資金調達を成功させる、
起業家のための7つの基本
正しい投資家と出会うのは、デートのようなものです。王子様を見つけるには、たくさんのカエルにキスをしてみる必要があります。
今回は資金調達中の起業家が、なるべく失敗を回避し、より多くの良い投資家を見つけるための7つの基本を共有します。
(この記事は500 Startups Japanブログからの転載です)
- TEXT BY MIYAKO YOSHIZAWA
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
500 Startups JapanはグローバルVCとして、その学びを日本のスタートアップエコシステムに関わる皆様に提供しています。
今回は500 Startupsのモバイルコレクティブファンドのパートナー Edith Yeung氏による、資金調達を控える起業家のための基本をご紹介します。
正しい投資家にピッチする
全ての投資家が同じというわけではありません。シードにしか投資しない投資家もいれば、シリーズAだけにしか投資しない投資家もいます。
投資家にアプローチする前に、まずは事前に十分な調査を行い、確実に自分たちのターゲットとなる投資家にアプローチしましょう。投資家は次の5つの特徴で、分類することができます。
- 投資ステージ (シード、シリーズA、シリーズB、シリーズCなど)
- 投資金額の規模 (例えば、5万ドル〜15万ドルなど)
- 過去6ヶ月間に何回の投資を行ったのか (その投資家がどれくらいアクティブかわかる)
- 特定の領域に注力している場合には、その分野
- 投資地域(多くのシリコン・バレーの投資家は、ベイエリア以外の地域に出資しない傾向がある)
目的を持ってピッチする
同僚のAndrea Barricaが、Maya Angelou氏(米国を代表する作家で、黒人公民権運動で積極的に活動した人権運動家)の次の名言を教えてくれました。
私がこれまで学んできたのは、人はあなたの話した内容など忘れてしまうこと、人はあなたのしたことなど忘れてしまうということ。
しかし、あなたがどのような気持ちを彼らに引き起こしたのか、だけは忘れないということだ。
ピッチが終わって立ち去る際に、投資してくれるかもしれない投資家に何をして欲しいと思っていますか。これを心に刻むと、恐らくあなたの語るストーリーやその話し方は変わってくるでしょう。
あなたのストーリーを上手くまとめよう
長々と話すよりも、短くまとめることの方が難しいものです。
物心ついてから今までのあなたの人生で起きた、あらゆる出来事を全て話すことは簡単なことです。しかし、投資家が本当に知りたいことだけに絞るのはとても困難ですが、より彼らを引きつけることができるでしょう。
めんどくさがったり、自分勝手になってはいけません。更に20%の努力をし、関係する事柄で、あなたとあなたのスタートアップが特別なものであると分かるようなストーリーだけを厳選しましょう。
プロフェッショナルらしくピッチしよう
ピッチでは、次の2つのことを伝えなければいけません。
- Why You? なぜあなたが最も相応しい人なのか
- Why Now? なぜ今あなたに投資すべきなのか
準備ができたら、確実に次の事柄をピッチ内容に含めるようにしましょう。ただし、トラクションやデモがある場合には、常にそれらから始めるべきです。
ピッチで押さえておくべき11の事柄
- トラクション
- 収益
- ユーザー数やダウンロード数
- ユーザーエンゲージメントを示す指標
- 主要な提携先
- プロダクトのデモ(もしあれば、ですが作るべきでしょう)
- 市場規模とターゲットの市場
- ユーザーの課題、ペインポイント
- プロダクト
- チーム (チーム、投資家、アドバイザー)
- 技術
- ビジネスモデル
- マネタイズモデル
- 競合
- 市場の状況、トレンド
全体像を把握する
私がこれまでお会いした、ほとんど全ての起業家は自分たちのプロダクトを愛しています。しかし残念なことに、投資家としては、彼らが自分のプロダクトを気に入っているというだけでは投資しません。
私は「ビジネスをどのように創るべきか」ということを本当に理解している起業家を求めています。競合、市場、規制環境や政策の変化といった全てのことを説明できるべきです。
24時間以内にフォローアップ
初めて投資家と電話で話したり、直接ミーティングで会った後は、必ず24時間以内にフォローアップしましょう。そして次の内容をフォローアップのメール内容に含めるようにしましょう。
- お礼の挨拶
- ピッチのスライド
- 現在のトラクション
- チーム
- アクションアイテム(やるべきこと)
- 投資家への質問事項
- フォローアップのミーティングもしくは電話をお願いする
熱意と誠意を見せる
スタートアップを立ち上げるということは、本当に大変なことです。
投資家としては、状況がより一層厳しくなっても逃げ出さず、何があっても実現しようとする人を求めています。熱心に働くということ、そしてどこでより一層激しく働くべきか知っていることであり、どこが(まだ)できていないのかを知っているということでもあります。
本当のあなた自身を見せ、誠実でありましょう。「わからない」と言ってもいいですし、必ずしも全ての答えを(現時点で)持っている必要はありません。しかし、根気強さと誠実に取り組む姿勢を持っている必要があるでしょう。
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こちらの記事は2018年06月04日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック(デジタルヘルス)企業に関して取り上げるオンラインメディア、HealthTechNewsを立ち上げ、2016年M Stageに売却。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、500 Startups Japanに参画。500では新規投資先の獲得のほか、ファンドと投資先のマーケティングやPRも支援している。2017年9月には米国の非営利団体HealthTech Womenの日本支部を立ち上げ、ヘルステックに関心のある医療従事者・コマーシャル人材・テクノロジー人材の交流やコラボレーションを支援している。
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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