我々の使命は「事業の永続性」と「公共性」のバランスを保つこと──学研DNAを受け継ぐ若手グループ経営陣に訊く、“社会インフラの構築”に欠かせない経営マインドとは
Sponsored日本で一番、高齢者住宅を運営している企業はどこか?
この問いを、あなたならどうやって考えるだろう。具体的な企業名まではわからなくとも、「介護業界や不動産業界の大手企業だろう」と想像する人が多いのではないだろうか。
しかしながら、驚くなかれ。実は日本一多くの高齢者住宅を運営しているのは、昨年よりFastGrowが取材で追いかけているGakken LEAPが属している、学研グループなのだ(2022年現在:出典『福祉施設・高齢者住宅定員数ランキング』by 高齢者住宅新聞社)。そう、児童向けの学習参考書や学研教室で知られる、“あの”学研グループである。その数は、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホーム、介護付有料老人ホームなどを合わせて、全国に505棟を数える。
しかしなぜ、子ども向けの学習コンテンツを手がけている学研が、高齢者を対象に?子どもの数は減り続け、逆にお年寄りの数は増え続けるのだから、次なるビジネスチャンスはやはり高齢者向けサービスということなのか……?
そこで今回は、日本最大の認知症ケア企業で、認知症グループホームの運営を全国で手がけるメディカル・ケア・サービス(2018年、学研にグループイン)代表取締役社長の山本 教雄氏、学研教室の運営を手がける学研エデュケーショナル代表取締役社長の川端 篤氏、学研グループ全体のDX推進を手がけるGakken LEAPの代表取締役・細谷 仁詩氏の3人を招いて取材を実施。いずれも、学研グループの経営メンバーでもある。
改めて、学研とは何を目指している組織なのかを問う。取材を進める中で感じられてきたのは、「一人も取り残さない社会をつくる」という強い使命感と、その想いを反映した事業づくりに込める、経営者としての矜持だった。
FastGrow読者の中でも、「社会課題を解決する」「世の中のインフラとなるプラットフォームづくりを目指す」と掲げる起業家・経営者にとっては必見の内容だ。
- TEXT BY MARIKO FUJITA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
“あの”学研が「高齢者向け事業」を展開?
そこに秘められる創業者の想い
たしかに私たちは、子どもの頃から学研の教材に触れてきたが、だからといって学研を「子ども向け学習コンテンツの会社」と捉えるのは誤りである。
2021年には、ダイヤモンド・ビッグ社が運営していた旅行ガイドブック『地球の歩き方』シリーズが学研グループに入り、事業継承したことが大きな話題となったが、子ども向けのドリルや学習参考書以外にも、実に多岐に渡る出版物を手がけてきた。
その1つが、医師や看護師などの医療従事者向けに出版している専門書籍や医学雑誌である。その歴史は古く、1975年の医学書専門出版社・秀潤社の設立まで遡る。以来学研は、半世紀近くに渡って、医学に関する専門的な知見を蓄積してきたというわけだ。
また2011年には、医療・看護向けコンテンツ配信事業を行う学研メディカルサポートを設立。医療従事者や介護福祉士・ホームヘルパーのスキルアップと生涯学習をサポートする、e-ラーニングツールの提供を行ってきた。
業界の外にいる人には見えていないだけで、学研は長年、医療福祉や介護の分野に取り組んできたのだ。
そんな学研が、最初に高齢者住宅を設立したのは2005年、いまから20年近く前のことである。新規事業を立案したのは意外にも、子ども向け学習教材の営業部隊だった。2005年となると、まだ川端氏、山本氏、細谷氏のいずれも学研にはジョインしていない時代の話ではあるが、当時を知る学研エデュケーショナル代表取締役社長の川端氏は、次のように語る。
川端もともと学研と言えば『科学』と『学習』という小学生向けの学習雑誌で知られていますが、当時、書店では販売することができず、全国の小学校にて直接、子どもたちへ販売をしていました。しかし、学校での販売も禁止となり、その後、地域の学習コンパニオンさん(通称:学研のおばちゃん)を通じて、訪問販売で提供してきた歴史があります。
しかしながら、1990年代後半に差し掛かると、お宅を訪問しても、子どものいるご家庭に出会うことが少なくなっていった。出てきてくださるのは高齢のご夫婦ばかりで、少子化がどんどん進行していることを当時の学研の営業メンバーは肌で感じていたそうです。
子どもの数が減り続ける中、高齢者向けの事業に取り組まなければ、学研の将来はないだろうと、社内の誰よりも臨場感を持って確信していたのでしょうね。
つまり、当初の目的は、既存事業に対する危機意識と新規市場の開拓であった。
ところがそこに、創業者である故・古岡 秀人氏の“託した言葉”が重なったことで、学研の高齢者住宅事業は、強い想いによって突き動かされ始める。
認知症グループホームを運営するメディカル・ケア・サービス代表取締役社長の山本氏は、創業者の言葉との運命的な出会いについて、以下のように振り返る。
山本高齢者向けの事業は、学研の創業者・古岡 秀人の託した想いでもありました。
ご親族によれば、創業者の古岡は晩年、「学研というのは、子どもへの教育で大きくなっていった会社だ。しかし、これからは高齢者に貢献していかなければいけない。少子高齢化社会の課題を解決する事業を行わなければならない」と、まるで遺言のように言い続けて亡くなったそうです。
学研の社員がその事実を知ったのは、高齢者住宅事業の企画が始まった後のことです。つまり、運命的に創業者の想いと新規事業が重なり、「これは学研が、社会に対してやらなければならない…」と勇気づけられ、覚悟が決まりました。
これからは、かつて「子ども」だった高齢者たちに恩返ししていく──。そんな創業者の想いを象徴するように、学研の第一号の高齢者住宅は、南千束にある創業者の邸宅跡地に建てられた。
単なるビジネスではなく、社会貢献という確固たる信念に基づいて、学研の高齢者住宅事業は、同社の中核事業に成長してきたのである。
OPENから1年で月間750万PV?
急成長を遂げるメディアの裏に潜む介護の実態
高齢者向け事業や介護の領域が成長市場であり、社会的意義も大きいことについては、異論の余地はないだろう。
一方で、この業界にネガティブなイメージを持っている人は少なくない。そうした現場に実際に足を踏み入れる機会はほとんどなく、メディアでは、労働の過酷さばかりがセンセーショナルに取り上げられるからだ。
今ではメディカル・ケア・サービスの代表として、業界の魅力を堂々と語る山本氏でさえ、かつては「介護」という事業領域に対して「暗いイメージで、できれば避けて通りたい仕事」といった印象を持つ、若者の一人だったという。
山本気づいたら17年も介護業界にいますが、この業界に足を踏み入れたのは、偶然の出会いがきっかけです。
私は、学生時代からずっと自分で事業をやりたいと思っていて。とはいえお金もなく、まずは地道に資金と経験を積み上げるしかないと。大学が防衛大という特殊な環境もあって、まずは組織について学ぼうと、究極のチームワークや組織的行動が求められる自衛隊(航空)に行きました。その後、モノを売る力がなければ商売は始まらないと考え、外資系企業の営業職に就き、無我夢中で働いていました。
ある日、ひょんなことから、アパマンショップの創業者の一人であり、メディカル・ケア・サービスの創業者でもある高橋 誠一さんを紹介され、「一緒に働かないか」と声をかけてもらったことを機に、今の会社で働くことになったんです。
てっきり不動産関係の仕事がメインかと思ったら、「山本くんには介護の仕事をお願いする」と言われて。当時は業界のことを何も知らなかったので、「え?介護…?」という印象でした。正直、当時は進んでやりたい仕事とは思えていませんでしたね。
しかしながら、何も結果を出さずに逃げるわけにもいかない。当初は気が重たいながらも運営する認知症グループホームへ足を運んでみると、そこで介護の仕事に対するイメージがガラリと変わったのだという。
山本結果から言うと、イメージとは真逆で、開放的でめちゃくちゃ明るい場所だったんです。正直驚きました。こんな介護施設があるんだと。お世辞抜きに、「将来は、こんな場所で親が暮らして欲しい」と思えるような施設でした。特に現場のスタッフたちは熱意に溢れていて、「こんな施設を運営する介護企業があったのか!」と感動したことを覚えています。
また、現場に入ったことで課題も沢山感じました。社会にとってこんなに価値ある取り組みをしているのに、なぜ世の中からネガティブなイメージで捉えられてしまうのか。なぜ従事している介護職の処遇は十分に報われず、社会的評価が高まらないのかと。
この業界の実態は、今でもあまり世間に知られていないと思っています。かつての自分もそうでしたが、介護は、身近に要介護者がいない人にとっては非日常の世界です。そのため、要介護者がいる家や施設の中で行われていることに接する機会はほぼありません。
いざ自分の身の回りの人に介護が必要になった時、どんな手続きをすればいいのか。認知症にしても、病院の何科にかかればいいのか、ほとんどの人がわかっていない。そして、流通している情報自体、そもそも少ないといった課題があります。
介護現場の実態を目の当たりにした山本氏。良質な介護施設を全国に広げるとともに、介護に関する情報をより多くの人に届けようと、学研グループにジョインした後の2022年に立ち上げたのが、家族の介護と健康を支える学研の情報サイト『健達ねっと』だ。
医療や健康に関するWebメディアと言えば、業界では数年前にいくつものサイトが炎上、閉鎖に追い込まれるなどしたセンシティブな領域ではある。しかし、『健達ねっと』には“顔の見える”専門家によるコンテンツが並び、これまでの他企業が運営していたような信憑性に乏しいサイトとは一線を画すWebメディアであることが分かる。
まさに、長年にわたり医療専門書籍の出版も手掛けてきた学研のリソースがうまく活用された新規事業であり、オープンから1年で、月間750万PVを超える一大メディアへと成長している。今までの介護領域がいかに情報不足であり、またいかにその情報をユーザーが欲していたのかが分かる数字ではないだろうか。
全国16,000教室、43年間築いてきた教育ノウハウをオンライン化。詰め込み型教育にはない人間力の醸成を
では、これからの学研は高齢者のための会社になるのかというと、それもまた違う。
学研が目指しているのは、「0歳から100歳を超える高齢者まで、誰もが安心して暮らせる社会」の実現だ。向き合っているのは、ありとあらゆるライフステージにいる人たちである。
例えば、学研の中核事業である子ども向けの事業も、進化し続けている。
全国に16,000教室を展開する「学研教室」や幼保園内で実施している「学研幼児教室」、ショッピングセンター内で展開する「めばえ教室」、「学研スクエア」など、さまざまな子ども向け教室の運営を手がける学研エデュケーショナルの代表取締役社長・川端氏は、「非認知能力への注目が集まる中で、学研教室の教育が、今再び評価され始めている」と語る。
川端「学研教室」は、今年2023年で43年目を迎えます。開室以来、単に勉強を教えるというより、言わば「人間力」のようなものを育む空間として機能することを大事にしてきました。
学研教室は、指導者が、子ども一人ひとりの学力到達度を確認して個別最適な教材を選び、それぞれのペースで学習を進めていきます。指導者は教え込む指導ではなく、子どもの「やってみたい」という気持ちを尊重し、適切なアドバイスと励ましで、主体的に学ぶ力と自分でやり抜く力、そして「わかった!できた!」という喜びを身につけていきます。
また、一般的な学習塾とは違い、幼児から中学生まで、異年齢・異学年が同じ教室で学びます。それにより、おのずと、他者を尊重する気持ちや協働力、共感力、あいさつや礼儀などといった社会性も身につけていきます。
テストの点数を上げるだけの学習塾は世の中にたくさんあります。ですが、教材を通して、計算や読み・書きといった基幹学力=「認知能力」と、主体性、自制心、やり抜く力、問題解決力、自己肯定感や自己効力感などの「非認知能力」の両輪で、変化の激しい世の中を生き抜くための自学自習力=「生きる力」を育むことができるのは、学研教室だけです。
インプット重視・詰め込み型教育が疑問視され、「非認知能力」に注目が集まる現代において、創業以来43年間大切にしてきた学研教室の価値観が再評価されているように感じますね。
そして、2022年4月には、オンライン完結の学習サービス『学研教室オンライン』をリリース。
『学研教室オンライン』は、コロナ禍により通室学習が制限され、子どもたちが自宅学習を余儀なくされたことをきっかけにニーズが拡大しました。「すべての子どもたちに学びを」は学研教室の理念の一つです。地域に学研教室がない、病気やケガ、送迎ができない、経済的困難などの理由で、教室に通えない子どもたちがたくさんいます。
またフルタイムでの共働きが当たり前になり、ご家庭で子どもの学習をみてあげられない保護者も増えています。
このように、地域差・所得差に関わらず、どのような環境下でも良質の教育を届けたい。
『学研教室オンライン』は、全国どこにいても、場所・時間を選ばず、学研教材で学ぶことができます。また、昨今社会問題となっていますが、学校に通えない子どもたちが増えています。そんな子どもたちの「学びを止めない」ために、『学研教室オンライン』の社会的意義はさらに高まると考えています。
ただ稼ごうと思えば稼げる。しかし、学研のDNAに刻まれた「公共性」がそれをさせない
創業から77年間、信念に基づいて子どもたちに「学び」を届け続けてきた学研。
しかし、他の学習塾や児童向けの通信教材に比べると、「〜が印象的なサービスだよね」といった想起が得づらいのかもしれない。
実際、山本氏も、「学研は『見せ方が下手』『商売が下手』と、言われることがあったりします」と苦笑する。しかしながら、そこに卑屈な印象は1ミリも感じられない。
なぜなら、学研は「できない」のではなく、「あえて、やっていない」だけだからだ。
山本学研は、創業者・古岡 秀人の「すべての人が手に取れるような形で、多くの人に教育・学習を届けたい」という想いから始まっています。どれだけ素晴らしい教材であっても、どれだけ利益が出る事業であっても、限られた人しか手が届かない、また大義が見いだせないものはやらないんです。学研には、「公共性」と「事業性」の両立という考え方が、すべての事業のベースにあると思っています。
我々が提供している高齢者住宅の事業で言えば、「公的年金価格帯のものを提供する」ということを決めています。月額50万円、100万円の老人ホームも、一部の人には確かに必要ですが、それでは大半の人には手が届かない。
もちろん、そうした富裕層向けの高価格帯サービスの方が事業として利益が出せるかもしれません。でも、社会にとって最も不足しているのは、一般的な年金生活者の方が、普通に入居できる高品質な高齢者住宅です。「公共性」と「事業性」の両立を重視する学研として、どちらを向くべきかは明らかです。
山本介護業界は常に人材不足なので、例えば人材紹介や派遣業も事業として行えば収益化できるかもしれません。
一方で、人材紹介や派遣業は人材不足が加速し、市場が不安定になったり、流動性が高いほど収益化できるビジネスという見方もあります。社会や事業者にとっては、正規雇用が中心で、人材市場が安定している方がいいですよね。
だから、学研が選んだ選択は、介護・保育資格取得者を輩出するアカデミー事業(学研アカデミー)でした。新規の有資格者を自社だけでなく、市場に供給することで人材不足の解消、安定化に貢献するという選択です。
事業性を追求することで、公共性が損なわれてしまってはならない。それを両立させる手段に汗をかく。事業を通じて、世の中に何が起こっているのかが重要なんです。
ここまで言行一致が徹底された企業があるだろうか。限りなくギリギリまで「公共性」を追求したい。社会に本当に必要とされているサービスを届けたい。
そんな強固な信念があるからこそ、「商売下手」と言われようが、学研は自らの道を進んでいくのである。
「公共性」と「事業性」の両立にDXは不可欠。
Gakken LEAPが担うは60社を超えるグループ全体の変革
社会に本当に必要とされているサービスを届け、0歳から100歳を超える高齢者まで、誰もが安心して暮らせる社会をつくる。
その想いを実現するための資金源として、「利益」は重要である。しかし、ユーザーにその負担を強いたくはない。それでは、本当に必要としているユーザーにサービスが届かなくなってしまう。
そこで重要になってくるのが、効率化・デジタル化と付加価値の創造による利益率向上、すなわち「DX」である。
とはいえ、学研のような歴史ある企業がDXに取り組むのは、そう容易なことではない。加えて学研は、60社を超えるグループ企業から成っており、これらの企業が1社ずつ個別にDXを進めていくことは、とても効率的とは言えない。
そこで、学研グループに外部からDX変革を促し、デジタル技術を活用した非連続的なサービス開発に取り組む組織として、2021年に設立されたのが、Gakken LEAPである。
代表取締役CEOを務めるのは、マッキンゼーアンドカンパニーでパートナーを務めていた細谷 仁詩氏。CTOは、日本経済新聞社にて『日経電子版』の創刊や『日経ID』の企画・開発を行い、同社のDXを推進してきた山内 秀樹氏と、学研の“本気”が伺える顔ぶれだ。
自社プロダクトの開発と同時に、学研グループ各社へのDXコンサルティングも手がけるGakken LEAPだが、グループ会社の視点では、同社はどのように見えているのだろうか。
川端氏と山本氏は、「変革の旗印であり、期待しかない」と口を揃える。
川端学研は、創業当時からお客様のためにより良いコンテンツを届けていくために77年間走り続けてきた会社です。しかし、コロナ禍での環境の変化による急速なDX化など、全社での大幅な改革は頭では理解しているものの、実際にはなかなか思うように進みませんでした。
そんな課題感を持つ中、社内組織再編の検討時に、「今の組織体に新しい風を送り込めるピカピカ輝く会社をつくろう」ということになり、そこで発足したのがGakken LEAPです。
Gakken LEAPができたことで、グループ各社にも大きな影響を与えてくれており、更に強いグループになると確信しています。私たちも刺激を受けて、自分自身のアップデートにつながっていると感じますね。
山本私たちには、これまで培ってきたさまざまなリソースやノウハウは多くあるものの、デジタル技術を活用した事業開発やDXのためには、既存のものとはまったく異なるリソースが求められます。
また、兼ねてよりデジタル技術の内製化は、絶対的に必要なことだと思っていました。従来のように外部のベンダー任せでプロダクトを作っても、こちらが思っていたものと微妙にずれたものが出てきたり、内製でつくる以上のクオリティのものは作れないからです。
その点、Gakken LEAPができ、デジタル領域でパフォーマンスを発揮できる人材が集まり、プロダクトを内製で作れるようになったことで、デジタルを活用したビジネスの成功確率が飛躍的に上がったように感じます。
グループ間の交流も増え、様々なシーンで相談や壁打ちをできるようになってきたので、Gakken LEAPを起点にグループ全体が盛り上がりを見せてきていると感じていますね。
0~100歳まで、誰もが安心して暮らせる「社会づくり」を推進する
Gakken LEAPは、学研が持っているノウハウやリソースを活かしつつ、既存の制約に縛られず、自由な立場で学研グループ及び教育・福祉業界の改革に取り組む。しかも、元マッキンゼーパートナーの細谷氏と元日経の山内氏という“本気”の布陣でだ。
そんな座組みで立ち上げられたGakken LEAPは、またたく間に人を惹きつけ、創業から1年を待たずに25名規模の組織に拡大。学研グループの内外から、エンジニアやデザイナー、そしてプロジェクトマネージャーや編集者らが集まり、それぞれの課題意識のもとで、新たなプロダクトの創出にチャレンジしている。
細谷自分でゼロから新規事業をやりたいという人もいれば、学研の持っている領域の一部、たとえば幼児教育の部分にこそ興味があるという人もいれば、医療福祉の分野にこそ関心があるという人もいる。
Gakken LEAPは、そうしたさまざまな課題意識を持つ人が、自由にチャレンジできるフィールドでありたいと思っています。
その言葉を体現するかのように、Gakken LEAPでは、保護者と学習塾をつなぐアプリ『マナミル』、学研教室をオンライン完結で学べる『学研教室オンライン』、大人が学べる新サービス『Shikaku Pass』*など、新規プロダクトを既に続々リリースしている。
しかしながら、教育と医療福祉の業界に横たわる課題は巨大だ。その解決のためには、Gaken LEAPはもっと大きく、強力なエンジンとならなければならない。
細谷氏は、とりわけ自ら企画立案して推進できるプロダクトマネージャーや事業に強いコンサル経験者が足りていないという。
細谷Gakken LEAPが起点となって、各グループ企業の抱える課題を解決していきたいんです。ただ、学研には約60社ものグループ会社がありますし、それぞれの企業が抱える事業やサービスも多岐に渡るので、そうした企画ができる人がまだまだ足りていないという課題はあります。
また、人員体制的なところもそうですが、これからGakken LEAPがどんなプロダクトをつくり、どうやって価値を発揮していくべきなのかについても、まだまだ模索中の段階。学研は今まさに変革期であり、次の10年〜20年をどうやってつくっていくのか、日々、試行錯誤している状況です。
こうした変革期においては、組織も人も、そこにある仕組みも含めてあらゆるものが高速で変化していきます。そんな中で未来の理想を描きながら事業づくりに携われる経験は滅多にできないと思うので、そこに向かって一緒に進んでいける仲間と出会えたら嬉しいですね。
立ち上がったばかりのGakken LEAPが、これからどんな成長を遂げていくかは、まだ見ぬ仲間次第でもあるというわけだ。教育、介護、医療福祉。何か1つ、あなたの胸に眠る熱い想いがあるならば、ぜひGakken LEAPの扉を叩いてほしい。
そこには、この社会の大きな課題に、学研グループのリソースを活かして自由にチャレンジできるフィールドが待っている。
【イベント情報】「社会変革論」を、Gakken LEAP代表細谷氏が、エクサウィザーズ石野氏と共に語ります
こちらの記事は2023年06月23日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
藤田マリ子
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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