リクルートは、変革者にとっての“プラットフォーム”だ──テクノロジーと集合知で巨大事業を動かすノウハウが身につく、リクルートで描くキャリアとは
Sponsored先に挙げたリクルート1記事目、HRプロダクトマネジメント室長・山口氏と、Airビジネスツールズ統括プロデューサー・林氏の取材により、分社化から1社に統合されたリクルートがテックカンパニーへと変貌し、今後どのような事業展開のなか働けるのかを知った。
同社の根本にある「社会課題の解決において、あなたはどうしたい?」といった命題は変わらず、時代の変化や社会の要請に応じて、今後はテクノロジー起点で事業推進を図っていく。
その環境下で働く魅力としては、既存事業で培った数多もの社会規模のデータを用いたプロダクトの立ち上げ、グロースだ。今回は、こうしてテクノロジー起点となったリクルートで働く際の具体的な組織体制やキャリアパスについて、プロダクト人事統括室の松坂氏を訪ねた。
リクルートのような大企業では、ややもすると事業、組織共にサイズの大きい環境ならではの働く際のしがらみ、不自由さなどについて懸念を持つものもいるだろう。今回はその点についても踏み込んで話を伺ってみたい。
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
テックカンパニー・リクルート。統合後の姿
前回の記事にてリクルートがテクノロジー軸に事業展開していくことは分かった。しかし、依然としてその規模感ゆえ、どういった組織や仕事が存在し、その中での1人あたりの裁量やそこで身につく力など、見えづらい点も多い。そこでまずはリクルートのプロダクト組織がどういった形になっているのかを聞いてみた。
松坂リクルートではこの4月より会社統合を行い、現在は、マーケットに向き合うDivison統括本部、会社を支えるコーポレートスタッフ、そして商品・サービスを生み出すプロダクト統括本部の3つの組織で構成されています。その中で私が担当するプロダクト統括本部は下記のスライドのような構成です。もともとは各事業会社の中にプロダクトマネジメントや開発の部署が設置されていたのですが、会社統合に先駆け昨年より機能単位での組織編成、集約をしています。
こうして見るとかなり専門分化しており、各職能における専門性は高められそうだが、一方で業務が細分化してしまい、リクルートでしか活かせないスキルとなってしまう懸念も想定されるが、その点についてはどうなのだろうか。
松坂おっしゃるとおり、外部からの見え方として『大規模組織で、役割は細かく分業されるのではないか』という意見もあるかもしれません。ですので、社内では機能単位で組織をまとめつつ、プロダクトの運営では、飲食・結婚などマーケット・プロダクト単位でプロデューサーを置いて、各機能をプロデュースしています。
機能横断で専門性を高めながら、プロダクトのマネジメントを領域ごとに実施することで事業価値の向上を図っています。これは働く一個人からすれば、職種としての専門性を高めつつ、事業運営に必要な各機能についても接点を取りながら染み出していけるような環境です。
なるほど、リクルートでは日常的に組織の縦連携も横連携もできる環境を築いており、より複合的に能力獲得ができるという点は他社にはない魅力といえそうだ。
プロダクトの価値向上に向けた機能別の役割
続いて各機能組織でどういった役割を担っているのかについても掘り下げて伺ってみよう。
松坂当社は組織の数が多いので、それぞれ簡単にご説明すると、まずプロダクトマネジメントはプロダクト運営全体を担当します。事業戦略を立て、どんな価値を届け、どう収益を立てていくか、プロダクト全体の統括をすすめていくわけです。
松坂次にプロダクトデザインは、プロダクトの企画・グロースを担い、商品企画からUIUX設計、既存プロダクトのエンハンスなども担当します。マーケティングはアドテクノロジーの運用など狭義のマーケティングにとどまらず、ブランドコミュニケーション設計といった戦略から実行までを担うといった立ち位置です。
そしてプロダクトディベロップメントは開発ディレクションとエンジニアリングに大きな役割が分かれるのですが、開発ディレクションは、ビジネス/サービス戦略にあわせて、上流工程から併走して開発組織の舵取り役として推進する役割です。
エンジニアリングは Webサービスやアプリの開発・エンハンス・品質向上を担っています。プロダクトによってビジネス検討から入る場合や要件定義以降などさまざまですが、フロントエンドやバックエンドやインフラを中心とした様々なレイヤーでのエンジニアリングに携わります。
そして最後にデータ推進は、社内のデータを活用した事業価値向上や、横断でのデータ基盤の構築、またデータプロダクトの開発などデータを軸に役割は多岐に広がります。そのような組織のメンバーが集まり、プロダクト開発やグロースが行われているんです。
こうした機能ごとに明確に分けられた組織体制が統合後のリクルートの特徴であるとのことだが、それぞれの部署はどのように関わり合うのだろうか。
松坂各プロダクトごとにビジネスモデルも変わってくるため一概にはお伝えできないのですが、一例をあげると下記のようなかたちになります。従来のメディア事業ではリボンモデルと言われるビジネスモデルで成り立っているのですが、これは例えば『ホットペッパーグルメ』でいうと、ご飯を食べに行きたいと思っているカスタマーと、お客様に来ていただきたい飲食店様を集め、『ホットペッパーグルメ』にて最適なマッチング実現するというものです。
松坂そのモデルでは、まずマーケティング担当が、ホットペッパーグルメにカスタマーを集客します。また一方でセールス担当がホットペッパーグルメに掲載いただく飲食店様を集めます。そしてプロダクトデザイン担当が企画やUIUX設計を行ったプロダクト(ホットペッパーグルメ)をユーザーが使うことで、最終的なマッチングを実現します。そしてプロダクトマネジメント担当は最後のマッチング成立に向けて全体戦略やKPI設計、PLマネジメントなどを担うといった具合です。
そこに対してデザイナーや開発ディレクション、エンジニア、データサイエンティストなどスペシャリストは各プロセスでマーケティングやプロダクトデザイン、プロダクトマネジメントの各部署と協働しながらプロダクトの価値向上に取り組みます。
ここまでで新生リクルートの組織体制の基本構造を抑えてきた。各ポジションの立ち位置や、それらがプロダクト提供においてどのような役割を担っているのかが網羅的に整理、理解できたかと思う。そしていよいよ次章からは、より具体的に同社にジョインする上での魅力や得られる機会について探っていこう。
数億円から1,000億円規模の事業まで同時に経験できる多様性
松坂氏が言うように、確かに、1社にいながら大小さまざまな事業を経験できることは魅力ではある。一方で、成長を求めるのであれば一人当たりの裁量が大きい、個としての急速なスキルアップが狙える、ベンチャー/スタートアップという選択肢もあるのではないか。
例えば、規模感の小さいスタートアップであれば、必然的にあらゆる職種・タスクを捌かざるを得ない環境に囲まれるため、結果的に成長速度が早まる。また、メガベンチャーと言われる企業であれば、サービスのリリースや成長サイクルが速く、やはり他社に比べてスピード感のある成長が望めそうだといった意見もあるだろう。
松坂スタートアップの環境も素晴らしいと思います。おっしゃるようなポジティブな点もありますし、スタートアップで働く最大のメリットは会社の成長と個人の成長がシンクロすることにあると感じています。足りない物づくしの環境の中で、真っ向から事業に向きあい仕事をする中で、個人としても促成栽培的に成長し、その成果が会社の成長にダイレクトに跳ね返ってくる。それを糧にまた自分で事業を推進していくというサイクルの中で得られるものは非常に濃厚でしょう。
一方で、これは裏を返せば会社の成長スピードが自身の成長のキャップにもなってしまう。まだ事業が数億円の規模のときに、『そこで得るべき経験は得たから次は100億円規模の事業運営をしたい』と言っても、事業がその規模にならない限りは経験できません。
確かに事業規模の桁を一気に2桁、3桁と拡大していくのは至難の業。しかし、逆を言えばリクルートも既に100億円、1,000億円単位の事業規模になっており、自らの手で事業を伸ばしている感覚、手触り感は得づらい状況になっているのではないだろうか。
松坂まず、リクルートには、事業規模もフェーズも様々なサービスが多数社内に存在します。『じゃらんnet』のようなすでに大規模なプロダクトもありますし、一方で新規事業として立ち上がったばかりのサービスもあります。
当社では既存事業のグロースはもちろん、0→1のスタートアップ事業にも携わることができるなど、機会の幅が多いことが特徴だと思います。そもそも個人の成長機会の提供という観点では惜しみなく投資を行う企業文化ですし、既存の主力事業が複数存在し、そこで築いたヒト・モノ・カネという資産があるからこそ自由なチャレンジを推進できているわけです。
先のリクルートでの組織体制で、横の事業部横断のキャリアについて松坂氏から解説があったが、そこでは必ずしも『SUUMO』や『ホットペッパーグルメ』などの大規模サービスだけではなく、0→1や1→10フェーズのサービス・プロダクトも多数展開されており、自身の意に応じて自由に取り組む事業を選択できるといった環境があるのだ。
松坂また、特に数百億円に上るような大規模事業になればなるほど、顧客やユーザー含む数多くのステークホルダーを巻き込みながら事業を推進していく力が求められます。そしてこのスキルは経験でしか身につきません。よって、将来社会的インパクトのある事業に取り組んでいきたい場合は、なるべく早くその規模感での事業を経験できる場所に身を置くのが良いのではないでしょうか。
自身の中に目指す事業スケールがあるのなら、早めに同等の規模感での事業経験を積んでおくべきといった、至極真っ当な話ではあるものの、意外と見落とされがちな本質を松坂氏は教えてくれた。
ベンチャー/スタートアップが隆盛の時代とはいえ、各社目指す先は社会を変えるようなインパクトのある世界観、事業づくりである。であるならば、リクルートで得られるような、社会規模の事業を動かす事業推進力が先々で必ず求められてくる。そして、そういった経験を得られる環境はどこにでもあるというわけではないことは、頭に入れておきたい。
数は力。リクルートが持つ集合知という武器
さて、リクルートの組織のあり方などが見えてきたところで、今度はそこで働く個人に注目していきたい。どういった人材が、それぞれどういった理由でリクルートというフィールドに集うのだろうか。
松坂人それぞれ求めてくるものが違うので一概にお伝えするのは難しいですが、例えば先程お伝えした多様な事業領域、事業フェーズに惹かれて来る人もいます。将来的に自分で事業を興せるようになるために経験を積んでおきたいと入社される方もいますし、純粋に飽き性なので色々なことをやってみたいということで機会の幅広さに興味を持つ方もいます。
松坂他にも社会的インパクトのある仕事したいというニーズもありますね。リクルートはマーケットシェアNo,1の事業も多く、社会や業界を変えるような仕事ができる環境と言えます。例えば今では当たり前になった美容サロンのネット予約も、一昔前では電話での予約が当たり前でした。このオンライン化を最初に手掛けたのはリクルートの『ホットペッパービューティー』ですし、そうした世の中の新しい当たり前を作っていく仕事をしていきたいという人も少なくありません。
また、驚くことにリクルートのプロダクト組織には総勢で2,000名を超えるメンバーが在籍しているというが、その規模感ゆえに得られる知見、集合知の力も他では得られない魅力とのことだ。
松坂プロダクト組織だけで2,000名というと、相当な数ですよね。分社化されていた組織が統合されたことにより、これまで散り散りとなっていたナレッジが集約されました。こういった集合知による創出価値もポイントですね。それも、国内最大級の事業が複数あって、一つのサービスだけで他所のベンチャー/スタートアップの年間売上を優に超える規模だったりします。このように、各領域において社会的規模で事業をグロースさせてきたメンバーたちを中心に、全社的にナレッジ・ノウハウをシェアし磨いていけるという点に魅力を感じて、修業の場としてリクルートに来る人も多いですね。
プロダクト組織だけで二千名。途方もない数である。同社に集まる理由や各自のバックグラウンドは幾通りにもなるだろうが、そこに集まったメンバーから生み出されるプロダクトには、社会を揺るがすとてつもないパワーが備わっている。そう感じざるを得ないほどの組織力を、リクルートという企業は持ち合わせているのだろう。
半世紀変わらぬ組織哲学こそ、いまだ事業家人材を生み出す所以
どうやら入社時点でリクルートに求めるものは人それぞれ様々なようだ。では入社したあと、実際に働くとした場合にどんなキャリアパスを経て成長していくことになるのだろうか。
松坂まずお伝えすべきこととしては、何年目で異動して…といった画一的なキャリアパスは存在しないということです。
会社側でも基本となる人材育成方針などはもちろん策定していますし、職務要件なども設定されています。一方で、リクルートでは個々人の意思によって自律的に自己選択していくことを推奨し、そこに向けた能力開発や挑戦の機会を用意しています。そのため、キャリアパスは何通りにもなってしまうんです。なので、実際に活躍している社員を参考にするのが一番早いかもしれませんね(3記事目に登場予定)。
松坂とはいえ、それではイメージがわかないと思うのでいくつか例を上げるとすると、例えば一番最初の仕事がプロダクトデザインの部署で、既存サービスの拡充を図るエンハンス業務だったとしましょう。そこからマーケティングや開発の部署の経験を積んだ上で事業責任者としてプロジェクト全体を統括していくというキャリアもありますし、一方でものづくりや体験設計にこだわり、同じプロダクトデザインの部署スタートでも異なる領域のプロダクトに担当範囲を広げたり、新規の商品立ち上げなどを経験して、その道のスペシャリストになるという道もあります。
また最近ではビジネス、テクノロジー、クリエイティブ全ての知見を備えたBTC型人材やデザインエンジニアの必要性が叫ばれていますが、リクルートではプロダクトデザインの部署でユーザーモデリングやリサーチスキルを身に着けた上で、データ推進室などを兼務してデータサイエンスのスキルを身に着けていくというキャリアパスもありえます。
松坂氏が言うように、リクルートは個人の成長意欲を最大限尊重した機会提供をしている。「予め綿密に定められたキャリアパスを歩みたい」といった人には別の道があるのかもしれないが、「道は自分で創っていくものだ」という志向を持つ人には絶好の環境であるといえるだろう。
「自ら機会を創り出し、機会によって自分を変えよ」
1968年にリクルート創業者である江副 浩正氏が記したメッセージは、現在も脈々と引き継がれているのだ。
その証拠に、現在でも若手起業家や、勢いのあるベンチャー/スタートアップのCxOには元リクルートの肩書きが名を連ねることが少なくない。もちろん同社が起業家輩出企業であることは今更言うまでもないが、通常、時代の移り変わりと共に旬の人材輩出企業は変化していくもの。
例えばひと昔前であれば、元戦略コンサルティングファーム出身、元総合商社出身といった具合にだ。しかし、ここでリクルートが他の追随を許さない特異な存在であると感じさせる点は、”いまだに”一定数の経営人材を世に送り出し続けているということだろう。
時代が変化しても常に起業家、事業家を生み出し続けられるリクルートには他の人材輩出企業にはない”何か”があるのだろう。それを自分の目で確かめにいくのも一考ではないかと思う。
肩書や経験ではなく、求めるのは個人の意志
最後に松坂氏に、どんな学生からのチャレンジを求めるか?新卒にこそ期待したいことは?と問うと、このような回答が返ってきた。
松坂新卒だから、学生だからといって特別な何かを期待するということはありませんが、強いてあげれば、逆に『私はリクルートに入ったらどうなりますか?』という思考の方は合わないでしょう。
リクルートはまた新たに成長を加速させるフェーズに入っており、投資も加速しますし、今後はAir ビジネスツールズなどのHorizontal SaaSを軸としたサービスを通じてさらなる価値の提供を目指しています。そういった中で競争優位を作っていくのはテクノロジー起点で世の中を良くしていきたいという想いがある人だと思います。
なかでも『私はこうしたい!』といった強い意志のある方の参画を望んでいますし、そうした自立心のある方々にこそうまくリクルートを利用してほしいと思っています。
読者も幾度となく耳にしてきた言葉ではあると思うが、やはりここはリクルートらしさが光る点。「あなたはどうしたい?」。ここに全てが詰まっていると言っても過言ではない。そして、そこに向けた明確なビジョンがある者であれば、新卒だろうと中途だろうと求めるものは変わらない。非常にシンプルで一本筋の通ったスタンスだ。
創業61年の歴史のなかで培ってきた豊富なヒト・モノ・カネを活かし、今後はテクノロジーベースで新たな世界の実現を目指すリクルート。そんな同社の膨大なアセットを自由に活用して社会を変えたい、そんな若者はぜひリクルートの門を叩いてはいかがだろうか。
こちらの記事は2021年09月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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