起業の半歩手前が味わえる!?──ソルブレイン流・経営人材育成の仕組みをメンバーが語る

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インタビュイー
川向 健太

グロースマーケティング事業において、戦略立案から実行までを手掛けるビジネスディベロップメントDiv.の部門長を務める。また、社内の広告運用の第一人者として、GoogleからはPremier Google Partner、ヤフー株式会社からは特別認定パートナー(広告運用パートナー)の認定に大きく貢献。

須藤 茉耶

ソルブレイン新卒一期生。Webデザイナーとして入社後、Webディレクターに転向し、グロースマーケティングに従事。現在は採用及び一人目広報に加え、新規事業立ち上げや新卒教育/マネジメントにも携わる。

堀江 知央

大学でデザインやプログラミングを学び、Webエンジニアとして新卒入社。UI/UXに考慮した画面設計から実装までを担い、自社プロダクト『SKEIL』のシステム開発を通して、クライアントの課題解決に取り組む。

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起業や事業創出を目指している若手ビジネスパーソンと話をしていると、“裁量”や“経営者視点”といった言葉が頻出する。そうした要素があるかどうかという点が、仕事を選ぶ上での重要な指標になっているのだろう。

では、どのような会社であれば裁量を持って仕事ができ、経営者視点を養うことができるのか──。

「若手にも裁量を持たせる」という方針を持つ会社だろうか。あるいは、フレンドリーな社長がいて、気軽に意見交換ができる社風の会社だろうか。

FastGrowでは株式会社ソルブレインへの取材を通して、そうした考えを改めさせられた。

裁量や経営者目線というのは、意図的に用意されるものではなく、事業内容に基づく必然性によって用意されるものなのではないだろうか、と。

そんなソルブレインが取り組む事業は、代表・櫻庭氏の取材でその全貌を明らかにした、成果報酬型のグロースマーケティング。もちろん、SEOやリスティング広告といった“部分的”な課題解決ではない。

顧客のバリューチェーン全体を俯瞰した上で、どこに問題があるのか、どうすれば解決できるのかを見定め、実行していく“全体最適型”の課題解決を提供している。これが、顧客利益を最大化させるソルブレインのグロースマーケティングである。

そして、そのソリューションを成果報酬型のモデルで展開するという、一見「実現不可能では?」とも思われる取り組みをしているのが同社のユニークな点だろう。

部分的なKPI達成に甘んじず、あくまで顧客の利益創出にコミットするという事業内容を推し進める上では、裁量や経営者目線が必要不可欠。むしろ、持たざるを得ないのだ。

今回は、同社で働く社員3名へのインタビューを通じて、こうした特異な事業展開を見せるソルブレインから、経営者マインドを持った人材が生まれる理由について解明していく。

  • TEXT BY WAKANA UOKA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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中途採用枠に新卒からの応募!?
ざわつくソルブレイン社内

「メンバー全員が経営者視点を兼ね備えている。いや、その視点が無ければ仕事にならないんです」

同社の主力事業であるグロースマーケティング事業において、ディベロップメントDiv.の部門長を務める川向 健太氏はこう語る。グロースマーケティングの戦略立案から実行までを手掛ける、いわばソルブレインにおけるブレーン的存在だ。

川向氏は2012年、当時まだ社員数4名のソルブレインに参画。社内の広告運用の第一人者として、ソルブレインの事業成長を牽引してきた。

ソルブレインに入社する前は、Web制作会社の立ち上げメンバーの一人として、Web制作やデジタルマーケティングの支援を行なっていたという川向氏。なぜ当時在籍していた会社より、業歴も人数も少ない創業初期のソルブレインへジョインしたのだろうか?

ソルブレイン ビジネスディベロップメントDiv. 部門長 Webディレクター 川向 健太氏

川向弊社の代表である櫻庭と一緒に仕事がしたい。そう感じたからですね。

前職では私がWeb領域全般を管轄しており、それを少人数の実務メンバーと推進していたため、プロジェクトの受注〜納品までを1人でやることも珍しくありませんでした。

そんな折、とある仕事で櫻庭と出会い、意気投合して親交を深めるようになりました。すると、彼の仕事に対するスピード感や熱量に惹かれ、「彼のような経営者のもとで働いてみたい」と感じるようになり、ソルブレインにジョインすることにしたんです。

続く、須藤 茉耶氏は、2014年にソルブレインに新卒社員として入社。同社の新卒第一期生である。

ソルブレインでは当初Webデザイナーとして入社したものの、その後Webディレクターに転向し、グロースマーケティングに従事。現在は採用領域全般、及び1人目広報、加えて新規事業立ち上げや、新卒教育/マネジメントなど、請け負う業務は多岐にわたる。

先に、ソルブレインの新卒第一期生と紹介したが、彼女が就職活動をしていた2014年には同社に新卒採用の枠は用意されていなかった。にも関わらず、須藤氏は“ある行為”によって、その枠をこじ開けていったのだ。

ソルブレイン 採用/広報 須藤 茉耶氏

須藤もともと中学生の頃から、HTML/CSSを組むのが大好きで、Webサイトの制作やデザインの勉強をしていました。その後、大学では一時的にWebの世界からは離れていましたが、就職活動を機に再びWebデザイナーとして働きたいと思うようになったんです。

そこから、新卒でもWebデザイナーとして活躍できる場所を探し、制作会社を調べていく中でソルブレインと出会います。実際に面接で話を聞いてみると、当時はちょうど、ソルブレインがグロースマーケティング領域にて成果報酬型のモデルを採用し始めたころでした。

ただ単に綺麗なWebサイトをつくって終わりではなく、顧客の利益を追求すべく、データドリブンでページ改善を施していく。そんな事業思想に惚れて、ソルブレインに入社を決めたんです。選考時には、川向さんにも面接していただきましたよね?

川向はい、須藤のことは大変よく覚えています。何せ、当時ソルブレインは新卒採用を行っておらず、自社のWebサイト上でも中途採用の応募フォームしか設けていませんでしたから。そこに対して、国立大学の新卒の学生が応募してきたので、社内がざわついた記憶があります(笑)。

ソルブレインは、局所的なマーケティング施策ではなく、様々な専門知識を総動員してバリューチェーン全体を最適化し、顧客利益を追求するグロースマーケティングが事業の要です。かつ、それを背水の陣とも言える成果報酬型で実行する。

「新卒の方にとってはかなりハードな環境ですよ」と嘘偽りなくお伝えしたところ、須藤の場合はより志望度が高まったようで(笑)。

幼い頃から抱いていたデザインへの憧れを思い出し、持ち前のエネルギッシュさで新卒採用の門を開いた須藤氏。「採用枠が無い?だったら用意してもらえば良い」「成果報酬で顧客の利益創出にコミット?そうした刺激的な環境をこそ求めていた」。そう言わんばかりの、彼女のベンチャースピリッツを感じさせるエピソードである。

そして3人目となる最後の登場人物が、堀江 知央氏だ。彼女は2021年度に新卒としてソルブレインに入社した、現在2年目のメンバーだ。

大学でエンジニアリングを学び、自然とエンジニアという職業に惹かれるようになる。その上で、「同じ作業の繰り返しは性に合わない」「やるなら毎回、見知らぬ分野に飛び込める仕事がしたい」という思いから、ソルブレインへの入社を決める。

プロジェクト毎に開発するプロダクトも、用いるマーケティング手法も変わる。そんな同社のグロースマーケティングに可能性を感じたのだ。

堀江氏は現在2年目にして、ソルブレインが開発するグロースマーケティングプラットフォーム『SKEIL』や、顧客のシステム開発のプロジェクトメンバーに抜擢されるなど、Webエンジニアとして活躍している。

システム開発の中でクライアントとの打ち合わせに参加したり、UI/UXを考慮した画面設計の提案を行なったりと、Webエンジニアとして幅広い任務に取り組んでいる。そんな彼女は、「ソルブレインの挑戦できる環境は予想以上だった」と感じているとのこと。

ソルブレイン Webエンジニア 堀江 知央氏

堀江 学生の頃は、Webエンジニアの働き方といえば「一日中PCに向き合って、ひたすらプログラミングをする」のようなイメージでした。もちろん、そんな日も多いんですけど(笑)

しかし、ソルブレインのエンジニアの場合、実際に現場に足を運んだり、担当者の方と話をしたりすることで、エンジニア視点で「何が課題でどう解決すべきなのか」を考え、提案するところも任せてもらえます。その点では挑戦できる領域の広さは想像以上でした。

それぞれの入社経緯と現在に至るまでの役割の変遷をうかがってみたが、ソルブレインのグロースマーケティング事業で取り組める領域の幅広さや裁量権、そしてスピード感が垣間見えたのではないだろうか。いよいよ次章からはその仕事の実態に迫っていきたい。

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相手に合わせて、自らの“武器”をつくっていく

グロースマーケティングがどのようなものか推し量ろうとする時、“マーケティング”という言葉の響きから、SEO対策やWeb制作といった具体の施策を想起する人が多いかもしれない。

しかし、実態は異なる。グロースマーケティングとは、顧客のバリューチェーン全体を俯瞰し、事業フェーズに応じて移り変わるボトルネックを発見し、最適化する営みを指す。

元来、経営課題とは複数の課題が複合的に絡み合い、移り変わっていくもの。例えば、集客に課題があり、そこを解決したとしても、オペレーションが追いつかなければ意味がない。であるならばと、ソルブレインはそのオペレーションの課題解決にも着手するのだ。

なぜなら、数多ある経営課題の中のひとつを取り出し、そのためのKPI達成を目的とした部分的なマーケティング施策を実施しても、本質的な顧客の事業成長に寄与することはできないとソルブレインは考えるからだ。(グロースマーケティングに関する詳細はコチラの記事より)

こうした想いの基でグロースマーケティングを遂行するためには、プロジェクトメンバーも職種ごとの明確な分業体制をとるわけにはいかない。

なぜなら、顧客のバリューチェーンの全体最適を志向し、領域を制限した局所的な支援を拒むソルブレインにおいて、その実行を担う者の担当領域を区切るといった行為は、同社のソリューションとの矛盾を生むからである。そこには、自ずと職種の境界線を越えていく必然性が生じるのだ。

堀江ソルブレインに入社して何度も感じたこと、それは「そこまで顧客の事業に深く入り込むのか…!?」ということです。

顧客のバリューチェーン上の課題は、マーケティング支援だけでは片付けられないことが多いです。そのため、もし顧客企業のボトルネックが採用や新入社員の教育であれば、我々はそこにも支援の手を広げていきます。

Webエンジニアであったとしても、プロジェクトにおいて必要であれば、「顧客の新入社員教育のためにはどんな打ち手や研修が良いのか」というようなテーマでチームメンバーと話し合うことも珍しくありません。開発の背景となるボトルネックを把握した上で機能を設計しなければ、“最適解"と言えるシステムを開発することはできませんから。

須藤私自身がまさに代表的な事例になるのかもしれませんが、ソルブレインでは明確なキャリアパスが用意されているのではなく、顧客の課題にあわせて、都度やれることを増やしていくというスタイルを取っています。なので、自然と職種の垣根を越えて、経験できる業務範囲が拡大していくんです。

もちろん、プロジェクトのアサインは、各人の主たる職種の強みが活かせるように組まれていきます。

しかし、根底にある育成方針としては、“今持っている武器”で戦える相手を探すのではなく、相手のレベルやタイプに合わせて“武器をつくっていく”という具合ですね。

グロースマーケティングという事業の特性上、職種ごとに分断された役割を持つのではなく、プロジェクトメンバー全員が、顧客の利益最大化のためにできることを考え、自発的に行動することが求められる。

また、当然のごとく、顧客が抱えている課題というのは千差万別。だからこそ、プロジェクト毎にやるべきことも、必要なスキルも変わってくるのだ。

できることを増やすのではなく、顧客の課題解決のために必要な武器を集めるスタンスが求められる環境。3名が口を揃えて、「仕事の幅が広がった」と話すのも当然かもしれない。

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顧客の利益創出という難易度の高い責任を負うからこそ、裁量も最大化される

前章で、グロースマーケティングの仕事は扱う領域が広大であることを述べた。しかし、ソルブレインの最大の強みはそれを“成果報酬型"でやり切るところにある。

なぜ、同社は成果報酬型にこだわるのか?という観点に関しては前回の記事に譲るが、今回、現場ではどんな思いで成果報酬型モデルに挑み、どんな難しさ、そしてやりがいを感じているのかをうかがっていきたい。

須藤成果報酬型モデルの難しさでもあり、面白さでもある点は、全ての納品物や施策が顧客の利益に繋がっているのか、ダイレクトにフィードバックを得られるところにあります。

たとえどんなに優れたWebサイトをつくっても、鋭いマーケティング施策を打ったとしても、顧客の利益創出に結びつかなかったとなれば、ビジネスパーソンとして成果を残したとは言えません。

事実、ソルブレインにおけるKPIは、CPAやCVRではなく、シンプルに顧客の売上・利益一択です。ですので、常に自分が提案・実行する全ての施策が、顧客の利益創出に貢献できそうなのかを考え抜かなければいけません。

よって、先ほどお話ししたように、WebデザイナーやWebエンジニアといった職種であっても、つくって終わりではないんです。自分の制作物が実際に顧客の事業に活用されてどうだったのか、利益創出に貢献できたのかを見届け、貢献で きていないのであればどう改善していくのかまで、トータルで責任を持つ必要があるんです。

職種ごとのスキルはあくまで手段。目的は、メンバー全員が顧客の利益最大化にコミットすること。これがソルブレインという組織であり、働く上での醍醐味です。

その一言ひとことに、確固たる自信と責任感を感じさせる須藤氏。彼女の説明に対し、堀江氏も頷きながら同意する。

堀江須藤さんの言うように、制作物の納品というのはあくまで通過点。それだけで顧客の本質的な利益に繋がるわけではありません。

制作物を運用してみて、データをとり、分析し、改善する。こうしたプロセスを経た先にある顧客の事業成長に貢献して初めて、我々はフィーをいただくことができるんです。

成果報酬というシビアな事業形態を取るソルブレインにとって、顧客利益にコミットしているのは何も主担当のコンサルタントやディレクターだけではない。

ポジションや年次の如何に寄らず、プロジェクトに関わるメンバー全員が、同じ意識を持って事業に取り組んでいるのだ。

続けて、川向氏からも成果報酬ならではの仕事の面白さが語られる。

川向成果報酬型と聞くと、「本当に大丈夫なの?」「成果が出るまで永遠にやり続けないといけないのでは?」とネガティブなイメージがつきまとうかもしれません。ただし、大きなメリットもたくさんあります。

まず、仕事との向き合い方について。

私は前職でWeb制作のディレクションをしていましたが、受託制作の場合、どうしても納品がゴールとなってしまいます。納品物が、クライアントの売上・利益に貢献したのか、はたまたできなかったのかについては知る術がなく、もどかしさを感じる瞬間が多々ありました。

一方でソルブレインは、クライアントに提供するのは"成果"。そのための手段に関しては任せていただけるんです。極端なことを言うと、Webサイトを作ることも必然じゃない。そのプロジェクトにとって必要であれば作る、という考え方です。

マーケティングもシステム開発も同様です。たくさんの選択肢がある中から、最適解を提供するのが私たちの仕事です。もちろんそこには責任や厳しさが伴いますが、シンプルにクライアントの成果をとことん追求できる環境に身を置けることは、とても幸せなことだと感じています。

また、営業という観点でも、成果報酬型なので提案段階で顧客に話を聞いてもらえないということは少ない。つまり、高確率で商談の土俵に上がることができるのも強みですね。

裁量を持つということは、同時に責任を持つという意味でもある。ソルブレインでは、顧客の利益創出という最も大きな責任を受け入れることによって、メンバーの裁量も最大化されているのだ。

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プロジェクト=事業運営と同義。
そんなソルブレインだから得られる、「スキルの広がり」と「顧客への確かな価値提供の機会」

ここで前章までの内容を簡潔におさらいしておこう。ソルブレインの事業のユニークさは、“グロースマーケティング”と“成果報酬型モデル”の2つ。川向氏曰く、「この2つが合わさった特異な環境が、そのまま社員の成長にも大きく影響している」とのこと。その理由を3つに分けて解説してくれた。

川向まず1つに、多面的なスキルと知見が身に付くということ。

これまでも述べた通り、グロースマーケティングは部分最適に留まらず、顧客のバリューチェーン全体を捉え、様々なスキルや知見を武器に挑む必要があります。自ずと幅広い視野、そして経験が身に付きます。

2つ目が、本質的な問題解決能力が身に付くこと。

成果報酬型モデルは、シンプルに成果だけが求められる。なので、その道中、つまり施策の自由度はとにかく高いんです。選択肢が多いということは、裏を返せば真のボトルネックを見定める本質的な問題解決能力が必要ということです。

時には、かなり抽象度の高い課題であっても、解像度を高めるための徹底的なリサーチ、度重なる仮説検証の中から、たった一つの答えを見つけ出さなければならない場面もあります。

3つ目に、圧倒的な当事者意識と経営のバランス感覚が身に付くということ。

ソルブレインには現在多くのプロジェクトが存在していますが、コンサルティングファームのように各プロジェクト毎にチームが組成され、マーケター、デザイナー、エンジニアといった各専門職種から1〜2名ずつアサインされ、連携していく体制を敷いています。

そしてこれらの根底にあるのが、成果報酬型モデルであるが故の、必然的な黒字化の要請です。言わば、“プロジェクト毎に一つの事業を運営している”ようなものですね。

もちろん、プロジェクト毎に顧客の課題も、それを解決するための手段も変わる。そしてそういったプロジェクトを複数兼任することで、圧倒的な当事者意識と、経営人材として必要なバランス感が身に付くんです。

グロースマーケティングと成果報酬、これら2つの要素が合わさる仕事であるため、その仕事の難易度は高い。しかし、そうであるからこそ、事業成長に必要な様々なスキルが総合的に身につくのだろう。

とはいえ、それだけ難易度の高い仕事にはやはり、失敗は付き物。「ビジネスの玄人ならまだしも、未経験の若手がどうやって顧客の事業を背負い切るんだ?そんなの無理だろう」と感じているかもしれない。

もちろん、ソルブレインにおいても失敗することはあるという。しかし、今回の取材を通して、3名が3名とも一切、失敗を恐れている様子を見せなかった。それは、ソルブレインの組織風土によるものが大きい。

川向ソルブレインのバリューの一つに「挑み続けよう」という項目があるんです。

私たちは失敗よりも行動しないことを一番恐れています。

これは綺麗事でもなんでもなくて、予測不可能な変化が起こり続けている時代に、行動しないことこそ一番のリスクだと考えているからです。

また、失敗に対する考え方も少し異なります。

例えば、マーケティング施策で思うような結果が出なかったとして、これは、ソルブレイン的には失敗ではありません。もちろん、一方的に責められることもありません。

「成果への布石だね、じゃあ次どうする?」と、次のアクションへ繋げるんです。

これは代表・櫻庭が常日頃から発信していることで、それが徐々にメンバーにも浸透していった結果、ソルブレインのカルチャーになっていったのかなと思います。

とはいえ、グロースマーケティング事業を始めてからこれまで、ほぼ解約の事例はありません。現場メンバーが失敗を恐れずどんどん施策にチャレンジできることが、逆にプロジェクトの破綻を避けることができる。そんな上手い構図になっていると思いますね。

須藤これまでの実績を評価いただいて、ありがたいことにグロースマーケティング支援の引き合いをたくさんいただいています。そのため、今後もより多くの価値提供を目指して事業の拡大を図っています。

そのためにはグロースマーケティングを実践するメンバーを1人でも多く増やしていかなければなりません。

ソルブレインでは、新卒・中途問わずオープンポジション・全職種で採用活動を強化している真っ最中です。

前回の記事にて、代表・櫻庭氏が語った事業コンセプトやビジョンがカルチャーとして組織にしっかりと浸透しているのかが伝わる、印象的なエピソードだ。

これまでは櫻庭氏という強いリーダーが第一線で事業を開拓してきたが、これからは既存メンバーと未来の仲間たちと共に、さらなる飛躍へと向かうタイミングである。

そんなソルブレインという組織だが、思い返せば、前回の記事にて、代表の櫻庭氏は社内の雰囲気を「甲子園の強豪校」と表現していた。皆が「落ち着いた雰囲気で、プロとして淡々と仕事をしている」と。

顧客の利益を出さなければ報酬が得られないというシビアな環境では、「淡々と仕事をする」ことと「ギスギスした雰囲気」であることが紙一重なのでは?と感じる読者も多いだろう。

しかし、ソルブレインの社内においてはギスギスした雰囲気や部署間の衝突は一切存在しないのだという。どういうことだろうか?次章からはいよいよ、ソルブレインの社内のカルチャーについてみていこう。

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「データで語れば、争いなど無縁」。
成果報酬型モデルでも“詰め文化”が存在しないカルチャーの実態

今回取材を実施した3名は皆、成果報酬型モデルの事業を現場で牽引する者たちだ。しかし、取材を通して、そこに険悪なムードなどは一切感じられない。常に和やかな雰囲気で、時には談笑を重ね、極めてフラットな関係性が感じられる。

そこで取材陣は、「難しいプロジェクトの押し付け合いや、部署毎の争いが発生しないのか?」と素直な疑問をぶつけてみた。すると、川向氏はじめ3名が揃って即座に「職種間での軋轢はおろか、社内で『成果をもっと出せ!』のような一方的な"詰め"が行われている場面を一切みたことが無い」と答えたのだ。その理由について尋ねてみると、少しの間をおいて、組織を分析するように川向氏が口を開いた。

川向まず、櫻庭ふくめ、ソルブレインのメンバー全員がこの仕事の難しさを肌で感じているからだと思うんですよね。

失敗を非難しようとも「じゃあ、自分がやってみろ」と言われたら、必ずしも成功させられるとは限らないですからね(笑)。それはベテランでも若手でも同じです。

須藤むしろ立場なんか関係なく、誰でも気兼ねなく意見していますね。今回の取材で節々にお伝えしてきたように、弊社では職種の枠を超えて、メンバー全員が顧客利益という目的を見て仕事をしていますし、それが当たり前という文化になっています。

つまり、社内政治や役職といったものよりも、顧客利益を重視するという鉄の掟が組織全体に浸透しているんです。

グロースマーケティングという包括的な支援や、成果報酬型で事業を行う上では、そうしたフラットなカルチャーが構造的に必要不可欠なんだと思います。

川向もう一つ、ソルブレインで職種間やメンバー同士の対立が起きない理由がありましたね。それは“データで語るカルチャー”です。

例えば、メインディレクターが考える最善のソリューションと、Webデザイナーが考える最善のソリューションが異なっていた場合、A/Bテストで両方を試してみるという方針があります。データを見れば成果につながる選択が合理的にできますからね。

こうしたデータ起点での意思決定は日々の業務において頻繁に出てくるんです。やはり、メンバー各自が顧客利益の最大化のために考え抜いた最善のソリューションですし、実際にどちらが最適なのかは神様でもなければ事前に知る術はありません。

もちろん知識量や経験値の差はありますが、成果報酬型だからこそ、誰の意見であってもを無下にせず、可能性があるならとりあえず試してみる。そんなカルチャーが生まれているのかもしれません。

カルチャートークに関しては、社歴の長い川向氏・須藤氏らのターンになるかと思いきや、入社して2年目の堀江氏も「こんな要因もありますよね!?」とカットインしてきてくれた。

堀江私が所属するエンジニア部署の先輩方は、とにかく新しい技術や知識を勉強し、仕事に取り入れるのが好きなんです。どんどん吸収して、武器を増やし、実戦でチャレンジする。

みんな学習意欲が高いから、たとえ人によって違った施策が導き出されても、自分が思いつかなかった施策の結果に興味津々で(笑)。

そして、仮に自身が打ち出した施策がうまくワークしなかったとしても、感情的にならずに、データを見ながら建設的に解決策を考えていく。そういったプロとしての姿勢を、櫻庭が“甲子園の強豪校”と表現したのであれば、妙に納得しました。

グロースマーケティングという難しい事業を、成果報酬型という厳しい条件下で推し進めなければいけないシビアな環境。そこでは、向上心と学習意欲に溢れたメンバーたちがお互いをリスペクトしながら、データを軸に答えを導き出していく営みがある。

堀江氏は続けて、「育成やオンボーディングにもその秘密が隠されているのかもしれない」と続けた。

堀江そういえば、入社直後まだ自信のなかった私に対して、上司から「『下っ端だから』とか『自分はサポート役だ』と思っているなら大間違い。ソルブレインに入社した時点から堀江さんも1人のプロフェッショナルなので、当事者意識を強く持ちましょう」と言われたことがあります。そこから私も、プロフェッショナルな姿勢に目覚めた気がしますね。

鳴り止まないカルチャートーク。最後に「そういえば...」と川向氏はソルブレインのユニークなカルチャーを表す印象的なエピソードを語った。

川向先ほど、詰められることはないと申し上げましたが、一つだけありました。それは、知ったかぶりをすることです。

社会人にもなると「こんなことも知らないの?」と思われないために、つい知ったかぶりをしちゃうこともあるかもしれませんが、ソルブレインでは通用しません。通用しないというか、知らないと言っても、全く恥ずかしくないんです。

あらゆる手段を用いて顧客の利益を追求しなければならないグロースマーケティングにおいては、例えベテランであっても自分の知らない領域に毎日のように出会います。だからこそ、社内ではナレッジやノウハウを惜しみなくシェアし合う文化があります。

こうした組織やカルチャーもまた、合目的的につくられたものではなく、厳しい環境で生き残るため、自然発生的に築き上げられたカルチャーだと言える。

同社の急成長の礎、そして競合優位性の源泉でもある、成果報酬型グロースマーケティング。多くの企業が実践を躊躇う、いや、実践したくてもできない理由が見えた気がした。

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「求ム。難易度の高い課題を解き尽くしたい者」

成果報酬型のグロースマーケティングに挑むということは、最大限の裁量を持つということ、そして、多岐にわたる経営課題と真正面から向き合うことだというのがご理解いただけただろう。だからこそ、会社員という立場でありながら、経営者目線や事業成長における総合的なスキルが養えることも先に示した通り。

しかし、それでも難易度の高い仕事であることは変わらない。

それこそ、甲子園に出られる人物は一握りであることと同じく、誰しもが簡単に挑めるものではないはず。一体、ソルブレインにはどんな人物がフィットするのだろうか?川向氏の口からは、意外な言葉が返ってきた。

川向“成果報酬型グロースマーケティング”と聞いて、「発想は面白いけど、『絶対できる』とは言えないな…」と思った方、ですかね。

それはなぜか。ここまでの話を聞いて、そのように感じた人こそ、この仕事の厳しさと面白さを正確に掴めていると思うからです。

この仕事は、多種多様な経営課題と対峙し、高い問題解決能力が求められます。そして、そこで挙げられた課題に対し、デジタル・アナログ問わずあらゆる手段で解決していくことが我々ソルブレインのミッションです。きっと、業務を通じて幾度となく壁にぶち当たることになるでしょう。

でも、だからこそ今の環境で、「現職の問題を全部解き明かして飽きてしまった」、「どこまで自分のスキルが通用するのか試したい」、「これまでと違う領域を跨いで、経験の幅を広げていきたい」と感じているいった方にはうってつけの場所だと思います。

須藤これはどの職種にも言えることですね。

エンジニアだったら「より事業成長にインパクトを与えるシステムを開発したい」。

Webディレクターだったら「Webサイトからの売上・利益の創出にチャレンジしたい」。マーケターだったら「広告運用をやっているけど、事業全体を俯瞰した上で集客戦略から考えたい」。

といったように、これまでのご経験をベースに持ちつつ、業務領域を広げていきたい、さらに深堀していきたいと考えている方にはとてもフィットすると思います。

また、反対にマーケティングやコンサルティングのご経験がなくても、事業開発などを通して売上・利益の数字に向き合ってこられたご経験がある方も、活躍されていますね。

体制を整え、急成長を遂げているソルブレイン。現在では、同社の事業内容と独特のカルチャーに惹かれ、本社・仙台だけでなく全国各地から人材が集まっているという。

“甲子園強豪校”が持つ現実的な厳しさは本記事で重々説明した。しかし、それでも食らいつくことができれば、飛躍的な成長が得られることだろう。

客の利益という生々しい成果を求め、タフな経営人材としてキャリアを築いていきたいという猛者には、打ってつけの環境ではないだろうか。

こちらの記事は2022年12月27日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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