験4年目の菊地氏も同意する。

菊地永井は、言わば“インプットの鬼”です。市場やプロダクトに関する知見はもちろんのこと、他者の経験や意見への関心が高く、社会人歴の浅い僕に対しても、前職での経験に関して「これについて教えて」とものすごく食い気味に話を聞いてくれます。

そういった意味でも、トップダウンという感覚はあまりありません。むしろフィードバックを踏まえて、僕自身で意思決定しなければ、という良い意味でのプレッシャーの方が強く感じます。

過去の経験を存分に活かすフィールドはありつつも、優秀な経営陣と真っ向勝負で議論を交わして意思決定をしていくカルチャーもある。厳しいながらも、成長できる環境がありそうだ。

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「才能を見いだし、発揮するための環境」が、この1−2年でさらに洗練されていく

今後、DXP実現に向けて続々と新規事業開発を仕込んでいるFLUX。それに伴い、当然ながら組織も拡大していく。組織固め、という意味ではまだスタートを切ったばかりだと気を引き締めている。それゆえ、今後ジョインする人材にとって活躍できる場は豊富にある。

酒井FLUXはこれまでも驚異的なスピードで成長を遂げてきましたが、それでも理想と現状とのギャップはまだまだ大きいと言えます。

永井をはじめとする経営陣は皆、口を揃えて「今のメインプロダクトである『FLUX Autostream』や『FLUX CMS』延長線上に、DXPを実現したい」と言っています。DXPを実現するためには、まだまだ事業やプロダクトを拡充していく必要があります。

事業開発にチャレンジしたい人にとって、チャンスはいくらでもあります。

菊地氏は、事業づくり、組織づくりの両面において「FLUXならでは」の型づくりを成し遂げたいと考えている。

菊地今後どんどんと新規事業が生まれていく中で、FLUXならではの事業開発の「型」みたいなものを固めていく必要があると考えています。根本のカルチャーなど、コアの部分が強固であることを武器にしつつも、FLUXの型づくりの中心にいたいですね。

組織の面でも何か貢献していきたい。例えば、学生時代の部活組織での経験も踏まえて、個々のメンバー同士のつながりを深めたいと考えています。個々の特性やモチベーションを深く知ることで、より一層、メンバーの強みや才能を活かした組織運営ができるようになり、会社の成長と個人の成長もより強くリンクしていくようになると思うんです。

現在『FLUX CMS』事業責任者である齊藤氏は「CMS領域で、まずは数年以内でのARR100億円を達成したい」と意気込む。

齊藤高いハードルではありますが、ARR100億円くらいのスケールが出せるようになってやっと、僕としてはようやくスタートラインに立てたと思えるかな、と今考えています。

加えて、組織を強くするという意味では、会社全体として個人の成長を後押しし、その結果得られる集合知によって企業の成長速度を早められるような環境を整えたいですね。

グローバル展開を視野に入れているFLUXですから、入社後に研修や学習を含めたさまざまなチャレンジを後押しできることが、優秀な人材の採用と活躍支援のためにも、重要になると思っているんです。

僕の信念としても、個人の成長は必ず会社への価値還元につながっていくと思っていますし、いまより一層、社内メンバーの成長支援に力を入れて、強い組織になっていければいいなと思っています。

成長意欲が高いビジネスパーソンにとって、間違いなくチャンスの場が多いのがFLUXであることは、読者も既知のところであろう。しかし、それと同時に、コアであるカルチャーやバリューも強固であるからこそ、多様な才能や特徴を持つどんな人材でも活躍できる環境であることも特徴的と言えそうだ。

酒井スピードを重視して拡大してきた会社だからこそ、オペレーション面の伸びしろはとても多くあります。

例えば、目の前のことに着実に向き合うことが得意なら、次々と改善を重ねて成果を上げられるので、非常にやりがいがあるでしょう。また、こうした改善について型や仕組み、マニュアルを整えていくことも重要になってくるので、そうしたことが得意な人たちの力をこれからお借りしたいですね。

そして、FLUXで働く上でもう一つ重要なキーワードと言えるのが「会社を良くしたい」という“自分ごと”の姿勢だ。酒井氏は、ジョインを決めた直後に、永井氏に対して選考の一連の流れでの気づきや改善点をまとめたメモを送ったという。

内定の段階での行動。「出過ぎた真似だ」と感じる読者もいるかもしれない。それでも「ジョインを決めたからには、1秒後にでも会社を良くしたいと思った」という姿勢が評価された。そのメモは、COO布施氏のもとにわたり、その当日中にFLUXの採用チーム内で改善施策がディスカッションされたという。

酒井FLUXは徹底的に「コト」に集中する会社です。こうした「まだ外部の人」であった僕からのフラットな意見も受け入れられるはずだと思ったし、実際に受け入れられました。これくらいの行動力や提言力、ある種の図々しさがあってちょうどいい会社なんです。

これから集まってくるメンバーがFLUXをさらに強くしていくはず。それぞれが自身の価値を最大限発揮できるよう、一人ひとりがバリューに基づいた言動を当たり前のように続けるカルチャーを、さらに洗練させていきたいですね。

最後に、FLUXへのジョインを考えるビジネスパーソンに向けて、齊藤氏から力強いメッセージをもらった。

齊藤僕自身、これまで優秀なキャリアを積んできた、成功してきた、という感覚はありません。自己評価が低いまま歩んできましたが、FLUXにきたおかげで自信がついた部分もあるんです。

ある場所で輝くことができなかったとしても、才能が発揮されなかった、環境やタイミングが合わなかったという可能性は大いにあります。ある程度頑張ってきた、という自負があるのであれば、まずはFLUXメンバーと話をしに来てみてほしい。

酒井さんは新規事業の経験が豊富でしたが、ITプロダクトの開発における経験はそこまで多くない。それでも今、必死でキャッチアップし、新しいITプロダクトの戦略を描いています。菊池さんは急成長SaaSでのセールス現場経験を活かし、営業戦略の立案や推進まで担うポジションに就いています。

このように、新たに輝けるポジションを、ともに見つけたり、つくっていけたりするかもしれません。もっとあなたの才能を発揮することができる、そんな環境としてさらに洗練させていきたいと思っています。

過去の経験を生かしつつ、過去の失敗をも克服する。そんな厳しくも温かい成長の機会が、ここにある。

こちらの記事は2022年05月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

太田 冴

写真

藤田 慎一郎

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