大手町発祥の“学生×スタートアップの祭典”。
三菱地所が手がける、長期インターン志望学生のための合同イベントの実態

起業する、ベンチャー企業に就職する、という選択肢が一般的になってきた昨今、「学生時代からスタートアップやベンチャー企業で長期インターン生として働いてみたい」と考える大学生が増えている。

しかし一方では、「一体、どの企業を選べばいいのだろうか?」という共通の悩みもある。

そんな悩みを解消すべく、FastGrowとIntern Streetのバックアップのもと、2019年2月21日、「大手町 × Startup Internship Fair supported by 三菱地所」というイベントが開催された。

同イベントは非常に好評で、来る7月10日には同様のコンセプトを拡大した第2回イベントが開催されるほどであるが、なぜ三菱地所はこのようなイベントをサポートするのか?その概要や狙いをお伝えする。

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第1回は、日系・外資系スタートアップ計9社と一度に好きなだけ直接話せる貴重な場に

本イベントは、長期インターン生を採用したいスタートアップと、長期インターンを検討している大学生のマッチングを目的とした、いわば採用イベントである。長期インターンを志望する学生が求人を見つけられるメディアこそ増えたものの、学生がオフラインの場で複数企業の情報を一挙に得られるイベントは、あまり開催されていないのが実情だ。そんな課題を解消すべく、オフラインの場作りに強みがある三菱地所が立ち上がった。

第1回イベントでは、下記9社の創業メンバーや経営陣に対し、50名を超える学生が会場に集った。

大手町にあるスタートアップ企業の拠点「Global Business Hub Tokyo」に入居する企業やそこに入居するベンチャーキャピタルの投資先、丸の内エリアで順調に成長を続けてきたシリコンバレー発のスタートアップ等、個性溢れる9社が集った。

【第1回イベントの参加企業一覧】

  • Demandsphere株式会社
  • MODE, Inc.
  • Symphony Communication Services Japan合同会社
  • 株式会社グロービッツ・ジャパン
  • トレジャーデータ株式会社
  • 株式会社すむたす
  • 株式会社justInCase
  • 株式会社Holmes
  • 500 Startups Japan(現在は同メンバーで2号ファンドを組成しCoral Capitalとして活動中)

三菱地所のDX推進部には、「ビジネスモデルのデジタルトランスフォーメーション」の取組みについて、以前も取材をしているが、今回は、イベントの企画・運営を行っているxTECH営業部の担当者に話を聞いたたところ、「三菱地所として“ただ単にオフィスを貸す”だけではない、スタートアップへの価値提供を模索する中で生まれた施策の1つ」だと話す。

「ベンチャーといえば渋谷や五反田」といった話題がメディアを賑わせているが、最近では、大手町・丸の内・有楽町といった三菱地所が拠点とするエリアにも、Slack社を始めとした外資系急成長企業も含め、スタートアップが徐々に増加しているのだ。そこで、同エリアのスタートアップの魅力を若い世代に伝えるべく、 “大学生にとってのスタートアップの祭典”となるイベントを三菱地所は展開しているというわけである。

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マッチングに終わらない。経営陣によるパネルトークから4分間ピッチまで

さてイベントの構成はというと、トークセッション、各社4分間ピッチ、全体交流会という3部構成になっている。

1部のトークセッションでは、Holmes社にて未経験ながらデザイナー長期インターンとして勤務し、「ここが自分に一番フィットした」という理由からそのまま同社に新卒入社した早稲田大学卒の越川さんと、Holmesにてマーケティング・広報チームマネジャーを務める凌さんが、長期インターン先の見極め方から、勤務開始後のエピソード、大学生活との両立の方法などについて参加学生に対して説明してくれた。

トークセッション中には参加者が匿名で質問できるサービスSli.doを活用し、参加者から登壇者2名への質問も活発になされていたのが印象的だ。

第2部においては、参加企業9社の社長や経営陣、採用担当者などそれぞれが4分間のピッチを行った。

参加者はここで聞いた情報をもとに「面白そう」と感じた企業のブースへと足を運ぶことになるため、第3部の交流会に向けて、興味をもった企業やプレゼン内容についてメモを取る学生が多かった。

「40分もピッチ聞いていると飽きそう」という懸念も参加前の学生から聞こえていたが、「4分という短時間の中で企業やメンバーのどの部分を、どう伝えるか?」については9社の企業カラーがわかるほど千差万別であり、「プレゼンテーションの勉強になった」という参加者もいたほどである。

第3部の交流会ではレイアウトを変更。中央スペースに置かれた飲み物・飲食物を囲うように9社それぞれが展示ブースを設置。各社2〜4名ほどのメンバーに対して、学生は興味がある企業の話を自由に聞いて回ることができる。

筆者自身もこのような合同イベントを運営することもあるが、合同イベントの場合、少なくとも4〜5つほどのブースを周り、「企業として大事にしていることは?」、「会社のバリューは何ですか?」といった全く同じ質問をぶつけてみることをオススメしている。

「異なるブースで同じ質問をすると、全く違う答えが返ってくるから、企業が大切にしているものや価値観がわかり、自分にあった企業を見極めやすい」という声を、合同イベントに参加し長期インターン先を見事みつけられた学生から聞いたことがあるためである。

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インターン入社事例も多数。第2回は更にパワーアップし7/10に開催決定

運営をサポートとしたFastGrowとしても大変嬉しいことに、本イベントの参加企業からは、実際にインターンとして採用することを決めたという声を複数社から聞くことができた。

Coral Capital(イベント当時は前身の500 Startup Japan)でTalent Managerを務める津田氏によると、「元々インターンすることに興味をもってくれていた学生をイベントに招待したところ、『他社の話も聞いてみたけれど、やっぱりCoralで働きます』とその場で入社を決めてくれたインターンもいた」とのことだ。

三菱地所としては、今後も入居・会員スタートアップへの採用支援の一環としてこのような取り組みを継続していく予定だという。

まずは前回の参加企業や参加学生からのフィードバックを踏まえ、初回開催から6ヶ月も経過しないうちに、第2回の学生限定イベントが7月10日(水)16時から開催されるとのことだ(会場は第1回と同じくGlobal Business Hub Tokyo)。今回は、対象施設も4つに拡大。Global Business Hub Tokyoに加え、EGG JAPAN、FINOLAB、Inspired.Labに入居している企業や会員にも参加資格を拡大し、総勢16社のスタートアップが参加する予定とのこと。

今後も継続的な開催が検討されている本イベントであるが、それでも長期インターン生を募集している10社以上のスタートアップと一度に直接話せる機会など、ほとんど提供されていないことに変わりはない。

  • 「長期インターンに興味がある」
  • 「いま長期インターンの選考をいくつか受けているけど、なんとなく入社を決めきれない」
  • 「スタートアップで働く人たちと一度にたくさん話す場に興味がある」

上記に1つでも当てはまる大学生には、7/10のこの機会をぜひ活用していただきたい。

こちらの記事は2019年06月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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