「開発技術」だけでは、良いプロダクトなどできやしない。「組織づくり」に本気になれる環境で躍動する博士人材の、本音から学ぶマインドセット

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高校在学中にアメリカへ渡り、ミシガン大学フリント校で数学を専攻。卒業後、東京大学情報理工学系研究科に進み修士課程を修了。博士課程の途中で就職を決意し、2021年にネットプロテクションズに新卒入社した。データサイエンスグループとビジネスアーキテクトグループを兼務し、プロダクト開発や組織づくりに邁進する。

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大学院の修士課程を修了し、さらに専門的な研究にいそしむ博士課程。そこで得られる高度な技術力を活かせる場所はどこにあるのだろうか──。

世界に目を向けると、アメリカでは博士号は高く評価されている一方、日本では博士課程を修了しても安定したキャリアパスを確立することは容易ではないといまだに言われる。なぜなら、アカデミックポストの倍率が異常に高く、さらに日本企業ではそうした人材を受け入れ活躍させる体制が充分ではなかったからだ。

しかし、ことIT領域においては高度な技術・知見を持つ博士人材の需要が高まっている。特に上場前後のITベンチャーでは、手触り感とR&Dのバランスが良い、そんな声も聞かれる。

今回紹介する佐久間氏は、東京大学大学院の博士課程を経て、国内BNPL決済サービスのリーディングカンパニーであるネットプロテクションズに入社。その決め手は、「本気で楽しみながら挑戦し、活躍できる環境がここにあったから」だという。

10年以上ITの経験を持ち、技術を極めてきた彼が、エンジニアとして就職先に選んだネットプロテクションズとは、一体どんな組織なのか。同社に対する想いから組織の魅力を紐解いていきたい。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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大学は数学科、大学院はコンピューターサイエンスを専攻

2021年にネットプロテクションズに入社した佐久間氏。現在は、ビジネスアーキテクト(BA)グループとデータサイエンスグループに所属し、「プロダクト開発」と「データエンジニアリング」を兼務しつつ、「組織づくり」や「新人のIT研修」にも注力している。

横断的に業務に携わることは社を挙げて推奨されているものの、「博士過程からの入社とはいえ、新卒2年目で、4つの業務を本当に掛け持ちできるの?」と、冒頭から驚いた読者もいるだろう。まずは今に至るまでの経緯を見ていこう。

自動車開発のエンジニアである親の影響で、幼少期から理数系に親しみがあったという佐久間氏。特に数学に対しては並々ならぬ想いを抱いていた。

佐久間中学2年生の頃、数学の証明にコンピューターが使われていることを知りました。当時は、数学に一生を捧げる気持ちでいたので、「数学に関することは全部やろう」とプログラムを書き始めたのがITに興味を持ったきっかけです。

とにかく時間があればコードを書き、興味本位からWordPressで「テーマ」を自作で新たに開発したこともあった。そして転機になったのが高校時代にアメリカで開催されたロボットの世界大会。周りのメンバーはみな開発がほぼ未経験という中で、「僕がやるしかない」とチームをリードした経験が大きな成功体験になったという。

その後、アメリカの大学では数学を専攻していたが、大学院は日本へ帰国し自然言語処理と機械学習を専攻。日本を離れアメリカでの生活で多くの人に助けられた経験から、もっと人の役に立つことを学びたいと考えるようになり、コンピューターサイエンスに足を踏み入れたのだ。

そして修士課程2年、博士課程2年を経てネットプロテクションズに入社。博士課程まで進学した彼であれば、その後、研究職に進む道だって当然あったことだろう。

佐久間人の役に立ちたい、社会の役に立ちたいと思ってコンピューターの世界に入り、研究を積み重ねてきましたが、自分の研究がどういう風に役に立っているのかがまったく見えずもやもやした気持ちを抱えていました。

しかし、ふとした瞬間、今の自分は社会を知らないし、世の中でプロダクトをつくったり、使ったりしている人たちのことも知らない。そんな状態で研究しようとしても、‟人”に使ってもらえるものは、絶対につくれないだろうと気づいて──。だったら、企業で物をつくり、それを‟人”に届けるところまでやろうと、ビジネスの世界に出る決心をしたんです。

ではなぜ、それがIT関連の大企業ではなく、ネットプロテクションズというベンチャー企業だったのだろうか。

佐久間確かに、周りにいた人たちの多くが大企業の研究開発部門への就職を選んでいましたが……私は、ネットプロテクションズでは理想の組織づくりが体現できると感じて、「ここしかない!」と思いました。

研究室にいた頃も、共同研究といったチームプレーがありました。研究室の外でもチームでロボット開発をする活動に参加していました。企業ではありませんが、個人プレーが多かったり、メンバー同士のモチベーションの違いで言い争いが起きたりといったこともなくはなかった。当時から私は、「組織についての課題」を強く捉え、いろいろと考えていました。

ネットプロテクションズでなら、エンジニアでありながら組織をデザインできる立場にチャレンジできる。そう伝えてもらえたのが印象的でした。

これらのバックグラウンドと志望理由を聞けば、冒頭に触れたすさまじい兼務もある程度納得できるかもしれない。といっても、本当に成果を出せているのか?チームはうまく回っているのか?など疑問は尽きない。ここからは、具体的な組織での活動について見ていきたい。

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エンジニアの仕事とHRの仕事は、一緒に考えて取り組むべき

「エンジニアの仕事とHRの仕事は独立するものではなく、一緒に考えて取り組むべきものである」と、佐久間氏は強調する。

確かに最近、「全員採用」「事業部人事」「HRBP」といった言葉が一般化しており、人事は人事担当だけの仕事ではなくなってきているように感じられる。そんな社会背景もある中、佐久間氏は「システムづくりと組織づくりには共通点が多い」という独自の考えを示す。

佐久間エンジニアはシステムをつくる仕事ですが、そのためには組織をつくる必要があります。当然、組織をつくるためには人を採用しないといけないし、制度の構築が必要だし、一人ひとりが決まり事をしっかり運用することで組織全体をうまく回していかなければなりません。

結局、システムづくりも、組織づくりも、すべてをまとめて1つのエンジニアの仕事だという気持ちで臨んでいますね。特に最近のエンジニア界隈では、アジャイル開発、スクラム開発など組織論がかなり進んでいます。組織がうまくいっているチームでは、メンバーがめちゃくちゃ楽しく働いていますし、結果的に良いプロダクトが生まれていると思います。

何度も繰り返すが、彼はまだネットプロテクションズに来てから2年も経っていない。一般的に、新卒2年目の社員がここまで客観的に組織運営について考えられるものだろうか。いや、普通は考えられないだろう。

佐久間僕、理想への想いが強いんです(笑)。「現実はこうだよね」とわかっていても、理想を諦めきれない。組織づくりにおいては特に、理想論を語ることをやめてはいけないと思っています。

本来、僕はエンジニアなので、1日あればずっとコードを書いていたいという想いもあります。けれど、それだと組織がうまく回らないことを大学院時代に自分でも感じていましたし、見聞きすることもありました。その時に、「ただコードを書くだけの人にならないぞ」と決めたんです。それぞれの役割はありつつ、責任は全員で持つこと。それがうまく組織が回るチームだと思います。

たとえ新入社員の声でも、「こうしたい」という想いを受け入れるカルチャーが醸成されているのが、ネットプロテクションズだからこそだと言える。

佐久間入社前の面談でCTOの鈴木さんに「ティール型組織を謳っていますが、本当にうまく組織が回っているんですか」と少し踏み込んだ質問をしたことがあって。すると、当時の開発組織について「うまくいってない部分もあるから、もっとあんなことやこんなことをやっていきたいんだよね」と率直にお話をしてくれたんです。

その反応から、僕は言葉通りに受け止めて「この会社なら、自分の考えを自由に実践しようとしても、怒られることはなさそうだな」と思いましたね(笑)。今振り返ると、生意気な若い学生だった僕に対しても真摯に向き合い、「組織の本質」をきちんと伝えてくれていたんだなと思います。

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「権限と責任」を明確に整理して持ち合わなければ、組織の対話も意味をなさない

話を現在に戻そう。‟みんなで責任を持ち、みんなが楽しく働けるエンジニア組織をつくりたい──。”そんな強い想いを抱いて入社した佐久間氏だが、それから1年半が経ち、理想のエンジニア組織を実現することができているのだろうか。

佐久間今、まさにチャレンジしている段階です。

冒頭でもお伝えした通り、僕は現在ビジネスアーキテクト(BA)グループと、データサイエンスチームの2つに所属しているんです。そのうちデータサイエンスチームでは事実上、リーダーが不在というかたちをとっています。

そのため例えば、「どういう人を採用するか」「どういった人員配置をするか」「部署外とどのようなコミュニケーションを取っていくか」などから、「今後データサイエンスはどういったチームになっていくべきか」といったところまで、全員で考えて議論しながら組織づくりを進めています。

今の状況を「すごく難しいけれど、工夫しながら頑張っている」と話す一方で、佐久間氏がリーダーを担うことはないのかという問いかけに対して、次のように語った。

佐久間リーダーという存在は、組織上の権限を持つと同時に、責任を一手に背負うわけですよね。

僕たちは、その「権限」と「責任」それぞれの重みを、みんなで背負って前に進むべきだと考えています。「みんながリーダーの役割を担う組織」という理想を掲げています。

その中では、いわば一時的に僕がリーダーの役割を担っている瞬間もありますし、他のメンバーがそうである瞬間もあります。

例えば経営者が社員に対して「思っていることを、みんながアクションしていい」と、トップダウンで呼びかけたとする。初めのうちは数人が取り組んでも、ほかのメンバーに波及し、広がっていくことは、多くない。人任せになってしまったり、「どうせ誰も続けないだろう」と考えて取り組み事態にかかわらなかったり、といった事態に陥ることが少なくない。

それは、「権限の偏り」と「責任の希薄化」によって起こる。言い換えれば、トップも含めて、「当事者意識の欠如」が起きてしまうわけだ。

一方、ネットプロテクションズでは、「エンジニア組織は、もっと良い組織になれる」と誰もが諦めず、理想の組織に向けていろいろな場所でアクションが生まれているという。なぜ、それが可能なのだろうか。

佐久間先ほど言った「権限と責任」がしっかり広がっていることに加え、社内で常にきちんと対話がなされているからだと思います。言いたいことがあっても言えない環境というのは、「言っても聞いてもらえない」「採用されないから諦める」といった状況を生み出します。

例えば今、機械学習のプロジェクトを推進しているんですが、その発端も僕が初めにシステムをつくり、「今、これを事業としてやるべきでしょうか」といろんな方に投げかけたことがきっかけです。その際、「今なら、やる気のある人がいるから、今こそやるべきだ」と背中を押してもらえたんです。僕が発信したことに対して、声がしっかり経営層まで届いているんだなと実感しました。

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あらゆる情報が獲得でき、技術力のある人が活躍できる場

ソフトウェアエンジニアでありながら、同時に理想の組織づくりにもチャレンジを続ける佐久間氏。まだまだ挑戦は始まったばかりではあるものの、今の時点から見える将来のエンジニア像について尋ねてみた。

佐久間自分の役割を既存の言葉でラベリングして、できることを制限してしまうようなエンジニアにはなりたくないですね。チームや組織、事業の中で、その瞬間にやるべきことを見つけ、場合によっては開発も、組織づくりもする。一言で言うとフルスタックなIT人材でしょうか。

僕は技術も組織も好きなので、「両取り」で突き進んでいきたい。エンジニアあるいはデータサイエンティストとして、事業成長に貢献し続けることは当然のこと。それに加えて、「楽しいと思うことにコミットし続けられる組織」を率先してつくっていく存在になりたい。

「僕の役割は○○だから」などと、可能性を小さくするような考え方はせず、常により大きな成果を追い求め続けられる人であり続けます。せっかく、ネットプロテクションズという環境に身を置くことができたんですから。

大学時代の恩師である、情報科学者の喜連川優さんという東大の特別教授がおっしゃった「社会のために役立つものをつくろう」という言葉が、自分が社会に出る大きなきっかけとなりました。

もちろん社会に役立つ研究は大学の研究室でもできますが、社会に出て企業で実現したいのであれば、ソフトウェアで社会インフラをつくり上げようとしているネットプロテクションズのようなベンチャー企業こそ、刺激のある環境だと思います。

さらに、高度な技術力や知見を発揮できる環境として、IT系の大企業やメガベンチャーよりも、優れる面があると胸を張る。

佐久間技術を持っている人が活躍できる場所の特徴は、戦略が秀逸だったり、企業・事業が大きかったり、マネジメントがしっかり整っていたりというものとは少し違うものだと思います。それは、「経営や事業に関する情報が、社内でオープンになっていること」だと思うんです。

どんなに高度な技術を持っていても、組織が今どのような状況にあるのか、あるいは社会から何を求められているのか、といったことがわからなければ、生み出すべき価値がわからず、システムに落とし込むことなどできません。そうなれば技術など、宝の持ち腐れです。

ネットプロテクションズでは、驚くほどに情報がオープンになっています。たとえ入社1年目でも、各事業の状況を自ら取りにいくことができますし、コミュニケーションが活発なので経営陣や株主が何を求めているのかがわかります。

また、つくった技術に対して的確なフィードバックがありますし、チームメンバーは責任を持って動いているからこそ、他の人が苦しんでいればいち早く気づきサポートできる。エンジニア一人ひとりが自分の技術にフォーカスできる空間をみんなでつくっています。

修士過程や博士課程、あるいは企業の研究部門で腕を磨いてきたというあなたにこそ、伝えたいですね。「その技術と知見を、フル活動しつつ、さらに成長できる環境がどこにあるか、それはネットプロテクションズこそ、でしょう」と。

今までになかったイノベーションの創出がより強く求められる今の時代、高度な技術を持つ人材の確保が日本企業の課題となっている。今後、ますます優秀な人材に対する需要は高まっていくはず。

とはいえ、技術力は自由に使える環境があってこそ、価値を生み出せるもの。エンジニアでありながら、ビジネスや組織構造を知った上で事業に取り組み続けられるネットプロテクションズはそうした環境づくりに妥協せず取り組み続けている。エンジニアリングやデータサイエンスに自信を持つあなたにこそ、ぜひ一度、詳しく伝えたい。

こちらの記事は2022年11月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山田 優子

写真

藤田 慎一郎

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