「外資じゃなくて、日系ファームに行く意味あるの?」新・就活生なら知っておきたいコンサル業界4つの誤解
Sponsoredあらゆる業界のあらゆる規模の企業が一斉にイノベーション達成へ向けてひた走る中、コンサルティングファームは自らの位置づけや役割を改めて問われ、さらにはそこで活躍する人材像や働き方にも変化の兆しが訪れている。こうなると就活生は困る。
いわゆる業界の定説らしきものも、どこまで信じて良いのやら。そもそも憧れが強い反面、誤解の多かった新卒市場におけるコンサルティング業界だけに困惑は広がるばかり。
そこで新・就活生たちの不安や勘違いを払拭すべく、国内系の雄・日本能率協会コンサルティングの面々が回答をくれた。
- TEXT BY NAOKI MORIKAWA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
誤解1. 「コンサルティング業界では外資のバリューが圧倒的に高い」
今回、改めて学生たちへ向けてヒヤリングを行ったが、やはり目立っていたのが、外資系大手グローバルファームを勝ち組ブランド視する声だ。80年近くの長きに渡り企業から信頼を得てきた日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)としては黙っていられないだろう。だが、経営コンサルティング事業本部長の大谷氏は、淡々とこう答える。
大谷私は昨年から人材採用・育成委員会の委員長も兼任していますので、FastGrowのイベントでもお話をした通り、日本市場における各コンサルティングファームの位置づけや、強みの違いを発信する機会を多く持っています。
総研系、外資総合系、戦略ファーム、専門ブティックファーム、オペレーション系、R&D系、人事系、日系生産系などなど、一口にコンサルティングファームと言っても、その役割や得意領域は様々。規模も違えば、戦略寄りなのか実行寄りなのかという面でも異なっています。
ですから、「コンサルティングファームは外資の方が圧倒的に強い」という表現には、そもそもの視点からして大きな理解不足があるわけですが、実は私たちが採用の局面でお会いする学生たちは、その辺りを重々心得ている人が多いんですよ。
たしかに意外な現象だ。コンサルティング業界志望者の大部分は外資大手を第一志望としていて、国内系ファームには一線を引いているイメージさえあったのだが、採用担当として最前線に立つ福嶋氏もまったく同じ見解を示す。
福嶋例えばJMACのようなファームが外資戦略系とは異なり、継続性のある関係をクライアント企業と築きながら共に成長している点なども、ある程度は心得た上で、外資系は受けず、JMACを志望してくれる学生もいます。
他方で当初は日系、外資系双方を併願している学生の中にも、就職活動を進めていく途上で両者の違いに気づいて、徐々にどちらかに重点を置いていく学生も毎年多く見受けます。
実際に、外資系戦略ファームの内定を持っているにもかかわらず、「20代のうちに提案から、実施支援までの全てを一貫して実践したい」という理由で、JMACに入社してくれた方もいましたね。
外資系ファームばかりに目が行ってしまい、国内系ファームを軽視しているような学生は減少傾向にあるのだろうか? コンサルティング業界のことを、しっかり理解した上で賢く行動する方向に推移しているのであれば言うことはないのだが。
大谷さすがに業界の実態をつぶさに理解できている学生は今でも決して多くないとは思いますよ。
外資の、特に戦略系がこれまでコンサルティング業界のイメージを代表してきたような部分がありますので、どうしても彼らのイメージが強く、外資戦略系以外のファームがどのように棲み分けをしていたり、どういう事案と向き合っていたりするのかまでは、学生たちはまだ理解が足りないように感じています。
増田そもそもコンサルティングファームに限らず事業会社の説明を受けたとしても、学生の多くは社会に出たことがないわけですから、「どんな業務が実際に行われているのか」まではわかりにくいですし、ましてやその支援を担い、プロジェクトベースで毎回業務内容も変化するコンサルティングファームの仕事内容となれば、なかなか完全に理解して腹落ちするところまではいきませんよね。
私だって10年前にJMACを受けた時には、JMACがいわゆる外資戦略ファームと同じだと思っていたんです。
ラーニングコンサルティング事業本部でチーフ・コンサルタントを務め、人材採用・育成委員会のメンバーでもある増田氏も以上のように語る。三者共通して「コンサルティング業界を外資系・国内系の区分だけで捉えようとすると難しいのではないか」と言う。
福嶋あくまでも想像ですが、最初はイメージに左右される学生は多いのではないでしょうか。そのイメージのせいで国内系のコンサルティングファームを受けずにいる可能性はありますね。
私たちはJMACを志望してくれた学生ばかりと話をしていますから、「学生は皆ある程度、コンサルティング業界を理解してくれている」と思い込んでいるだけかもしれません。もし、「国内系よりも外資」という誤解があるとすれば、それは解いておかないと、学生にとってキャリア選択の幅を狭めてしまうことになってしまいますね。
結局、最初の誤解に対するJMACの回答はどうなのかといえば、国内系・外資系という視点でそのコンサルティングファームの価値・バリューは計れないということ。
実績で言えばJMACのように外資と肩を並べるだけの成果を上げている国内系ファームは実在するし、なおかつ国内系なればこその長期的リレーションシップと実践力の強さにより、外資戦略系とは別次元の価値をクライアント企業に提供してもいる。同じ外資であっても、戦略系や総合系、オペレーション系や技術系ファームというように、それぞれ違った価値をクライアントに提供しているのだ。
まずは、個々のファームがそれぞれどのような面で強みを持っているのか、実際にどんな支援内容が多いのかを、しっかりと学び取ることが先決ということになるだろう。
誤解2.「コンサルタントは超激務。若手の間は寝る間もなく、資料作り続ける下積み生活を余儀なくされる」
地頭の良さそうな若きコンサルタントが、スライドを投影しながら颯爽とロジカルなプレゼンを繰り広げる……TVドラマでは相変わらずそんなステレオタイプのシーンが登場するものの、就活を控えた学生たちがコンサルタントに対して抱いているリアルなイメージは、もっとシビアだ。
「給与は高めだけれども、激務に追われてボロボロ」、「そもそも入社して数年の間は、パワポや資料の作成係とか、調べもの主体の下積みをさせられる」といった内容。はたして実態はどうなのか。
大谷「コンサルティング業界はブラック」というイメージは、たしかに長い間定着していたと思いますが、私たちが実際に出会う学生たちから「すごく忙しいんですよね?」といった不安げな質問をされるケースは減ってきています。
福嶋働き方という面では、休みの計画を含め、時間の使い方を上手にコントロールできるかが重要です。例えば、夏休みや家族行事などの計画を先に入れてから、仕事を組み立てるコンサルタントもたくさんいます。
大谷JMACの場合、若手コンサルタントにもプロジェクトにおいて一定の役割と裁量を任せているので、「仕事が面白くてつい遅くまで」というパターンがなくはなかったのですが、実態はネガティブな激務のイメージから遠ざかってきていますよ。
最初のうちは要領を得られず、データ分析や資料作成に時間がかかることもありますが、経験を積むにつれて生産性がどんどん上がっていきます。コンサルティング業界全体としても、同様の傾向にあるのではないかと思います。
増田私なんて入社2年目に産休をいただきましたし、復帰後も問題なく働けています。ファームによって差異はあると思うのですが、少なくともJMACはリモート勤務も入社当初から可能でしたし、オフィスに出社するかどうかも自分で選べますから、「激務でボロボロ」にはなりません(笑)。もちろん本人の裁量次第ではありますけれども。
大谷まあ、「コンサルタントはタフな仕事だ」というイメージも、「下積み生活が長い」というイメージも、やっぱり外資戦略系の過去のイメージによるものだという気はしています。
JMACは以前からクライアント常駐型のプロジェクトよりも、訪問型プロジェクトの方が多かったですし、1つのプロジェクトにアサインされるコンサルタントの数も平均2〜4人です。
ですから、伝統的に入社後早い時期からそこそこ重要な役割を任されることが多いんですよ。つまり、若手はアシスタント的な仕事しかさせてもらえない、という問題はJMACにはそもそもありませんでした。
大谷氏はこの問題について、ファーム自体の構造的違いによる部分が大きいはずだと指摘。若手がいつ一人前の扱いを受けるのかについては、個々のファームのカルチャーも関わってくるが、そもそもの組織構造や主流となるプロジェクトの規模、そしてそこでの働き方といった部分に左右されるだろう、というのである。
大谷例えばプログラミングを伴うような技術系案件主流のファームや、外資総合系のファームでは、1つひとつのプロジェクトの人員規模は大きくなりがちです。
こうなれば、良好なプロジェクトマネジメントのために議事録やパワーポイントを作成するような業務も多数発生します。常駐型のプロジェクトが主体となれば、どうしても日々の雑務にも対応が求められたりします。必然的に若手コンサルタントがそうした役割を引き受けざるを得ない構造になってしまうんです。
ですから学生の皆さんには、入社を希望するファームの方々に、「御社は常駐型ですか?訪問型ですか?」、「1つのプロジェクトにアサインされるメンバーの数はどの程度ですか?」といった質問を事前にしておくことをオススメします。この2つの質問の回答から、若手のうちからどの程度の裁量をもって仕事ができるか、ある程度想像できますからね。
増田あと、コンサルティング手法に「フォーマット」があるかどうか、も知っておくとよいでしょう。多くのコンサルティングファームは「問題解決の型」を持ち、その型に準じたコンサルティングをメインに行います。型があるからこそ企業規模を拡大できるともいえますが、コンサルティングの自由度は下がりやすいです。
一方JMACのように、型にこだわらずオーダーメイドで問題を解決していくファームも存在しています。実際、外資系ファームから転職してきた方からは、「定型のフォーマットがないんですか?」と聞かれることが多いですね(笑)。
つまり、激務か否か、下積みが長いかどうか、自分の裁量で自由に提案できるかどうか、という問題はファーム次第ということ。業界全体を1つの固定イメージで判断するのではなく、コンサルティングという仕事の多様性をある程度理解したうえで、個々のファームがどういう働き方をとっているのか情報収集すべきということだろう。そして、同様のことが次なる誤解への回答にもつながってくる。
誤解3.「コンサルタントのキャリア形成はアップorアウト。成果がでなければすぐクビになる」
コンサルタントになったからには、一定のスピードで所定の成果を上げ、出世をしていかない限り出て行かざるを得なくなる……そうした状況を示す表現として「アップorアウト」という言葉を知っている就活生は少なくない。実態はどうなっているのか?
福嶋以前FastGrowのインタビューに応えたJMAC取締役経営企画室長の富永を筆頭に、JMACでは生涯現役を貫こうとしているコンサルタントが非常に多く、JMACの大きな特徴にもなっています。平均勤続年数も14年以上あり、コンサルティング業界では長い方だと思いますから、少なくともJMACにはアップorアウトという現象は起きていません。
増田確かにコンサルティング業界全体を見れば、一般の事業会社よりも転職をする人は多いと思うのですが、近年では業界を問わず終身雇用を前提に働いている人が減っていますよね。
採用活動の一環で学生の皆さんとお話をしていても、アップorアウトの話題が出ることはほとんどなくて、辞めた人がその後どういうキャリア形成をするのかを知りたがるケースの方が多い気がします。就活生だけでなく、若い層の働き方やキャリア形成に対する関心の持ち方や意識が変わってきていると思います。
大谷外資系の場合には、組織の構造上の理由から、コンサルタント当人が選択を迫られやすい状況はあると思うんです。肩書きの名前はファームによってまちまちですが、通常はアナリストというポジションから始まり、コンサルタントとなった後はシニアマネジャー、パートナーへと上っていく形が外資では標準的です。
増田JMACでも呼び名は違いますけれども、アシスタントクラスのコンサルタントから始まり、やがてチーフ・コンサルタントとなってプロジェクトの責任者を任されるようになり、その後、シニアクラス、プリンシパルというようになりますよね。
外資系などで言うシニアマネジャーと当社で言うチーフ・コンサルタントは、ほぼ同じミッションを託されるわけですけれども、年代的にも早くて30歳過ぎくらいで一緒ですよね。
大谷そうですね。違いが現れるのはその後ということ。外資系ではパートナーに就任するには、マネジャー時代に一定規模、一定額以上の案件を取ってくることが求められるから、そこでアップorアウト的なモノサシで計られる場合も出てくる。
しかも、頑張ってパートナーになった後は、現場のコンサルタントと言うより、案件獲得に集中する「営業活動」がメインの役割となるケースが圧倒的に多い。そこがJMACとは決定的に違いますね。
増田私も少し前にチーフ・コンサルタントになりましたが、JMACの場合、そこから先も当人の裁量で選択できますよね。先ほど大谷も話していたように、JMACでは入社1〜2年目からクライアントの意思決定層とダイレクトに向き合ったりもしますから、7〜8年が経過してチーフ・コンサルタントになる頃には、長いお付き合いをしてきた企業から新たな案件の提案機会をいただくケースは自然に発生してきます。
人によっては大型の案件を獲得して、実務を回すコンサルタントに任せるような形、つまり外資系のパートナーに近い立場になる場合もあります。JMACでは比較的大きな仕事を獲得して、他のコンサルタントとチームを組んで自分がプロジェクトを管理するのが一般的ですね。
また、自分がやっていけるだけの案件を取り、あとは現場に出て1人のコンサルタントとして活動するような形を選択することもできます。だからこそ、福嶋が言ったように「生涯現役のコンサルタント」という働き方を貫くような人も出てくるわけです。
大谷そう、つまり受注責任の捉え方がファームによって、組織構造によって違っているということです。
一般的な外資系ファームの場合、パートナーになれるほどの案件獲得力があるかどうかで昇進のふるいがかけられるために、実力不足で辞めざるを得なくなる人が出てくるし、パートナーになれるだけの力量を持っている人であっても「現場から退くのはいやだ」という価値観の持ち主だった場合、その想いを実現できる他のファームに転職せざるを得なくなったりするんです。
増田アップorアウトの風潮があるのかどうかを気にするよりも、私としては自分が望む働き方はどうなのか、どんな価値を社会やクライアントに提供したいのか、というところにこだわってほしいと思いますね。
就活の時点で将来のビジョンを固めることはできないかもしれませんが、コンサルタントという仕事とどう向き合っていきたいのかは、イメージしながら活動をしたほうが良いと思います。
大谷そのためにも、あえてお伝えしておくと、例えばコンサルタントとして20年現場に居続けた人間は、コンサルティングの幅においても奥行きにおいても、スーパーマン級の知見を獲得できます。もちろん、外資系ファームを渡り歩いているスーパーコンサルタントも業界にはいますが、JMACにはそういう存在が当たり前のように何十人もいます。
ですから、「長い間現役コンサルタントを続けていくという働き方の実態を知りたい」、「マネジメントやセールスよりも直接クライアントと対峙し支援することに興味がある」という人がいるのならば是非私たちに会いに来てほしいと思いますね。
福嶋もう1つ、ついでに言うのであれば、増田が示したような「自由にキャリア形成の道のりを選択できる」ことも含め、JMACの自由な組織風土というか空気感のようなものも体感してほしいですよね。JMACは「少ない昇進後のポストを取り合う」仕組みになっていないからこそ、ギスギスした雰囲気ではなく、「みんなで協力して、全員でそれぞれが目指す高みに行こう」という雰囲気があります。
大谷そうですね、うちは辞めた人とも定期的にOB会として交流するような仕組みもあるし、メンバーの転職先企業がクライアントになる例も多くあります。コンサルティング業界がアップorアウト等の影響で妙な緊張感が漂うところばかりではないことも、知ってもらえるでしょうね。
誤解4. 「教育や育成はほぼOJTのみ。良くも悪くも自己責任のサバイバル主義」
コンサルタントはプロジェクトベースで仕事をするから、体系的な教育を受けることは難しいのではないか、というイメージを持つ学生も少なくない。
次々とアサインされるプロジェクトで経験できた領域については成長することができても、場合によっては偏ったスキルや知見しか獲得できないまま年月が過ぎてしまうのではないか……そんな不安を抱く就活生には、どう応えてくれるのだろう。20年以上前から1年目社員を育成するための教育プログラムを設けているJMACについて、大谷氏は以下のように語る。
大谷JMACでも2年目以降の人材育成の基本はOJTになりますが、私が入社した当時から入社1年目は1年間、アカデミーという研修制度があります。もちろん、年々教育プログラムを充実させてきています。
福嶋コンサルティング業界で新人の育成期間に丸1年をかけるところがどれだけあるか、就活生の皆さんは、その辺りを知っておくと良いと思います。きっと多くのファームは早いうちからOJTだけになることの方が多いはずです。
増田研修といっても教室に座ってお勉強をするというよりは、かなりOJTに近い形態ですよね。その中で、1年目の社員は自分が担当したいプロジェクトをほぼ100%自分で希望したとおりに経験することができる。さらには2年目の配属先も自分の意志で決めることができる。ここはJMACの魅力だと思います。
大谷大まかに説明すると、約2ヶ月の座学期間を過ぎると、約4〜5ヵ月のサイクルでリアルなプロジェクトに参画して、実際の仕事を通じて学び、再度別のプロジェクトを選択して再び4〜5ヵ月学んでいくことになります。
増田が言うように、どのプロジェクトにアサインされるかは、原則として当人の希望に基づいて決めますから、2年目以降の自分がどう成長していきたいかを念頭に置きながら選択することができるわけです。
例えば、生産現場の改革と研究開発部門の改革のどちらが良いかと悩んでいる新人が、最初は生産部門の改革テーマで動いているプロジェクトに参画し、2度目の選択時には1度目とは違う研究開発部門の業務改革プロジェクトに参加する、というように選択すれば、どちらが自分の興味に近いのかを体感することも可能になる。
逆に例えば、今後自分は製造業という業種に強みを持とうと思っている新人ならば、製造業の戦略寄りの案件に参加した後、次は戦略を実際に現場に落とし込んでいく色合いのプロジェクトに参加して、同一業種の中で、どちらの知見をまずは深めていくかを考えることも可能になる。自由度を重視するJMACらしい発想の育成カリキュラムと言えるだろう。
増田ほぼ自分の希望通りのプロジェクトに参加できてしまうわけですから、どれを希望すれば自分にとって有意義なものになるのかを相当悩む新人もいるわけですが、まさにそれが狙っていることです。
「自分で決めていいよ」と委ねられることで、自身のキャリアをしっかり考えることにつながるんです。1年目からそうやって自分の今後の成長を左右する選択をするというのは、とても良い経験になると思っています。
福嶋これはJMACに浸透している「プロフェッショナル」というカルチャーの影響もあると思います。「1年目であろうがクライアントからみたら関係ない。プロフェッショナルであるならば、自分の進む道は自分で決めよう」ということです。
増田実際に、2年目以降も希望すれば、これもまたほぼ100%部署異動できますからね(笑)。
大谷このような多くの案件に関わったり、異動が容易だったりする仕組みに1年目から触れることで、明快なキャリアビジョンまで持てなかったとしても、多数の先輩コンサルタントの仕事ぶりを見ることが可能になります。それだけでも大きいはずなんですよ。
なんといってもコンサルティング事業の唯一の商品が、コンサルタント自身なのですから、その良きサンプルを1年目にたくさん見ておくことは、将来必ず生きてきます。
新人のメンターとなる2〜3年目の先輩たちからも、彼らが通ってきた道のりを聞かせてもらうことができますし、そうやって多くの人と会い、話をしていく中で自身のキャリアパス、それについての考え方に磨きをかけてもらいたいと思っているんです。
大谷氏は最後に「JMACのコンサルタントの多くは、1つひとつのクライアント企業と長期的なリレーションシップを若いうちから築いていくことが多い」と前置きをした上で、だからこそ2年目以降のOJTでは先輩や上長だけでなく、「お客様がJMACのコンサルタントを育ててくれる」形が非常に多いのだという話も付け加えてくれた。OJTの名のもと、単なる放任主義でしかないファームもなくはないだろうが、JMACのようにリアリティのある育成態勢を整えているファームもある。
結局は、「コンサルティング業界」と一括りにしてしまい、従来型のイメージに流されるのではなく、各ファームの特質を丁寧に見ていくこと。そして変化を遂げようとしている業界だけに、そのファームの今とこれからを知ろうとする姿勢が重要だと言えるだろう。
こちらの記事は2019年04月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
森川 直樹
写真
藤田 慎一郎
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