世界で勝つ起業家になるために必要なこと、それは“修羅場体験”だ──テラグループの育成手腕に学ぶ、世界基準の起業家の育て方
「世界で戦える日本発のユニコーンを生み出したい」──。そう語るのはテラドローン代表取締役社長 兼 テラモーターズ取締役会長・徳重 徹氏。同氏は3企業同時経営、海外市場への挑戦と、若き起業家の道標となる数々の挑戦を続けている。そしてこの度、EVインフラ事業への新たな事業展開を機に、テラグループは急成長への道を一気に駆け始めた。その背景には、徳重氏が一貫して重視してきた若手起業家育成への信念と、それを象徴する“テラ道場”がある。この“テラ道場”とは、事業家が成長する際には欠かせない修羅場体験を意図的に作り出すことにより、短期間で世界で戦える事業家を生み出すための育成環境であることは過去の記事でも明かされた通り。
2022年11月2日にFastGrowが主催したイベント『だから日本は負ける!コロナ禍でも「世界を飛び回わった」テラ徳重が見た、世界で勝つ起業家の思考法』では、徳重氏に加え、実際に“テラ道場”の試練を乗り越えて、テラモーターズ 取締役 兼 COOとなった中川 耕輔氏と、同社EVインフラ事業部営業を担う金杉 力氏が登壇。徳重氏によるテラグループの事業紹介に端を発し、海外市場で戦う重要性と修羅場の経験の関連性、そして若き起業家に託した想いを語った。
- TEXT BY YUKI YADORIGI
異なる3つの領域から同時に世界を目指すテラグループの新たな挑戦
テラグループは現在、EV、ドローン、そして建築DXと異なる領域で同時に事業拡大を進めている。率いる徳重氏は、連続起業ではなくあえて同時に、そして海外市場に挑戦する点に自社戦略の独自性があることを強調する。数々の挫折を経験しながらも、その経営を支えてきた信念は、『普通だと考えられない“世界初”を成し遂げる会社をつくること』である。当日は、そんな徳重氏の経営思考と事業展開の現在に迫る基調講演から始まった。
徳重テラは電動スクーターのメーカーとして創業し、以降同事業をフィリピン、ベトナムと展開していきましたが、そこで経営上数々の挫折を経験しました。そこからEV3輪事業へと挑戦の軸を変えてインドに展開し、現在はEV3輪市場シェアトップに。2022年現在、EV事業を主軸とするテラモーターズは現地に170名のメンバーを擁する組織となっています。
2010年からEV事業を展開してきましたが、ようやくここ数年で世界にEV浸透の波が押し寄せていると感じます。日本ではまだその勢いを感じづらいものの、近い将来、間違いなく世界の移動手段はEVに置き換わることでしょう。こういった世界の動向を受け、日本国内でのEV浸透に先駆ける形で始めたのが、4輪向けのEV充電インフラサービス『Terra Charge』です。
国内EV化の大きな障壁となっている、EV充電所の不足、そして約40%が持ち家ではなく集合住宅に住むという特徴を併せ持つ日本。この未成熟なEVインフラ市場にフォーカスし、集合住宅向けのEV充電設備の無償提供という異例の予算投資を決断したテラモータズ。その狙いは、EV充電インフラ市場を獲得することにある。
徳重12年間、さまざまな新規事業の立ち上げを経験してきましたが、これほど急速に事業が立ち上がるのは初めてです。日本では今まさにEVの波が押し寄せており、その潮流に対して圧倒的スピードで事業を展開することが、私たちには求められています。そしてその実現には、テクノロジーと現場力、そして資金調達力が必要です。
同領域におけるグローバル市場の現状を見ると、欧米ではすでに中国企業の進出が顕著ですが、日本、インド、そして東南アジアにおいては余地が十分残っていることがわかります。これまでテラモーターズの時価総額は一般的なマザーズ上場企業と等しく100億円規模でしたが、EV充電インフラ事業を起点にこれまでの10倍以上のスケールが期待できます。
また、この事業を日本のみならず、海外でも同時に展開していくんです。私たちは過去にEV3輪事業をインドで成功させた実績がありますからね。まずは、土地勘のあるインドでの立ち上げ、その後タイ、ベトナム、インドネシアと垂直に事業を立ち上げていく予定です。
テラグループの強みは、EV事業にとどまらない。2016年にスタートしたドローン事業もまた、EV同様、あらゆる産業のインフラとなるポテンシャルを秘めた事業領域だ。ドローン事業は既に80億円の資金調達を達成し、およそ4年間で約15か国へとサービスを展開。ドローン領域の世界トップランクに食い込む実績を残している。また、2021年にスタートした建築DX事業も、今後の成長を十分期待できる売上実績を残している。
これほど果敢な挑戦を続けるベンチャー企業の存在は日本で珍しいと言えるだろう。穿った見方をすると“クレイジー”とすら表現できる徳重氏の経営思想の背景にあるのは、日本企業の衰退に対する憂いと危機感だ。
大敗に追い込まれた日本が世界で勝つための人材育成に切り込む
平成初期は世界時価総額ランキングの上位を占めていた数々の日本企業。平成終盤の同ランキングではほとんどがその影を潜め、その座を米国・中国を中心としたテックジャイアントたちに譲ることとなった。
徳重氏はこうした日本企業に対し危機感を抱くと共に、現状打破の鍵として日本のベンチャー企業に期待を寄せている。
徳重まず、申し上げたいのは、「世界で勝てるベンチャー企業が日本に存在しない」ということ。これこそ、日本が長年にわたり米・中国に世界トップの座を譲ることとなった原因だと考えています。
そして、この背景には、“アナログからデジタルへ”と最も価値のある技術領域が移行したことが挙げられるでしょう。企業の“勝ちパターン”が一変した時代の中で、日本の経営者は大々的な変革を選択できませんでした。その結果、かつて活力のあった日本企業は競争力を失っていったのです。そして仕組み上、既存の日本の大手企業がイノベーションを起こすことは、現実的に難しいのでは、と私は考えています。
いくつかの国内IT企業は優秀な人材を採用し成長を続けていますが、それでも新規事業創出や海外進出の壁を越える事例はそう多くはありません。結局、日本には新規事業を創る人材、そして海外経営をできる人材が少ないことが最大の課題になっているのです。
高度経済成長期、日本企業はまさに“すべてが新規事業”という渦中で急成長と成功を重ねた。しかし、その時代をリーダーとして牽引した果敢なビジネスパーソン達は既に引退してしまっている。そして、何より彼らの意思を次世代に受け継ぐことができなかったのだ。これが“失われた30年”の背景にある人材課題である。
徳重こうした課題に対し、私たちは海外で戦える、そして新規事業を生み出せる人材を育成する必要があると考えました。そのために構想しているのが、いわば“現代版・松下村塾”、我々はこれを“テラ道場”と呼んでいますが。このような若き起業家を育てる場の醸成です。
私はテラ道場を通じ、事業創造を支えるスピリットやマインドを現代のベンチャー企業に継承していきたいと考えています。野球界を見ると、はじめは無理だと言われていた米リーグ進出を日本選手が果たし、いまやトッププレイヤーとして活躍していますね。こうした変革をビジネス界でも目指したいのです。
海外市場で戦い、事業を創れる人材。その育成のキーワードとして、徳重氏は“修羅場の経験”を第一に挙げる。
徳重日本企業の多くは、何か新しいことに挑戦するとき「失敗したらどうするんですか」と問います。しかし、実際は新規事業に取り組めば、失敗することのほうが多い。つまり“失敗なんて当たり前”と言えます。
そして、この失敗の中にこそ修羅場体験があります。これをくぐり抜ける体験をしているかどうかが、新規事業を創る力に大きく作用すると私は考えています。
実際にテラグループに植野というメンバーがいるのですが、彼は修羅場体験を通して大きく飛躍した1人です。大手商社からテラに転職した彼は、インドで挑戦したいと希望していました。そこでインドのパートナー企業を見つけ、出資して経営権を握り、私は当時25歳だった彼に現地のとりまとめを任せたのです。
その1年後、これは新興国でよくある結果なのですが、予想していた売上を大幅に下回る形で経営がスタックしました。植野はさらに1億円の追加出資を希望し、私はそれに応じましたが、わずか3ヵ月でその資金を溶かしました。一般的な会社であれば相応の処罰が下るほどの“失敗”と言えるでしょう。
しかし、私はそんな植野を新たにヨーロッパの事業展開のキーパーソンに指名しました。この決断の背景にあるのは、挫折こそが次なる成長の糧であるという想いです。植野はインドでの失敗から反省や悔しさを重ねていますから、経験値という観点ではゼロから誰かに海外を任せるよりも、はるかに成果を期待できると考えました。
こうした経験を通じ、植野も「前職と現職、それぞれで過ごした2年間を比較し、10倍以上成長できた」と振り返っています。私は日ごろから4倍速で動けと伝えていますが、それを上回る成長を体感できたのですね。
多くの失敗を重ねた植野氏も、いや失敗を重ねた植野氏であるからこそ、今では「自分の父親ほどの年齢の海外経営陣相手にPMIをこなす、スーパーマン」へと進化を遂げることができたのだ。(詳細のエピソードについてはこちらの記事に譲りたい。)
大企業から大きなイノベーションを生み出すことが難しい今、海外市場で戦えるベンチャー企業の存在こそ重要だと重ねて言及する徳重氏。そして、そんなベンチャー企業を率いる人材を育成するため“テラ道場”を構想し、現在進行形で若手メンバーに“修羅場体験”を与え続けているのだ。
修羅場が成長を加速させる、テラ道場の厳しき鍛錬
イベント後半は、中川氏と金杉氏を交えたパネルトークセッションへ移行。登壇者である二人は、いずれも高い視座と志を持ち、より自身の成長の糧となる職場を求めてテラへとたどり着いた。その経緯からパネルトークセッションはスタートする。
まず語られたのは、2人がテラに惹かれた理由についてだ。
中川大学2年生の頃、政治家になりたいという想いで大阪から上京し、議員秘書のインターンや、民間企業のインターンなどに数多く参加しました。しかし、どこか“物足らなさ”を感じていました。そんなとき紹介を通じて知ったのがテラグループです。本気で厳しい経験がしたいという想いから、その熱意を表明し初めはインターン生として採用してもらいました。
金杉私は転職エージェントを通じてテラグループを知りました。当時の転職活動の軸となっていたのは、自分自身が会社を立ち上げたい、あるいは新しい事業に携わりたいという思いです。自身が中国にいた頃にEV普及を目の当たりにし、かつ帰国後の日本では普及率が低いとも感じたため、テラが挑戦するEV事業は近い将来伸びると確信していました。フットワーク軽く、あらゆる領域に挑戦できるのはテラだと確信し、転職を決意したんです。
自ら戦略を立て成長したい、あるいは新しい事業に携わりたい。そういった志を実現できる場としてテラグループを選んだ中川氏は、その後あらゆる“修羅場”を経験することになる。振り返れば数えきれないほどの失敗や困難があったと前置きしつつ、印象的なエピソードを振り返る。
中川直近で最も印象に残っているのは、インドで経験した修羅場です。私はインドにおけるEV事業推進をとりまとめる立場にあったのですが、マーケットへの理解不足から、営業活動を続けても思うように売上が上がりませんでした。当時、贔屓目なしに優秀な人材が集っていたものの、その結果に落胆し早々に去るメンバーは少なくありません。これから20年一緒に歩もうと誓った仲間が、ものの1カ月で辞めてしまう背中を見ることは、やはり精神的に応えるものがありました。
また、一経営者という立場で資金面の責任をすべて負っていたこともあり、会社がスタックしたときは眠れない日々を過ごしたのを覚えています。徳重が描いたビジョンを現場でやりきることこそ私たちの使命ではあるのですが、そのための実力が伴わないことを痛感したことは、成長の糧になったと思います。
徳重中川はインドでの経験よりも昔から、すでに修羅場を経験していました。彼がまだ大学3年生の頃、EV二輪事業が注目を集め、メディアにも多く取り上げられていたのですが、そこから一転して事業が立ちいかなくなった時期があります。私はアジアにシフトして事業を展開しようと意気込んでいたのですが、日本市場を諦めたと認識したメンバーはテラを去りました。そんな中で最後まで残っていたのが中川で、私は今でも当時の恩義を感じています。インターン時代からすでにそういった修羅場を経験している中川だからこそ、インドでの苦難を乗り越えられた側面もあるでしょう。
経営に対して当事者意識を持つことが、人を育てると思います。そして、海外進出はリーダーを担う人材がその経験をおのずと得られるチャンスでもあります。国内に限って事業を展開する日本企業では、30代後半から40代にかけてようやくPLを見る立場になるのが一般的ですが、海外で現場を任されると、これに加えてBSの責任まで負う経験を20~30代で重ねられます。
当事者意識を持ちながら、マーケットも税金のルールもわからない海外の現場で修羅場の経験を重ねると、メンタルタフネスが鍛錬されていくわけです。よく海外というと語学力を気にする人がいますが、実際に海外でビジネスを始めれば語学力は自然と伸びていくので、さほど重要ではありません。修羅場での経験を通じて得られるメンタルタフネスこそ、私が若手に伝えたい力のひとつです。
厳しくも挑戦する心を折らない環境だから、成長できる
若手の成長のため、あえて“修羅場体験”を作り出すテラ道場。これらのエピソードだけを耳にすると“厳しい環境”というイメージのみが想起されてしまいがちである。しかし、テラ道場では若手たちへのフォローにも一切のぬかりはない。金杉氏は、入社前の印象が良い意味で覆されたことを語ってくれた。
金杉入社前は「テラはさぞ厳しい環境なのだろう」と不安を抱いていましたが、実際入社してみると、挑戦する背中を押すフォローの体制がとにかく手厚いことに驚きました。営業活動におけるトークの切り出し方や資料準備の所作など、多くの学びがありましたね。そして何より、代表である徳重自身がフロントに立って一番営業活動をしているということが、私たちの刺激につながっています。
中川時には、徳重からストレートな叱咤激励を受けることもあります。本気で世界のトップの座を狙っていますからね。一方でその厳しさの背景には「やる気があるならやってみろ」と任せてくれる徳重の信頼があります。
もちろん経営者の立場から見れば結果が重視されますし、自社を成長させなければなりませんから、「失敗したから次はこっちをやってみようね」というような生暖かい選択肢ではありません。それでも本人のやる気さえあれば、前提のベースラインをしっかり引いたうえでチャレンジさせてくれる環境です。
金杉そうですね。私も案件がたくさん重なる中で、時には1人でパンクしてしまいそうになることもあるのですが、そんな時は必ずフォローの手が差し伸べられ、かつ改善に向けたアドバイスもいただいています。時には厳しさももちろんありますが、それらは決して“失敗を恐れる感情を抱かせる類のもの”ではないんです。それは徳重が真に私たちの成長を願っていることが言葉にせずとも伝わってくるからだと思います。
徳重繰り返しになりますが、新規事業への挑戦で失敗するのは当たり前です。テラのメンバーは、失敗を通じて一人あたり5,000万円から5億円ほど会社に対して損を生み出しているのではないでしょうか。(笑)
それを許容しているのは、その規模の修羅場を経験しなければ、“本物”にはなれないと知っているからです。
一方で人間というものは、何度も失敗を繰り返すとやがて自信を失います。そうすると周囲からの信頼も欠けますし、何より良い意思決定ができなくなってしまう。そうなってしまう前に、成功体験を得られるような座組を準備することも大切です。
また、成功の影には度重なる失敗があることを、テレビ番組『プロジェクトX』などを通じて伝えることもありますね。戦後の高度経済成長期を支えた人々が培った強靭なメンタルを取り戻すことを意識しつつ、若手の糧となりそうな書籍やビデオなどを手渡しています。
テラの挑戦に「今」参画することの意義と、描ける未来
現在、金杉氏はテラの未来を拓く鍵を握るEV充電インフラ事業の営業を担当しており、中川氏もEV事業を推進する立場からこの新たな挑戦に参画している。市場からのニーズを受け、急成長の渦中にあるテラを現場で体感する二人と徳重氏は、それぞれの立場から現在のテラがビジネスパーソンにとって魅力的な挑戦の場であることを語った。
金杉実際に約3カ月間、分譲マンションのオーナーを対象とした営業活動をしてみて、はじめは消極的だったところも含め、前向きに検討してくださるケースが非常に増えてきた印象があります。入社前に感じていた事業成功に対するわずかな不安は、現場での感触を通じて期待へと変わっていきました。
中川このEVインフラ事業は徳重直下のものであり、コンパクトな組織でメンバーが徳重の思想を直接インストールしながら、圧倒的なスピード感で進められています。社内でよく伝えられているのは、「今日の1日は来年100倍の価値がある」という言葉です。これはまさにその通りで、現在のテラは惜しみなく資金を投入し、人材を登用して、打席に立つことを目指して一心不乱に前進しています。
また、社外、つまりお客様や政府の動向・情勢から見ても追い風が吹いています。国の政策としてはEV化に対する意識がいよいよ強まっており、2025年以降竣工の物件についてはすべてEVの充電器をつけるべきといった方針や、それを実現するための補助金もすでに出ています。こういった中で、テラが大企業とパートナーシップを組み、その資本や組織力を存分に活用しながら一気に攻め込むという、いわば勝ちパターンの選択も現実的になってきました。
今から“テラ道場”に参画することの最大の利点は、こうした背景に乗じてキャッシュがある状態から挑戦できることが挙げられます。資金力を最大限に活かし、自動車産業・エネルギー分野という将来性を秘めた大規模な市場に勝負をかけにいくことができるのです。
しかも、意思決定権を持つ社長直下の事業部隊で、40名という少数精鋭のチームにジョインできる。これほど「やるしかない」状態は、そうそうありません。私自身、この挑戦は人生において大きな意義があるものだと確信しており、ここで負けるわけにはいかない、と気を引き締めています。
徳重具体的な活躍の場を挙げると、インドで充電インフラ事業の立ち上げを担うメンバーは現状決まっていませんし、充電インフラのプラットフォームを我々が勝ち得た後のステップとしては、自動車データ活用やエネルギーマネジメントといった新たなテーマにも取り組んでいく必要があります。こうした展望も踏まえ、一層人材採用強化が必要なフェーズに差し掛かっているのがテラの現状です。
金杉挑戦の場を欲する学生やビジネスパーソンに対しては、テラに入れば間違いなく楽しい、そしてメンタルが鍛えられるというメッセージを伝えたいです。新しい環境に行かなければ、人は成長できません。スタートアップで大規模な挑戦ができるテラは、まさにその成長を感じられる条件がそろっています。
中川ロジカルなアプローチと泥臭さの融合。これこそがテラのカルチャーの真骨頂だと思います。人生経験の中で何か突き抜ける瞬間というものは、ロジカルに考えても正しいのですが、その先にある感覚的な発見のようなものが、一歩先へと自分を導いてくれると感じています。
テラはまさにこういった経験を得られる環境です。ロジカルなアプローチで事業推進に臨むのですが、最終的に粘り強さや徹底力から可能性を一気に広げる瞬間にも立ち会うことができます。
徳重最後に、テラが挑む事業のオポチュニティについて説明します。
現在突き抜けた急成長を遂げているメガベンチャーに共通しているのは、大規模かつ成長性のある市場を捉えていることです。シャオミ(中国に本社を置く総合家電メーカー)のCEOが「風をつかめば豚でも空を飛べる」という言葉を残していますが、この言葉を逆説的に捉えれば、どんなスーパー起業家も風をつかめなければ飛べないのです。
自動車産業の市場規模は世界で最も大きく、かつ30年以上成長し続けています。加えて、そこでプラットフォーム事業に挑戦することは収益性の面から大手企業には難しく、かつ現存するスタートアップの競合は十分勝算を見込めるレベルの企業ばかりです。さらに、インドや東南アジアといった未開拓の市場も残されている。これほどチャンスに恵まれたビジネスに、私たちは今まさに挑み始めています。
近年のトレンドであるSaaS領域を通じてIPOを目指す企業も魅力的ではあるかもしれませんが、それとは比べ物にならない、ビジネスパーソンとして極めてエキサイティングな体験が待ち受けていることを、テラは約束します。
日本企業の失速や衰退、そして大手企業のイノベーションが困難を極める現状は、いまや日本の経済全体に暗い影を落としていると言えよう。そこに一筋の光を灯すのは、これから海外市場への挑戦を見据えたベンチャー企業の存在であることを、テラグループは教えてくれる。
そして、テラグループはその重く厚い扉を開ける第一人者として、若手の人材育成を重視しながら、極めて期待値の高い事業への挑戦の一歩を踏み出している。その推進力となる若き力が同社に集い、EV市場の可能性を拓くと共に、日本企業のリベンジの火ぶたを切って落とすその瞬間に立ち会える機会。意欲溢れる若手ビジネスパーソンにとって、もはやこのチャンスに対してこれ以上多くを語る必要はないだろう。
そして今回の記事を呼んでさらにテラグループについて理解を深めたいと感じた読者は、ぜひこちらの記事も併せて読んでいただくことを推奨したい。テラグループが描く未来地図、そこに至るまでの戦略、そして何より徳重氏の若手の育成に懸ける想いがより理解できることだろう。
こちらの記事は2023年02月20日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
宿木 雪樹
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