社会実装には、技術力に加え社内の「文化」こそ不可欠──AIソリューションの事業開発手法を、成長し続けるPKSHA Technologyから学ぶ
Sponsored「AIを社会実装するSaaS」でここ2年ほど、大きな事業成長を遂げているPKSHA Technology(パークシャテクノロジー:以下、パークシャ)。そう、大きな事業成長を直接生み出しているのはSaaS型ビジネスモデルの事業群だ。だが実は、それをかたちづくる重要な秘密が、もう一つの「AIソリューション事業」に隠されている。
キーワードは「社会実装」だ。聡明な読者諸君はきっと、AIに対する理解が日本でも進んできたという実感を持っているだろう。だが、専門家集団パークシャに言わせれば「そんなことは全くない。まだまだだ」と厳しい表情を隠さない。
そんな中でも、大きな成果を挙げ始めているわけなので、今回は余すことなく聞きながら、「先端テクノロジーを社会実装する事業開発手法」について学ぶ機会としていこう。
取り上げるのは、決済に関わる社会課題の解決だ。2021年のクレジットカードの不正利用による被害額は330億円に上り(日本クレジット協会調べ)、過去最多。それを防ぐソリューションで、パークシャは国内トップシェアを誇る。
厄介なことに、毎日のように進化する悪用の手口。だが、AIを自在に活用できれば、警察庁やカード会社らが長年頭を悩ませていた“いたちごっこ”がたちまちに解決されていく。これを社会実装と言わず、なんと言おうか。
今回はその具体像を、アルゴリズムソリューション事業本部の3人から詳しく聞いていく。
- TEXT BY REI ICHINOSE
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
数ある社会課題を見極め、技術によるレバレッジを最大限に効かせる事業開発
森下まず前提をお話しすると、パークシャは事業対象とする業界をあまり絞らず、AIやアルゴリズムを使って社会に価値をもたらせることなら「全部やりたい」というスタンスです。
そんなパークシャでも注力していきたい領域の一つが様々な不正を検知・抑止するセキュリティ領域です。不正の手口というものは恐ろしいスピードで多種多様に広がり高度になっていきます。だから、後追いのマンパワーでは抜本的な解決を図りにくい課題であり、AIでこれを解決したいと考えています。
重たそうな話題を、軽快に語り出す森下氏。アルゴリズムエンジニアとしてVPoEのロールを務める中で、抱くのはあくまで「全部やりたい」という貪欲な想いだ。追随するようにほかの2人も身を乗り出し、序盤から話は一気に盛り上がる。
森田PKSHA Securityは、AIを使って世の中の不正を解決していくわかりやすい事例ですよね。クレジットカードの不正利用を検知して利用をストップできますし、保険金の不正請求を検知してお金を支払わないようにすることもできます。
決済や支払いに関わるこうした不正は、今や大きな社会課題です。私たちはさまざまな領域でのチャレンジを同時に進めていて、その中でもこのセキュリティという事業領域では特に結果が出始めています。森下が話した「AIを使って社会に価値をもたらせることなら」というパークシャの思想ともマッチしていますし、今後ももっと展開が広がると考えています。
森下不正の手口って本当に日進月歩なんですよね。1つの不正の手口を攻略できたと思っても、翌日には別の手口が生まれる。しかも困ったことに、手口だけが増えるんじゃなくて、不正をする人もどんどん増えるんです。
なので、不正防止に人員を割いて対策してもいたちごっこになってしまいます。いざ十分な人員を用意できたとしても人件費を算出すると、不正利用額のほうが少ない、なんてこともザラにありますよね。
清時そうですね。従来の不正検知システムの多くは、例えば、「クレジットカードの利用回数がn回以上だったらNGとする」というような四則演算ベースのルールを積み重ねるものでした。
不正の手口が日々移り変わる一方で、手を入れずに検知ルール側が手口に追従可能であるシステムはほぼなく、年単位で同一ルールを適用しているケースもあります。なので、システムをつくった当初は不正を暴くことができたかもしれないけど、だんだんとその効力は薄れてしまう状況にあった。
でもAIを用いた不正検知を使った場合、新しい傾向があったらAIがそのクセを人に教わることなく自分でいち早く捉え、検知の仕方をシステムに手を入れることなく次々と変えていけます。そのため、効力が薄れることなく、ずっと高い精度で検知し続けられるんです。
「先端技術を使うこと」が目的化してはいけない。その前にまず、社会課題を幅広く、解像度高く捉える。その中から、特に技術力によるレバレッジを効かせられる事業領域を特定する。そうして生まれた事業の一つが、PKSHA Securityというわけだ。
「AIは一体、何に使われているのだろうか?」といった疑問を持つ読者もまだ多いはず。そんなあなたに明瞭な答えを提供できるのがパークシャなのだ。社会にとって必要な価値を、繰り返し生み出そうとしている。
森下AIは人と違って、24時間ずっと判断し続けられますしね。そもそも、マンパワーで不正を解決すること自体、ちょっと現実味がないような不正規模になってきているので、技術による解決は必須な気がします。
清時そうですね。しかもパークシャはその開発・実装を極めて高いクオリティを実現しながら、とにかく速いスピードで進めることを重視しているので、結果として費用対効果に満足をいただいています。
森田大手SIer様とAIの精度や開発・運用体制について比較検討され続けながら、大手クレジットカード会社様の過半数にPKSHA Securityを採択していただき、今もご利用いただいています。ミスがあったら大きな事件として報道されてしまうような事業をしているクライアントを多く抱えるのは、普通のベンチャーだったら少し怖いと思います。
でも、私たちは社会実装への経験と技術力に絶対的な自信があるので、こうした挑戦を常に新しく続けているんです。
顧客の事業の“核”を支えてこそ、価値は最大化される
PKSHA Securityはパークシャの高い技術力の表れであり、「AIで社会課題を解決できる」という良い事例だ。ただ、「セキュリティ」という、あまり身近ではない事業領域でこの3人が高い熱量を持てる理由はなんだろう。3人共通して元々、セキュリティに興味関心があったのだろうか。
森下私自身がセキュリティこそ我が使命といった強い熱量を最初から持っていたかというと正直そうではありません。
でも当たり前のことですが、お客様ってどうでもいい業務には投資しないんです。AIというチャレンジに対して投資をする決断ができるのは、お客様の企業だけじゃなくて、お客様の属する業界において核となるビジネスだったり業務だったりすることが多いです。不正検知もその一例なので、社会課題を解決したい身としては関わるうちに自然と興味は強まりました。
またAIに投資したものの、それがどんな効果を発揮できるのか、お客様側はとても不安でしょうし、案件開始当初は私たちにも答えはないんですよね。AIの性能はデータ次第なところはありますが、扱うデータそれ自体はお客様のサービスそのものなので、私たちではコントロールできないからです。そういった難しさをお客様と協力しながら乗り越えて、業界のクリティカルな課題を解決して、AIがずっと活用され続ける。これはどんな業界であれテンション上がりますね(笑)。
ましてやクレジットカードの不正利用は国をあげて対策しなければならないほどの課題です。そんな課題の解決に、我々のつくったAIが貢献し続けるというのはアルゴリズムエンジニアとしてとても嬉しい話です。
AIを、間違いなく社会のためになるよう開発・活用し、企業活動に実装していくのがパークシャの持つ大きな強みだ。だから興味関心に縛られずあらゆる業界の重要な社会課題を解決することは、ど真ん中の活動と言える。そんな感覚を、この3人は共通して抱いている。
森田「今まで泣き寝入りしていた不正を、今回初めて防ぐことができました」って言われると、やっぱりやって良かったなと思いますね。確かに、もともと興味があったかと言われるとまさにおっしゃる通りなんです。ですが、お客様と話していくうちにお客様の業務を深く知ることができるんです。
保険金の不正請求のケースだと、不正が起きやすい地域や車種など“不正の傾向”があるんだそうです。PKSHA Securityを導入するまでその傾向を踏まえどうやって対策してきたのか、それがを使うことでどう変わっていくのか。そうしたことを細かく聞くだけでも「こんな難しい課題を、自分たちの事業で解決していけるのかもしれない、これは面白いぞ!」と感じることができます。
そうして、単なる業務効率化にとどまらず、お客様のビジネス全体がパワーアップしていく姿を間近で見ることができるので、とにかく楽しいですね。
清時単純に「良いことしたな」って思いますよね(笑)。
森下そうですね(笑)。
清時一生懸命働くなら当然、できるだけ良い結果を出したい。パークシャはエンジニアでもお客様とお話できる機会が多いので、うまくいかないときは直接お声をいただきます。
だからこそ「ソフトウエアを綺麗につくれた」っていうだけじゃなくて、不正が減ったという結果にしっかり向き合い続ける重要性がわかる。そうして喜びの声を聞けると、自分の仕事に大きな価値を見出すことができます。こんなパークシャの環境に、やりがいを感じます。
やりがいを強く語る3人。パークシャだからこそできる、真新しい社会課題解決の現場が、ここにはあるようだ。といっても「本当にそんなことができるのか?どのようにやっているのか?」という疑問もわくだろう。
そんな疑問を呈してみると、清時氏はPKSHA Securityについて綺麗に開発できたソフトウエアというだけでなく高い品質を高速に開発できた本当に大きな価値があるソフトウエアと紹介してくれた。そう言い切れる理由を紐解きながら、「先端テクノロジーを社会実装する事業開発手法」をもう少し深掘りしていこう。
先端技術を生かすも殺すも、「文化」次第。
必要なのは、一人ひとりの学び合い
「なぜ、パークシャは品質とスピードを共存させながらソリューションが提供できるのだろう?」という疑問はもちろんだが、そもそも、「なぜ、技術力を高め続けられているのだろうか?」という疑問も生じる。ここでその基盤となる、それぞれの入社経緯を伺った。
森下エンジニアとしてキャリアを築き、パークシャが3社目です。組み込みや機械学習など幅広い開発経験を活かし、最先端の技術を扱って世の中をの変革が実現できる環境を探していました。いくつもの企業様からお話をお聞きしましたが、「世の中を変えられる」という確信を面談・面接だけで得ることはなかなか難しかったです。
そんな中で、パークシャとの面接ではどんな立場の方とお会いしても「AIの社会実装」という言葉が出てきました。面接の段階からどのようにAIを使って、どうアウトプットしていけば世の中はもっと良くなるか、という議論で盛り上がることができました。社会実装という表現もここで知り、今でもとても好きな言葉です。
新しいテクノロジーはどんどん生まれるので、自身の技術的な成長は止めたくありません。それを叶えられる場はたくさんあると思いますが、その上で、テクノロジーを活用して世の中に変革をもたらす事業ができるのはパークシャだと感じ、入社を決めました。
清時私は以前、大手SIerのプロジェクトマネージャー(PjM)でした。そのSIerではインフラを立てたり、コーディングをしたりという実開発業務は当時開発ベンダーに委託していました。そのお仕事では、「PjMの私の実開発業務への解像度がもっと高ければ、もっとよいシステムが提供できた」と思うシーンがたくさんあったんです。それが重なって、「自身の能力不足による皺寄せを、システム構築を共にする実開発メンバーへ流してしまっている」というフラストレーションを抱えてしまいました。
そうして、「自分で実開発を行えるようになりたい」という想いが高まったタイミングでパークシャとの面談の機会を得ました。そのときのパークシャには「AIのモジュールをクライアントが保有するシステムに導入するためのケイパビリティが足りない」という課題を抱えていました。
私自身、実開発はまだできませんでしたが、その課題を解決する知見を持っていました。「その知見をお伝えし、エンジニアとしての実開発業務は教えていただく」ということでピースがはまり、入社に至りました。
森田特に清時の入社経緯って、すごくパークシャらしいんですよね。
採用の際、エンジニアとしての技術がなくてもコーディングテストをします。このとき、スキルを見るのではなく、「手を動かして頭で考えているかどうか」を重視して見ています。
というのも、パークシャのメンバーって「口だけではなく自分で考えて行動できる」タイプばかりなんです。
森田私自身のことを挙げると、コンサルティングファームからパークシャに転職して5年、やってきたのは「絶対にうまくいくこと」だけでは決してありません。「うまくいくかはわからないけど、間違いなく価値があること」に、積極的にチャレンジしてきました。
パークシャは世の中の2~3歩先を捉え、これまでにない価値を社会実装するシーンがたくさんあります。そこまでやれることが強みなんです。
そのため、「口だけではなく自分で考えて行動できる」ことが何よりも重要になるんです。メンバー全員、強く共感するところだと感じています。
森田氏が慎重に語るのは「頭で考えて行動できる」という素質の重要性。これに森下氏、清時氏は深く頷いた。
森下そうですね。パークシャらしさといえば、「良い意味で、立場と役割が全然紐付いていないところ」も挙げられます。森田はビジネスサイドの執行役員で事業部長ですが、今でもビジネスメンバーの中でもトップクラスにお客様と相対する最前線にいます。
森田商談の数や頻度は確かに、ぜんぜん減りませんね(笑)。代表の上野山も、直接担当するお客様がいますし。
それと「情報の透明性が高い」というのもパークシャらしさかもしれません。お互いがどんな業務をしているか、どんなことに携わっているのか、基本的に公開されていてある程度お互いに把握できます。
清時情報の透明性が高いことで、ビジネスサイドと開発サイドの垣根は低いですよね。ビジネスサイドも開発の理解は深く、具体的な紹介や提案をどんどん進めていくことができますし、逆もしかり。お互いの領域にリスペクトを持ち、深くかかわりあいながらプロジェクトを進めていけるのはすごく強みですね。
森下このような文化が当たり前の会社だからこそ、AIの社会実装が上手くいっているのかなとも思います。
ITソリューションやソフトウエアの開発は一般的には、「ビジネスサイドがお客様から要件をヒアリングしてつくるものを決めて、エンジニアがそれを社内で開発して、クライアントに納品する」という流れですよね。つくるもの次第では非常にスムーズに進むのがこの分業体制ですが、デメリットとして「一方通行」な進み方という面があります。
このデメリットが、「AIの強みを最大限に引き出せない」という事態を引き起こしてしまうことは多いと思います。
森下AIは使われながら進化していくソフトウエアなので、お客様の抱える課題感の原因を深く知ったり、将来のあるべき姿を一緒に描いたり、といったことができればその分、より効果的に活かし続けられるようになります。
そこで、お客様とお話をさせていただく場には、パークシャのビジネスサイドだけではなく、ソフトウエアエンジニアやアルゴリズムエンジニアも一緒に参加させていただき、事業理解を深めたり要件を出し合うことを当たり前にしています。皆が事業や課題を理解し、パークシャ内でさらに細かな相談をしながらつくるべきAIの形を決め、それからようやく実際に開発をしていきます。
そして、それを納品して終わり……ではもちろんありません。納品後はお客様が使っていくなかで新たなデータが蓄積されますので、それをフィードバックとして学習することでAIが進化し、進化したAIを使うことでお客様の働き方もまたより良く変化し……と人とAIが共進化します。このフィードバックサイクルを構築することまでがAIソリューション開発だと考えています。
3人が推進するAIソリューション事業の特徴が見えてきた。
まず、プロダクト型ではなくソリューション型事業であるがゆえの特徴が、「顧客の課題や要望を細かく把握し、最適な解決策を提供する」という点。ただしAIをフル活用することで、その解決策のクオリティは向上し続けるのである。
加えて「文化」の面。ソリューションの質が非常に高まる仕組みとして、分業し過ぎない組織体制がワークしているのも特徴であると言えよう。ビジネスサイドも開発サイドもお客様の事業を深く理解した上で、本質的なディスカッションを通じてレベルアップを図り続ける。その結果として、上述の品質とスピードを共存させた価値提供が可能になるというわけだ。
森田エンジニアの方々が転職してきて、すぐに驚くのが、エンジニアたちも売上・利益といった財務諸表や、経営や事業にかかるKPIなどを当たり前のように細かく把握しているところですよね。
森下そうですね、社会実装に必要なことなのかなと。そういった情報を知ることにも、どの職業が何を学ぶかにも制限はないですね。例えば、エンジニアでもお客様との密なコミュニケーションが好きな方は、自分で資料をつくってビジネスサイドの方にレビューしてもらいつつプレゼンを担当していますし、逆に技術を学びたいビジネスサイドの方がエンジニアの技術勉強会に参加して最近読んだ論文を紹介していたりもします。
メンバーそれぞれが「社会に価値をもたらしたい」という想いを持ち、そのうえで自身のビジョンを持っています。それに向かって、財務や事業推進、細かいところではプレゼンや技術勉強といった範囲に至るまで「学びたいことを学べる環境がある」というのも、パークシャらしさですよね。
森田「口より頭を使う」「情報の透明性が高い」「各領域の垣根が低い」「学ぶ環境がある」。こんな文化が育っているからこそ、最先端の技術が社会実装できています。
ビジネスサイドも開発サイドも目指すは「AIの力で世の中に価値を生み出すこと」だ。全員がその方向を向き、パークシャ文化がつくる最高の土壌に最先端の技術と言う名のひまわりが何本も咲き誇っている、そんな印象を、3人が笑顔で語り続ける様子から感じた。
「AIを社会実装する事業開発」と、言葉にするのは簡単だ。今となっては多くの事業会社が「AIの活用」を謳っていることからもわかるように、同じく社会実装を目指す存在は少なくない。だがその中でも、メンバー一人ひとりがその可能性を心から信じ、自分ごととして取り組むことで実現を続けている企業がどれだけあるだろうか?そんな疑問を生じさせるには十分過ぎるほどの熱量を、この3人は発している。
文化=パークシャらしさを、組織拡大の中でも維持するというのが最大の難題
ここまで話を聞く限り、順風満帆に思えるパークシャ。どんな課題を抱えているのだろうか。どんな未来を見ているのだろうか。最後に語ってもらった。
森下どこのベンチャー企業様もそうだと思いますが、やりたいことが多すぎてとにかく人が足りませんね(笑)。
森田難しいですよね、もちろん、世の中に価値をもたらすために成長し続けないといけない。でも、無闇に採用して人材を増やしていくことがパークシャとして正しいとは思えません。文化に沿ってくれるメンバーを大切にし続けることが何よりも重要ですよね。
世の中に合わせて「パークシャらしさ」を変えていく必要はある。でも、「パークシャとして大切にすること」に対する意識は変えない。この姿勢で居続けたいです。
森下その意識はブレないようにしたいですね。ただ単に人数を増やして組織をピラミッド構造化してしまっては、今の強みが失われてしまうように感じます。でも、今以上にもっと「AIを通じて社会に価値をもたらす」ために規模を大きくしていきたい。
人数が増えてもベンチャーらしさが残る組織像を追求していきたいですね。
清時そうですね。人数が増えても、「収益化できるかわからないけれど、喜ぶ人が居て、面白そうなこと」を変わらず考え続ける組織でありたい。
事業や顧客についての語りとは、また異なる笑顔を見せて、話を弾ませる3人。パークシャを、よりパークシャらしく発展させようとするピュアな想いがあふれ出る。そのための組織づくりや将来像を、一人ひとりが解像度高く描いていること自体が、大きな強みであると言えそうだ。
森田「自分一人でできることなんて大したことじゃない」。これは社内でよく言われる話です。自分の行動で相手が変わるし、変わった相手で自分もまた変わる。この良い影響の与え合いを、組織が大きくなる中でも変わらず、社内でも、お客様とも、やっていきたいですね。
森下まだまだ世間の人にとって、AIはわかりづらくて怖いものだと思います。この印象を変えるためには、誠実に仕事をして、お客様に負担いただいた費用以上の価値を返すことを地道に続けていくしかありません。そうして信頼を積み重ね、そのうちに「パークシャへの信頼」を「AIへの信頼」に変えていけたら嬉しいですね。目指すは事業成長というよりもむしろ、その先にあるはずの社会の変革ですから。
森田AIを使って人が今までにない働き方をする、AIと人が一緒に働いて相互に良い影響を与え続けている。これが当たり前となっている未来に向かって、よりよい社会実装事例をつくっていくという我々の事業は、少しずつですが着実に進んでいると思います。
だから考えるべきは、「次はどんな未来を描いていくのか」ということ。描き続け、追い求め続ける、そんな姿勢を忘れずにいたいです。1歩先を考えるのは当然で、さらに2~3歩先のことを、既に考えていきます。未来を描き、それを現実にしていく会社であり続けたいですから。
今以上にAIが浸透することで、私たちの暮らしはきっと変わるだろう。だが、それを誰がどのように進めてくれるのかがわからない。そう思っていた読者に、一つの希望を伝えることができたかもしれない。そう考えて今回は一旦、筆を置く。
この記事でフォーカスしたのはAIソリューション事業。パークシャが目指す「AIの社会実装」のうち、R&Dを軸とした「Layer 0」に続くものとしての「Layer 1」だった。そしてこの先に広がる世界観がAI SaaSによる「Layer 2」である。抽象的な戦略は、代表の上野山氏から語ってもらった。ここから先は次の記事で、「AIを社会に一般化させていくプロダクト戦略」として、別の事業推進メンバーに語ってもらう。
計3記事で、パークシャというユニークな急成長企業の秘密を知ることができる連載が完成する。こうご期待。
採用拡大中!
こちらの記事は2022年12月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
いちのせ れい
写真
藤田 慎一郎
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