スタートアップ、“国家プロジェクト”を背負う──被災地でも活躍、世界最小級のドローン企業・Liberawareが創る社会インフラ
Sponsoredドローンと聞いて、何をイメージするだろうか。
もともとドローンとは、自律的に動く車や航空機、船舶など無人機全般のことを指していたが、近年は3個以上のローターを持つマルチコプター型の無人航空機がドローンと呼ばれるようになった。
趣味としてドローンのレース競技を楽しむ人もいれば、映像・広告制作などで空撮に使うことも多い。農業では農薬散布や作物の生育状況の確認に使われたり、建設現場の作業進捗確認に用いられたりと、ドローンの用途は幅広い。
その中で、インフラや各種設備の点検・計測に特化した“世界最小級”のドローン開発と、当該ドローンで収集した画像データを解析し、顧客に提供するインフラ点検・維持管理ソリューションを提供するベンチャーが、2024年7月29日、東証グロース市場に上場した。
その企業とは、Liberaware(リベラウェア)だ。とりわけ屋内の「狭く、暗く、危険」な場所の飛行を得意とし、直近では能登半島地震や、東日本大震災で事故のあった福島第一原発内部の調査等で活躍している。
そんなLiberawareが今注力しているのは、鉄道環境の点検に特化したドローンの開発を行う「Project SPARROW」だ。JRやKDDIといった大手企業を含む4社が参画し、国のイノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)に採択されたこの国家プロジェクトで、Liberawareは何を成し遂げようとしているのか。
話し手は、元オリックスとして「DRONE FUND」に出資し、社外からLiberawareを見てきた後、同社にジョインしたCFOの内田 太郎氏。現在は「Project SPARROW」の責任者も努めており、ビジネス観点でドローン市場の最前線を学ぶにはうってつけの人物だ。
- TEXT BY YASUHIRO HATABE
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
世界へ飛び立つ可能性を秘めたスタートアップ・Liberaware
“世界最小”サイズのドローンが、原発炉や震災で倒壊危険のある建物等の内部を飛び回る。
その機動性、耐久性は現在世界トップクラスと言っても過言ではなく、日本の行政や大手企業はもちろん、既に海外企業から注目を集めている。取材を終えたFastGrowは既に感じているが、本記事を読み終えた読者ならこう感じるはずだろう。
「世界で勝てる日本発スタートアップが、ここにあるかもしれない」──と。
そんな期待を一手に受けるスタートアップ・Liberawareは、2016年8月、現CEOの閔弘圭(みん・ほんきゅ)氏が設立した。国家戦略特区*として、ドローンや自動運転モビリティなど近未来技術の実証実験を支援・推進する千葉市に本社を構える。
閔氏は、千葉大学の研究員として自律制御システム研究所(現ACSL)の創業者、野波 健蔵氏の元で研究に従事していた。野波氏は、2011年3月の東日本大震災の発端に始まった経済産業省・資源エネルギー庁の原発プロジェクト「発電用原子炉廃炉等・安全技術基盤整備事業のプロジェクト」を受託しており、閔氏もこのプロジェクトに参加したことでドローンの研究開発に携わることになった。
福島第一原子力発電所の内部が、事故後どのような状況になっているのかを探るためのドローンを研究していたが、そのプロジェクト自体は実用化に至らず終了となってしまう。しかしその経験から、より「現場」のニーズに即したドローンを開発したい、日本のものづくりで世界と勝負したいと考え、閔氏はLiberawareの起業に至った──。
福島第一原発に能登半島。
被災後の現地調査をドローンが担う
何も起きていない平常時に、インフラ等にリスクがないか検査するのが「点検」であり、これはLiberawareのビジョンである「見えないリスクを可視化する」を実現する上で中心となるアクションだ。
しかし、Liberawareのドローンが活躍するのは平常時だけではない。例えば、閔氏が携わっていた福島第一原発の事故のようにリスクが現実のものとなってしまった際、どの程度の被害を受けたのかを確認する作業にもドローンは有用となる。
実際、2024年3月には、実用化を見ずに終わったプロジェクトから約10年越しの悲願となる、福島第一原子力発電所1号機格納容器内のドローンによる内部調査に成功した。
また、2024年元日に起きた能登半島地震の被災地にもLiberawareのドローンの姿があった。この取り組みに関して、同社CFOの内田氏は以下のように語る。
内田余震や天候等による2次災害防止のため、倒壊家屋の内部や家屋の床下など、人が入れないところの被害状況を確認したり、商業施設の調査も行いました。また、火力発電所のボイラー炉内の緊急点検、再稼働前の設備調査ができたのは、当社のドローンならではの取り組みだったと思います。
今回の取り組みを通じて、当社のドローンの特長を生かした災害支援が現実的に可能であることを証明できました。今後また別の災害が起きた際には、発災後すぐに安否不明者捜索などの活動ができるよう、現在は自治体との連携を進めているところです。
このように、有事に備えるだけでなく、災害や事故が起きた後の調査、復旧に向けた活動においても、ドローンを活用できる場面は多々ありそうだ。
世界最小!260社以上の取引実績に裏打ちされた、Liberawareの技術力
ここであらためてお伝えしておくが、Liberawareは単に調査・点検用のドローンを開発・製造している“メーカー”ではない。
ドローンで撮影した動画データを画像処理することで、3次元データの形に変換して顧客に提供するデジタルツイン事業も行っている。このデジタルツインとは、センサーやカメラなどを通じて取得した現実の物理空間の情報を元に、デジタル空間上にデジタルデータでコピーを再現する技術のことで、製造業や建設業、都市計画の分野など幅広い分野で使われている。
この2本柱で事業を展開するLiberawareにはすでに260社以上の取引実績(2024年5月時点)があり、そのハードウェア技術とソフトウェア、およびデータ技術は高い評価を受けている。
では、ここから実際に同社のプロダクトをご覧いただこう。
これが、Liberawareのドローンの最新機種『IBIS2』だ。非GPS環境でも飛行可能で、産業用機体としては世界最小クラス(2024年7月時点、Liberaware調べ)。20cm四方に収まるサイズで、高さも6cm以下と非常にコンパクトな機体となっている。1回の充電で飛行できる時間は11分30秒、60m四方の空間の点検を一巡できるくらいのイメージだ。
このサイズ感からもわかるように、Liberawareのドローンは屋内の狭い空間を飛行させ、点検できることが最大の特徴である。
ただ、素朴な疑問として、「市販されているドローンを購入して点検に使うことはできないのか?」と思ってしまう。
内田市販のトイドローン(模型航空機に分類される100g未満のモデル)では不可能ですね。まず、屋内の施設を点検する用途のドローンという意味では、世の中にほとんど存在しません。
なぜなら、特にインフラ施設だと空間に埃が舞っていることが多く、市販されているドローンだとモーターに埃が入り込んで動かなくなってしまうからです。また、屋外から電波が届かなかったり、点検作業を遂行するにはバッテリーが足りないといった理由もあります。
『IBIS』のプロペラには、モーターを主とした日本有数の電機メーカーであるニデック社(旧:日本電産)と共同開発した防塵モーターを使用しており、粉塵が舞う空間での飛行にも十分に耐えられます。また、独自に開発した高感度カメラを搭載しているため、光源がなく暗い場所で撮影できることも、市販のドローンにはないLiberawareのドローンの独自性だと思います。
内田Liberawareではこれまで、日本製鉄さんの「高炉の中をドローンで点検したい」というニーズに応えるべく開発を進めてきた経緯があります。
製鉄所の高炉の中は鉄粉が舞い温度も非常に高いため、恐らく皆さんが想像するよりもかなり過酷な作業環境となっています。「そのような空間でも事故なく飛行し、作業を遂行できるドローンをつくろう」という目標を掲げ、愚直にやり切った末に出来上がったプロダクトこそが、『IBIS』なんです。
顧客の「現場」の課題にきちんと向き合ってものをつくったという、一連の経験そのものがLiberawareの強みなのである。
日本の鉄道インフラの未来を担う、「Project SPARROW」
そんなLiberawareが目下注力しているのが、鉄道環境特化型ドローンソリューションの開発プロジェクト「Project SPARROW」だ。
このプロジェクトは、国土交通省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」の数あるテーマの中で、「安全・安心な公共交通等の実現に向けた技術の開発・実証」分野のテーマ「鉄道施設の維持管理の効率化・省力化に資する技術開発・実証」に採択された、交付上限額52億円、4年間にわたる大型の“国家プロジェクト”である。
プロジェクトの目的は、鉄道の線路や設備の保守作業を自動化・効率化すること。
従来、保守作業は主に人の手で行われており、触車事故や感電、墜落などの労働災害リスクがある。ドローンによる自動点検システムの導入によって、これらのリスクを低減し、作業効率を向上させることを目指しているのだ。当プロジェクトは2024年4月にスタートしており、期日は2028年3月。目標は、それまでに開発・実証を終えたドローンが、2028年4月以降に市場で広く普及すること。
この「Project SPARROW」には、Liberawareを含む計4社によるコンソーシアムで取り組んでいく。
鉄道の現場をよく知るJR東日本、ドローン管制・通信に強みを持つKDDIスマートドローンに加え、LiberawareとJR東日本によるジョイントベンチャーCalTaがデータ処理部分を担う。ドローンの開発はもちろんLiberawareが担い、コンソーシアムの代表企業として本プロジェクトを牽引。Liberaware CFOの内田氏はこのプロジェクト全体を統括する立場にある。
内田本プロジェクトは、技術成熟度レベル(TRL:Technology Readiness Level)*に応じて3つの期間(TRL 5〜7)に分けて計画されており、段階的に進めていくことになります。
内田現在はスタート地点であるTRL 5の期間にあり、コンソーシアムを構成する企業たちがそれぞれの担う技術面の仕様を固めている最中です。2025年9月までには試作機を開発し、その動作確認の試験までを終える予定です。
そして今年の11月頃からはTRL 6の段階に向けた準備をしなければならないので、そのために何が必要かといった議論も現在並行して行っています。
内田氏が「現場の意見をしっかりと聞き、JR東日本の知見を獲得しながら進めていくことが大事だ」というこのプロジェクト。日本製鉄の課題に応えてきたLiberawareの力が再現可能なものかどうかが試される、極めて重要なプロジェクトだと言える。
鉄道というインフラの保守・点検業務に対し、平常時・災害時の両方で安全かつ生産性を高めるソリューションが実現できれば、全国の鉄道事業者、ひいては海外にも展開が見込まれる。また、自然災害の激甚化、労働人口減少問題に対抗する打ち手として、国からの期待は大きい。
国や大手企業を巻き込み、プロダクトの社会実装を担える挑戦環境
「Project SPARROW」の目的がドローンソリューションの開発である以上、エンジニアが中心となるプロジェクトではある。
そのようなプロジェクトにビジネスサイドとして関わる内田氏からみて、どこに面白味を感じているのかを聞いてみた。
内田1つのプロダクトに約50億円というお金をつぎ込むほどの決裁を、大企業でできるかというとなかなかないと思うんですよ。
それほどの大きなプロジェクトで、スタートアップ的にある程度の自由度を持ちながら開発できるということ自体が面白いですよね。
最初は開発が中心となりますが、プロジェクト全体で見ると、つくったものを売るところまでが仕事です。この数カ月やってきて、「売る」ためにしなくてはならないことが山ほどあるなとわかってきました。
そこまで聞いたところで、「営業」的な話につながるのかと思いきや、少し意外な話に展開した。
内田ドローンは航空法で認められた運用を想定しながらつくらないといけません。しかし、エンジニアに航空局との調整まで一任してしまうと開発の手を止めることになりますから、開発スピードが落ちてしまいます。
こうした当局と調整して運用に落とし込んでいく作業が実は膨大にあり、それらを私たちビジネスサイドが担っていきます。
大手企業の方々としっかり連携しながら、より良い、ステークホルダーが納得のいくビジネススキームをつくることもビジネスサイドの仕事になります。マーケティングや市場調査の要素もあり、大変ですがやりがいのある仕事です。
このように、ビジネスサイドには、プロジェクトマネジメントだけでなく、プロダクトができ、売った後にどのように使われるかという運用の設計をしながら法規制とも折り合いを付けていく、高難度な事業開発(BizDev)的役割も課されている。
「人の代わり」を果たし、さらには「人ではできないこと」を成す
ここまで、Liberawareのドローンがどのような場所で活躍し、そして現在どのようなプロジェクトに取り組んでいるのかを見てきた。ここで改めて、ドローンの価値を整理してみよう。
そこには、大きく2つの意味がある。1つは、ドローンが「これまで人が行ってきた作業を代わりに担う」ということ。もう1つは、「人ではできないがゆえに、これまでしてこなかった作業をドローンが担う」ということだ。
1つ目の、ドローンが「人の代わりになる」ことで生まれる価値は、例えばこういうことだ。
内田鉄道関係では、通常は作業員が線路沿いを歩いて点検を行います。「近くに建物が建ったな」「木の枝が伸びてきて線路に掛かりそうだ」「そこで落石があったな」といったことを、人の目で見て確認しています。
ただ、鉄道の現場は触車、つまり電車にぶつかってしまうとか、電線や電気系の設備等での感電、高所からの墜落など、特有の労働災害があります。そうした作業をドローンが行うことで、人が危険な目に遭わないようにできますよね。
内田さらに、今は人しかできない作業だから歩いて点検していますが、毎日はできませんし見落としもあります。けれどドローンを使うことでより効率的に、より正確に漏れなく、より頻度高く点検ができるようになります。
また、データが蓄積されてくると、「ここはそれほど頻繁に点検しなくてもいい」ということがわかってくる。そのバランスを見ながら運用をつくっていくことも可能になります。
そして、人の代わりにドローンが仕事をすることで、いままでかかっていたコストを削減することも可能になる。
内田例えば、地下鉄内にある立坑の点検作業があります。従来はこの作業をするために足場を組む必要があり、それだけで数千万円という費用がかかっていました。でも、ドローンなら当然足場は必要ありませんから、費用を大幅に削減できます。
では、2つ目の、「人ではできないがゆえに、これまでしてこなかった作業をドローンが担う」というのは例えばどのようなケースだろうか。
内田施設の天井裏の点検などはそうでしょう。
場所によって人が入ると天井が落ちてしまうことがあるので、これまでは点検口からのぞき込むのに留めていました。でも、ドローンを飛ばせば近くで見て、より詳細な情報がわかるようになります。そして、原発の原子炉や、製鉄所の高炉などの点検・調査なども人ができないことの最たるものですよね。
加えて、平常時の点検作業だけでなく、災害対応においてもドローンは価値を発揮すると内田氏は考えている。
内田大雨・台風などの悪天候により、木の枝やものが鉄道の電線に引っかかったりして電車が止まるということは皆さんもご存知だと思います。そんな時に状況を確かめに行くのも、今は人です。
風雨が強いとドローンすら飛ばせない場合もありえますが、例えば災害後の早期の復旧を目指す場合、人が行くよりもリスクは小さい。また、それを1日でも早めることは、営業日数を1日増やすことと同義ですから、経済効果としても極めて大きいと思います。
世界に広がる、老朽化するインフラや施設のメンテナンス市場
日本は今、少子高齢化が進み、人口はすでに減少局面に入っている。労働者人口も年々減少し、生産性の改善は待ったなしの社会課題だ。
ドローンに限らず、AIやロボットなどに「仕事を奪われる」ことを恐れている場合ではなく、「いかに機械に人の代わりに働いてもらうか」を考えなければならない。
内田鉄道業界では、危険が伴う、作業がつらいといった理由から、現場の人ほど勤続年数が短い傾向があるそうです。
そのような、“人にとって厳しい仕事”をドローンに任せられれば、離職率の低下につながるかもしれません。私たちが目指している「誰もが安全な社会」で、ドローンにはそういう価値もあるのではないかと思います。
日本のインフラや工場・商用施設は高度経済成長期に建設されたものが多く、老朽化が深刻だ。築後50年を超える道路や橋梁の割合は2020年時点で約30%だったが、このままだと2040年には約75%を占めるようになる。築後50年を超える工場や施設も2021年の56万平米から、2040年には140万平米に拡大し、メンテナンスの必要性が急激に高まっていく。
メンテナンスの市場規模は鉄道だけでも1,600億円程度と推定され、インフラ全体では5〜6兆円の規模が見込まれている。
「Project SPARROW」は2028年3月が区切りとなるが、Liberawareはこのプロジェクトを経験することで何を得て、その後どのような展開を想定しているのだろうか。
内田「Project SPARROW」で得られる知見は、鉄道業以外のインフラ点検に応用できる部分もあるでしょうし、またグローバル展開も可能だと考えています。
鉄道関連はこれからですが、それ以外の領域ではすでにグローバル展開も進めています。2023年9月にはマレーシアのBeyond Horizon社と戦略的パートナーシップに関わるMOU*を締結し、ドローン事業での連携を進めています。
経済が成長している新興国ではホワイトカラーの仕事の人気が高く、インフラや施設の点検をする人材は足りていない状況にあります。外国だからと言っても点検の対象物に日本と大きな違いはないので、チャンスは十分にあると思っています。
2023年度の国内のドローンビジネスの市場規模は3,854億円と推測されており、前年度の3,111億円から743億円(23.9%)増加している。この急成長は今後も続き、2028年度には9,054億円に達すると予想されている。
また、ドローンのサービス市場を分野別に見ると「点検」分野が4割ほどを占めており、成長のドライバーであることがわかる。さらに世界に目を向けると、ドローン市場規模は2030年までに546億USドル(約8兆円/1USドル=150円)に達するという予測もある。
Liberawareが挑む点検用ドローンの市場は国内だけでも十分に巨大だが、世界に目を向けると途方もない成長余地があるといえるだろう。
日本有数のトップエンジニアたちと築く、社会インフラの未来
このような高い成長ポテンシャルを秘めるLiberawareには現在、どのようなメンバーが集まっているのだろうか。
内田開発陣は、代表の閔がいた千葉工業大学でロボティクスを学んだ人たちが多くコアメンバーになっています。
ドローンというプロダクトは、機体やモーター、プロペラ、カメラというハードウェアの側面と、飛行制御や画像処理などのソフトウェアの側面があり、その両方を理解していなければ高品質なものはつくれません。Liberawareにはそれができるエンジニアが揃っています。
ある人は、誰もが知る大手メーカーでカメラの研究開発に長年携わってきた方がいます。管理職になって開発から離れるのではなく、現場で研究を続けたいという理由で小規模の企業に転職し、その後Liberawareに来ました。
『IBIS』は、常に新しい技術に関心を持つエンジニアが、高いレベルの技術を組み合わせて出来上がった機体だと言えるでしょう。
力強い開発メンバーたちが在籍するLiberaware。その中で、まさに今回紹介した「Project SPARROW」の推進を共に担ってくれる、ビジネスサイドのメンバーが今、求められている。
現状、本プロジェクトに携わるビジネスサイドは、一部コンサルティング会社の協力を得ながら、内田氏ともう1名の計2名で推進している状況だ。
内田開発とビジネスを完全に切り分けてしまうとコミュニケーションしづらくなってしまうので、開発陣の議論を私たちも把握しながらやっています。そのように、全体を見られる人をもう2〜3名増やしていきたいと思っています。
Liberawareはドローンというプロダクトが事業の中心にあるので、ものづくりを担う開発メンバーのモチベーションをマネージし、大手企業とも調整しながら全体に気を配れるバランス感覚が必要だと思います。
ただ、それを1人で全部しないといけないわけではありません。1人1人は尖った部分を持つメンバーが、全員揃ったときに力を発揮できることが望ましいので、そのイメージができる人と仕事をしたいですね。
そして何より、鉄道業の現場の方々と同じ目線でコミュニケーションをとれることがとても重要です。一方で、プロジェクトにおける役割を遂行するためには現場とは少し違った視座も必要となる。このように、現場とプロジェクト全体のバランスをうまく取れる人に、ぜひ来ていただきたいと思っています。
内田もちろん、グローバルな仕事に関わりたい人も歓迎します。
「誰もが安全な社会を作る」というミッションと、「見えないリスクを可視化する」というビジョンが示すように、私たちは明確に社会課題に目を向けている会社です。そこに共感していただける方と、ぜひ一緒に仕事をしたいです。
国家プロジェクト「Project SPARROW」はまだスタートしたばかりだ。しかし、これまで顧客の「現場」の課題・ニーズに正面から向き合ってきたLiberawareならば、4年後に必ず成功を収めていることだろう。
さらに、その先には国内での事業拡張はもちろんのこと、グローバル市場も見据えており、挑戦機会と成長余地は十分に大きい。今後もLiberawareによる安心・安全な社会づくりの軌跡と、その事業成長の様子をつぶさに追っていきたい。
こちらの記事は2024年09月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
畑邊 康浩
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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