事業“脳”を鍛えよ。「xGarage」は起業志向の学生に、現場視点のアドバイスを提供するコミュニティ
Sponsored「自分自身も変わらなければいけない。現場で経験を重ねる事業家の姿に触れて、貪欲にチャンスを探していく必要を感じた」
これは、「xGarage(クロスガレージ)」のイベントに参加した大学生の言葉だ。xGarageは、FastGrowが立ち上げた起業家・事業家を目指す学生のためのコミュニティである。
2020年2月7日に、メンバーを対象にした「事業“脳”を鍛える。急成長ベンチャー4社からフィードバックと事業力の学びを得られるxGarage限定イベント」が開催された。起業を視野に入れる40人の大学生・大学院生と、事業家の輩出に力を入れる急成長ベンチャー4社が参加。
前半は、起業や新規事業立ち上げをテーマに、経験豊富な4社のエース人材が登壇し、事業創出に必要な視点や環境を語った。後半は、新規事業を考える実践型のワークが行われ、こちらも各社のエースがメンターとして指導。
現場目線で培われた“生きたアドバイス”をもとに、学生たちは何を学んだのだろうか。
- TEXT BY RIKA FUJIWARA
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
新卒社員の6割が「起業」で退職。IPO事業の創出に注力する
何かを成し遂げる上で、時に「環境選び」が命運を握る。今回のイベントに登壇した4社の環境は、事業家の輩出に強みを持っている。
第一部は、各社で事業の創出に携わってきた4人のエースが登場。ピッチが繰り広げられた。
ピッチ1社目は、ソーシャルメディアやシェアリングサービスを運営するガイアックス。管理本部のマネージャーとして人事業務を担う、流拓巳氏が登壇した。
流氏は、学生時代から内定者インターンとしてガイアックスに勤務。新規事業「TABICA」のマーケティングを担当した。TABICAの関西拠点立ち上げの際には、学生ながら責任者に抜擢される。代表取締役の上田祐司氏の実家に寝泊まりしながら、拠点の立ち上げに奔走したという経験を持つ。
ガイアックスには、シェアリングエコノミーやCtoC領域のスタートアップを立ち上げる「Gaiax STARTUP STUDIO」がある。ビジョンやミッション、事業内容は起業家本人が決めるが、マーケティングや開発、経理、財務などは全てスタジオ側がフォローする。起業家が事業検証に専念できるのが大きな強みだ。
流スタートアップスタジオの仕組みもあり、ガイアックスには起業家志向の人が多く入社します。新卒社員の退職理由は6割が「起業」なんです。将来的にIPOできるような事業がどれだけ誕生するのかに重きを置いているため、人事としても、事業を生み出す力のある人材の採用に力を入れています。
2社目は、医療機関の経営コンサルティングや運営支援をするシーユーシー。学生起業を経験した大楠友也氏と、人事を担いながら自らの会社も経営する太田知宏氏が参加した。
シーユーシーは医療機関のコンサルティングや運営支援の他に、新規事業として海外展開やICT、医療人事の支援なども行う。ICTの領域では、AIやブロックチェーン、IoTを活用し、医療スタッフの業務を削減するシステムを開発。海外事業では、2019年秋にベトナムで初めてとなる日系病院の設立支援を実現させた。
世界では5歳未満の子どもが1日に1万5,000人も亡くなっている現状に目を向け、医療体制の拡充に力を入れている。
大楠シーユーシーは、国家資格を持たなくても担える医療のビジネスサイドの領域を全て担っています。この3年で社員は70人から1,200人規模に増加。売り上げも伸びていて、皆さんが日々使っているような某有名フリマアプリのベンチャーらと同じ成長曲線を描いています。
成長の波に乗りながら、医療を取り巻く課題を解決したい人にとっては、面白い環境だと思います。
事業家が育つ「アセットを活かした環境」がある
3社目は、DMM.com。DMM.comは現在、金融、教育、ゲーム、Eコマースなど40を超える事業を抱えている。主力サービスである「DMM.com」の国内会員数は3,000万人を突破。
また、2018年10月にCVCとしてDMM VENTURESを設立。これまで9社に投資している。既存事業とのシナジーやキャピタルゲインを必ずしも目的とせず、若手起業家を対象にした支援に集中する。
登壇者はCOO室兼DMM VENTURESの森弘慶氏だ。COO室において、M&Aやその後の子会社支援、ベンチャー投資(DMM VENTURES)を担当している。
森氏はDMM.comを「ジャンル問わずに、多彩な事業の詰まった“器”のような会社」と表現する。
森DMM.comは、未来に新しい発見をもたらす可能性のある事業であれば「領域問わず、なんでもやる」を信念としています。
2019年の売り上げ規模は、2,200億円ほど。既存事業の幅も広い上、新規事業創出の手法としてスタートアップの買収や「DMM VENTURES」によるベンチャー出資にも力を入れていて、多様な人材が揃っています。DMMのアセットを使って挑戦を重ねたい人にとっては、大きなやりがいがありますね。
4社目は、ユナイテッドだ。コンテンツ、アドテクノロジー、インベストメントの領域を中心に事業を展開。
特に力を注ぐのが、インベストメント領域。ユナイテッドは、これまで100社以上に投資をしてきた。メルカリ、dely、mixiなど、著名な企業が名を連ねる。さらに、金銭的な支援だけでなく、「事業を作れる挑戦者」を増やすべく、ユナイテッド役員総出の新規事業創出支援制度「U-PRODUCE」も展開している。
20代から上場企業の経営に携わってきた、取締役兼執行役員の山下優司氏はU-PRODUCEについてこう語る。
山下U-PRODUCEは「まだアイデアはないが、事業を将来的に創りたい」「やりたい事業はあるけれど、創り方がわからない」といった人たちに向けたプログラムです。本気の意志がある全ての人を応援したいという考えのもと、ユナイテッドの社員だけでなく大学生にも門戸を広げています。
実際に事業を立ち上げているメンターのもと、しっかりと事業づくりを学ぶ機会を提供しています。ただ学ぶだけではなく、ユナイテッドの役員に壁打ちをしながら、自らが持つアイデアを事業にするために考え抜くことで、事業家としての大きな成長を得ることが出来ます。
彼らのようなエース人材の活躍には、その輝きを最大限に引き出す土壌があるようだ。ピッチを終えるといよいよ、ワークショップによる事業立案に取り組む。挑戦する学生たちの表情が、一段と緊張で引き締まった。
言葉の重みが違う。数々の現場を経験したからこそ刺さる助言
ワークのテーマは「3年後に20億円の売り上げを生み出す新規事業」の立案。あるECサイトを運営する企業の決算資料を元に、同社のアセットを使ったサービスを考えた。
4人1組でチームをつくり、4人のメンターが10分ごとにそれぞれのチームを回ってアドバイスを贈る。制限時間は90分。学生たちはどのようなビジネスアイデアを披露するのか──。
始まりこそ、誰もが自らの立ち位置を探っているように見えた。しかし、今回の参加者は約7割がすでに起業をしているか、起業を視野に入れている。徐々に自らのアイデアを口に出し始め、議論が活発に。立ち上がり、身振り手振りで考えを述べる学生も増えてきた。
真っ白だったホワイトボードは、時間が経つにつれて、アセットや競合のデータ、ターゲット、事業アイデアなどで埋め尽くされていく。
時間はあっという間に過ぎ去り、各チーム発表の時間に。学生のアイデアに対して、メンターも一つひとつフィードバックを返していく。
とあるグループでは、「服屋巡りアプリ」のアイデアが出た。ECサイトで集めた顧客の購買データからユーザーの服の好みを割り出し、位置情報を元に現在地から近いオススメの衣料品店を教えてくれる。紹介される衣料品店は、EC事業に着手していない個人店だ。
そのアイデアに対して、メンターからは「そもそも、誰が使うのか」「紹介される個人店はECをやっていないのに、どうやって服の傾向をデータベース化するのか」といった質問が飛ぶ。
その質問を受け、学生たちはハッとしたような表情を浮かべた。自らのアイデアにとらわれるあまり、仮説が甘かったと気づいたのだ。
加えて「サービス提供側のメリットがわかりにくい」「そもそもECをやっていない個人店も少ないのでは」「時代はD2C。私ならばD2Cを展開する個人店をいかに巻き込むかを考える」などのアドバイスが伝えられた。
真剣な表情でフィードバックを一言でも聞き漏らすまいという気概が、学生から伝わってきた。彼らはメンターと接して何を感じたのか。イベント後に感想を聞いてみた。
就活準備を進める大学院生は、大企業やベンチャーの短期インターンなど、事業立案のワークを何度か経験しているという。だが、それらで得られなかった知見があったようだ。
「現場にいる人に話を聞けたのは、非常に貴重でした。大企業のインターンだと、現場とは離れてしまった人がメンターに付く場合が多いと感じていて。事業作りのために、どれくらい時間をかけて綿密にリサーチするのか、参考意見を伺えたのは良かったです。現場の人のアドバイスには、現実味がありますよね」
ベンチャー企業で長期インターンをしながら、この春に起業を予定する大学3年生は、イベントの温度感にも触れてくれた。
「事業アイデアに対して、経営的視点でのアドバイスをもらうことは少ないので、非常に新鮮でした。実際に事業を動かしている人のアドバイスは、言葉の重みが違います。学生同士の変な馴れ合いやマウンティングなどもなく、事業を真剣に考えている人が多い。とてもいいコミュニティだと感じました」
他にも「アイデアが浮かばないと感じた時、様々な角度からヒントをもらえた。事業家はピンチをチャンスと捉えるマインドがあるのだと感じた」「新規事業の立案において最も重要なのは、事業を成し遂げる心構えができているか。そう言われて、改めて今考えている事業に向き合おうと思った」などの感想が寄せられた。
メンター側も、学生への期待が高まったようだ。「フィードバックをすぐに取り入れ、アイデアを改善する学生たちの姿を見て、真面目で優秀な人が多い印象を受けた」「自ら場を仕切ったりアイデアを出したりする学生が多く、行動力があって素晴らしい」などの声が上がっていた。
現場で数々の経験を積んだメンターや同じ志を持った学生とのつながりが生まれた本イベント。前回のキックオフイベントでは、xGarageを通じて出会った学生同士で、共に事業をスタートした事例もある。
xGarageでは今後、現役の起業家を招いた事業の「壁打ち会」や、創業メンバーを探すマッチングイベント、メンバー同士でのサービス立ち上げなどを予定。現役起業家やベンチャーキャピタリストがメンターとなり、3ヶ月で事業をブラッシュアップする「xGarage 10x Program」も始動しており、2020年6月からは2期の募集も開始する予定だ。
人と人、人と情報の出会いの流動性を高め、イノベーションに怯まずに挑戦できる人材を生み出すべく、xGarageは伴に走り続けていく。
【御礼】コミュニティ募集は終了しました。
こちらの記事は2020年03月17日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
藤原 梨香
ライター・編集者。FM長野、テレビユー福島のアナウンサー兼報道記者として500以上の現場を取材。その後、スタートアップ企業へ転職し、100社以上の情報発信やPR活動に尽力する。2019年10月に独立。ビジネスや経済・産業分野に特化したビジネスタレントとしても活動をしている。
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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